第150回三方よし研究会をWeb開催しましたので、ご報告いたします。
◇日時:2020年6月18日(木) 18:30~20:30
◇会場: WEB開催(ZOOM開催)
(当番:東近江介護サービス事業者協議会在宅部門・施設部門)
〇ゴール
・新型コロナウルスの影響による地域課題を捉える。
・新型コロナウイルス感染拡大下での地域医療と介護サービス提供の持続について考える。
・顔の見える関係・ネットワークを作り、連携を深める
【情報提供】堤様
・東近江介護サービス事業者協議会ホームページリニューアルについて
東近江介護サービス事業者協議会ホームページをリニューアルし最新の情報が掲載されています。又本日紹介させて頂きます、新型コロナウイルス禍における、各施設へのアンケート結果もまとめていますので、是非ご覧くだい。
・総会の報告 小梶様
6月11日に総会を開催。22名の方にご参加して頂き、無事に終えることができました。(書面評決も89名の方から頂くことができました。)
【活動報告】小串先生
・地域医療機関の現場から
きいと嘱託医小串先生より
高齢者施設の配置医として対応した事例など
・病院でもなく、地域医療・介護でもなく住民の行動様式がコロナ禍を救う。
・不要不急の外出を避けることが住民さんがとらなければならない行動様式である。
・きいとでは、施設看取りをしており、全て安楽な老衰死となっている。昨年の1月は4名の方の看取りをさせて頂いた。今年は3名の方の看取りをしている。先ほど97歳の女性の方の看取りもさせて頂いた。職員が感想文も書き、振り返りをおこなうことにより、年々看取りのスキルが上がっている。
Q&A
宇都宮様:感想文は看護職員が書かれるのですか?
小串様:介護職員も含めて全員が書かれています。素晴らしい感じが伝わってきていいます。
【学習会】 進行:奥村様
・福祉施設の現場から
・高齢者施設クラスター発生事例と施設内の感染管理について六心会の対策紹介
1.福祉施設のクラスター発生について
・加藤更老相は福祉施設で57件のクラスターが発生しているが、公表には協議が必要とした。
・厚労省は、クラスターの全国分布地図をHPに掲載しているが、3月31日の更新されていない。
・滋賀県では高齢者施設でのクラスターは発生していない。
・NHK「介護崩壊の危機」では4月末までに5高齢者施設で550人が感染し、この内10%にあたる60人がお亡くなりになられている。
・海外ではアメリカでは高齢者施設で1万人以上が死亡
・欧州ではコロナでなくなった人の半数以上が高齢者施設だと言われている。
・富山市の介護老人保健施設で発生したクラスターでは介護崩壊直前のギリギリのところで運営されていて、あと一人職員が感染したら完全崩壊していた。
・新型コロナウイルスがある生活の中で介護サービスを維持していく仕組みを検討していく必要がある。職員や入所者が早い段階でPCR検査を受けられるようにすると共に、施設内で集団発生しても介護の質が落ちないよう職員のバックアップ対英創る方策を早急に考えていくことが必要(東洋大学:早坂教授)
・全国老人保健施設のHPには、感染症対応をフローチャートで示している。
2.全国業界団体の対応
・全国老人施設協議会では、HPに対応フローチャートを示している。
・対応フローのようにいかないこともある。5月24日の読売新聞では北海道の事例を紹介、感染者が入院できずに施設内看取りを行った。自分が感染することも覚悟し、入所者のために勤務していたが、遺体を納める納体袋が施設に届くと、見捨てられているように感じたとのこと。
・厚生省は感染した場合は原則入院との通知を出している。
3.福祉施設の風評被害
・心無い誹謗中傷は現場を傷つける。
・介護職員の家族が地域行事に参加できないなどあり。
・施設に嫌がらせの電話あり。
4.東近江介護サービス事業者協議会入所部会緊急アンケート(メイン
・東近江介護サービス協議会では緊急アンケート実施した。
(2020.5.22-29の2週間。23施設を対象。回収率83%)
・5.29時点で面会禁止4割、面会制限6割
・解除後6.4時点では面会禁止2割、面会制限8割
・感染者がいないにも関わらず発生した風評被害 なし9割、あり1割
・新型コロナウイルス関連での困りごと
・衛生用品の確保に関すること
・家族面会に関すること
・入所候補者面接に関すること
・アドバイザー不足に関すること
・利用者の状態判断に関すること
・職員の感染時対応に関すること
・職員への誹謗中傷に関数こと
5.六心会の取り組み(高口様)
・随時、家族、居宅支援へ案の内とHPの掲載で情報発信
・施設入所者の面会禁止4.13,~当面
・1FフロアーでiPadを使用した面会を行っている。
・面会禁止中は電話対応の時間が増え、業務への支障が考えられた。
・法人・施設関係ではZOOMを利用した会議が増えた。又職員研修は、3密を避けて開催。ZOOMで時間短縮の研修も実施。
・その他として、夏祭り等は中止。
・子ども同伴出勤を3.2~5.31の学校が再開されるまでの期間で行い、会議室等で過ごして頂いた。
〇質疑応答
花戸様:感染対策のところで、京都の取り組み?
宇都宮:京都の病院では当初は院内のことで精一杯だったが少し落ち着いた時に、地域の訪問看護師が連携室を通じて地域ではこんなことが起きているのと情報提供もあり、地域の訪問看護ステーション間のZOOMミーティングに病院の感染管理認定看護師も入るなどして協議を行うことができた。又訪問介護が在宅での入浴介助時にマスクの着用が必要かなどの質問に対して専門家からご意見を頂くこともできた。
花戸先生:このような時期だからこそネットで取り組める研修等があるということですね。
花戸先生:永末さん九州の状況は如何ですか?
永杉様:玉名では中核病院の認定看護師がWebで定例会平木、標準予防的な感染対策などの説明をして頂いている。認定看護師がいつでも相談してくださいと言って頂けたので、その後も時々電話などで相談に応じている。普段から認定看護師さんに地域に入って頂いており、又薬剤耐性なども病院は気にされており、そのようなことも協議することができた。
認定看護師さんには、無料で快く引き付けて頂くことができ、普段の関係がありがたいなと今更ながら感じたところです。
花戸先生:新垣課長、滋賀県内の様子は?
新垣課長:滋賀県内では認定看護師さんが40名程度いるが、多くの方が病院勤務だと思います。特に感染管理認定看護師さんがいる病院は養成患者さんを受けられており、対応に追われていたと思います。
ホテルピアザを開設した際には、研修が必要なので、受け入れを行っていない滋賀医科大学など病院協会さんに依頼してやって頂いた。長浜日赤の方に何度か来て頂き、ホテルのゾーニングなどアドバイスを頂いた。県の方では老健施設などの入所施設を中心に感染管理研修等を実施したいと病院協会さんと協議を行っている。
武田先生:奈良県の状態は介護関係と医療との連携が進んでいる訳ではない。保健所がリーダーシップをとって感染予防に努めることになっている。オンラインで聞いているとこでは、北海道の施設でクラスターが発生した際には医師会が当番で常駐していたが、途中からDMATや道が入り、指揮系統がはっきりして円滑な対応ができるようになった。
富山では、診療所とスタッフで感染症のコントロールをされている。地域の事情によって異なるが、医師会との連携だとか、医療的なバックアップなど連携できるのではと思います。
花戸先生:施設だけで考えるのではなく、地域全体で考えるのが良いと思われます。
【事例報告】
・成年後見の現場から
~新型コロナウイルス感染拡大に伴う後見活動の難しさについて~
滋賀県社会福祉士会会長・NPOまちの相談室よりそい所長高田佐介さん
・事例紹介Aさん
・一人暮らしの男性、
・発作、発熱によりデイケア、訪問看護のサービスが止まる。
※地域包括ケアシステム、地域丸ごととは何かを考えなければならない。
【行政報告】
・県行政の現場から
~感染拡大防止対策のこれまでと今後~
滋賀県健康福祉部医療福祉推進課長 新垣真理様
・滋賀県おける新型コロナウイルス感染者数の推移
ピークは4/22で陽性者が減少となり、現在は緊急事態宣言が解除となる。
陽性者類型100名(本日+1名) クラスターの発生のあった、大津市、草津市が多い。
症状として特徴的なものに、味覚・嗅覚障害がある。
・滋賀県新型コロナウイルス感染症対策推進体制
相談体制
2/4 帰国者・接触者相談センターを設置
5/1 県統一窓内を設置
5/18 電話相談業務の外部委託開始
6/1 医療機関専用ホットラインを開設
検査体制
PCR検査が1日に135検体できるまでに体制を確保している。
4圏域へのPCRセンター設置を目指している。
抗原検査:陰性がよくでるという話もあるが迅速である有用であると設置
抗体検査:抗体を持っていないことを知ってもどうしようもない。感染症対策にどれほど有用などか?あるが、実施について検討していくことになっている。
入院医療体制
病院の病床数も280を確保している。今後、感染拡大が落ち着いたので病床数を減らしていくが、1回のクラスターで100~140に感染することも想定して、最低でも140は今後も確保するようにしている。
介護事業所に係るこれまでの県の動き
衛生用品の調査を行い、48万枚のマスクが不足していることが判明。国に頼っていられないので、国際化を通じて中国から直接仕入れることにした。
PCR検査対象に介護事業所の職員が含まれる事例が発生。
4月10日に草津でクラスタ―が発生。予防的に休業する介護事業所がでてきた。
休業した際に、訪問看護・訪問介護で応援体制を組む必要があるとの提案もあり。
宿泊療養施設に対して、医師会オンコール体制依頼、感染管理認定看護師によりゾーニング指導
4月22日に、通所介護と短期入所について可能な限り自粛して頂く要請を行った。事前に非常に悩やみ、兵庫・大阪にも照会を行うが、両サービスを閉めると家族が困るとのことで、可能な限り減らすが必要なサービスは持続して頂いた。
※クラスター発生の防止に向けた、高齢施設の対応をこれからしっかりとしていかないといけないが、やることはシンプル。
・高齢者入所施設におけるクラスター発生時の対応
感染症研修、ゾーニング研修を行っていきたいた、クラスターの兆候を早く捉えて早期介入が一番重要ではと考えている。
症状がある利用者を個室隔離
ゾーニング、消毒の指導
陽性患者は原則入院となる。入院できない時はDMATの派遣も今後考えていく。
※挿管を行うのかなど、ACPなども検討する必要、又患者さんの心のケア、そして感染症と並行してフレイル対策も考えていきたい。
〇Webアンケート(リアルタイム)
花戸:「出口」新型コロナ感染症は指定感染症なので基本的に入院での対応となるが、要介護高齢者にとって環境変化はリスクとなる。又急性期病院での軽症疾患の要介護高齢者は対応が非常に困難である。(歩き回るなど。)
「現場での対応」
まずはPCR検査・・・ではなく、診察そして必要があれば、検査と、できるだけ現場で対応することが良いと思います。今シーズンの課題としては、インフルエンザの検査が行いにくい。
東近江医師会では往診、オンライン診療で対応するようなことも検討しています。
「入口」
施設で看取りを行っているか? 又(訪問診療)かかりつけ医はいるか? それ以上に本人・家族とACPしてるか? インフルエンザであっても、コロナであっても人生の最終章について話し合っておく必要がある。
コロナ対策で新しいことを始めるのではなく、今までやろうとしてできなかったことを前に進める機会として捉えるべきだと思う。
【各現場から新型コロナウィルス感染管理に関して情報交換・意見交換】
小串先生:高田さんの取られた行動は間違いでなかった。やるべきことはしっかりとされていたと感心しました。
遠藤先生:熱患者がでた場合に医者が行かないといけないが、その前に訪問看護にサポートして頂ければ助かります。
北川先生:小串先生が言われたとおり、高田さんの対応に問題なかった。花戸先生にまとめて頂いた通り、ACPについてはコロナだからではなく常日頃の浸透し深めていきたいと思います。
花戸先生:やはり地域でなんとか、目に見えてこないことがあるので、いろんな人と、繋がっていることが大切だと思います。
川上:身内の経験から、元気な高齢者が急に熱をだした時の対応を検討していきたい。
花戸先生:普段からの関り、連携が大切だと思います。
<自己紹介> 初めての参加者を中心に自己紹介してもらう
〇次回三方よし研究会
・第151回 三方よし研究会 7月18日(土)
・当番・会場 チーム永源寺、八幡蒲生郡薬剤師会、東近江薬剤師会
Webで研究会を開催、研究会語にはWebBBQも企画しているので、多数のご参加をお待ちしています。
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