三方よしカレンダー

2025年3月27日木曜日

第207回三方よし研究会開催のご報告

第207回の三方よし研究会が開催されましたので、ここにご報告いたします。

◇日時:令和7年3月27日(木) 18:30~20:30

◇会場:東近江市役所 東庁舎 B会議室(ZOOMを活用したハイブリット開催)

(当番:東近江地域 障害児(者)サービス調整会議 通院支援プロジェクト)

総合司会:小串先生より

本日は東近江地域 障害児(者)サービス調整会議 通院支援プロジェクトの方々で、東近江市役所東庁舎のB会議室から送らせていただいております。サービス調整会議の皆様、本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。


【ゴール】

〇東近江圏域における障がいのある方の通院等に関わる現状を知り、考える。

〇障がいのある方や障がいのある方の支援機関について知る。

〇これまでのつながりを大切に、これからの連携と支援のボトムアップに繋げていく。


【情報提供】

「三方よし研究会 介護職員初任者研修、実務者研修の報告」

三方よし研究会で開催している介護福祉士の実務者研修と介護の初任者研修のご案内を差し上げます。昨年度は皆様、講師としてご協力いただきありがとうございました。初任者研修は4名の方が無事終了証を手にされ、介護福祉士の実務者研修の方は6名の方が修了証を手にされております。うち2名の方が外国籍の方になっております。初任者研修の方も4人のうち2名の方が介護の現場でお仕事を開始されております。次年度についても小串先生の方からぜひやろうと言ってくださっておりますので、7月開講で実務者研修が始まり、7月の後半から初任者研修が始まります。5月の中旬には正式に案内文が発行されて募集が開始されますので、ぜひ皆様の方からもお声かけいただけたらと思います。どうぞ皆様よろしくお願いいたします。


進行:支援センター太陽 中河裕恵さん

本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。今回、司会を担当させていただきます支援センター太陽の中川と言います。私たちは普段、東近江圏域において障害のある方々の支援を行っています。その中で、行政の方だったり支援センターだったりいろんな立場から見える現場の課題を地域の課題として捉えて、課題の解消に向けて検討する活動を行っております。様々な課題がある中で、私たちは障害のある方の通院にかかる課題の解消を目指して、通院支援プロジェクトを立ち上げて活動してきました。

今回はこのプロジェクトの活動内容を中心に、この後の学習会や活動報告を通して、参加者の皆様と一緒に研修会のゴールにも示しております通り、東近江圏域における障害のある方の通院などに関する現状を知っていただき、考えるというところと、障害のある方や障害のある方の支援機関について知っていただく。そしてこれまでのつながりを大切に、これからの連携と支援のボトムアップに繋げていく。そんな時間にできたらなと考えております。

まずは通院支援プロジェクトの活動報告、そして通院等に関わる現状と課題について、2番目に20分程度活動報告をさせていただきます。こちらは連携事例について報告をさせていただいて、次のグループ懇談という形にさせていただきたいと思います。学習会の内容につきましては、まずは通院支援プロジェクトというところで、説明させていただきまして、その次に支援センターが関わっている方々について、事例を交えて報告させていただきまして、最後に障害のある方を支える地域資源についてということでの流れにしていきたいと思います。それでは学習会に移らせていただきます。


【30分学習会】

『通院支援プロジェクト活動報告と通院等に関わる現状と課題について』

(通院支援プロジェクト、支援センターが関わる人、障がいのある方を支える地域資源について)

<発表者:支援センターふらっと 大澤充さん>

支援センターフラットの大澤と申します。今日はご貴重なお時間いただきましてありがとうございます。通院支援プロジェクトというところで、活動の報告をさせていただきたいと思います。まず、通院支援プロジェクトというのは何かと言いますと、自立支援協議会の活動のプロジェクトとして活動しておりました。これが5年ほど前に活動しておりまして、3年間ぐらい取り組みをさせていただきました。その中から今回報告をさせていただきます。

・通院支援プロジェクトの目的:自分で通院ができる方には通院を自力で行ってもらうことができるように、新たなヘルパー事業所が通院支援に関わる看板を上げやすいように、今ある資源も生かしながら、通院に困る交通難民を一人でも減らしていく地域づくりを進めていく

・メンバー構成につきましては、民間の支援センター参加者と県の健康福祉事務所で、二市二町の障害福祉課も関係している

・圏域の自立支援協議会の目的:地域の関係者が集まり、個別の相談支援の事例を通じて明らかになった地域の課題を共有し、その課題を踏まえて地域のサービス基盤の整備を着実に進めていくこと(5つの役割あり)

・通院支援プロジェクトの活動:定例会議、ヘルパー事業所・医療機関からの聞き取りや意見交換→現状と課題まとめ→4つの解決の道を提示→各事業所・団体への啓発、すすめてきた

・プロジェクトの中で見てきた課題を分類、整理。


<支援センター太場 浅井智久さん>

お世話になっております。支援センター太陽の浅井と申します。この場をお借りして日頃の関わりに感謝をしています。合わせて本当に今日、プロジェクトの活動についてお話しする時間を持たせていただいたことにも感謝をしています。それでは大沢さんから話を引き継いで、支援センターが関わる人ということで、少しお時間いただきます。

・支援センターが関わる人:精神障害をお持ちの方(統合失調症3割、気分障害2割、発達障害2割、その他不安障害・パーソナリティ障がい・適応障害・難病・高次脳機能障害・ひきこもり等)。実際は知的障害や発達障害等が重複している方も多い。また50代以上等、年齢層も上がってきている。

・相談者の所属の内訳は、在宅36%、33%が作業所に通っておられる方、19%が仕事に通われている方と続く。

・ 相談の内容:「退院してから自宅にひきこもっておられるようです。」「お薬を飲まれないし、通院もされていません。」「一人暮らしで家の中がぐちゃぐちゃです。」

・相談経路:行政の一次アセスメント(必要な支援の見立て・整理)→二次アセスメント→(見立てをもとに、本人、家族と出会い、必要な事・支援を一緒に考える。)

・障害の種類:双極性障害、統合失調症、強迫性障害、依存症、高次脳機能障害、摂食障害など

・なぜ起こるのか:日常生活におけるストレス→生まれながらの素因+環境(ここが大きいと考えている)→脳内の伝達物質の異常→発症

・大切にしている事:①ご本人さんの言動の奥にあるモノを見つめる関わり(本人さんが、どう暮らしたいのか…)②作業所が見つかった、ホームヘルプを使うようになった、で終わらない人生支援(5年後10年後を見つめて…)③暮らしを入り口に、チームで人の暮らしに関わる事で、誰もが暮らしやすい地域を作っていく(相談員一人のケースにしない。地域づくり)


<日野町福社保健課 横瀬光宏さん>

貴重なお時間をいただいてありがとうございます。今日参加していただいている方は、医療に携わる方であったり、介護保険に携わる方がたくさん参加してくださっており、日頃からご利用者さんのご支援本当にありがたく思っています。障害のある方を支える地域資源ということで少しお話しさせていただきます。

・本人と太陽の応援団:ヘルパー、訪問看護、医師、MSW、薬剤師、役場職員、作業所デイケア職員、グループホームキーパー、NPO職員、働き暮らし応援センター職員、会社員、商店街の方、バスの運転手、民生委員、近所の方etc…さまざまな方が応援団となっている。


【活動報告】

『通院支援等における連携事例について』いわゆる好事例を2例ご紹介。

●事例1:通院時における連携事例(発表者:支援センター太陽 浅井智久さん)

・60代男性。東近江市在住。5年前に脳梗塞を発症され、高次脳機能障害と診断。精神保健褔祉手帳2級。圏域外の精神科に月1回の定期通院あり。自分一人でバスと電車を乗り継いで通院は難しい。タクシーで行くのはお金がかかりすぎる。ヘルパー事業所に通院支援をお願いしするも、採算が合わないし、通院支援は時間がよめないと断られる(通っている病院は予約が出来ない一人で行っても先生に最近の様子を伝えられない。→本来の業務ではないが、相談員がやむ負えず毎月同行(負担の重荷を背負うイラスト)。

→好転①:病院のすぐ隣の薬局でお薬をもらっていたので一包化にも時間がかかる(待っている時間がロスになる)→病院から家の近くに処方箋をFAX。通院帰りにお薬を取りに行く事で1時間の時間短縮に。

→好転②:生活支援も必要とされていたので、普段の生活支援にもヘルパー事業所に介入いただくこととした。→居宅での支援も入る事で事業採算性が向上。

→さらに③:ヘルパーが生活支援にも入っているので、病院の先生にご本人の近況について伝えやすくなった(通院の頻度も相談できた。月1→2ヶ月に1回に)。


●事例2:入院・退院時における連携事例(発表者:支援センターれいんぼう 坂田綾子さん)

・頸髄損傷に伴う四肢麻痺。単身お暮らしの60代男性。一日単身で過ごすだけで、7つの事業所・サービスを組み合わせて入っていただいていた他に移送ヘルパーの調整が必要な方に対し、「明日の午前退院ですので、お迎えお願いします」の連絡が病院からかかってくる。

→「一日では調整できないんです」事情を退院が決まった段階で説明。猶予をいただく。

・このように「退院します」→「はい、どうぞ!」とはいかないケースがたくさんある。

①サービス事業所を複数利用しているケース:サービスをりようするためには、前月20日頃までに依頼するのが基本。特に車での移送ができるヘルパー事業所は圧倒的に資源が不足しており、常に奪い合いの状態。※近江八幡市R5年度の障害者手帳所持者は約4,400人。一方、車を使ったサービスを提供している市内事業所は、3か所だけ。

②キーパーソン不在のケース:例)家族にも知的障がいや精神障害があり要支援状態

③ご本人が帰ることで、家族の支援体制も再調整が必要なケース:例)姉妹ともに強度行動障害があり、顔を合わせると自傷・他害に発展しやすい。※生まれつきのものではなく、障害特性と環境のミスマッチにより本人も周囲も困る行動(異食や物の破壊、自傷他害、大声奇声など)をとってしまう。

・「医療よし・障害よし→本人よし」へ。

①10数年前に比べて、入院中に病院とやり取りする機会が増えた。「Bさんってどんな人?」はもちろんのこと、「おうちでは何かサービスを使っておられるなったよ。定響は楽室的で」等と、地球生活について聞いてくださる医療職の方が多くなった。

②こちら(障青福祉サイド)からも、情報提供するだけでなく、「その後、病状はどうですか?」家での暮らしについて、何かおっしゃっていますか?」と、気兼ねなく質問させていただける医療機関が増えてきた。

③医療分野と障害分野のコミュニケーションが深まる→顔が見えるようになる→ちょっとしたことが言いやすく(聞きやすく)なる→互いの状況への理解が深まる→「地域での暮らし」を想定した退院の流れができる→ご本人が安心して地域に帰れる、といったことが増えた。


【グループワーク】

〇通院時等において、障害のある方との関りの中で困ったこと

〇こんな支援があったら・・・こんな事出来るかも・・・。(意見交換)


【発表】

<1グループ>

・通院の支援や同行されていることにつき、詳しく知らなかったとおっしゃっている方も多く勉強になった。

・病院の方は精神疾患とか障害の方のことにあまり詳しくない方も結構いて、病院先生も自分の専門のところだけ見て終わりという方もいらっしゃる。その中で精神的な面まで診てくれる先生がおられて、精神保健医療センターのアルコール治療プログラムを使用されてうまくいったという方もいらっしゃった。

・先ほど入院中はフォローがしていただけるが通院の方はなかなかというお話もあったんが、病院地域連携室の相談員さんに電話した際も、通院の方でも相談してくださいということをおっしゃっていた。

・退院するときに、障害者手帳など手帳が発行されていないことが結構多く、それは困りごとでもある。

・精神疾患などの障害の方がどこか一箇所だけがずっと関わるのではなく、いろんな施設やご近所さんなど関わる人をできるだけたくさん持ち、少しずつでも関わっていくのがいいのではないか。


<2グループ>

・介護分野の方からのお話では、障害の方では通院サポートにヘルパーが関わっておられいいな、ケアマネさんが通院同行すると50単位つくようになったが、障害の方はすごく安価な金額で動いていただいているんだという話があった。

・通院で困ったことの例としては、軽度知的障害の方だと、やはりコミュニケーションの部分で困ることが多く、先生がどうですかと言われまあ元気ですと言って終わってしまい、日常的な細かな様子を伝えられていないため、診断書など書いてもらっても軽い判定になってしまったりがあるので、支援者として詳しく本人の状態を伝えることで、正しく日常の様子も加味した上で、診断書を記入してもらうような支援をしているというような話があった。

・今65歳問題と言われていて、障害のサービスから介護保険の方に移行していくことになるが、そこでスパッと切られてしまうと、生活がスムーズにいかないことが多いということで、事前に相談し合っていけるといいし、一番困るのは本人なので、本人が困らないような支援をつなげていけると良い。

・大きな病院に通っていると、やはり遠かったり時間がかかったりがあるので、普段は地元の先生にかかるけれども、何かあった時や、入院が必要な状態になった時にはきっちり大きな病院にかかれる、近くの病院と遠くの大きな病院という形で、医師同士でも連携をとってもらい、2人の主治医先生がいらっしゃるみたいな形が取れると本人さんも安心して地元の病院にかかれるのではないか。

・お薬も薬局さんの方から家に届けてもらうようなサービスもあったり、一包化なども使っていけると安心につながるのではないか。

・医療側としても、その地域のサービスをやはり知らないと、病気のお母さんと知的障害の息子さんだけでは到底見きれないので、大きい病院でお母さんを入院させておかないといけない、みたいな方向になりがちだが、そこで地域の支援者が関わることで、息子さんも知的障害がありつつお母さんを看取ることで、自分がこれから一人で生きて行くんだというような力になっていったというお話もあった。

・透析の人などで、だんだん送迎の身体機能が落ちてくると、送迎のバスに乗れなくなった時に移送サービスなどは使うんだけれども、そのサービス同士のネットワークが作られると、すごく安心して病院にかかれるようなシステムができるんじゃないか。


<3グループ>

・介護保険は病院まで連れて行くことはヘルパーさんできるけれども、院内介助は算定できないというところに関して、それはおかしいよね、初めて知ったとの意見が出ていた。

・先日五個荘町山本地区で子ども食堂の例を出していただき、老若男女、障害のあるなし関わらず、いろんな人が集まってワイワイカレーを食べていた、その空間を見たときに、排除しない地域づくりをしていくための仕掛けは、やはり誰かが作らないといけないんだなという話があった。

・浅井さんが講義の中でおっしゃっていた「困った人ではなく、困っている人と理解する」というのは、割と障害分野ではキーワード的に使う言葉なので、初めて聞きましたと言われた方もいらっしゃったが、きっと同じように高齢の方でも、実は困った行動をするけれども、この人自身が困っているんだという視点で見ると、改めてこの人にとって何を支援しないといけないのかということが見えてくるのではないか。

・総じて通院の課題は地域の課題なんだというのが、私も感じたところだし、東近江の自立支援協議会のテーマはひとりぼっちを作らないというもの、ひとりぼっちを作らないために地域とつながって、本人さんも、私たち支援機関もひとりぼっちにならないようにしたい。

・支援者がもしかしたら手を出しすぎて、地域のサポーターさんなど資源を知らないあまり、地域が育つ機会を失っているみたいなところも、一つ視点として持たないといけない。


【指定発言】

(独立行政法人 国立病院機構東近江総合医療センター 医療社会事業専門員 寺本隆人氏)

本日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございます。大変興味がありました。やはり通院となると、今大きな課題となっているのが、大きな病院に行くと時間もかかるし、院内の移動距離も長いし、いろいろとご不便なことが多いかと思いますが、積極的に先生などに逆提案もしていけたらなと思います。ただ、外来の中でそろそろもうここに来なくてもいいよ、どこか探すかというようなことに先生の方からはならないので、例えば支援者の方から大きな病院、例えば東近江総合医療センターにかからないといけない病状なんでしょうかなどを、気軽に地域連携室の方に聞いていただきましたら、先生に連携してご紹介などしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。入院された方のケース等を通じて、障がい相談員さんと一緒に取り組ませていただくことが増えております。本当に障害のサービスは広くて、こんなことができるのかというようなことであったり、こういうものがあるのかということを、個別ケースを通じて学ばせていただいているところです。本日の発表されました浅井さんにも、大変良い勉強をさせていただいて、顔の見える関係となった後も、頼らせていただいているようなことがあります。今日の研修会でも、薬局さんの方で、アプリによって処方箋の方の受付ができるなど、私たちが普段こんなサービスがあったらいいのに、でも思いつかないような、もうすでにこんなサービスがあるというようなことをたくさん学ばせていただきました。ぜひこのような機会で得た情報を、職場の方にも持ち帰りまして、これからも皆さんと一緒に学ばせていただいて連携を深めていけたらと思います。本日はありがとうございました。


(公益社団法人 滋賀県看護協会居宅介護支援事業所 介護支援専門員 西野久俊氏)

看護協会の西野と申します。本日は勉強になる話を聞かせていただいてありがとうございます。普段私は介護支援専門員として業務についているんですけれども、精神や知的、高次脳機能障害などの障害のことについては、やはり相談支援専門員さんと日常的に連絡を取り合って、報告をし合うということをさせていただいている中で、利用者の方の支援を順調に運べるようになっているのかなと思います。介護保険以外のサービスに関しては、やはり私たちも知らないことが多いので、今後も皆さんと話し合いを進めながら、利用者の方が在宅で、いつまでも健やかに過ごしていただけるように、協力していきたいなと思っております。


【連絡事項】

第208回 三方よし研究会 令和7年4月17日(木)18:30~20:30

○当番・会場:医療法人恒仁会 近江温泉病院


今回もここまで読んでいただき、ありがとうございました。

また来月もお出会いいたしましょう。


2025年3月23日日曜日

三方よし研究会地域公開講座/第8回 日本地域医療連携システム学会の報告

三方よし研究会地域公開講座
第8回 日本地域医療連携システム学会を開催しましたので、ご報告します。

開催日: 2025年3月16日(日)13:00〜16:00
会 場: あかね文化ホール(滋賀県東近江市市子川原461-1)
大会長: 三方よし研究会 実行委員長 花戸貴司 先生

〇開催挨拶
三方よし研究会 実行委員長 花戸貴司 先生




〇基調講演
「病気であっても病人ではない 〜社会構築を目指す〜」
講師: 順天堂大学名誉教授、日本地域医療連携システム学会理事長 樋野興夫 先生



樋野先生は、「がん哲学」と地域医療の連携の重要性について語られました。幼少期に医療機関のない地域で育ち、医師を志した自身の経験を交えながら、「医学の本質は、他人の苦痛に対する思いやりにある」と強調。
「がん哲学外来」は、がん患者やその家族が心の支えを得られる場として機能し、「病気であっても病人ではない」社会を築くことを目的としています。静かな語り口や安心できる環境づくりを重視し、患者の心の壁を取り除くことを目指しています。
また、2021年より中学・高校で本格的に始まった「がん教育」にも触れ、がんを「個性」と捉えることで、病気と共に生きる力を育むことの重要性を指摘しました。
新渡戸稲造や勝海舟の哲学を引用しながら、「人間的な責任としての医療」を強調。科学的な診断・治療だけでなく、温かい人間関係の構築が不可欠であると述べられました。

〇主講演(13:45-14:45)
「住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために 〜三方よし研究会と地域の取り組み〜」
講師: 東近江永源寺診療所 所長 花戸貴司 先生



花戸先生は、地域医療・介護の現状と課題について幅広く語られました。高齢化が進む中、訪問診療の重要性が増しており、医師会の支援が地域医療の柱となっている現状が紹介されました。また、介護保険の新規・更新申請に関する知識の必要性や、家族の介護負担の軽減についても言及。
家族だけでなく、自治会、民生委員、専門職、ボランティアが連携することで、より充実した支援が可能になると述べられました。特に、一人暮らしの高齢者の増加に伴い、地域のつながりを強化し、孤立を防ぐ取り組みの重要性が強調されました。
また、健康維持のための生活習慣についても触れられ、共に食事をすることが認知症予防につながることや、地域活動への参加が健康促進に役立つことが紹介されました。特に、運動やフィットネス活動が心身の健康維持に寄与することが強調されました。
防災対策にも言及し、高齢者の避難支援の重要性を指摘。過去の災害事例を踏まえ、地域ぐるみの備えや支援体制の構築の必要性が示されました。
最後に、花戸先生は「地域の力で支え合うことが、健康で豊かな生活につながる」と述べ、住民が協力し合いながら誰もが安心して暮らせる社会を目指すことの大切さを伝えました。


地域活動報告(14:55-15:45)
・蒲生地区 「おたがいさん蒲生」



「おたがいさん蒲生」は、蒲生地区で生活支援サポーターが活動する支え合いの仕組みです。平成29年に市社会福祉協議会の生活支援サポーター養成講座から始まり、「助け上手」「助けられ上手」な地域づくりの必要性を認識した住民が集まりました。
地域の困りごとを共有し、ゴミ出しや買い物支援、話し相手の提供など、多様な支援活動を展開。21回の懇談会を経て令和2年に設立予定でしたが、新型コロナの影響で延期。しかし、活動は継続され、令和6年12月には72回目の懇談会が実施される予定です。
現在16名のサポーターが、相互扶助の理念を大切に活動しており、専用携帯を活用した相談受付や福祉専門職との連携も強化されています。有償ボランティア制度を採用し、支援の質を維持しながら活動の継続性を確保しています。
一方で、人材不足や送迎依頼の偏り、「便利屋扱い」といった課題も抱えていますが、住民が支え合い「安心できる地域」を目指し、活動を続けています。

・愛東地区 「学生カフェFIKA」 愛東くらしの会議 楠神渉



「学生カフェFIKA」は、愛東中学校の生徒が発案し、中学生議会で提言されたプロジェクトです。田舎の小規模中学校から大規模高校へ進学する際の不安や、人見知りによる不登校の問題を背景に、人と交流する機会を増やし、世代を超えた地域交流の場を作ることを目的としています。
当初は提案に対して行政からゼロ回答でしたが、地域団体の支援を受けながら準備を進め、プレオープンでは地元食材を使った料理を提供し、地域の方々と交流を深めました。夏祭りではバザーを開き、運営資金を確保しお揃いのTシャツも揃えられています。
正式オープン後も、流しそうめんやお月見イベントを開催し、子どもから高齢者まで幅広い世代が楽しめる場を提供。参加者は80名を超え、今後も地域に根ざした活動を続けていく予定です。


〇対談、今後の展開


地域医療と地域支援の取り組みが多岐にわたることを実感できる機会となりました。誰もが安心して暮らせる地域を目指し、今後も様々な活動が展開されていくことが期待されます。

〇閉会の挨拶
NPO三方よし研究会 会長 小串輝男先生


〇次年度の紹介
京都府立医科大学 保健・予防医学教室 予防医学部門
京都府立医科大学大学院 医学研究科
分子標的予防医学 教授 医学博士 武藤倫弘 先生


〇司会
chain of smile 代表 小原日出美様


〇物販コーナー















2025年2月23日日曜日

第206回三方よし研究会のご報告。

 第206回三方よし研究会が開催されましたので、ここにご報告させていただきます。

◇日時;令和7年2月20日(木) 18:30~20:30
◇会場:ZoomによるWEBで開催(近江八幡市地域医療支援センター 多目的室
(当番:湖東歯科医師会 )

ゴール
○入院中から退院後への継続した口腔ケア提供体制の課題を理解する
○地域病院における、周術期口腔機能管理と湖東歯科医師会の連携について把握する
○それぞれの職種における入退院支援、周術期における口腔機能管理へのかかわりを考える

【情報提供】 
「第8回日本地域医療連携システム学会・三方よし研究会地域公開講座」
令和7年3月16日(日)13:00~16:00 会場:あかね文化ホール  
 大会長:三方よし研究会実行委員長 花戸貴司 
主催 :NPO法人三方よし研究会 後援:東近江市



花戸先生:
3月16日、「あかね文化ホール」にて、第8回 日本地域医療連携システム学会 三方よし研究会 地域公開講座が開催されます。
会場は無料ですので、ぜひ皆さまご参加ください。
また、地域のさまざまな活動についてもご報告いただく予定です。


湖東歯科医師会 口腔機能管理支援センターのご案内
湖東歯科医師会  住井歯科医院 住井正勝様
口腔機能管理支援センターは、湖東歯科医師会内にあり、今年で開設4年目になります。
当センターでは、訪問歯科診療を行っております。ご連絡方法については、以前から周知しておりますが、原則として保険診療の範囲内で対応しております。そのため、対象者は移動困難な方に限られます。
移動困難な方で、当センターの利用を希望される場合は、歯科医師会までご連絡をお願いいたします。
以上です。よろしくお願いいたします。



藤居先生:
30分学習に入る前に、当番であります一般社団法人湖東歯科医師会会長小川より一言ご挨拶申し上げます。


小川先生:


本日の第206回三方よし研究会は、湖東歯科医師会の当番会ということで、お世話になります。
先ほど住居先生からご案内がありましたように、当会は口腔機能管理支援センターを中心に、在宅訪問や施設への訪問診療を行っております。
その他にも、ヴォーリズ記念病院や近江八幡市立総合医療センターの病棟にて、口腔ケアも行っております。今後、これらの需要はますます高まることが予想されます。そこで、本日は専門職だけでなく、多職種の皆様とともに、周術期や退院後のケア、口腔機能管理について、意見交換をさせていただきたく存じます。
どうぞ最後までよろしくお願いいたします。

【30分学習会】
・「歯科医師等派遣事業」結果および入院中から退院後への継続した口腔ケア提供体制についての考察
滋賀県湖東健康福祉事務所(彦根保健所) 医療福祉連携係 稲岡智加様
歯科医師等派遣事業結果及び入院中から退院後への継続した口腔ケアについて

滋賀県湖東健康福祉事務所の稲岡と申します。
本日は、「歯科医師等派遣事業の結果及び入院中から退院後への継続した口腔ケア提供体制についての考察」について発表させていただきます。
昨年度まで東近江保健所に在籍しており、また、今年度、近畿公衆衛生学会で発表させていただいた内容と重複する部分もございますが、発表させていただきます。
まず、歯科医師等派遣事業の概要について説明いたします。
本事業は、歯科のない病院における入院中の口腔ケアと、退院後の在宅療養における口腔ケアの推進を目的としています。
具体的な事業内容は、歯科のない病院に歯科医師や歯科衛生士を派遣し、入院患者に専門的な口腔ケアを実施するとともに、看護師等に口腔ケアの知識や技術を指導するというものです。
本事業は、平成27年度から県全域で開始され、東近江圏域においては、地域の歯科医師会である湖東歯科医師会と、圏域内の歯科標榜のない2か所の病院が実施し、事業結果等を当事務所が調査しました。
その結果から、入院中から退院後への継続した口腔ケア提供体制について考察しました。
スライドは県内の事業参加病院の一覧です。今回調査した東近江圏域の2病院をA病院、B病院と示しています。
調査方法です。事業を実施した2病院(A病院、B病院)に対して、事業結果及び病院担当者が感じている事業成果などについて、担当者代表1名に調査票を記入いただき、追加で聞き取りをして回答を得ました。
調査内容はスライドの通りです。結果です。
A病院については、平成28年度から令和5年度の8年間で532名の入院患者に口腔ケアが実施されました。
看護師の口腔アセスメントで抽出された患者に対し、歯科医師1名、歯科衛生士1名の体制で口腔ケアを実施します。
嚥下リンクナースや病棟担当看護師なども同席しています。
また、入院中に歯科治療が必要になった方90名に訪問歯科診療が実施されました。
続いてB病院です。令和元年度から令和5年度の5年間で263名の入院患者に口腔ケアが実施されました。
対象者や出動者はA病院とほぼ同様です。訪問歯科診療を実施した方は3名から4名とお聞きしました。

その他、2病院においては、入院患者の口腔ケアに加えて様々な取り組みをされています。
例えば、全入院患者に対する口腔アセスメントの実施、水を使用しない口腔ケア方法の導入、研修会の開催などです。
院内の体制作りとして、口腔ケアマニュアルの作成、電子カルテ内への口腔ケアカルテ導入、嚥下リンクナースの設置や事業当日の同席などです。
退院後も口腔ケアが必要な患者さんについては、看護サマリーに記入するなどして情報提供されています。

続いて、病院担当者が感じている事業の成果は次のようなことです。
患者さんに対しては、例えば、歯石の清掃、出血した部分に対する処置など、看護師などでは介入しきれないケアを専門職が実施したこと、歯科医師や歯科衛生士との連携により、適切な時期に訪問歯科診療が実施されたこと、歯科専門職から指導を受けたケアを実施することにより、患者の拒否が減り、協力を得やすくなったことなどにより、入院患者の口腔内環境が改善しました。
職員に対しては、全入院患者に口腔アセスメントを実施することで、病棟内での口腔内評価が充実しました。
また、看護師等に技術や知識が伝達され、職員の口腔ケアに対する意識が向上したこと、適切な口腔ケア用品を使用できるようになったことなどです。
一方で、今後の課題としては、定期的な研修の実施等により、看護師等のスキルを維持・向上すること、入院前から患者さんの口腔内状況を把握し、入院中から退院後もアセスメント結果に即した対応ができるシステム作りというご意見をいただきました。
以上の結果からの考察です。1つ目は、歯科専門職の指導により、看護師等の口腔ケアについての知識、技術が向上し、入院患者の口腔内環境が改善しました。

2つ目は、統一した口腔アセスメントの実施や電子カルテによる情報共有により、病院内の口腔ケア提供体制が構築されました。
一方で、病院外の関係者との情報共有については、必要時に看護サマリーに記入するなど、看護師個人の意識に頼っている部分が大きいと考えられます。

まとめです。事業を実施した2病院においては、看護師と病院職員の口腔ケアに関する知識、技術が向上し、入院中の口腔ケア提供体制が構築されました。
一方で、退院後も適切な口腔ケアが提供されるためには、退院時に病院から地域へ情報提供がされる仕組みづくりも必要です。

今後は、湖東歯科医師会との連携のもと、医療機関における取り組み状況の把握、好事例の共有、圏域の入退院支援における検討などを通して、圏域全体で入院中から退院後の継続した口腔ケア提供体制を構築できるよう努めたいと思います。
以上で発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。

「医科・歯科連携の推進への取り組み~院内歯科を標榜しない病院と歯科医師会の連携~」近江八幡市立総合医療センター 看護管理室 山田明美様


本日は、貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。
近江八幡市立総合医療センター看護管理室の山田と申します。
当院は、先ほどご紹介にありましたように、歯科を標榜しない病院として、地域の歯科医師会の皆様のご協力を得て、この度連携させていただくことになりました。本日は、その取り組みについてご報告させていただきます。よろしくお願いいたします。

本日は、
 ・近江八幡市総合医療センターの概要
 ・周術期の口腔ケアの意義
 ・院内歯科を標榜しない病院と歯科医師会の連携について
 ・連携状況

まず、当院の概要ですが、東近江圏域で唯一の3次救急医療機関として救命救急センターを有し、急性期医療を担う病院です。
診療科は23科を標榜しております。詳細はスライドをご参照ください。
次に、口腔ケアの意義についてご説明します。皆様ご存じかと思いますが、超高齢社会となり、様々な疾患が増加しています。
これらの疾患を抱える患者さんの治療を成功に導くためには、治療前後の歯周病や虫歯の治療、口腔ケアが重要とされています。
人の口腔内には多数の細菌が生息しており、中には歯周病や誤嚥性肺炎の原因となる細菌が多く含まれています。

虫歯や歯周病の炎症によって生じる毒性物質が血管内に入り、全身に回ることで、糖尿病、動脈硬化、心内膜炎、肺炎などを引き起こしたり、悪化させたりすることが知られており、口腔ケアの重要性が認識されるようになりました。
特に周術期においては、虫歯や歯周病、動揺歯の放置による手術は、麻酔時の歯の損傷や術後の感染症、肺炎などの合併症の発生要因につながります。
当院は歯科がないため、各診療科で個別に医師から患者さんに歯科医院への受診を促していましたが、手術までの時間が短く、受診できなかったり、情報提供が不十分であったりする状況でした。

2012年に診療報酬が算定されるようになり、2021年から歯科医師会と医科歯科連携推進に向けて取り組みを開始しました。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、少し時間を要しましたが、2023年8月から連携を開始いたしました。
連携内容ですが、目的は手術前に口腔内の清潔を保ち、細菌を減少させることで、誤嚥性肺炎などの術後合併症の発生を抑制し、早期の社会復帰を図ることです。
効果はスライドの通りです。周術期の主な口腔関連トラブルとしては、誤嚥性肺炎、人工呼吸器関連肺炎、挿管時の歯の損傷などが挙げられます。

当院内科と歯科医師会との連携について、依頼内容は周術期に経口摂取が可能な状態にすること、術前の口腔清掃、可能であれば虫歯の治療や填塞、応急処置などです。
また、手術直前まで患者さんがご自身で効果的に口腔清掃を行えるよう指導もお願いしています。さらに、不要な動揺歯の抜歯や炎症処置なども依頼しています。
手術まで1ヶ月という短い期間でのご紹介となるため、完全な治療ではなく、応急処置を術前に行い、術後に継続して治療をお願いするという形で歯科医師会の先生方にご協力いただいております。
こちらが計画書と報告書です。このような内容で歯科医師会の先生方からお返事をいただいております。
当院ホームページの医科歯科連携についてのページから、これらの用紙もダウンロードできます。
滋賀県統一の用紙ですので、圏域外の医療機関でもご利用いただけます。
実際の連携状況です。対象疾患は多数ありますが、当院では心臓血管外科の手術を受けられる患者さん、主に弁置換術を受けられる患者さんと、整形外科領域でインプラントを使用する人工股関節置換術を受けられる患者さんを対象として、まず連携を開始しました。
連携状況ですが、向かって左側のグラフは昨年度の約8ヶ月間の連携状況で、連携率は約38%です。
右側のグラフは今年度4月から8ヶ月間の連携状況で、連携率は約50%と、少しずつ向上しています。
連携歯科医院との連携状況ですが、上のグラフは昨年度、下のグラフは今年度のものです。患者さんの居住区にあるかかりつけ医や歯科医院と連携しているため、連携先は多岐にわたります。
1つの歯科医院あたりの連携件数は、多いところで4件、少ないところで1件程度ですが、今後も連携を拡大していきたいと考えております。

人生100年時代と言われる今、皆様が健やかに生きることを支え、早期に元の生活に戻れるよう、今後とも歯科連携をよろしくお願いいたします。
ご清聴ありがとうございました。

【報告】  
「全身の中で、なぜ口腔だけがここまでケアが必要?」
湖東歯科医師会 阿部D歯科医院 阿部直樹 様



先ほどから、口腔ケアが非常に重要であるというお話が続いておりますが、なぜ口腔内だけがそこまで重要なのか、本日はその点について詳しく掘り下げていきたいと思います。

まず、本日のお話ですが、虫歯と歯周病の違い、それぞれの治療方法、そして全身、特に手術と口腔との関わりについてお話させていただきます。
まずは1つ目です。よく見る図だと思いますが、歯は骨の中に埋まっており、その骨の上に歯茎が乗っている状態です。
実は、本日のポイントとなるのは、歯と歯茎の境目、歯肉溝と呼ばれる部分です。ここが後々非常に重要になってまいります。
虫歯の進行段階として、左からC0、C1、C2と進んでいきます。ここで見ていただきたいのが、矢印で囲んだ歯髄と呼ばれる部分です。歯の中には空洞があり、そこへ骨の方から神経と血管が入り込んでいます。これが歯髄、いわゆる歯の神経です。右側のC3、C4になると、虫歯が歯髄まで及んでいる状態です。歯髄は直接血流と繋がっているため、体内とほぼ同じ状態になります。つまり、虫歯が進行すると、菌が直接血流に乗って全身へ運ばれる可能性があるということです。これが進行した虫歯の特徴の一つです。
例えば、C1、C2のように神経まで達していない虫歯であれば、麻酔をして、削って、詰めて、1回から多くて3回程度の治療で終わります。
誤解を恐れずに言えば、左側のC1程度の虫歯であれば、正直なところ、そのまま入院して手術をしても、特に影響はないでしょう。
しかし、C3、C4になってくると事情が変わります。菌が体内に入り込んでいる状態なので、手術に際して悪影響を及ぼす可能性があります。これは口腔内から見ても分かりますが、赤い矢印で示した根尖病巣と呼ばれる膿が溜まっている状態になっていることが多いのです。
根尖病巣はレントゲンで確認できます。虫歯が進行し、根の先端が黒く抜けているのが分かります。通常、骨が均一にあるべきところが黒く抜けるということは、中に空洞があり、膿が溜まって骨が吸収されているということです。
治療方法としては、白い樹脂を詰めて、中の神経、つまり細菌の培地となっているものを全て除去します。細菌が繁殖できない状態にして、白い樹脂を隙間なく詰め込むことで、菌は増殖できなくなります。その結果、左側に比べて右側の病巣が小さくなり、さらに期間を置くとほとんど確認できなくなります。
同じように、赤い病巣と黄色い病巣がある場合、先に黄色い方を治療し、赤い方を治療する頃には、黄色い病巣はほとんど見えなくなっている状態になります。このように、適切な治療を行えば綺麗に治っていきます。
こちらは歯が残らず、抜歯した症例です。抜歯した歯を見ると、右側の赤い部分のように、膿の袋、嚢胞化している状態になっていることがあります。これを放置すると、体にとって良くない影響を与える可能性があります。
こちらも同様に、赤い矢印の部分に虫歯があり、黄色い部分が神経に接触しています。この場合も神経を取り除き、根の中に白い樹脂を足のように詰めます。しかし、根の形は複雑で、曲がっていたり、先端で90度に曲がっていたりと、様々なバリエーションがあるため、治療には回数がかかることが多いです。
根尖病巣はレントゲンを撮らないと分からないという点も注意が必要です。

次に、歯周病についてです。歯周病は文字通り、歯の周りの病気です。歯の周りとは、歯周組織と呼ばれる歯茎、セメント質、歯根膜、歯槽骨のことです。細かいことは省略しますが、歯茎と骨に感染が起こり、炎症が起こるのが歯周病です。
歯周病は歯の周りの病気なので、末期になるまで歯自体は痛くも痒くもありません。
では、なぜ歯周病になるのかというと、先ほど出てきた歯肉溝に汚れが溜まり、プラークや歯石が蓄積することで、炎症が進行していくからです。
こちらの図は歯周病の進行を表しています。細かいことは省略しますが、重度になると、歯は虫歯になっていなくても、砂山に刺した棒のように、周りの骨だけがなくなっていきます。
歯周病は歯の病気ではなく、歯の周りの病気なのです。
不可逆的な歯周組織の破壊は最短14日で起こるという論文もあり、放置するとどんどん進行してしまう病気です。
歯周病の一例ですが、オレンジで示した部分が本来の骨の高さです。赤い矢印で示した部分のように、骨が大きく失われているのが分かります。
口腔内を見てみると、骨が失われた部分に食べ物や細菌が溜まりやすく、体にとって良くない状態になっていることが分かります。
では、歯周病が全身の手術とどのように関わってくるのでしょうか。

2つの側面があります。1つ目は、人工関節などのインプラントの定着率が下がることです。歯周病による慢性的な感染症は、インプラントの生着率を低下させます。
2つ目は、口腔は呼吸器、消化器の入口であるため、誤嚥性肺炎や術後の全身性炎症反応症候群(SIRS)を引き起こす可能性があることです。SIRSは、炎症性物質であるインターロイキン6が血中に増加する状態で、手術時間が長くなるほど起こりやすくなります。
口腔内が清潔であれば、これらの合併症のリスクを減らし、入院日数を短縮できる可能性があります。
手術前にお願いしたいことは、治療に時間がかかる疾患もあるため、2、3ヶ月前から歯科を受診していただくことです。手術直前に紹介されると、抜歯が必要になる場合もあります。
また、レントゲンを撮らないと分からない疾患もあるため、定期的な歯科受診をお勧めします。

最後に、なぜ口腔ケアが重要なのかというと、口腔内は容易に血流に菌が侵入しやすい環境であるため、体のどの部分よりも感染のリスクが高いからです。以上です。ご清聴ありがとうございました。

【グループワーク】
テーマ『入院~退院後まで、周術期も含めた口腔機能管理を考える』

視点 
〇入院~在宅まで、口腔衛生管理のシームレスな取り組みの実現にそれぞれの職種が取り組めること
〇それぞれの職種における、周術期口腔管理メリット意識した対応を考える
〇多職種が関われるタイミングは?、その時どうする?


【発表】
1G:



1グループは支援センターの方、管理栄養士さん、薬剤師さん、歯科医師、そして私、歯科衛生士で話し合いました。
テーマは「入院から退院までのシームレスな口腔管理を考える」ということです。
先ほどの歯周病や虫歯のお話の中で、支援センターの利用者さんが手術を受けるにあたり、「なぜ体の遠い場所にある歯を治療しなければならないのか」と納得できずに怒っていらっしゃったという話がありました。
しかし、今日のお話を聞いて、その理由を深く理解できたため、今後は利用者さんにしっかりと説明できるという意見が出ました。
ですので、やはり歯科側は説明を丁寧に行うことが大切であり、情報発信も積極的に行っていく必要があるという結論に至りました。
薬剤師さんからは、「歯科医院に行く際はお薬手帳を持参してほしい」という意見や、「薬局で薬剤師が歯科衛生士と連携して情報提供するのも良いのではないか」という提案がありました。
また、「今後は専門職だけでなく、多職種が連携して情報を広めていく時代になるため、このような意見交換の場をもっと作っていくことが重要だ」という意見もありました。
ヴォーリズ病院の方からは、現在の取り組みやチームで連携することの意義、そして連携によって職員の意識が変わったというお話がありました。
管理栄養士さんの意識も向上しているということで、このような多職種連携の取り組みがもっと広まれば良いと感じました。

次に、「多職種が連携できるタイミング」について話し合いました。
ライフステージごとに考えると、管理栄養士さんからは「離乳食の時期から歯が生え揃う時期にかけて、食べ方の指導が重要であり、実際に指導を行っている」というお話がありました。
歯科側からは、「自己管理ができる中学生時期へのアプローチが重要であり、そこで正しい知識を身につけてもらうことが今後の課題だ」という意見が出ました。
薬剤師さんからは「歯科医院への受診を促すポスターがあれば薬局に貼ります」という協力的なお言葉をいただきました。
栄養士さんからは、「患者さんに必ず歯科医院へ行っているか質問している」というお話がありました。
このように、多職種の皆さんが「全身の健康のためには歯の治療が重要である」という認識を持ち、「歯科医院へ行きましょう」と患者さんに勧めてくださっているので、歯科側としては、先ほども出たように、丁寧な説明を心がけることが非常に重要だと改めて感じました。
そして、とにかく口腔への意識を高めることをもっと広めていくことが大切です。
そのためには、一番身近な「おいしいものを食べると幸せになれる」ということをアピールしていくことが、1グループの結論となりました。
以上です。ありがとうございました。

2G:



2グループでは、病院、ケアマネージャー、居宅介護支援事業所、歯科衛生士、作業療法士のメンバーで話し合いました。
ケアマネージャーからは、改めて口腔ケアの重要性を感じ、入れ歯や口腔トラブルの把握をしなければならないという意見が出ましたが、一方で、フォローの難しさも現状の課題として挙げられました。
居宅介護支援事業所からは、デイサービスとの連携が進んでおり、担当者会議などで情報共有できているケースもあるという情報提供がありました。
病院の歯科衛生士からは、口腔衛生管理加算の算定について、往診可能な歯科医師が少ないという課題があり、加算算定の体制が充実すれば良いという意見が出ました。
病院からは、口腔ケアチームによる院内での口腔ケアの充実を図りつつ、地域との連携を強化していくことが課題であるという意見が出ました。
特に、歯科指導と歯科受診への繋ぎ方が課題として挙げられました。
病院では、アセスメントツールを用いて入院時に口腔状態を評価しているので、その評価結果を継続的に活用し、地域との連携に繋げていく必要があるという意見が出ました。
共通して言えることは、在宅へのスムーズな移行が依然として課題であるものの、それぞれの職種が連携することで課題解決に繋げていけるのではないかという点です。
以上です。


会場1G:




会場は3つのグループに分かれており、私はその1番目のグループに参加しました。
歯科医師の和田です。第1グループでは、歯科医師2名、看護師1名、保健所の歯科衛生士2名の計5名で話し合いを行いました。
病院の看護師さんからは、手術期の現状についてお話がありました。手術前は口腔ケアが実施されるものの、手術後は紹介された歯科医院へ患者さんが行かなかったり、情報が十分に伝わっていない歯科医院へ紹介してしまったりするケースがあり、術後のフォローが難しいという課題があるとのことでした。
また、周術期の口腔ケアの重要性が十分に周知されていないため、保健所としても啓発活動が難しいという意見が出ました。
現在、ケアマネージャー向けに口腔内の状況を把握するためのシステムを構築中であり、一般の方にも分かりやすく利用しやすいシステムにしたいというお話がありました。

歯科医師からは、周術期の口腔ケアは重要であるものの、患者さんへの丁寧な説明が不可欠であるという意見が出ました。
自分の歯で噛めることは、術後の栄養吸収を助け、生活の質を高めることに繋がります。また、口腔内が清潔であれば、食事も美味しく楽しむことができます。患者さんにしっかりと口腔ケアを受けていただき、術後も快適に過ごしていただきたいと考えています。
手術後に口腔ケアが継続されない理由としては、交通手段の不足、術後の痛みや体力の低下などが考えられます。
そのため、術後は訪問歯科診療が必要になるケースが多いと思われます。訪問歯科診療の体制を強化するため、マンパワー不足ではありますが、体制を整えていく必要があると感じました。
今後、湖東歯科医師会の口腔機能管理支援センターの規模を拡大していく必要があると考えています。できる限り尽力してまいりますので、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

会場2G:



皆さん、お疲れ様です。今日、急遽お邪魔いたしました新潟医療福祉大学の鎌田と申します。
私は現場の人間ではないため、専門的な用語を用いたお話はできませんが、グループでのディスカッションの振り返りをさせていただきます。
私が参加した2グループでは、小串先生と3名の歯科医師の先生方(会長先生をはじめ)、歯科衛生士さんと私の計6名で話し合いました。
私の方からは、取材のような形で色々とお話を伺う形となり、グループワークのテーマ自体にはあまり深く踏み込めなかったかもしれません。
まず、歯科医師等派遣事業(滋賀県が県全域で実施した事業)についてお伺いしました。補助金が終了した後、打ち切りになった地域もあると聞きましたが、この地域では補助金終了後も事業を継続された点が個人的に非常に印象に残っており、その理由を詳しくお尋ねしました。
様々な立場からの見解があるかと思いますが、特に医療センターのケースでは、医療センターが歯科との連携を必要としていたことが大きな要因だと感じました。もちろん、診療報酬の算定という評価があったことも重要ですが、医療センターと地域の歯科医師の先生方の両方に、熱心でリーダーシップを発揮する先生方がいらっしゃったことも大きかったと思います。属人的な部分もあるかもしれませんが、人と人との繋がりの中で事業が進んでいくことを改めて感じました。
また、看護師が患者さんをピックアップする際のアセスメント(スクリーニング)の手法についてもお伺いしました。当初から現在の形があったわけではなく、病院や三方よしの研修を通じて試行錯誤を重ね、現在のモデルができたとのことでした。
現在も進行形であり、今後も発展していくとのことでしたが、単にパッケージを組み合わせるのではなく、試行錯誤しながら良い形を作り上げていく点がこの地域の強みだと感じました。
コメンテーターのような感想ばかりで申し訳ありません。ほとんど私の個人的な感想になってしまいました。
お邪魔した身でありながら、大変恐縮です。入院から退院後の流れに関する議論はあまりできませんでしたが、話題に上ったのは、やはり幼少期、乳幼児期からの歯科教育の重要性でした。
リテラシーの問題で、どうしても対応が難しい患者さんが残ってしまう現状、特に要介護や認知症になった場合の対応の難しさを感じました。歯科衛生士さんからも、要介護状態になってからの対応に追われるだけでなく、もっと早い段階で何かできたのではないかという思いがあるというお話がありました。
また、治療や予防という観点だけでなく、患者さんやご家族がどうしたいのか、どうありたいのかという視点も重要だという話になりました。
歯科医師の先生からは「生きがい」というキーワードも出て、歯や口腔機能そのものだけでなく、患者さんの生きがいを視野に入れた支援の必要性が示唆されました。
例えば、女性であれば「朝起きて口紅を塗れるようになったら嬉しい」といった、患者さんの気持ちに寄り添った言葉かけや目標設定も大切かもしれません。
口腔機能管理は、そのためのツールとして活用できるのではないかというお話は、素人の私にも非常に共感できる分かりやすいものでした。
長くなりまして申し訳ありません。小串先生、このような形でよろしかったでしょうか。
本日は大変緊張いたしました。ありがとうございました。


3G:



東近江市役所障害福祉課の村田と申します。本日は、3月27日開催の第207回三方よし研究会にて、通院支援プロジェクトの担当として発表させていただくにあたり、会場の様子を拝見することと、関係者の皆様と情報交換をさせていただくことを目的として参りました。
本日は、歯科医師2名、歯科衛生士1名、そして私を含めた市の障害福祉課職員2名のグループで意見交換を行いました。
主な内容としては、私たちが日頃から障害のある方々に関わっていることから、多職種連携の重要性について意見を交わしました。
今回、初めて知ったこととして、県からの委託事業で、歯科医師会と歯科衛生士会が連携し、希望する作業所へ年1回定期的な歯科検診を実施しているという情報がありました。
これらの作業所は、日頃から口腔衛生に対する意識が高く、年1回の検診を継続することで、利用者の方々への指導も行き届いているとのことでした。
定期的な検診が、関係者の意識向上に繋がるという事例は、今後他の作業所にも広めていきたいと感じました。
一方で、私たちが関わる方の中には、障害特性により歯科医院への通院が困難な方や、初めての受診に強い抵抗を示す方も多くいらっしゃいます。具体的には、じっと座っていることや、口の中を見られることに強い不安を感じる方がいらっしゃいます。
そのような親御さんからは、「どのような歯科医院に連れて行けば良いのか」「無理矢理連れて行くべきか」といった相談をよく受けます。
作業所やグループホームを利用されている方は、定期的な検診を受けられる機会がありますが、自宅に引きこもっている方などは、そのような機会がありません。
そのような方とお会いして話を聞くと、口腔ケアが全くできていないケースも少なくありません。
これまで、そのような方に対して有効な情報提供ができていなかったのですが、今回、口腔衛生センターの情報を得ることができました。
今後は、口腔衛生センターの情報提供はもちろんのこと、必要に応じて医師会や歯科衛生士会の皆様との連携も視野に入れ、地域の口腔衛生向上に貢献していきたいと考えております。
まとまりのない話で恐縮ですが、以上となります。

〇指定発言
・公益財団法人 近江兄弟社 ヴォーリズ記念病院  看護師 浦谷安美様


本日は、口腔機能管理について様々な立場の方からお話を伺う貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。
当院では、2019年から歯科医師派遣事業に参加し、現在月2回、先生方に患者様の口腔内を診ていただいています。
専門的な視点から口腔内の状態を評価していただいた後、口腔ケアに関する具体的なアドバイスをいただいております。
当院の口腔ケアチームは、医師、看護師、言語聴覚士、管理栄養士で構成されており、多職種連携で活動しています。入院時には、OH(口腔衛生状態)の評価を行い、その結果を看護計画に反映しています。また、各専門職がそれぞれの視点から口腔ケアの必要性を判断し、ケア開始に繋げています。
開口困難な患者様や、口腔乾燥が著しく口腔内が汚れやすい患者様に対しては、回診で教えていただいた方法をスタッフ間で共有し、技術習得に努めています。
年に1回、歯科医師会の先生方を講師にお招きし、口腔ケアの方法やケア用品の取り扱いに関する研修会を開催しています。
これらの取り組みにより、職員の意識と技術は徐々に向上していると感じています。
口腔ケア用品も以前に比べて充実してきました。口腔内環境が改善したことで、食事ができるようになった患者様もいらっしゃいます。
今後の課題としては、入院時の口腔内評価で終わってしまっている現状を改善し、実践と評価を繰り返していくことが挙げられます。また、退院支援に繋げることも重要な課題です。
入院中に実施していたケアを、退院後も継続できる方法にアレンジし、ご家族へ指導していく必要があります。
退院後の歯科フォローをどのように行うか、入院中に計画を立て、退院時に情報提供することが、今後の目標です。
今後も継続的に口腔機能に関する意識を高め、多職種連携によるケアの実践と、地域連携の強化を図って参ります。
ありがとうございました。

・独立行政法人国立病院機構東近江総合医療センター 歯科口腔外科医長 堤 泰彦様



東近江総合医療センター歯科口腔外科の堤です。
多職種連携についてですが、当初はなかなか理解が進んでいませんでした。しかし、勉強会を重ねることで徐々に理解が広まりました。当初は、手術期の口腔機能管理というと口腔ケアというイメージが強く、「綺麗にするだけなら勝手にやっておいてください」というような認識でした。
そこで、説明の仕方を変え、「周術期の治療の支持療法として関わります。周術期の治療の助けになります」ということを強調したところ、理解が深まりました。現在では、全身麻酔の手術前や化学放射線療法前には、ほぼ全例で口腔外科を受診していただき、対応できる体制を整えています。特に、手術や全身麻酔においては、口腔外科を受診しないと麻酔を受けられないという認識が浸透しており、多職種連携は良好に進んでいると感じています。
歯科があることのメリットとしては、手術時の歯の脱臼や、化学放射線療法による重度の口腔粘膜炎に対する治療を即時に行えることが挙げられます。口腔粘膜保護剤であるエピシルは歯科でしか処方できませんが、当院には歯科が標榜されているため、迅速に対応し、治療中断を防ぐことができています。
現場の意見としては、情報の引き継ぎが課題として挙げられます。入院から退院までの情報の伝達はもちろんのこと、看護師への情報伝達も重要です。私たちは毎日ケアやチェックを行うことができないため、看護師に情報を正確に伝え、それを次の看護師へと繋いでいく必要があります。現在、各病棟を回り、看護師への情報伝達を強化しています。
課題としては、院内に歯科があるため、かかりつけ歯科医院がない患者様の場合、院内での治療を希望されることが多く、地域連携への移行が難しい点が挙げられます。また、単位時間カンファレンスへの参加も、マンパワー不足のため難しい状況です。今後は、地域歯科診療所への移行や、作業所から入院された患者様の退院後の情報共有をどのように進めていくかが課題です。

もう一点、地域歯科医に紹介した場合の懸念点として、化学放射線療法中の患者様の場合、治療内容の変更や骨髄抑制の悪化などが起こり得るため、情報伝達が十分に行えるかという点があります。院内であればデータチェックで対応できますが、地域歯科医との連携では、例えば抜歯などの侵襲的な処置を行う際に、出血が止まらないといった事態が起こり得る可能性も考慮し、情報伝達の体制を構築する必要があると考えています。
以上です。

花戸先生:

私から情報共有させていただきます。先ほどグループワーク中に調べた情報ですが、例えば本日発表のあった近江八幡総合医療センター様の平均在院日数についてです。皆様ご存知かもしれませんが、例えば整形外科の平均在院日数は21.8日、約3週間です。また、心不全などで循環器内科に入院した場合の平均在院日数は11.8日、2週間弱です。
皆様ご存知のように、急性期入院期間は非常に短縮化しています。そのため、入院後すぐに口腔ケアに取り組もうとしても、退院となってしまうケースが多く、いかに早期に関わるかが重要となります。脳梗塞なども同様で、急性期は非常に短く、すぐに回復期へ移行します。このような現状を皆様にも知っておいていただきたいと思います。
したがって、いかに早期に関わるかを考慮すると、平時から連携を密にし、関係性を構築しておくことが必要だと感じました。
また、周術期に入院される患者様で増加傾向にあるのが、心不全の急性増悪と誤嚥性肺炎です。誤嚥性肺炎には口腔ケアが非常に重要ですが、先述の通り急性期は非常に短いため、在宅や退院後のケアに重点を置いた平時からの連携が重要だと考えます。
以上、本日参加させていただいた者としての意見です。


【連絡事項】
・「第8回日本地域医療連携システム学会・三方よし研究会地域公開講座」
令和7年3月16日(日)13:00~16:00  〇会場 あかね文化ホール 
大会長:三方よし研究会実行委員長 花戸貴司  主催:NPO法人三方よし研究会 後援:東近江市

・第207回 三方よし研究会 令和7年3月27日(木)18:30~20:30


○当番 東近江地域障害児(者)サービス調整会議通院支援プロジェクト 会場:東近江市役所 東庁舎

次回第207回三方よし研究会、皆さんとお会いできることを楽しみしていますね。