三方よしカレンダー

2026年6月18日木曜日

第224回 三方よし研究会開催のご報告

本日、第224回の三方よし研究会が開催されましたので、ここに報告いたします。



日時:2026618() 18:3020:30

会場:きいと/WEB開催(ZOOM開催

当番:東近江介護サービス事業者協議会在宅部門・施設部門(社会福祉法人六心会

 

全体進行小串輝男先

 

【ゴール】

○「東近江市多文化共生推進計画」を共有す

外国人住民の困りごとを相談事例等を通して知り、多職種・地域連携でできることを考える

顔の見える関係・ネットワークを作り、連携を深める。

 

【情報提供】

「東近江圏域介護職員初任者研修」の開催について


・東近江圏域介護職員初任者研修は、過去11年間にわたり継続して開講されており、令和8年度も開催が決定しました。この研修は、三方よし研究会のメンバーが講師となり、現場の最前線の知識や経験を伝える内容となっているのが大きな特徴です。

・令和8年度の受講申し込み締め切りは、6月24日となっています。ちなみに日野町や東近江市では、条件に応じて研修受講費用の一部を補助する制度が始まっていますので、周囲に興味のある方がいれば、ぜひ周知お声がけをお願いします。

 

進行:六心会  洋三さん


【30分学習会】

「東近江市における外国人住民の概況と「東近江市多文化共生推進計画」の概要について」

東近江市企画部企画課  係長  溝江  麻衣子さん


1. 東近江市における外国人住民の概要

・東近江市の総人口は平成17年の約11万6,000人をピークに減少に転じており、令和8年6月1日時点では11万1,355人となっている。一方で、外国人住民数はこの10年間増加を続けており、令和8年6月1日現在で5,322人に達している。

・国籍構成としては、以前はブラジル国籍が最多だったが、令和元年頃からベトナム国籍が急増している。令和7年の後半には一時期、ベトナム国籍の人数がブラジル国籍を上回る逆転現象が起きたこともある。

・現在、東近江市は滋賀県内で最もベトナム国籍の住民が多い自治体となっている。

日本人住民の平均年齢が47.0歳であるのに対し、外国人住民は33.3歳と約15歳も若いのが大きな特徴。

・特に20代は外国人住民全体の31.4%(日本人住民の約3倍の比率)を占めており、地域の労働力として重要な世代が集中している。

・在留資格別では「永住者」が最も多く、次いで「定住者」となっている。

・特筆すべきは、10年前と比較して「家族滞在」や「永住者の配偶者等」といった資格を持つ人が大幅に増加している点。

・これは、かつての期間限定の労働という形態から、家族を呼び寄せて地域で共に暮らす「定住化」へとフェーズが移行していることを示しているといえる。


2. 東近江市多文化共生推進計画の概要

・本計画では多文化共生を「国籍に囚われず、全ての住民が互いの文化や多様な価値観を認め合い、平穏で心豊かに生きていくこと」と定義している。

・外国人住民を単なる「支援の対象」ではなく、「地域社会を共に作る一員」として捉え、人権を尊重し能力を最大限に発揮できる活力ある社会を目指している。

国のロードマップに呼応し、自治体として初めて「ライフステージに応じた支援」という視点を盛り込んだ。これは、これまでの「一時的な滞在」を前提とした支援から、誕生、就学、就職、結婚、そして老齢期に至るまでの切れ目のない支援体制の構築を目指している。


3. 5つの基本目標と具体的な施策内容

⚫︎基本目標1:コミュニケーションの円滑化(最重要課題)

・計画の中で最も大きなウェイトを占めている。日本語、特に「日曜日」の読み分けや魚の数え方(1匹、2匹、3匹など)といった独特の難しさを理解することが前提となる。

・多言語での情報発信に加え、行政や地域からの情報を分かりやすく伝える「やさしい日本語」の普及に注力している。

⚫︎基本目標2:生活環境の整備(住みやすさの向上)

・医療・福祉・保健体制: 日本の複雑な医療制度や社会保険の仕組みを周知し、誰もが安心してサービスを利用できる環境を作る。

・教育環境: 日本語指導が必要な児童生徒への支援や、保護者への情報共有を強化する。

・災害対策: 災害時に「高台へ避難」という言葉が伝わらない事例があった教訓から、「高いところに逃げて」といったシンプルかつ即時性の高い表現(やさしい日本語)による情報伝達を推進している。

⚫︎基本目標3:社会参画の促進

・外国人を「守られる存在」から「地域を支えるスタッフ」へと転換させるための活動を支援している。

⚫︎基本目標4:ライフステージ別の課題解決

・青年期: キャリア教育の充実。親と同じ職業に就くだけでなく、多様な選択肢を提示する。

・老齢期(65歳〜): 介護保険制度や高齢者福祉サービスの周知を早期から行い、孤立を防ぐ。

⚫︎基本目標5:推進体制の整備

・市役所内部の連携(町内プロジェクト)だけでなく、警察、消防、医療機関、ボランティア団体と情報を共有し、犯罪の抑止や社会的孤立を防ぐネットワークを構築する。


4. 専門職や地域住民へのメッセージ

外国人住民が日本で働くために、どれほどの労力をかけて日本語を学び、不自由な思いをしながら生活しているかを想像し、寄り添う姿勢が求められる。

地域のイベントや避難訓練に積極的に声をかけ、「地域の仲間」として迎え入れることが、安心安全な街づくりの第一歩となる。

・多職種・多機関の連携として、医療や福祉の現場で生じる困りごとは、特定の部署だけで解決できるものではない。行政や国際交流協会、そして専門機関である「滋賀外国人相談センター」などを活用し、チームで支える仕組み作りが必要。






【事例報告】

「東近江市の外国人住民が抱える問題とその対応について~東近江国際交流協会の相談活動を通して私たちができることを考える~」

東近江国際交流協会  事務局長  モリコーニ  直美さん


1. 東近江国際交流協会の活動について
 協会は主にボランティアによって運営されており、あらゆる国籍の人が集い、多文化交流を楽しむ場を提供している。
5つの姉妹都市との「姉妹都市交流事業」と、在住外国人の支援や相談を担う「多文化共生推進事業」を行っている。
個別指導形式の教室を週末に開催しており、1回100円という低価格で、各自のレベルやニーズに合わせた学習を支援している。

2. 相談活動から見える課題と対応
年間約100件の相談があり、内容は日本語学習のほか、ゴミ出しや騒音などの近隣トラブル、ヤングケアラーの懸念など多岐にわたっている。
認知症を患ったポルトガル語話者への介護支援や、言葉が通じず身元不明となった迷子の高齢者への対応など、緊急かつ専門的な通訳・翻訳が必要なケースも過去相談にはあった。
1人で出稼ぎに来ている人は強い孤独感を抱えており、昨年初めて開催したスピーチ大会では「家族の笑顔を思い浮かべて辛さを乗り越えている」という切実な思いが語られた。

3. 職場や地域での円滑なコミュニケーションのコツ
理解していなくても「分かりません」と言い出せなかったり、間違って理解したまま「分かった」と答えたりするケースがあるため、注意が必要。
日本特有の「空気感で理解する」ことは難しいため、言葉による明確な伝達が不可欠。
・「家族」は外国人住民にとって家族は最大の関心事であり、家族の話題を出すことが心の距離を縮める最も有効な方法の一つ。
・国ごとに文化的「スイッチ」がある。中国のメンツ、韓国の年齢序列、インドネシアの怒る上司への不信感など、国ごとの価値観(スイッチ)を尊重し、不要な摩擦を避けることが重要。

4. 今後の展望と連携
違いを否定せず、互いの多様性を認め合い「違いが素晴らしい」と言い合える関係性を築くことが共生の第一歩。
解決が難しい問題については、多言語対応が可能な「滋賀外国人相談センター」などの専門機関へ繋いでほしい。



進行:花戸  貴司先生


【グループ別意見交換】

それぞれの立場での外国人住民との関わりの中で課題となっていることについて共有する。

・以下ののテーマについて、1つ以上について話し合う。

外国人住民が「安心して利用できる保健・医療・福祉体制の整備」のために必要な取り組み基本計画2「住みやすさの向上」施策3

外国人住民の「災害への備えと災害時の対応の周知」のために必要な取り組み基本計画2「住みやすさの向上」施策4

外国人住民の「ライフステージに応じた支援」(基本目標2)のために必要な取り組み


【発表】

<1グループ>

ケアマネジャー、地域包括支援センター職員、薬剤師、看護師、医師、保健所職員という職種で構成された。

乳幼児健診の現場などで外国人の親子が増えている現状がある。特に20代・30代の若い世代が増えていることは、支援者も肌で感じている

・親よりも日本語が堪能な子供が、病院で通訳を務めるケースが多く見られる。しかし、癌の告知や重篤な病状、終末期の意思確認といった非常にデリケートで重い内容を、子供に翻訳させることの是非や、その心理的負担を危惧する意見も出された。

対面や電話では言語の壁が厚い一方で、LINEなどのテキストベースのやり取りであれば、翻訳機能等も活用しやすく、より確実な情報伝達ができるのではないか。

外国人に「日本のルールに合わせてもらう」という一方的な視点ではなく、受け入れる側が相手の国の事情や宗教的背景を積極的に学び、理解しようとする姿勢が不可欠。

保健所の立場からは、結核などの感染症対応において、本人だけでなく勤務先の管理者や通訳も含めて、正しい知識の普及や服薬継続の重要性を指導している実情がある。


<2グループ>

病院ソーシャルワーカー、地域連携事務、在宅ケアマネジャー、障害相談員が、実務レベルでの対応について議論した。

臨床現場では「ポケトーク」や翻訳アプリを使用しているが、厳密なインフォームド・コンセントを行うには精度が不足する場合があった。市役所や国際交流センターでも通訳が見つからず苦慮した際、厚生労働省が提供する「無料の医療通訳」電話サービスを利用して解決した事例がある。

医療・介護現場で働く外国人職員が増える中、漢字にカタカナを併記するなどの細やかな配慮や、既に現場で活躍している先輩外国人職員による直接指導を取り入れ、職場定着を図っている。

地域で開催されている日本語教室は、単なる語学学習の場にとどまらない。ゴミ出し等の生活ルールや、災害時の避難方法、防災知識を伝える「地域生活の教育拠点」としての役割を担っている。

・祭りなど、日本の伝統文化や地域の祭りに興味を持つ外国人は多く、町内の飲み会や行事へ積極的に参加してもらうことが、互いの心の垣根を低くし、地域社会に溶け込むための大きなキーワードになる。


<メイン会場グループ>

医師、施設長、病院理事長、ケアマネジャー、薬剤師、歯科衛生士のメンバーにより検討した。

日本の医療制度は、正規の滞在者であれば高齢者であっても通訳を介して適切にサポートできる体制が整っている。国籍を問わず「困りごとの本質」は万国共通。

フィリピン人等の技能実習生を受け入れている施設では、彼らの信仰を尊重し、施設内に礼拝室を設けるなどの配慮を行うことで、精神的な安定と良好な就労環境を維持している例が紹介された。

貧困層の多い国では医師が不足し、薬剤師が地域医療の主役を担っている現状などの報告があった。こうした背景を知ることは、来日した外国人の期待やニーズを理解する助けとなる。

日本特有の「本音と建前」を理解することの難しさや、馴染みのない食文化(刺身など)であっても「せっかく出されたから」と無理をして食べてしまうような、日本的な気遣いから生じる誤解や苦労の事例が紹介された。

災害時に最も有効なのは、日頃からの横の繋がり。特別な支援制度を整える以前に、普段から近所付き合いがあれば、いざという時に「あそこの外国人を助けに行こう」と自然に手が差し伸べられ、安全な場所へ導くことができる。


【指定発言】

⚫︎社会福祉法人六心会 介護老人保健施設ここちの郷 副施設長 愛須 和美さん

 本日は貴重なお話を色々聞かせていただきまして大変勉強になりました。 私どもは今法人として中国人の方10名、フィリピンの方6名、計16名の受け入れを行っております。7月1日からまた6名いらっしゃり計22名となります。大体6年、7年ぐらい前から継続して受け入れを行ってきました。

 その中で私がお話を聞いて感じたことは、ハード面とソフト面、両方のサポートがいるということです。ハード面としては、行政や色んなサポートを受けられるというシステムが構築されていることです。ただそれだけでは本当のサポートとはなりませんので、ソフト面のサポート、例えば困りごとがありそうだなと思ったら、同僚が声をかけられる環境であるとか、お母さん的な存在の職員がいることで、安心して務められるっていうことがあるのかなと思いました。

 あともう1点、外国ということでバイアスをかけないということも非常に重要かなと思いました。外国人だからとか、何々の方だからというよりも、私が6年7年付き合って感じることは、やはり最後は人なんですね。日本人も外国人も全く変わらなくて、その人一人一人のパーソナリティが大きい部分もありますので、バイアスをかけずに、きちんと人間として向き合うということが非常に大事かなと思っております。

 今後も共生社会ということで、働いていただく方だけではなく、私たちが地域の社会資源として、地域の方や外国人の方とどのように関係性を構築して、より良い住みやすい社会を作っていけるのかなということで、地域担当の職員もおりますので、力を活かしながら協力していきたいなと思います。今日はありがとうございました。


⚫︎東近江市五個荘木流町(東近江市市議会議員)  大橋  保治さん

 皆さんこんばんは。貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。やっと私の時間がやってまいりました。私は五個荘木流町に住んでいるんですけども、大体人口は約210人で70軒ぐらいの集落なんですけれども、令和元年ぐらいにブラジルの方が空き家を改修して引っ越してこられました。ご主人と奥さんと子供さん5人家族です。

 令和4年に私がそこの区長をしている時に、7月の自治会の清掃で草刈りがあったんですけども、出席されなかったので、自治会長が不参加料集めに行くので、組長さんとして一緒に来てくれないかということで、一緒についていきました。

 行きましたら「なんでそんなお金を払わなきゃいけないんですか」という話になりまして。 その時の世間話の中でですね、公園の草刈りもしていないことや、五個荘の中央公園の方が綺麗やないかとか、家の周りに街灯がないので非常に夜危ないんですよとか、「朝私は5時に出て、三重県まで仕事に行って帰りが毎日夜9時になるので、日曜日しか休みがないのに、なんでそんな場所へ行かなきゃいけないんですか」という話を1時間ぐらい玄関でしておりまして。

 ふと玄関先に大きいバーベキューコンロが見えましたので、「バーベキューはよくされるんですか?」という風に聞きましたら「するよ」ということでありましたので、「今度一度しませんか」ということで提案しましたら「しましょうよ」という話になりまして。 不参加料の話をしに行ったのに、バーベキューの日程を決めて帰ってきたなということになりまして。それから毎年自宅に行きバーベキューすることになりました。

 令和5年からですね、8月に行う地元の夏祭りに来られるようになりましたし、10月に毎年レクリエーションの大会をしておるんですけども、そこも家族で参加してくれるようになりました。 昨年度の夏祭りは、その家族の方はもちろん来ていただいたんですけども、ブラジルの友達の方も一緒に来るようになりまして、本当に身近な国際交流と言いますか、自治会の中で一緒に取り組めているというのは非常に大きい成果かなというように思っております。以上です。ありがとうございました。


【連絡事項】

第225回 三方よし研究会 2026年7月18日(土)16時~18

内容:「子三方よし研究会」の取組み報告

当番:実行委員会


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