三方よしカレンダー

2020年5月22日金曜日

第149回 NPO三方よし研究会のご報告(WEB)

149回 三方よし研究会が開催されましたので、ここに報告いたします。
今回もZOOMでのWEB研究会を開催し、全国からご参加頂きました。
ありがとうございました!

◇日時:令和2年521日(木) 18:3020:30
◇会場:ZOOM活用によるWebで開催
当番:医療法人社団昴会

本日のゴール
○眼科の勉強会を通し眼科について知識を深める。
ICTを利用した各種カンファレンスについて情報交換を行う。
○コロナ感染症について情報交換を行う。



【情報提供】
●介護初任者研修(楠神さんより) 今年も10/4より開催を予定している。

●医療法人社団昴会 東近江市蒲生医療センター(医療法人社団昴会指定管理)の紹介(上田さん・加藤院長代読)
・運営方針としては総合家庭医療を中心に予防医療、地域医療に取り組んでいる。
・昴会4病院の連携〜蒲生医療センター(癌放射線治療)、能登川病院(癌疾患)、日野記念病院(脊椎疾患)、湖東記念病院(心筋梗塞)それぞれ得意分野を持ちつつ連携していきたい


30分学習会】
『最近の糖尿病網膜症の治療と当院でのコロナ対策』
昴会アイセンター 東近江市立能登川病院 眼科 野口敦司医師




○当院でのコロナ対策〜


・病院入り口で問診と体温測定を実施
・スタッフはシールド着用
・眼科は患者との距離が近いのでクリアファイルで隔てて診察
・職員や患者さん達全員の問診と体温測定、全員マスク着用
・入院患者全員に48時間内に採血
・全身麻酔患者はさらに胸部CTを確認
・可能な限り換気し、3蜜を防ぐ
1日も早い終息、収束を願います

○糖尿病と糖尿病網膜症
・現在糖尿病患者数は42500万人。成人の11人に1人が糖尿病患者。
・わが国の視覚障がいの原因疾患のうち、糖尿病網膜症は第3位。ちなみに第1位は緑内障。
・糖尿病黄斑浮腫の自覚症状〜かすみ眼、変視症、視力低下、コントラスト感度の変化など
・糖尿病網膜症の病期分類 5分類
・糖尿病網膜症の進行段階
・糖尿病罹病期間が長い患者ほど、糖尿病黄斑浮腫を有する患者が多い。
・糖尿病網膜症病期別の糖尿病黄斑浮腫を有する患者の割合
・糖尿病黄斑浮腫の発現に影響を与える因子〜6つほど
・糖尿病黄斑浮腫に対する治療~全身性因子のコントロールに眼科的治療
・糖尿病黄斑浮腫の治療におけるレーザー光凝固と硝子体手術
・糖尿病黄斑浮腫の治療におけるVEGF阻害剤療法
・全身かかりつけ医と眼科の連携の重要性〜糖尿病手帳の活用
・最後に 眼科手術における薬剤休薬について、眼科の手術において術前に抗凝固薬を含む常用薬を中止する事は基本ない

○質問
Q. 年齢制限はあるのか?
A. 年齢上限は一切ない。100歳でもやることはあるが、脳卒中が半年以内にある方は基本慎重投与ということになっている。

Q. 術後の点眼が頻回で自宅に帰ってから大変との意見に対しては?
A. 手術後点眼は基本長期にはなってきていないが、1週間から2週間、4種類ほど必要になってくる。困難な方は12泊の入院もある。家族の協力ももらうこともある。

Q. 常勤1人から常勤5人非常勤7人のアイセンターを作られたのはなぜ?
A. この地域で眼科で色々な手術をして治せる施設が少なかった。その中で能登川病院で眼科で特色ある治療ができないかと声をかけて頂き、センター長に声をかけて頂いて人が集まったという。
・昴会は特徴ある病院で、湖東記念病院は心臓と脳神経外科を専門に、日野記念は脊椎や消化器外科、そして能登川病院はアイセンターを作られた。それで地域貢献されている。
・三方よしがあるからだろうが、自然に機能分担できている。なかなかできないですよ、ほかの地域では。

Q. 目の疾患の方への自動車運転に対する指導に関しては?
A. 免許が取れるかどうかは、両目で0.7ないといけない。ただ来られる方でそれほど出ていない方も地域柄もあり実際いる。そんな高齢者にも、運転してきちゃっている人には白内障治療等勧めることもあるし、家族と共に相談することになることもある。視力が良くても視野が狭い人も危険だし、認知症がある場合も、家族と相談ということになる。


【事例紹介】
ICTを利用した退院前カンファレンスの実施報告と今後の展望と課題』



・令和2年512日に行った。
・内容 入院患者の退院前カンファレンス。
・参加者 病院側は主治医、病棟看護師、退院支援部門スタッフ。在宅側は在宅療養担当医、ケアマネジャー、施設担当者で、在宅療養担当医のみ遠隔参加。
・環境 ZOOMを使用した遠隔カンファレンス。
・使用機器 ノートパソコン、WEBカメラ、スピーカー、液晶テレビ。テレビにデスクトップ環境を拡張して、参加者に対して遠隔参加者を視認しやすいようにした。
・遠隔カンファレンスでの円滑な情報提供として~事前に準備した書類を電子化し、WEB会議システム上で提示し、遠隔参加のスタッフにも確認してもらえるようにした。
・今後の展望〜現状では病室に入室して頂くことも不可能なため、カンファレンス後にICTシステムを用いて面会してもらえる環境を構築できれば尚良いのではないか。またこのような取り組みはリハビリ見学、在宅療養担当医と入院患者とのコミュニケーションに利用でき、スケジュール的にも実施しやすくなる可能性があり、今後の多期間連携でも活用できる可能性がある。
・課題〜情報セキュリティのリスク。汎用的なICTを業務に取り入れれば取り入れるほど、現場のスタッフに専門的な知識を要求する可能性が高く、運用を誤ることのないよう、使用機器や提供サービス、マニュアル作成等、本格導入前には色々と考えておく必要あり。

○質問ほか
・カンファレンスの時間の設定は?〜在宅療養主治医ほか各々の都合の良い時間に合わせた。
・玉名でもiPadを使い、ICTの得意でない先生には持っていって、「その時間に押すといいですよ」と設定だけして活用できるように工夫している。

・電子カルテをどうやって共有されていたのか?〜今回は一旦スキャナでPDFに変換し、それをZOOMで共有した。
・講義で使ってこれはいけるなと思ったのは、OCRで読み込ませるやり方。

・ウチの院内では使用している。1か月前には知らなかったが、使ってみたら便利なため院内でも使っている。車の中でも行えて便利。なので自分のライフスタイルも変わってきている。CC連携のカンファレンスは許可が下りてないだろうが、退院前カンファレンスはすぐやれるかなと。

・全部オンラインではなく、いろんな状況下で活用していくということかと思う。世田谷の方で、サービス担当者会議をオンラインで行い、本人他遠くに住んでいるご家族も参加できるという素晴らしい事例もある。成功事例を共有できるといいのかな?と思った。

・今回の会議は、僻地にいる人間にはオンラインはとてもありがたい。

・事前の下ごしらえも大事、元は顔の見える関係が基本で、知らない者同士がオンラインでというのは話が噛み合わなくて難しいかもしれない。


【情報交換】
『新型コロナウィルス感染症に関連して』
4月に引き続き、医療機関・施設・在宅支援者等の状況について情報交換を行う
〇在宅支援者と医療機関との間で問題となっているケースが無いか確認する

○花戸先生からの情報提供
・新型コロナ・感染拡大の現実。シュミレーション。
・誰が地域を守る? ①病院 ②地域の医療介護福祉 ③住民の行動変容



(ZOOMではこのような参加者への問いかけ投票と結果表示もできるんですね!)

・最前線は、病院ではなく、住民の行動変容と地域の医療介護スタッフ。
・滋賀県における新型コロナ対策
・地域の新型コロナ対策〜一般住民/医療・介護
・「濃厚接触者」の新しい定義〜濃厚接触者にならないために
・クラスターが発生した施設では、入所者の3人に1人が死亡
・考察〜日本国内での死亡事例が少なかったのは、いわゆる「医療崩壊」がおこっていない、そして高齢者施設でのクラスター発生がなかったため?
・診療所機能がストップしたときの対応
・施設の機能がストップしたときの対応
〜多職種間での連携の準備はできている?

〜同職種間での連携の準備はできている?


(写真、ボケてしまった...)

○グループワーク


【発表】
<ルーム1(発表者山本さん)>
・東京の方、福島に行っていただいている方や住職さん他医療関係者だけでなくいろんな方々で意見交換した。僕自身感じたこととして、東京がまだまだひっ迫している中で、多大なストレスの中で頑張っているということと、対面でのやりとりができない中いろんなツールを使っていることを伺った。デイで他で感染者が出たときにヘルパーが出勤できなくなり、他の事業所の応援で対応したなど。また住職さんからはコロナでの葬儀はまだしてないが、葬儀にあたり東京等遠方の方が出席できない現状もあることを伺った。
・秋木山先生からの生々しいお話を伺わせて頂き、まさに臨戦態勢でされていることにびっくりしたがためになりました。

<ルーム2(発表者中野先生)>
・非常事態宣言も全国に出てから今は収まっているが、必ず第2波第3波が起こるだろうし、下手すると東京以上の事態になりうると思っている。東京でもまだそれほどクラスター発生していないが、結局コロナは高齢者が罹っても死亡率は5人に1人、若い人は死亡する人はほぼいない、インフルエンザの毒性の強いものだと言っていい、ただ感染力が高くクラスターになりやすいということから、高齢者には絶対持ち込ませないことが大事。今のPCR検査で陽性となればすぐ病院ということでは絶対医療崩壊起こる。それを施設・在宅で迎えなければならない。先程のアンケートで市民の意識というものがあったが、そろそろ「移っちゃうよ」という前提で対策を立てていかないといけないんじゃないか。

<ルーム3(発表者加藤さん)>
・かなり多職種の方にご参加頂き、病院スタッフ、先生、大学、企業へのお勤めの方など。患者さんとの面会も実際できない状況もあり、オンラインでつなげないかなと思う。施設でもズームでやりとりしているだとか、在宅でもお年寄りともズームでやりとりしていることも聞いた。東京だと電車乗ってないということ等を聴けるのもズームならではかなと感じた。

<ルーム4(発表者楠神さん)>
・薬局さん、臨床宗教師さん、病院さん、診療所さん、出版社さん、ケアマネジャーで話した。薬局では一カ所で勤務しない、全滅をさける対応を聞いた。一拠点で感染したら他の拠点から行く体制をとっているとのこと。臨床宗教師さんは、病院に入れない今こそ来週からズームを利用した傾聴活動を開始するという話を聞いた。回復期の病院からは、デイケアの時間短縮で感染予防に努めているが、そのスペースを使って退院支援のルームにしているとのこと。出版社さんからは今研修等が中止になっているが、今まさしくオンラインで情報発信できないか検討しているとのこと。ケアマネ事業所では2つに分けて全滅しないように取り組んでいる事業所が複数ある。本多先生からは、今回は新型ウィルスだが、災害と同じで平時の連携に尽きるのでは?との話が出ていた。また通所系サービスが自粛されたことに対し、自粛サービス事業所から訪問したり、訪問リハビリを利用するなどして、その方の活動支援につながった事例もある。


【まとめ】(花戸先生)
・最前線は、病院ではなく、住民の行動変容と地域の医療介護スタッフである


【今回初めてのご出席の方の紹介】(小串先生)


【三方よしポストより】(小原さん)
・研究会、会費は千円ですのでよろしくお願いします。
・私からの一言メッセージの紙が今回配れないので、メーリングリストやFacebookでの発信をよろしくお願いします。


【次回】
第150回 三方よし研究会 令和2年18日(木)18:3020:30
○当番・会場 ZOOM活用によるWeb開催(予定)


ご参加の皆さま、ありがとうございました。
また次回、お出会いしましょう。

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