第155回の三方よし研究会、今回もZOOMを使ったWEB利用にて開催しましたので、ここに報告させていただきます。
日時 令和2年11月19日(木) 18:30~20:30
会場 ZOOM活用によるWEB開催
当番 司学館高校、東近江圏域介護支援専門員連絡協議会
【ゴール】
〇司学館高校の活動を知ってもらい連携を図れるようにする。
〇地域から医療福祉を考える東近江懇話会の活動を知り、地域活動に活かせるようにする。
〇多世代での連携を考える。
【情報提供】
〇三方よし研究会主催:東近江圏域介護職員初任者研修について(楠神渉さん)
・コロナ禍で開催が危ぶまれたが、無事10月より開催している。今年は受講者7名。
〇12月の三方よし研究会について(花戸先生)
・12/19(土)16時から東京の秋山正子さんの講演をオンラインで予定している。またその後はオンラインの懇親会も予定しているのでご参加ください。
【情報提供2】
〇司学館高校の活動について
司学館高校 校長:小梶猛さん
・教育とは全く関係ないところから入っている。
・各過程で違和感をもった。卒園式では歌を歌うのに元気はいる?小学校では必ず出産のため休む先生が出てくる。中学校でも生徒数1000人規模で5本の指に入るほど荒れていた中で学級数を減らす効果に疑問。高校では学習レベルがかなり違っている。学校は減点法。学校を去る先生がほとんどだが独立する先生がいない現実。
・「この子はええ子…」お父さんたちはええ子やったの?男同士、集まるとワル自慢。
・本校は通信制の単位制なので、個別指導をすることが多い。
・5分遅刻で怒らないといけない生徒がいる反面、20分しか出てこれなくても褒めないといけない子供がいる。テストで20点しかとれずに叱る子どもがいる反面、10点取って褒めないといけない子どもがいる。レポート3枚しか書けなくて怒らないといけない子どもがいる反面、1枚でも書けたら褒めないといけない子どもがいる。そういった子どもたちに個別に関わってやれるところが強み。
・なぜか学校を訪ねている卒業生が多い。
・まんが甲子園に出場できた!が高知に3泊4日行けるかの方が難しそう…一度は決勝まで行った。
・このコロナ禍で相談件数も増えている。一人でも高校を卒業できるようにと励んでいる。
【30分学習会】
〇テーマ『地域から医療福祉を考える東近江懇話会について』
委員:楠神渉さん
・設置目的:住民の誰もが生き生きと地域で生活できることを目指し、安心・安全に医療、保健、福祉、介護等を享受できる地域づくりをするためには、関係する医療機関や施設、これに関わる人たちが有機的な連携を強め、地域住民と共に東近江地域のあるべき総合的な医療福祉を検討、議論し、実現に向けて共同していくことが重要である。このため「地域から医療福祉を考える東近江懇話会」において検討する。
・構成員も様々、市民から医療福祉関係者、消防署まで。
・医療福祉ビジョンを作成してる。
・2025~2040年を見据えての重点課題として、介護看護職の人材不足への取り組みと、看取りについての環境づくりが挙げられている。
・それをふまえて、住民啓発、命のバトンを切り口にした啓発、看護介護職の人材確保に向けての発信、在宅看取りツールの作成啓発に力を入れている。
・看護介護職の人材確保に向けての発信では、介護職員初任者研修をH28から開催している。豪華な講師陣で地域最安値で提供している。
・看取りツールの作成については、実際のケアマネジャーの事例を中心に、司学館高校にも協力してもらって作成した。
・命のバトンDVDの紹介。
・看取りツールの作成については、まんが化するにあたり生徒にはイメージがつきにくく専門の先生にも入ってもらって作成した。
【質疑応答】
・生徒さん達がビデオを作るのに難しかったとは? イメージがわかない。2ヶ月くらいかけたんだが最初しか進まなかった。現実の死はやはり遠いんだなと実感した。
・セリフがリアル。
・ACPなんて大嫌い。
【事例紹介】
テーマ『DVDを使用した啓発活動について』
~ケアマネ、医療福祉関係者からの実践報告~ 発表者 楠神渉さん
・愛東地区「6000人でつくる愛の田園プラン」=みんなで福祉のまちづくりをつくる場
・愛東地区での命のバトン推進活動。8月10日をバトンの日としている。
・救急情報用紙は毎年色を変えている。
・配布率は95%を超えている。人を大切にする地域づくりとして広がりができている。
【情報交換】
テーマ『命のバトン、看取りDVDを用いた啓発活動について』
~多世代・多職種が連携して取り組めること~
・4グループに分かれてグループワーク。
【発表】
〇1グループ
・入院したが個人情報保護の関係で追跡できずにいつの間にか転院し他で亡くなっていたなどの例がある。
・命のバトンが普及しているところとそうでない地域も多くある。
・住民にアウトリーチしているところはやはり意識ある。
(宇都宮さんより)
・命のバトンの成功体験があるといいが、そうでないとバトンの中に味の素が入っていたりということもあった。やはり更新していくことが大事。
・市民の方から「いずれ私も通る道」と気づいて動いていくことが大事。
〇2グループ
・命のバトンを使っている実情を知らないメンバーでの話となった。
・在宅医がしっかりしているならば、ここまでは必要ないとの指摘も。
・情報があっても救急車に乗ったら、対応せざるを得ない病院側の事情もあるだろうから、やはり命のバトンに権威を持たせて、書かれてあったら救急搬送しないという選択肢もありなのかも。
・これはあくまでツールなのであって、普及していくまでのプロセスが大事。
〇3グループ
・看取りのバトンDVDでの「点滴よくないよ」との指摘など、特養の経験から点滴が在宅と病院の分水嶺になるところもあるので具体的でよかった。
・せっかく家族が在宅でと覚悟を決めたのに親戚が横やりを入れてといったケースもやはりあるので、啓発に使える。
・どこに配るか?さりげなくバックグラウンドミーティングのように流す、出前講座、三方よし映画鑑賞の時、いきいきサロンなど。
・皆さんいくらなら買いますか?その入手ルート、URLを発行するなどの工夫も大事。
〇4グループ
・救急車の中で同じことを何度も聞かれるなどがある。
・使用している地域では、在宅スタッフは必ず冷蔵庫のステッカーを確認する。中にはそのついでに中に入っているものの味まで確認し栄養管理しているなど副次効果の意見も。
・一方で「見たことない」「入手方法が分からない」との意見も。
・ある地区では救急車に乗るのは患者よりも先におくすり手帳。
・市町単位では意義がぼやけ更新が面倒になり続かない結果になるリスクが高くなることを感じる。これは何のためかの共通認識を皆が持つと続く、その意味で小学生を巻き込むなど、小学校地区単位での地域がいいのでは。
<指定コメント>
〇ワンモアシップ訪問看護リハビリセンター 山本圭介さん
・5年前からこちらに来ているが正直命のバトンを見たことがない。その理由として自分で救急車を呼んだり対応できてしまうことから、勧めていく意識の低さがあったと思う。バトンはかなり大きい筒なので、毎年入れ替えるのではなく入れ続けていっても経過もわかるのでいいのではない。
看取りについては、どれだけ多職種で関われるかが大事。また往診医より薬剤師より訪問回数が多いことから微細な変化に気づく必要性を感じている。動けなくなってリハビリを断られることもあるが、自分の考える終末期像は、棺桶に入るまでリハビリだと思っている。呼吸器・循環器・関節伸ばしなど。最後まで人間の尊厳を保てるよう心掛けたい。
〇小串医院 小串照男先生
・命のバトンについては楠神さんが一生懸命やっている。色々ご批判もあるとは思うが今後も見守っていきたいし、彼もさらにアイデアを出してくるだろう。
・看取りについては、だいぶ前にできていたが出すのが遅すぎたくらい。そしてこれは完成品ではない。棺桶編なども増やしていかないといけない。ハードはできている。アイデア・シナリオを描いていただきたい。そして各施設に一つは置いて頂き、様々な利用方法を考えていっていただきたい。
【自己紹介】
初参加 3名(ズームは初めて含め)。
【ほか紹介】
前田信道さん
・様々な活動をやっている。
森本有里先生
・いくらやったら使わせて頂ける? またナレーターも一人、とっても上手!
【次回】
第156回三方よし研究会 令和2年12月19日(土) 16:00~18:00
当番 医師会(その後忘年会もあり)
今回も多数のご参加、ありがとうございました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
また次回もお待ちしております!
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