第143回NPO三方よし研究会が開催されましたので、ご報告いたします。
◇日時:令和元年10月17日(木)18:30~20:30
◇会場:五箇荘コミュニティセンター
(当番:湖東歯科医師会、ぴーまん食楽部、東近江圏域介護支援専門員連絡協議会)
○初期の口腔がんについて学ぶ
○退院時及び在宅の栄養評価について学ぶ、多職種での連携を深められるようにする。
【情報提供】
・「お口いきいきチェックシート」について 東近江保健所:稲岡さん
・12月の三方よし研究会の案内 12月21日 午後4時~ ゲスト:堀田聡子さん:加藤さん
・市民公開講座のお知らせ 令和2年2月29日 午後1時半~ 映画「ピア」上映会:加藤さん
【30分学習会】司会:湖東歯科医師会 和田先生
歯科医師会)
初期の口腔がんについて東近江総合医療センター 歯科・口腔外科医長 堤
泰彦先生
・悪性腫瘍と、良性腫瘍の違い
・60歳代の男性に多い ・再発率13~30%
・がんの種類と特徴(唾液線がん、悪性黒色腫)
・口腔がんの原因は?(酒、たばこ、虫歯・・・ ※紙煙草の影響が特に大きい)
・口内炎ができて2週間経過して治癒しない場合は検査が望ましい。
・鑑別診断
・検査方法について(細胞診、病理組織検査、ヨード染色、蛍光検査、)
・治療方法 ・緩和ケア
※口腔がんは、がん全体の1~2程度であるが増加傾向
※2週間以上、同じ場所に続く口内炎や治療不全は要注意
【情報提供・症例報告】 司会:ケアプランセンター加楽 川上さん
情報提供①:地域高齢者の低栄養(やせ)傾向の現状 東近江保健所:清水さん
・低栄養状態の高齢者は19%(東近江圏域では17%)
・65歳以上にアンケートを実施(BMI18.5以下(やせ) 近江八幡市7.6% 東近江市6.8%、竜王町8.4%)
情報提供②:栄養で三方よし ぴーまん食楽部:浅岡さん
・中部ぱあはーと 在宅医療支援センター内に設置
・在宅介護の栄養相談に関する内訳(低栄養、・・)
・相談者の再フォローの強化 ・各世代対象へのアプローチ ・多職種の方々への相談窓口について
・問い合わせ先:090-1713-3044 ※どなたでもお越しください!
情報提供③:栄養評価方法、栄養評価により低栄養と判断された方へのアドバイス方法、栄養士さんへの依頼方法について:ぴーまん食楽部:浅岡さん
・栄養ケアのおさえどころ(在宅栄養評価法、在宅での低栄養対応、栄養士へのつなぎ方)
・簡易栄養状態評価表MNA(体重変化率でみる、BMI) ※体重が測れない方はふくらはぎの周囲長
※スクリーニング値 12~14ポイント:栄養状態良好、8-11ポイント:低栄養のおそれあり、0-7ポイント:低栄養
・在宅での気づき(ささいな兆候を見落とさない)
・食事をとる時間が以前よりかかる ・滑舌が悪くなる ・義歯が合わなくなる ・薬が多剤である。
・嚥下のある方には、とろみ剤、固形剤の利用も検討
・三方よしの訪問栄養が訪問チームスタッフに参加できるには→在宅訪問診療されている診療所とフリーの立場の私達は業務委託を受けてスタートできる。
※食に対するさまざまな悩みごとや困りごとを気軽に相談したりしゃべれる居場所が住み慣れた地域の中にあること。そこに「管理栄養士・栄養士がいる」こと。
地域に根差した「栄養ケア」を目指している。
症例紹介:①100歳の人が入れ歯を入れたら元気になった。②入れ歯を入れたら胃ろうが外れた:竜王町国民健康保険所(歯科)所長 小島さん
・義歯を入れて体重が回復
・歯の根を抜歯し義歯の調整を行い食欲回復
・新しい義歯を装着して、何でも噛めるようになる。(102歳)
・町の歯科栄養士はお口のケアマネジャー
・むし歯が多発する(80歳で20本を保っている方は50%以上)
多死多死社会(歯があると、口腔ケアも複雑になる。)
【グループワーク】
・低栄養と思われる方について、各専門職としてどのような支援ができるか?
・どのように歯科衛生士さん、栄養士さんと連携できるのか?
・自分自身は食べることをどのように考えているのか?(自分を振り返る。)
【発表】
Aグループ:まずはBMIを測定する。食べることが困る人がいれば、歯科衛生士、栄養士に相談する。訪問診療に繋げにくい問題あり。居宅療養管理指導で医師、薬剤があるが、栄養士につなげていない。
Bグループ:①食べることの環境作りは歯科の役割。社交性を持つこと、一人でいることを少なくすることも必要。体重の変化が継続してできるようにサービス事業所で情報共有したい。③食べることを意識していきたい。
Cグループ:薬剤師さんは栄養剤を渡している。食事のとり方に偏りがでがちなので、食べる方法についても、良い方法を、その人に合わせて見つけたい。歯科としては、新しい入れ歯を入れるよりは、慣れた入れ歯を調整する方が馴染みやすい。合わない時は歯科にかかってほしい。歯科医師会、かかりつけの歯科を通して関りを持つのが良い。
食べることが生きること、食べやすい環境を多職種で作っていきたい。
Dグループ:竜王町では要介護2以上全員をチェックしている。歯科衛生士さんからは、病院ではできていても、在宅ではできなくなることがあり、退院カンファレンス時の取り組みも相談して頂きたい。
E:テーマにあまり沿わず、楽しくお話ができた。最後の晩餐に何を食べたいから、お話しをした。何歳で死ぬのか分からないので、何か月に1回受診しているのかと等と、半年に1回から10年まで様々。やはり半年間に1回は受診をして頂きたい。又異変に気付いたさいには、歯科医師会などに相談して頂きたい。
F:竜王町では要介護2以上の方に無料で訪問している。病院内でしているケアを在宅に繋いで欲しい。食について、エネルギー補給として食を取られている方が多いように思う。食を楽しむことも大切。
G:低栄養に関して、家族が本人に助言するのは難しい。自分の嗜好をいるまでも持たれているので・・・。食べていたら良いと、栄養が後回しになることがある。栄養士として、相談に入らせて頂きたい。栄養チームとして、病院では栄養管理ができていても、在宅では難しいケースが多い。(再入院されるケースも多い。)補助職員は高価なので敬遠されることあり。えいようで三方よしを一般の方にもPRして、相談に来て欲しい。歯科は元気なうちに定期的にメンテナンスする習慣がつくようにしたい。
・指定コメント
・滋賀県栄養士会 栄養ケア・ステーション コーディネーター 東森さん
平成30年度に栄養スクリーニング加算が介護施設で算定できるようになった。先程からテーマになっている、低栄養を把握できる機会となり、ケアマネに情報が伝わり、多職種で検討できる。施設だけでなく通所介護でも利用できるので導入を検討して欲しい。
サルコペニア肥満と言われように、要介護2程度の方には肥満も多い。体重が減って転倒・骨折と繋がることがあり、介護予防の段階から栄養士も関わりたい。本日参加の皆さんは低栄養についてご存知だが、一般の方には馴染みがなく、地域の栄養士を活用して頂きたい。
・湖東歯科医師会 会長 輪田さん
この4月から石黒歯科衛生士から溝江歯科衛生士さんに交代している。HPに連絡先もあるので、気軽に相談して欲しい。
カミング30をスローガンに30回噛むことを運動している。
年を取って歯科医院に通えなくなり、口腔状態が悪化する人がいるが、交通手段の問題だけでは訪問診療が行えないので、制度の見直しも必要ではと考えている。
何かあれば、歯科医院に行って欲しい。歯科医院から歯科衛生士を紹介できるので活用してほしい。
<自己紹介> 初めての参加者を中心に自己紹介してもらう
【その他】
・東近江保健所:久保さん
11月20日 午後アピアで、高次脳機能障害の研修会を開催する。
【連絡事項】
次回第144回三方よし研究会:
日時:令和元年11月21日(木)18:30~20:30
会場:東近江敬愛病院
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