平成31年1月 17日(木) 18:30〜20:30
会場 東近江総合医療センター きらめきホール
当番 青葉病院 東近江総合医療センター
ゴール
○遺伝子関連技術とその問題を知ろう
○孤独な終末期を迎えることに対しできることを考えよう
○各職種が顔の見える関係を作ることができる
<小串会長より>
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
【情報提供】
<花戸先生・小梶さんより>
三方よし研究会市民公開講座「ケアニン」上映3/21(木)13:00〜 八日市文化芸術会館
・3月の三方よし研究会は公開講座としてケアニンの映画鑑賞を行います。通常一人500円くらいはかかるところ、今回は無料で行います。その代わりいろんな方から協賛広告の協力をぜひお願いいたします。
・またチラシを置いておくので、置いてもらえる所はお願いしたいし、できる限り呼びかけをお願いいたします。
・ケアニンのモデルとなった加藤忠相さんと花戸先生とのトークセッションもあります。
<楠神さんより>
「暮らしを豊かにするための外出支援研修」1/19〜20 AM9:30〜東近江市役所東庁舎A会議室にて。
・今からでも間に合うのでぜひご参加のほどよろしくお願いします。
(司会 小串会長より青葉病院山崎さんにバトンタッチ)
【30分学習会】
『ゲノム編集技術のヒトへの適用と諸問題』
青葉病院 木村洋貴先生
・2018年11月28日、衝撃のニュース!中国科学者が遺伝子を改変した双子を誕生させたと発表。エイズウイルス改変したとのこと。それから現在でも喧々諤々の議論がされている。
・ゲノムの定義…古典的定義と新しい定義がある。「ある生物の持つ全ての核酸上の遺伝情報」
・DNAは知っての通り、二重螺旋。遺伝子はそのうちタンパク質の情報をコードする部分。ゲノムは全遺伝情報。遺伝子と非遺伝子含む。
ゲノム編集とは…方向がある。従来のゲノム編集は相同組み換え法。10年前から流行している新しいゲノム編集=CRISPR/Cas9(通常法とダブルニッキング法あり)では、組み換え効率が従来の1/10~1/100で簡単にできてしまう。
・疾患において革新的ゲノム編集技術に期待できること…遺伝病を根治すること。
・なぜ今回ゲノム編集したのか?=負の部分。今回の遺伝子を改変したヒトの誕生について、科学的、合理性、倫理、世論の観点から非常な問題あり。
・現時点でのゲノム構造や機能の解明(理解)の限界…意図せぬ遺伝子の改変。最も憂慮すべきはエピゲノム変化(タンパク質相互作用)。
・今回HIVにそもそもゲノム編集を施す必要はほとんどなかった?
・法的規制ももちろんあり。カルタヘナ議定書。150カ国批准。カルタヘナ法が日本でも2003年成立。母体に戻して誕生させることは禁止。日本でも2019年4月指針を発表予定。
・今回の影響…議論が加速?規制強化?誕生した個体の将来への社会的支援?風評など。
・教訓…原子力技術の発展。発電核の正の側面に対し、核廃棄物、原発事故、核兵器、被爆の負の側面。「神の火を盗んだ!」
・まとめ
<質疑応答>
・中国の研究者は本当の目的は?…ニュースでしか報道されていないが、各学会は猛反発。回答としては、おそらく私の邪推からすると、功名心では?ネイチャーに発表したいという…
(司会 山崎さんより東近江総合医療センター矢島さんにバトンタッチ)
【症例報告】
『病院にて孤独な最期を迎えた事例』 MSW 横山京子さん
・3名の症例紹介
○Aさん…1960年生の男性、未婚。キーパーソンは東近江福祉総合支援課。実兄が在住だが存命中は連絡取れず、死亡後に本人と対面。遺体引取りは実兄。
○Bさん…1952年生男性。キーパーソンは東近江福祉総合支援課。妻と子供いるが行方不明。兄姉は連絡拒否。連絡窓口は姉の次男だったが、遺体引取り行わず。
○Cさん…1971年生女性。キーパーソンは京都市福祉事務所。兄姉妹おり、兄は連絡取れず。姉は経済支援はしないが死亡時は駆けつける。
【グループワーク】
テーマ『病院での孤独な最期を迎えた症例に対して』
・孤独な終末期を迎えないために地域でできることはなにか
・早期に対応するために必要なことはなにか
【発表】
<Aグループ>
本人の自覚?高齢というにはお若い。生まれた時代もあるのでは。そうならざるを得なかった要因がやはりあるんじゃないか。自助互助共助のはずが引っかからない。制度にもかからない。県外から流れた背景に着目する。気づきの目が行き届かないことが孤独な最期を病院で迎えた原因に?今後については、やはり顔の見える地域づくり・関係が大事。
<Bグループ>
各グループ員から経験談的なお話をもらった。この方に関わっている方をできるだけまずは探す。なかなか見つからないものだが。また地域で知っておられる方を捜す、過去を探す。私の体験で言うと、最期の時期でも救急車を呼ぶ人がいる。本当に病院でよかったの?最後はどこがよかった?亡くなった後に本人の事を思ってあげることがせめてもの葬い。
<Cグループ>
医療職が多いグループ。医療職でもないので(死についての)考えを持てない。自分の最期をどうするか。
本人にあらかじめ聞くこと、確認しておくことが大事。地域としては対人関係難しい人と関わりたくない事情もある。看れない家族への配慮、知らせたくないと言う本人への配慮もいる。
<Dグループ>
終末に向けてどれだけ事前に決めておけるか。切羽詰まった段階になってしまうとこのような悲しい最期となる。やはり週末に向けて本人が考えておかないといけない。しかしどのようにして頼ったらいいか分からない。気軽に相談できる場が地域にあることが大事。
<Eグループ>
下関からきました。本人達は本当に孤独だったのか?元気なうちに話しておければ。孤独な若い方も増えている。そのような方をどうするか。そのような人々が集えるシステム、共有する場、環境づくりを自助互助共助にて。
<Fグループ>
いい支援をされている。だがもっと早い段階で聞き取れれば。相談相手がいなかったのだろうが。複数の職種でアプローチを。地域含めた皆が加わった中で、その方のバックグラウンドを探していく。その方のストーリーを大切にする。一番大切なのは諦めない支援体制!
<Gグループ>
一人で…が多い。病院で退院支援をする際に早い段階から関係性を作っていく。スタッフ同士の連携。地域でも連絡先なり名簿を活用、防災などでも同じ。
<Hグループ>
年々このような方が増えている。そうなる社会背景がある。家族以外の繋がりはどうだったのか?ご本人の意向はどうだった?「人は皆孤独に死んでいく」と仰る社会学者もいるが。今後、やはり縦割りではあぶれてしまう人がいる。看護でも福祉でも行政でも…地域のコミュニティで何とかやっていけないか?
【コメント】
○東近江市福祉総合支援課 辻参事
この方々、あの方かな?と記憶をたどりながら聞かせてもらっていた。遺品の処理をしていると、抹茶色年賀状であったり、明らかに昭和の写真が机の上に置いてあったり…多分毎日見ていたのだろう。キティちゃんの封筒に成人した子供の手紙が入っていたいたり。色んな歴史があって繋がりが断たれていったのだろうと推測する。繋がりたいという気持ちは確かにあったのだと思う。そのような方でも住める地域に出来れば。ちょっとその方の暮らしを想像する、気にかける人が一人でもいる地域にできれば。地域包括ケアシステム=その人が住み慣れた地域で最期を迎えられるようにとは言われるが、行政としては、なるべく本人が自分らしい生活を選べるように、色んな情報を届けられるようにしたい。明日の事を考えられないのに今日の事は考えられない。その方の居場所であったり、明日のことを考えられる情報を沢山提供していきたい。本人の選択と家族の心構えを応援していきたいなと思っています。
<岩尾さん(びわこ学院福祉課学生)よりの質問>
地域包括ケアシステムについて、よく出てくるが、実際に働いている方々はどう捉えているか?…実際働いている方の中で活躍されている人を特別講師に呼んで講演してもらうのもよいかもしれない。
○一般社団法人中野ビレッジハウス 小梶猛氏
このような方々は特別な事例ではないと思う。機会平等を追求してきた結果、結果平等を置き忘れてしまったのでは?ある市の行政改革で「小さな制度を目指す」、本当に我々市民は受け入れてもよいのか?もっと声を発するべきではないか?孤独はポジティブな捉え方もあるかもしれないが、私は一つの貧困の形だと思っている。経済的だけでなく情報遮断、参加機会喪失、繋がり拒否など。そう捉えれば我々にもやれることは沢山あるのでは。ビレッジハウスにて地域づくりをしているが、この人そうじゃないかな?という人がいる。村がかり=皆が自分のこととして捉えることが必要だと思っている。全体的にどうするかではなしに、一人一人の顔が思い浮かぶようにしていく、支援ではなく関わりを積極的に図れるようにしていくことが大事なのではないか。
【初めての参加者紹介】
下関市から来られた7名含む13名の紹介。
○メーリングリストの紹介(花戸先生)
○私から届けたい一言メッセージと協賛と花戸先生の著書の紹介(山本さん)
【次回の紹介】
<加藤さんより>
第135回三方よし研究会 平成31年2月21日(木) 18:30〜20:30
当番 ヴォーリズ記念病院
会場 近江八幡市立総合医療センター
テーマ アドバンスケアプランニング、また皆で人生会議、終活の話をしていきたい。
<瀧川さんより>
○糖尿病三方よし研究会のお知らせ
ご参加いただきました皆さま、お疲れ様でした。
来月もどうぞよろしくお願いいたします。
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