第202回三方よし研究会を開催しましたので、ご報告いたします。
◇日時:令和6年10月17日(木) 18:30~20:30
◇会場:東近江市文化交流センター(ZOOMを活用したハイブリット開催)
(当番:東近江市役所、まちづくりネット東近江、東近江市社会福祉協議会 )
ゴール
〇滋賀県における⼦育て・子育ての現状を考える
〇地域における⼦どもを中⼼とした「みんなの居場所づくり」の必要性や効果を考える。
〇医療・福祉の専⾨職それぞれの強みを活かして、地域の居場所づくりに対して、できること、⽇々の連携について考える。
【情報提供】
・三方よし研究会主催 介護実務者研修の開催について:楠神
当会主催の介護実務者研修が7名の受講者を迎えて開催しており、11月に修了予定です。介護人材が不足するなか、人材の確保・定着に向けて、このような取り組みを今後も継続していきたいと思います。
・第204回 三方よし研究会の開催について 日時:令和6年12月21日(土)16:00~ 場所:八日市ロイヤルホテル:小原
令和6年12月21日(土)16:00~から八日市ロイヤルホテルにて第204回 三方よし研究会を開催します。研究会後には懇親会も企画しておりますので、ぜひ予定していただけると幸いです。
【20分学習会】
『滋賀県における子ども食堂の状況と拡がり』
社会福祉法人滋賀県社会福祉協議会 地域福祉課
地域養護・はぐくみ係 三宮 千香子 さん
子供食堂全体を見渡すと、このあたたかいご飯を通じて人と人が出会い、繋がり合える場所だと感じています。子供だけでなく、訪れる大人の方々とも出会いの場になってほしいと思っています。
ある子供食堂の話を聞くと、子供の通学を見守ってくださる方やPTAの当番をしている保護者が、どちらも子供のことを見守っているのに、大人同士で話したことがなかったといいます。しかし、子供食堂で初めて出会い、会話ができるようになったというお話もありました。
先ほど挨拶運動の話もありましたが、子供たちが知らない人に声をかけられると、「声をかけてはいけない」と教えられたりすることもあります。大人でも、子供たちに返事ができないことが多いと聞いています。挨拶も、挨拶を禁止しているマンションもあるそうです。少し寂しいなと思いますが、知らない人同士が声をかけあうことで、地域でのつながりが生まれ、子供食堂の日だけでなく、近所のスーパーで会ったときにも声をかけあえたり、家族のようなつながりができるのではないかと思っています。
子供食堂は、先ほど申し上げた通り、子供と子供、子供と大人、大人同士がつながり合える場所としてお話ししています。県内には220か所の子供食堂があり、それぞれ運営の方法が異なります。しかし、それぞれの立ち上げた思いや運営方法には様々な工夫がありますが、以下の4つの共通点があると思っています。
1つ目は、1人1人が大切にされる場所であることです。この場所に来たら、みんなと遊んでもいいし、宿題をしてもいいし、今日は疲れているから何もしなくても大丈夫です。子供たち1人1人の気持ちを大切にする場であってほしいと思っています。家庭でも学校でもない場所で、学校の先生や家の人とは違う大人と話せることもあるのではないかと思います。自分のことを見てくれていると感じることが、子供たちがこれから生きていく力になるのではないでしょうか。
2つ目は、食べて帰るだけではなく、遊びや学びを通して子供たちが成長できる場所であることです。学びは学校の勉強だけでなく、一緒に料理をしたり、地域の文化や食事を知ったりすることも大きな学びです。昔遊びやゲーム、カードゲームなど、いろんな活動を通じて会話を楽しむことも学びの一環です。例えば、夏休みの自由研究や冬休みの書き初めなどは大変ですが、地域には得意な人がいて、一緒に調べ物をしたりすることができる素敵な場だと思います。
3つ目は、地域の中で応援団を作っていくことです。最初は子供たちとグリメンバーだけで始まったものが、活動を進める中で食材を提供してくださる方や、調理や遊びのボランティアが増えていきます。子供の声掛けに協力してくださる方や金銭的にサポートしてくださる方が増えることで、活動が豊かに長続きすると思います。子供食堂は地域の子供たちを見守る場として広がっていくことが大切ですので、運営メンバーだけでなく、地域の仲間を広げていくことが重要だと思います。
最後は、誰でも来られる居場所であり、孤独や辛さを抱えた子供たちが救われる場所であることです。子供たちがこの場所を求める理由はさまざまで、両親の帰りが遅くて夜ご飯を一緒に食べられない子や、外で遊べる場所が減っている中で友達と遊ぶ場所を求めている子、学校や家庭で生きづらさを感じている子もいます。また、親御さんにとっても、忙しい日々の中で少しでも自分の時間を持つことができる場所となり、また子供と再会することで新たな関係が築けることもあります。子供たちがこの場所で話を聞いてもらい、共感してもらえることが、心の支えになると思います。
子供たち一人ひとりの居場所の形は違いますが、まずはこの場所に行きたいと思っている子供たちが強く避難できる場所であってほしいと考えています。
次に、千葉県内の子供食堂の推移について少しご紹介します。2015年から始まった「それで学び5分の食事」の取り組みは、10月現在で220か所まで広がっています。この実施主体は、ボランティアグループなどの団体やまちづくり協議会が全体の70%を占めています。その中には、子供食堂のために立ち上げたボランティアグループも多く見られます。また、非営利法人や社会福祉法人も増えてきています。
イベントだけでなく、居場所として感じてもらえるよう、月に1回以上定期的に開催するところが多いです。また、子供たちの見守りが必要な長期休暇中に定期的に催されるところもあり、それぞれの自治体で地域のニーズや状況に合わせて開催されています。開催日程は、子供たちが安全に参加できるように、土日の昼間に行われることが多いです。最近では、学校に行きづらい子供たちのために、平日の昼間に開催される団体も増えてきています。
参加対象としては、小学校区での開催が最も多く、近すぎず遠すぎない距離感が子供たちが参加しやすい環境を作っています。参加人数は、数人程度の小規模なものから100人を超える大規模なものまでさまざまです。イベント開催時には、長期休暇に参加者が増える傾向があります。
最近では、地域の皆さんが知っている場所で安心して参加できることから、公民館や自治会館などの公共機関での開催が多く、社会福祉施設やお寺、教会内での開催も増えています。
地域団体の皆様にお願いしたいことをお尋ねしたところ、多くの団体が調理やボランティアの募集をしているという意見がありました。最近では、学習支援を取り入れる団体も増えてきており、学習ボランティアのニーズも高まっています。特に、食材の提供を求める声が多く、感染症対策としても食材のニーズが高まっています。また、皆で遊ぶためのカードゲームやボードゲームを希望する団体もあります。
全国子ども食堂支援センター「むすび屋」が発表した調査によると、千葉県の充足率は44.15%であり、昨年の調査では半数以上の小学校区に子供食堂が存在することがわかりました。
最後に、子供たちが様々な環境を知り、地域の大人として何ができるかを考えながら、みんなでご飯を食べ、話ができる場所を作っていければと思っています。家庭だけでなく地域の大人たちが一緒に子育てに関わることができるといいですね。
子供食堂の取り組みが地域のつながりの輪を広げ、何かあったときに助け合える関係が生まれていくことを願っています。私たちが今一番大事にしたいのは、地域の子供たちの笑顔です。ありがとうございました。
【活動報告】
東近江市愛東地区 『 子どもたちが創る 学生カフェ Fika 』
学生カフェFikaスタッフ・愛東くらしの会議(第2層協議体)楠神渉氏
学生カフェFIKAの皆さんは、夜遅い時間で参加できませんので、ビデオ録画での登壇ということでお願いをしております。
左から村山さんと横田さんとマツヨさん、この3人が今リーダーとなって活動をしてくださっております。 学生カフェFIKA、そもそもの始まりは、中学生議会でですね、提言されたことが始まりです。中学生議会っていうのは、今、東近江市の取り組みで、東近江市全域の中学生の方で、手上げ方式で、東近江市がこうなってほしい、こんな未来にしたらいいんじゃないかとか、こんな活動すれば市民がもっと元気になるんじゃないか、 例えば学校のことでもこういう取り組みをしたらいいんじゃないかとかいうことを、それぞれですね、学生さんが自分の言葉で提言される仕組みがあります。
ぶっつけ本番ではなくて、手を挙げてもらった方に、4回から5回のですね、自主勉強会の機会、グループワークの機会があって、そこで仲間とともに自分たちが提案したいことを煮詰めてですね。この写真は本議会になるんですが、実際に中央には市長に入ってもらったり、 教育委員長をはじめ、本番さながら、本当の議会と同じような内容で運行されます。
今年で3年目になるんですが、今回、学生カフェっていうのは、令和4年にあった1年目の取り組みで提案された内容になります。
中学生議会で提言内容
・愛東中学校の生徒が、田舎の少ないクラスの中学校か ら高校に進学すると、多くのクラスがあり、人見知りなどで不登校になることが幾つもある。
・自分たちで中学生カフェを運営し、多くの人と交流する機会を通じて、人間関係づくりに慣れることを目指したい。
・愛東に暮らす全ての世代の皆が交流できる場、世代を超えた新しいコミュニティベースを作りたい!地域に根ざした繋がりを持つことでより良い愛東をつくりたい!※この提案は令和4年度の中学議会でなされましたが、ゼロ回答だったため、愛東くらしの会議、愛東地区のまちづくり協議会等の団体が協力して、この思いを実現する取り組みを進めています。
中学生議会で、先ほどの3名の方が中心になって提言されたんですけど、その皆さんの方にアポイントを取って、もし本当にやりたいんだったら、 大人、おじさん、おばさんはね、応援する準備があるけど、どうする。って言ったら、中学生の方から回答が返ってきて、すごくやらしてもらえるのが嬉しいんですが、1つだけ条件があります。たった1つだけですって言われて、どんな条件ですか。って言ったら、 中学生を主体にやらしてほしいんですと。大人がこの日にイベントを開くからおいでみたいな、そういうレールの上であるんだったら今回辞退しますという風に言われました。で、私たちは、もちろん願ってもないことなので、ぜひ中学生の方々が主体的になって活動くださいと始まっております。
〇開始した思い(村山さん)
1つ目は、私が中学生だった時、 学生は地域に興味を持っている人は地域の活動に参加している人は少ないなと感じたので、もっと地域の魅力を発信して、 地域に興味を持ってくれる学生を増やしていきたいと思ったことです。
2つ目は地域の人たちが財産関係なく交流する場を作ることで、地域のつながりを深め、 幅広い世代の人たちが色々に集まれる場所を作っていきたいと思い始めました。
学生たちは、本番のカフェに自信がないため、プレオープンを行いたいと考え、中学校の仲間を招待し準備を進められまいた。看板やメニューボードを手作りし、近所の木材屋から材料を格安で提供してもらい、11人の中学生と高校生が協力して取り組んでいます。高校生は裏方として支え、中学生が主体的に活動しています。
カフェの名前は「フィーカ」と名付けられました。
〇FIKAの由来(横田さん)
FIKAはスエーデンでコーヒータイムや休憩っていう意味があります。
北欧で家族や同僚と一緒にコーヒーや焼き菓子を楽しみながらして作ったという習慣があります。 地域の人たちがどうやって誰かととてをつける場所や、場もない、会話できる場所を提供したいなって思ってFIKAと名付けました、学生たちはプレオープンの準備として、協力団体に手紙を書いて依頼し、地元の果物や野菜を調達するために道の駅などに挨拶に行かれています。また、地元の高齢者から郷土料理の話を聞くなど、地域の協力を得て準備を進められています。学生たちは愛東産の食材にこだわり、どうしても揃わない場合は地元スーパーでの購入もギリセーフとして許容するルールを決められました。準備当日は、学生が自主的に材料の準備や料理を行い、高齢者にも招待券を配布し、地域全体でイベントを盛り上げています。
〇開始までに苦労したこと(村山さん)
活動 始めた頃は中学3年生で、受験勉強と重なっていたので、 テストや受験勉強との両立が難しく、なかなか計画が進められなかったことです。そして、先生、学校の先生方に直接交渉をしに行ったりした中で、 学校の先生や 活動に協力してくださる大人の方々の理解を得ることや連携を取ることが難しかったです。
〇どのように解決したのか(村山さん)
学校の先生方や協力してくださる方々の理解を得ることが難しかったことは、 先生方に活動計画を直接プレゼンし、問題点や改善案を聞いて 少しずつ理解を得ていきました。また、中学生にも活動について知ってもらうための機会を設けてもらい、前校の前でプレゼンしたことで、 少しずつ活動について知ってもらったり、協力してもらえるようになっていきました。
最初は学校側が忙しさや事故の懸念から協力を拒否されてましたが、地域活動に感動した先生方が最終的に応援することになりました。プレオープンは5月11日に開催され、地域の食材を使ったカレーライスが提供され、80人もの参加者が集まりました。学生たちは自作のTシャツを作るために、夏祭りでフルーツポンチとマフィンを販売し、必要な資金を自分たちで稼がれています。また、夏には流しそうめんやビンゴ大会なども企画し、多くの世代が集まり、参加された方々にとってもよい夏の思い出になったのはと思います。
〇感想(松吉さん)
来てくれない時とかあったけど、いっぱい来てくれた時は、みんな笑顔で楽しんでくれて、自分が中学生になったらやってみたとか言ってくれる子もいて、とても嬉しかったです。
先月、学生カフェで「お月見編」を開催し、子どもたちはうどんとみたらし団子を準備しました。うどんはさすがに自分たちで作れないのでアイマートで購入しギリセーフ、デザートにはイチジクやシャインマスカットが並び、豪華なお月見となりました。レクリエーションでは、中学生がイントロクイズや新聞じゃんけんを企画し、大変盛り上がりました。
案内が遅くなり心配していましたが、80名もの参加があり、具材が足りなくなるほどの盛況でした。高校生は黒子役に徹し、中学生が司会進行や企画を担当。人前で話すことに挑戦し、素晴らしい成果を見せました。今後の展開も楽しみにしています。
〇今後の展開について(松吉)
今は愛東を中心に活動していますが、東近江にも広げていけるように頑張りたいです。
まとめです。現在、学生たちが中心となり、世代を超えた新しいコミュニケーションの場を作ろうとしています。哀悼の魅力を発信し、地域に根ざしたつながりを築くことで、より良い哀悼の未来を目指しています。スタッフや協力者も全員哀悼の住民で、地産地消にこだわっています。
私たちまちづくり協議会や暮らしの会議なども、高齢者支援や居場所づくり、引きこもり支援などでバラバラに活動していましたが、若い世代を最初から巻き込むことが大切だと感じています。若者たちと一緒に進めることで、これまでとは異なる視点やアイデアが生まれ、地域づくりに大きな意味があると実感しています。今後も月に1回のペースで活動を続けていきますので、ぜひInstagramで「学生カフェFIKA」をフォローしてください。フォロワーには特典として50円引きがあり、例えば先日のうどんは200円のところ150円で提供されました。ぜひご参加ください。
東近江市蒲生地区『 地域で創る みんなの食堂』
わいがや支え合い蒲生(第2層協議体)
お世話になっております。本日は、「誰もが来られるみんなの食堂」という形で今年度進めている事業についてご説明いたします。まず、事業を始めたきっかけについてお話させていただきます。コロナ禍において、人との関わりが重要でありながらも、一緒に食事をしたり何かを共にする機会が失われてしまいました。コロナが落ち着いた今、地域内で自然に交流できる場を作ろうと話し合いを重ね、この事業を立ち上げました。
現在、日本では高齢化が進んでおり、介護を必要とする高齢者が増えています。また、介護を支える人材も不足しており、多くの男性が75歳以上の後期高齢者となっています。これからの社会をどうしていくかを考えたとき、元気な高齢者を増やし、介護予防や健康長寿の促進を目指し、社会参加の場を作ることが大切だと感じました。
そのため、全ての高齢者を対象にした社会参加を促進し、介護保険制度改正の動きにも対応しながら、支援者から自立へとつなげていくことが重要だと考えています。
平成31年2月に「支え合いの地域づくりプロジェクト会議」がスタートし、現在まで50回の話し合いを実施しています。参加者は、0歳から100歳まで、幅広い年齢層を対象とし、心豊かに住み続けられる地域づくりを目指して活動をしています。
また、地域の様々な団体が協力し、地域資源の把握や新たな資源の開発、問題提起を通じて、支え合いの活動を推進しています。具体的には、毎月第3木曜日に「せせらぎ」という福祉の拠点で、地域資源の発見や情報共有を行っています。例えば、地域のカラオケクラブや介護予防講座、ラジオ体操などを紹介し、地域の方々が積極的に参加できるよう働きかけています。
令和5年度からは、「ライフエアーとせせらぎ」という形で月に1回イベントや講演会を実施し、外国籍の方々とも交流を進めています。また、年4回の「みんなの食堂」の開催を計画し、子どもから高齢者までが集まれる場を提供しています。
活動を進める中で、「みんなの食堂ができて嬉しい」「月1回は開催してほしい」といった声や、外国籍の方々から「母国料理を作りたい」との意見もいただいています。こうした声を反映し、折り紙や防災ワークショップなど、多様なイベントを企画しています。
今後は、ボランティアの増加や、参加者との交流を深め、外国籍の方々と共に料理を作る機会を増やしていきたいと考えています。地域の企業とも協力し、地域全体で支え合いを広げていけるよう、努力を続けていきます。
活動を通じて、参加者がボランティアとして支える側になり、一緒に活動する仲間が増えていくことを目指しています。「みんなの食堂」が定着し、開催回数を増やしていけるよう、地域の皆さんと協力して取り組んでまいります。
【グループ懇談】
テーマ『みんなの居場所づくりを考える』
〇学習会・活動報告を通して感じた、子どもを中心にしたみんなの居場所づくりの効果と課題
〇医療・福祉専門職それぞれの強みを活かし、何ができるのか?どんな連携ができるのか?
【発表】
1G:
1班の意見を発表させていただきます。意見は大きく3つあります。まず1つ目は、コロナの影響で地域のつながりが薄くなってしまったということです。特に、以前は当たり前だった子ども同士が遊びに行くことが少なくなり、学童保育が子ども食堂の代わりのようになってしまっています。2つ目は、仕事上の居場所はあるものの、大人にとっての居場所が少なくなってきているという点です。子どもから高齢者までが集まる子ども食堂は、自分の居場所を確保できる貴重な存在だと思います。3つ目は、親が生活面で機能していないと、子どもへの影響が強くなるということです。しかし、子ども食堂のような場所があることで、子どもたちにとって多くの居場所となります。子ども食堂という名前ではありますが、食べることが一番の目的ではなく、ここに来れば誰かがいるという安心感が最も重要な目的になるのではないかという意見が出ました。
2G:
2グループの意見を発表いたします。テーマに沿ったお話になるかどうかわかりませんが、子ども食堂についての考えがいくつか出ました。まず、子ども食堂は単に食事を提供する場所ではなく、つながりの場であることが今回の話を通じて理解できたという意見がありました。また、知っていても実際に行けない子どもたちがいることも話題に上がりました。さらに、子どもだけでなく、親同士の関係も希薄になっていることが指摘されました。その中で、子ども食堂のような場を通じて親同士の交流が生まれていることは、非常に貴重で大切なことだという意見が出ました。現在の社会において、こうした場所が重要な役割を果たしているのではないかと感じました。また、子ども食堂では、様々な活動を行う中で、普段関わることがない世代の方々との交流も生まれています。特に、おばあちゃんなどとのふれあいを通じて、世代間の交流が増えることには大きな意義があるとの意見もありました。以上、少しまとまりのない話になりましたが、これが2グループの意見です。ありがとうございました。
3G:
病院の外科で働いています、伊藤です。活動報告について、感想を述べさせていただきます。地域でこうした素晴らしい活動が行われていることを知らなかったという声が多く聞かれました。
素晴らしいという言葉は、皆さんからも出ていました。課題を解決することよりも、まず居場所を作ることや、集まること、そしてコミュニケーションの場を提供することが大切だと感じました。役割が固定されているのではなく、ケアを受ける人と提供する人の役割が変わっていくことが素晴らしいと話されていました。
目的を明確にすることも大事ですが、人のつながりから新しい広がりが生まれることが重要だという意見もありました。例えば、最初に設定した目的から徐々に変化しながら、広がっていくこともあるのだと感じました。
2つ目のポイントとして、医療専門職が持つ強みを生かすことについては、まだ模索中であるという声も多くありました。しかし、地域に出ている方々からは、啓発活動を行っているという報告もありました。目的としていた対象ではなくても、医療職が声を上げることで、思わぬ形で新たな課題が浮き彫りになったという経験が共有されました。
以上が、私の感想です。ありがとうございました。
4G:
4グループです。東近江社協の水谷です。よろしくお願いします。
4グループでは主に以下の感想がありました。まず、スピーカーの活動について、やはりこうした成果があったからこそ実現できたのだろうという意見がありました。また、他の地区で中学生たちの思いが実現できたのではないかという感想もありました。この2、3年で子供食堂がたくさん増えていることに改めて気づき、行ってみたいと思ったという意見もありました。
集まれる場は多いですが、その中で活躍できる場は少なかったという点についても発表がありました。外国籍の方々が活躍できる場があることは、食を通じてとても重要だという意見も出ました。
また、子供たちの思いを受け止めることが、フィーカの活動に繋がっているという意見もありました。
専門職として何ができるかについてですが、会場にも多くの高齢者分野の方がいたため、高齢者だけでなく、さまざまな人とつながっていくことが大事だと再確認しました。ケアプランの作成に関しては、子供のことを取り上げる場面が少なかったのですが、高齢者が赤ちゃんや子供と触れ合ったときの笑顔や嬉しさを考えると、そのような場を作ることが重要だという意見がありました。
「つながる」ということが大切であり、地域の薬局もハブとなる施設としての役割を果たすべきだという思いが日本グループから出ました。以上です。
【指定発言】
東近江市こども未来部 こども政策課 主査 谷 佑一郎 氏
東近江子ども政策課の谷と申します。よろしくお願いします。この場で発言するのは少し緊張しますが、参考史研究会は約10年ぶりですね。本当に久しぶりです。まず初めに、今日は発表された会の取り組みが、地域における子供の居場所、そして皆の居場所を確保することに大変感謝しています。地域の中でこうした居場所が提供されていることは、安心感をもたらしてくれます。
行政として子供食堂にどのように関わっていくかについては、さまざまなご苦労があると思います。行政が金銭的支援をするだけでは、地域の子供たちを支え合うという子供食堂の本来の良さが失われてしまいます。そのため、どのように行政として応援できるかをしっかり考え、私自身も取り組んでいきたいと思っています。
いくつかの発言の中で、アヤさんが言われた「アクセス」の重要性に共感しました。小学校区に1つの居場所があれば良いという点について、私も同感です。子供は自分の家庭や学校を選べないため、放課後の過ごし方は選べるといいと思います。したがって、小学校区に1つだけでなく、もっと多くの選択肢があり、自分が過ごしやすい場所を選べるような放課後の環境が整うと良いと思っています。
また、居場所の重要性についても考えました。居場所があれば安心し、自分を出せる場になると思います。家庭や学校では表現できない自分を受け入れてくれるような関係性を作ることが、行政の役割でもあると感じました。
居場所がどのような意味を持ち、どのように地域に役立てるかを考えるため、市内の居場所関係者と定期的に意見交換の場を持っています。その中で印象に残ったのは、子供たちが居場所に行くことで多様な大人と出会い、さまざまな価値観に触れる機会を得られるということです。家庭では親、学校では教師しか見ない子供たちが、地域の居場所に行くと多様な大人たちと出会い、その中で「変な大人」や「変わった方々」もいていいのだと気づけると良いと思います。
最後に、医療職の方々にもお願いがあります。まだ構想段階ですが、地域社会のさまざまな場所に子供や若者が集まれる居場所を作りたいと思っています。福祉施設もその一環として考えており、例えば高齢者施設の地域交流スペースを「午後3時から5時は中学生も来ていいよ」と設定することで、中学生の居場所にすることが可能だと思います。
「子ども110番の家」のように、地域のさまざまな場所に子供が行けるような取り組みを進めたいと考えています。構想が実現できそうな際には、改めてご協力をいただければと思います。よろしくお願いします。私からは以上です。ありがとうございました。
東近江市環境部森と水政策課 課長 丸橋 裕一 氏
今日は三方よし研究会に初めて参加させていただきます。どうもありがとうございます。ここに来るにあたり、私は自然に関する仕事をしているので、ぜひ自然についてお話しさせていただきたいと思います。
私は55歳ですが、子供の頃、私の居場所は近所の自然でした。放課後や夏休みには、普通にこの辺の自然で遊んでいました。しかし、最近はそうした環境がなくなってきています。その理由として、いくつか思いつく点があります。
1つ目は、田んぼや水、草などの自然が近所に少なくなってきていることです。
2つ目は、夏の暑さが厳しくなり、外で遊ぶことが難しくなったことです。
3つ目は、室内でできるゲームがたくさんあり、子供たちが外で遊ぶ機会が減っていることです。
4つ目は、子供だけで遊ぶことに対する考え方や環境が非常に厳しく、先ほども会長がお話しされていたように、子供だけで外出することが許されない雰囲気があることです。
5つ目は、自然との接し方や楽しみ方が知られていないことで、本来であれば上級生から伝えられるべきことが継承されていないことです。
しかし、身近なところにはまだたくさんの自然がありますし、私の経験から言っても、ゲームが大好きな子供たちは自然に興味がないわけではありません。そうした背景から、私たちの部署では2015年から「自然体験事業」を実施しています。指導者が保育園や幼稚園を訪れ、園の近くの田んぼや神社などに子供たちを連れて行き、「こんなことも面白いよ」と教える活動を行っています。2015年に始めた当初は支援が限られていましたが、現在では17園にまで増やし、市内の5歳児の約7割にプログラムを提供できるようになりました。
この事業を通じて、子供たちは普段識していなかった自然を発見し、良く見るようになります。例えば、園から歩いて10分の公園に普段はお散歩に行っていた子供たちが、翌日に同じ公園に行ったところ、10分で着く距離が30分かかったという話があります。なぜなら、道端にあるものに目を留め、今まで見なかったものをどんどん見つけていったからです。
そのような体験は、視点を変えることで子供たちの居場所を広げることになります。友達と一緒に自然の中で過ごすことは、心の成長にも大きな影響を与えます。例えば、友達がカマキリを触ろうとする時に、「自分も触ってみたいけれど怖い」という気持ちを共有し、一緒に触れることでその恐怖を克服することができます。こうした小さな成功体験が、自己肯定感につながります。
最後に、自然と触れ合うことは1人でもできるという特徴があります。これは今日お話しいただいた「居場所作り」とは少し異なる点です。例えば、自宅に帰った後、庭や道端の石を観察したり、草を見たりすることで、子供たちは自分なりの発見や驚きを経験し、感動したり実験してみたりすることができます。これらの活動は立派な居場所になっていると考えています。
私たちは、自然を通じてこうした活動を伝えていきたいと考えています。東野にはそうした活動を行う場所や機会がありますので、ぜひ皆さんにも知っていただき、何らかの形で関わっていただければと思います。
【連絡事項】 第203回 三方よし研究会 令和6年11月21日(土)18:30~20:30
【まとめ】:花戸先生
小串先生がいらっしゃらないので、私が締めの挨拶をさせていただきます。
本日は、子供食堂のご発表や地域の発表、本当にありがとうございました。心から感謝申し上げます。「売り手よし、買い手よし、地域良し」という言葉がありますが、子供にとっても、大人にとっても、そして私たちにとっても、皆が良い形になることが大切だと思いました。
これから、皆さんが感じている課題、たとえば高齢化や少子化、さらには今後の財政状況についての懸念など、いろいろな思いがあるかと思います。私たちが生き残るためには、変化できる力が必要です。そうした時代に合わせて、私たちも変化していかなければならないと感じた今日の研究会でした。
以上をもちまして、本日の研究会を終了したいと思います。来月も引き続き開催されますので、ぜひ皆さんのご参加をよろしくお願いいたします。
本日は皆様、本当にありがとうございました。以上で終わります。