5/21に開催致しました、第149回三方よし研究会はZOOMを利用してのWeb研究会でした。
当日は50名ほどの参加者でしたが、リアル研修会では毎回行われているグループワーク、これも今回は、ZOOMの機能の一つであるブレイクアウトルーム機能を使い、4つのルームに分かれて討議を行いました。
凄いですね、Web会議にZOOMが選ばれるのも、このような実際の会議や研修で行われる場面に合わせた対応がWeb上で簡単にできるからなのかなと、その機能自体に「ホー!」と感心しておりました。
そして実際の議論。各参加者はホスト、今回は花戸先生の誘導に従い、各々が指定されたルームに誘導されましたので、各々は他のルームで議論されている内容をのぞき見たり聞き耳を立てる事はできません(Web上なので当たり前ですが)。
ですので総括として、全体研修画面に戻ってからは各司会さんからの発表がありました。
この内容は前ブログに書きましたが、実際には各ルームにて総括では語れなかった、非常に有益な議論がありましたので、今回は各ルームの司会者さん達にその時の内容をできるだけ思い出し起こして頂きましたので、その内容をここに掲載いたします!
テーマは以下でした。
『新型コロナウィルス感染症に関連して』
○4月に引き続き、医療機関・在宅支援者等の状況について情報交換を行う
○在宅支援者と医療機関との間で問題となっているケースがないか確認する
では各ルーム毎の内容に移ります。
【ルーム1(司会発表 山本さん)】
参加者:医師(開業医、医療機関)、薬局、訪問看護ステーション、企業の方、住職
総勢11名
医療機関:情報連携に関しては他府県との連携も電話や書類などにて継続してやり取りはできている。院内に関しては患者の情報を共有することで熱発などに対しての対応も職員間での情報共有をしっかりとすることと手洗い、手指消毒の徹底にて予防に努めている。
訪問看護ステーション(東京都):コロナ最前線でかかわっており、常に予防への注意を行っている。策としてフェイスシールドなどで飛沫の予防をし、使用した防護服は利用者のお宅で処分してもらうなどし、持ち込まない、持ち帰らないを徹底。スタッフ同士も極力距離を置きLINEなどのツールを用いて連携を図っている。スタッフへの精神的、身体的負担を伴っておりストレスを抱えてしまっているが、感染予防を前提に頑張っている、と。
関連する施設のデイサービスにおいて利用者が他施設でコロナウィルス陽性となり、濃厚接触者になったヘルパーは自宅待機となっている(2名)。その場合でも他の関連施設のスタッフへ応援を要請したりなどして人員を保つようにしてサービスが提供できるようにしている。
訪問看護ステーション(滋賀県):アナウンサーも兼業しており、周囲から医療現場でかかわっていることに対して質問や大変さの話をしてこられる、と。医療現場においての対策はしっかりとしながら医療現場についての情報を提供していきたい。
住職:現在コロナウィルスにより亡くなられた方の葬儀はまだされてはいない。しかし影響は出てきており、亡くなられた方の親族の方が東京などにお住いの場合来ていただくことがかなわず、葬儀が行われている。ご家族の最後の時を一緒に過ごすことができず非常に心苦しいものがある。少しでも早く収束して落ち着いてくれることを願う。
【ルーム2(司会発表 自然に中野先生)】
参加者:歯科衛生士、ケアマネジャー、医師、病棟看護師、作業療法士、市民代表、保健所
D: 鹿児島では10名の感染者だけど、滋賀ではどう?
H: 現在県内は99名の感染者、しかし退院された方が多く入院は20名ほど。東近江圏内は9人、クラスターは事業所や歯科診療所で起こったが、施設医療現場では起こっていない。死者は1人で60代の方です。
D: 今後コロナはまた入ってくるだろうけど、滋賀ではPCR結果陽性が出たら、自宅で診れるの?
H: 現在はそうなっていない、病院で診ることになっています。
D: でしょう。でもそれでは医療崩壊が起こる。病院で診るということになれば、院内感染は必須ですので。病院が悪いのではなくて、コロナが悪いんだと思う。だから病院に起こる今のシステムが変わらないといけないだろうし、花戸先生がおっしゃったように、医療崩壊が起こっても介護施設や自宅にいなければいけない事態が起こってくる。そういう時にどうしていくかという問題だと思う。
D: 今はコロナとの戦いになっているが、今後はコロナとの共存になっていくと思われる中で、介護施設や住民の意識として準備はできているのだろうか?そもそもコロナは収まると思うか、また流行ると思うか?
H: 保健所としては、4月はずっと対応に追われていて余裕がなかったので、これからは共存に向けて、さらに周知していかなければならないと思っている。
K: 流行ると思う。第2波が来ると思っている。今落ち着いているうちに準備しておかなければならないと思う。反対に病院はやり過ぎかなと思う時もある。
O: 緊急事態宣言の解除の翌日にダイソーに行ったら、マスクを外した人がたくさんいて怖いと思った。
C: 私市民としては新しい生活様式は何となく馴染めない。だって社会体制が今のままだったら、生活様式を変えるという事はありえないので。やれることとしてはマスクぐらいかなとも思う。
M: 特養施設としては、風評被害も考えられる中で絶対に出せない危機感はある。ただケアマネジャーとしては、では施設やデイ等事業所が封鎖された際に在宅でどのように支えるかは、訪問していく私たち自身のことも含めて考え込んでしまう。
S: 彦根の事業者協議会でもこれから第2波に向けて連携をして対応していこうとしている。怖がりすぎてというところも確かにある。
D: これから我々はある程度コロナに罹ることを想定していかなければならない。若者の死亡率は高くないが、高齢者に罹ると死亡率が高くなることを想定して準備していかないといけない。
【ルーム3(司会発表 加藤さん)】
・コロナの影響で来院を自主的に控えている方や、電話での診療で処方している患者さんもある。ZOOM等での対応は現在行っていない。いろいろなやり方があると参考になった。(開業医)
・若い人だとLINEでやりとりされている、ケアマネとして介入している利用者や家族でも抵抗なくLINEでやりとりしている。電話だと相手の都合や、時間に会わせなければいけないが、LINEは手軽に活用できている。(ケアマネ)
・大学の事業はZOOMを使用し、オンラインで行っている。学生は抵抗感なく、こなれている様子である。むしろ、スタッフの方が、ついて行けていないような様子もある。不自由な環境ではあるが、工夫しながら授業を行いたい。(大学職員)
・意外にお年寄りでも抵抗なく使えている様子がある。オンラインでの対応はこれからも進めていくべきである。(開業医)
・院内で面会制限があり、患者さん、ご家族があえない状況が続いている。今後ZOOMなどを利用しオンラインでの面会を考えているが、運営の方法やセキュリティなど検討すべき課題があり。(病院)
・施設でもZOOMを使用した面会を行っている。事前申請していただき、予約制である。施設に来所していただき、施設内で画面を通じてではあるが面会していただいている。スタッフがかかりきりになりなってしまうため、やや大変さはある。(特養)
・東京勤務である。会社は在宅ワークとなっている。3月頃から電車にも乗らない生活である。感染対策に関しては注意しているが続いているとストレスはある。(製薬会社)
【ルーム4(司会発表 楠神さん)】
参加者:薬局さん、臨床宗教師さん、病院さん、診療所さん、出版社さん、サービス事業者協議会さん、ケアマネ
自己紹介後、新型コロナ対策等について意見交換を行いました。
薬局さん:3か所で薬局を運営しているが、新型コロナウイルスによる全滅を避けるために、拠点間で兼務を禁止、仮に1カ所の薬局の職員が感染しても、他の2カ所の薬局が支援できるようにしている。1か所の薬局を運営されている方は、どのようにされているのか心配している。
臨床宗教師さん:このような事態だからこそ、病院の患者さん、施設の利用者さんの心の支援に入りたいと思っているが残念ながら感染拡大防止の為に出入りができない状況にある。そこで何か取り組まないかと多職種の方々とも相談を行い、来週からZOOMを使用した傾聴活動を行うことにしている。今だからこそ、できる支援を実施していきたい。
病院(回復期)」:デイケアの時間短縮や座席の配置換えで利用者様が3密とならないように感染予防に努めている。又そのスペースを使って退院支援のカンファレンスルームにしている。
出版社さん:計画していた研修、講演会等が中止、延期となり先が見通せない状況となっている。本日のWeb三方よし研究会でも学ばせて頂いているが、オンラインでの研修会の開催など、情報発信できないか検討している。
ケアマネ:ケアマネ事業所では2つの拠点にケアマネが分かれるなど、全滅して支援ができなくならないように取り組まれている事業所が複数ある。又県からの自粛要請により、デイリハの利用を中止された利用者に対して、訪問看護からの理学療法士等の派遣により、自宅で取り組めるリハビリの提案をして頂いたケースもあり。
サービス事業者協議会さん:圏域内の事業所さんの状況把握や、又感染予防に関する情報の発信を行っている。
以上、非常に有益な議論がなされていました。
今後も続くであろうコロナウィルス対策につき、ご参考になれば幸いです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
次回もZOOMでのWeb研修会の予定です。
皆さまのご参加をお待ちしております。
(ルーム2でのブレイクアウトルーム風景)
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