三方よしカレンダー

2017年9月21日木曜日

第118回NPO三方よし研究会(報告)

日時:平成29921日(木)18:3020:30
会場:近江八幡市立総合医療センター

〇情報提供
①がん患者サロン「よしぶえ」
②第7回東近江圏域がん診療市民公開講座
③市民公開講座「ハートチームで治す心疾患」
④西洋医学のためのKANPO講演会
⑤東近江圏域介護職員初任者研修
⑥診療所を中核とした地域医療経営人材育成プログラム

司会:近江八幡総合医療センター 嶋田さん
〇ご挨拶
・蓑内先生

・宮下院長:当番病院としてぼちぼちネットさんと共に幹事をさせて頂きます。長寿において長野県を抜いて滋賀県が1番となった。一人あたりの医療費が少ないのが、埼玉県などの関東圏域、医者が多いのが高知県、滋賀県は長野県と一緒でお金をあまりかけずに長寿になっている。滋賀県は環境が良いのかもしれない。当院では患者総合支援課を作り、入院前に退院に向けたプランを作成するようにしている。近頃、子育て支援も含め病院としても新たな取り組みを検討しています。
本日は活発な意見交換により、有意義が研修となることを願っています。

30分学習会
テーマ:当院における重症くも膜下出血症例の検討
近江八幡市総合医療センター脳神経外科部長:中島

G1G544歳症例報告、mRSについて
・重症者ほど再発率が高い
・当院では重症者についても命を守る為に、積極的に早期治療を行っている。

リハビリテーション科 PT:吉田、OT:杉田、ST:飯島

〇症例提示 
40歳代男性、ドクターヘリ(適用条件は突然の頭痛、意識障害)の適用、JCS3→搬送中に昏睡状態(G5
・緊急手術→早期からリハビリテーション→水頭症に対してシャント術→近江温泉病院へ
※半身まひ、言語障害、mRS
・入院1か月目:リハの開始。意識障害に対する覚醒、廃用症候群に対して離床
・入院2か月目:リハの進行は難渋 ST:感覚性の失語あり 言語のみの会話は不可、胃婁増設
・入院3か月目:PTOT:前腕支持型の歩行器での移動が可能になる。
・入院4か月目:食事は注意力が改善し、経口摂取が経管と合わせてできるようになる。

近江温泉病院 総合リハビリテーションセンター PT:加藤、ST:岩本

・現在は求職扱い。KeyPersonは妻、週2回の面談あり。
 可能な限り在宅、職場復帰を希望。
FIM31、様々な高次脳機能障害あり。車椅子からの立ち上がりによる転倒あり。
中等度から重度のケアが必要。失禁あり。入浴は機械浴で全介助。
※多くの日常生活動作に介助が必要。対話を伴わない、対人交流は良好。
・治療方針は脳機能と回復と再建できない脳機能をどのように補うか。
 服の位置が分からないので、絵などで表示。家族の見守りでの外泊を誕生日に合わせて行う。MSWを中心に退院後の就労支援を行った。家族の不安軽減の為に、家族会への参加を促す。
 FIM108まで回復。独歩での移動が可能。入浴は見守り。妻と共に職場の見学を行った。
 県内施設に入ることで退院となる。

コメント:滋賀県高次脳機能障害支援センター 三田村

・当センターは県からの委託を受けて活動している。
4カ月後:メモリ―訓練を行い、複雑な図形の模写、スケジュールの作成も自身でできる。着替えは見守りなしで可能。洗濯機も一人で利用可能。在宅生活に移行するにあたっては戸惑いも予想されるが、多職種での連携が必要となる。
G5の方がここまで回復できたのは急性期からの連携の成果。

〇質問QA
Q:精神保健センター:辻本先生
・すばらしい、バトンの渡し方、こうなればよいと思った。
・最初は難しいところ命を救って頂いている。途中から生活を救う、高次脳機能障害への対応に移っているが、家族への説明など、どのタイムミングでされたか、教えて頂きたい。
A:近江温泉病院MSW:辻尾
・相談に来られた際に、妻はとても疲れた様子。事前訪問した際に、病状に対する不安が見えられたが、外泊を行い。家庭に戻れることを確認して、同じ病状に苦しむ家族さんとの家族会に入ったのが、福祉ケアのタイミングであった。

小串医院:小串先生
Q:礼節と言う言葉はよく使用するのですか?→A:最初から礼節を保てていた。

〇グループワーク
司会:瀧川さん
・ぼちぼちネット竜王の紹介
三方よし研修会を参考に、地域で平成25年にスタートした。会則も三方よしを参考に、皆で勉強して行こうが主旨。事務局は瀧川が自由に行っている。2か月に1回、30名程度で平等な立場で行っている。

・事例検討
テーマ「こんなときどうする?重度心疾患の母と障がいをもつ息子世帯への支援」
WSさん、娘婿がKeyPerson、心筋梗塞、冠動脈・・・認知症、
H266月:心臓疾患で入院、介護保険の適用
H268月:サービス未利用

H281月:腰痛で緊急搬送。包括で訪問
H282月:検査結果が良くなく、服薬管理ができていないと、包括が介入。
      ・服薬管理
・電話機の購入、トイレの清掃、ぼちぼちネットで検討
※料理はほほせず、出来合いのものを食べてる。洗濯は本人、干すのは息子。買い物や通院以外は外にでない。
※息子さんが支援を受けながら、自立するにはどのような支援が必要か?
※息子:体重が120㎏、ほとんど誰とも話さない、週1回デイケアに参加。介護サービスは必要ない。声をかければ、掃除機をかけることも、来客者に対してお茶をだすこともできる。

〇本人と息子さんへの支援について
1. どんな支援(サービス)が必要でしょうか?
2. その支援(サービス)を導入する方法は?

〇発表
A:行政等が時間が掛かっても家庭内に入れるように関係づくりを行っていく。配食サービスに服薬支援をして頂くなど、協力者を増やしたい。
B:息子さんとの生活が生きがいである。生きがいであっても常に一緒であれば介護負担の軽減につながらないので、デイケアの利用回数を増やしたい。
C:優先順位を考慮して支援していく。息子さんの外出の機会を増やす努力が必要。
D:息子さんの状況が分からないので、例えば息子さんが参加されているデイケアの支援方針を知ると関わり方が分かるのでは?障害分野との連携が必要になってくると思う。できること、できないことを見極めて、支援を行っていく。成年後見など視野に入れた支援が必要。
E:想像を膨らまして、買い物、服薬管理なども検討した。心疾患の負担がどれくらいなのか訪問看護系で見極めてヘルパーに繋げたい。近所の繋がりも大切にした。
F:母の服薬管理が難しい理由を確認する必要がある。1日分の薬が出てくる機械もあり、さまざまなことを検討したい。
G:現状で何に具体的に困っているのか、アセスメントが必要。息子さんのことを母がどのように思われているの?具体的に何に困っているのか明確にする必要あり。
H:今されている支援が良いバランスではないか?たまには服薬を忘れても良いのでは?もともと二人で生活されていたので、過度の支援は生活を崩してしまう可能性がある。生活を支えていく支援として、母が亡くなった後のことも検討を今から始める必要がある。
I:母親が服薬できる環境が大切。息子だけになった時にどうするかを検討する必要ある。又息子への体重管理が必要。母親を試験的に施設に入って頂き、息子さんの能力を知る必要がある。
J:早前のアプローチが大切、本質は働く理由が分からない息子への就労支援。

〇その後の発表
・奥村:支援者を頼りながら二人くらしをしようと思っていた矢先に、H292月に訪問を拒否。なかなか会えずに民生委員がなんとか息子さんに頼んで自宅に入る。容態が悪い本人に対して緊急入院。3月に入り面会が可能となり、退院時に介護保険申請。
本人の了解を得て、いつもの支援メンバーにケアマネも入り、訪問介護、訪問看護の支援に繋げることができた。又息子がどこかに行ってしまうのではとの思いが介護拒否の原因であることが分かり、本人の思いを大切にしながらの支援を行うことができた。
・東森:結論として母と関わったのは入院までの半月程度。ケアマネとして入らせて頂き、本人と面談し、訪問看護に繋げることができた。(面談の翌日が退院)1週間後に担当者会議を開催し、訪問介護を導入することができた。ケースを担当させて頂いて、支援体制の構築にスピードが必要だと感じたが、ぼちぼちネットの関係を多職種での支援に活かすことができた。(ぼちぼちネットが大好きです。)

・コメント:
・ケアプランセンターカルナハウス 前田さん
 私たちが入る前に、諦めの気持ちがあることを分かって支援する必要があるとの書物を読んではっとさせられた。今回のケースがまさしく、そのようなこと。専門職をつないでいく役割が介護支援専門員の役割りだと思いますので、例えば介護職員初任者研修などでの和を広げて頂きたいです。
・永源寺診療所:花戸
8050問題ってご存知でしょうか?80歳の母に、引きこもりの50歳がいるなどの問題。
私の担当する事例でも同様のことがあり、就労支援とも連携している。
ぼちぼちネットさんと同じで、永源寺にはコミュニティベースのチーム永源寺があり、疾患中心の垂直連携と、地域中心のコミュニティケアの連携が求められている。

辻本先生:地域包括ケアシステムの方針が打ち出された。精神障害者が地域包括に入ることができれば、他の方も入りやすい。こういった支援を広げて頂いていることに感謝の気持ちです。

〇自己紹介
・小串先生より、始めての方の紹介。

〇次回の紹介
・加藤:第119回三方よし研究会は、今回と同じ会場で開催します。

〇三方よし研究会MLの紹介
・花戸:MLの紹介

〇三方よしポスト
・山本:気になったこと、なんでもメッセージを頂きたい。

〇入会・継続の案内
・小梶;入会・継続の手続きをお願いします。

〇風船バレー
石黒:10/11開催予定。是非、参加・見学に来てください。


2017年9月14日木曜日

第118回 NPO三方よし研究会のお知らせ

118回 NPO三方よし研究会

日時:平成29921日(木) 18:3020:30
会場:近江八幡市立総合医療センター よしぶえホール
当番:ぼちぼちネット竜王、近江八幡市立総合医療センター

ゴール
・脳動脈瘤、くも膜下出血に関する医学的知識とその支援事例について学び、理解する。
・地域の困難事例への支援について医療、介護・福祉、行政等多職種で考える。
・グループワーク、発表等を通じて、お互いに顔を見える関係性と連携を深め合い、支援が円滑になる。


【情報提供】
・がん患者サロン「よしぶえ」について
・第7回東近江医療圏がん診療市民公開講座
・市民公開講座「ハートチームで治す心疾患」
・西洋医のためのKAMPO講演会


【挨拶】
近江八幡総合医療センター 宮下院長


30分学習会】
テーマ「当院における重症くも膜下出血症例の検討」
近江八幡市立総合医療センター 脳神経外科部長 中島正之 先生
リハビリテーション科 理学療法士 吉田ひかり さん
           作業療法士 杉田美紀 さん
           言語聴覚士 飯島里香 さん


【事例検討】
テーマ「こんな時どうする?重度心疾患の母と障がいをもつ息子世帯への支援」
竜王町地域包括支援センター 保健師 奥村佳代 さん

【グループワーク】

【発表】

【まとめ】


【コメント】

【事務連絡】
第119回 三方よし研究会 平成29年10月19日(木)18:3020:30
会場 近江八幡市立総合医療センター