第105回三方よし研究会
◇日時;平成28年8月18日(木) 18:30~20:30
◇会場;特別養護老人ホーム カルナハウス
(当番:東近江介護サービス事業者協議会施設部門)
【ゴール】
・社会福祉法人、特別養護老人ホームのセーフティネットの役割を学ぶ。
・地域での生活が困難になる状況とその予防策・支援策を学ぶ。
・顔の見える関係・ネットワーク作り、連携を深める。
【情報提供】
①9/3(土)心臓血管外科市民公開講座
②9/25(日)臓器移植市民公開講座
③9/29(木)第3回摂食嚥下研修
④10/22(土)脳卒中市民公開講座
⑤10/30(日)腎臓病市民公開講座
以上、近江八幡市立総合医療センター嶋田さんより
⑥10/23(日)ヴォーリズ記念病院ホスピス希望館10週年記念講演会
ヴォーリズ記念病院 細井先生より
【30分学習会】
社会福祉法人、特別養護老人ホームの役割について
●セーフティネットとしての役割について
(特別養護老人ホームカルナハウス施設長 後藤清)
・施設紹介
・老人福祉法に規定される施設
・地域で生活できなくなるときとは
・カルナハウスでの措置入所の実績
・カルナハウスでの新規緊急ショートステイ実績
・受入れによって
・措置入所、緊急ショートステイの受け入れの難しさ
・地域の生活困難者について
●東近江市の虐待及び措置入所等の現状について
(東近江市 福祉総合支援課 副主幹 若林広之さん)
・高齢者虐待のとらえ方
・虐待の種別
・高齢者虐待対応の流れ
・措置とは
・東近江市の高齢者虐待の状況
【事例報告】
「地域で住めなくなり緊急ショートから施設入所となった事例について」
●NPO法人ケアプランセンター加楽 川上美恵子さん
・ケアマネジメントの依頼(市役所福祉総合支援家より)
・対象者82歳、要介護4、アルツハイマー型認知症の対象者の事例
・服薬対応、昼夜逆転、行方不明、サービス利用拒否、妻の認知症の進行
・妻と一緒のサービス利用開始、娘の関わり、車探し
・トラブルから地域ケア会議、入所申し込み
・ケアマネジャーとしての振り返り、まとめ
●東近江市地域包括支援センター 主任介護支援専門員 加藤伊佐美さん
・サービス担当者会議での意見
・妻の認知症の進行についての対応
・成年後見申し立てについて
・娘さんによる支援の開始とショートステイ利用について
【グループワーク】
「地域での生活が困難になっても、地域で過ごし続けるために必要な支援とは?」
【発表】
Fグループ:特にむずかしいのは老老介護→親戚兄弟等協力して、キーマンを探すのが大事。また介護サービスが充実している反面地域で孤立する。我々専門職が「無理」と言ってしまっては家族は余計に不安にさせる。ゴミ屋敷の場合は見て分かるので声かけ連携して対応すべき。地域コミュニティが大事。
Gグループ:本人の問題と地域の問題が絡み合って住めなくなるのではないか、社会資源だけでは解決しにくいので、身内的・制度的なキーパーソンが必要では。地域の空き家等を利用して新たなコミュニティを作るなど。地域で住み続けるには、個人のパーソナリティ、関係性を今から作っていくことが大事では。
Hグループ:精神科の先生から認知症をどこで診るかにつき「分からない」との意見で困った。措置入院や措置入所につき、本人の意思はどうなのか、人権はどうなのかについて意見が白熱した。
Iグループ:住めなくなる原因としては、住民との離反、関係性断絶などがある。また認知症の徘徊等だと地域から居られづらくなる。家族と地域との意識の共通化が必要?個人情報との兼ね合いはあるが、個人のルーチンワークの共有などがあれば地域で支え合っていけるのではないか。認知症カミングアウトなど。
Eグループ:住めなくなる原因としては、高齢者世帯で介護負担が高くなる場合など。本人が他の方に迷惑をかけたくないという場合も。早い段階から家族と民生委員などで話し合っておく必要がある。家族や本人とケアマネジャーが中心となって信頼関係を作っていく。また地域性はあるだろうが、民生委員などから地域ケア会議などで問題をあげていっていく必要がある。
Dグループ:今回の事例は施設側の人間としてみてもケアマネジャーの負担が大きかったのでは。地域ケア会議の存在も大きかった。24時間対応がないと支えきれないケースもある。昔の世話焼きの人などがいなくなり、地域のつながりが中々少なくなってきた。
Cグループ:奈良でも山なので、住めなくなる原因が歩けなくなり生活できずに下に降りていくということが多いのだが、それでも制度やサービスを知っているかどうかの面がある。行政の窓口を徹底活用する。通報する勇気も必要。救急救命士の立場からは、虐待ケースに遭遇することもある。将来当該者にとり救いの手となるように行政に連絡するなど連携していきたい。
Bグループ:行政の予防策が大事では。事前にコミュニケーションの場を作ることなど。
Aグループ:本人のみならず娘など家族の負担感も考慮すべき。気を使わない近所関係作りができれば。専門職のみならず地域住民も支え合いが必要では。
Lグループ:地域により事情は違うので、資源を知ることが必要。個人情報の面はあるが、それを乗り越えていく必要がある。絆貯金の話。
【コメント】
●東近江市 福祉総合支援課 副主幹 若林広之さん
・この場で皆さんの意見を頂けたことが良かった。家族は気持ちが揺れることを受け止めて頂ければと思う。また周知も大事だなと。小さな気づきを勇気を持って話すということで忙しくなる?まずは地域包括支援センターへ連絡を。
●社会福祉法人六心会 理事長 堤洋三さん
・駆け込み寺的な取り組みについて色々と教えてもらっている。また虐待についても、内情はスパッと割り切れない面がある。長い歴史を汲み取る必要がある。グループでは2人の医師がいた関係で、措置と人権・尊厳について改めて考える機会がもてたことはありがたかった。
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