三方よしカレンダー

2024年12月21日土曜日

第204回 三方よし研究会のご報告

第204回 三方よし研究会を開催しましたので、ご報告いたします。
東近江医師会・近江八幡市蒲生郡医師会さんの当番で、第204回三方よし研究会を開催しました。

日時:2024年12月21日 16:00-20:30
会場:八日市ロイヤルホテル



〇講演






内閣官房全世代型社会保障構築本部の稻川武宣氏をお招きして「人口と社会保障のこれから」をテーマに講演していただきました。
講演では、日本の少子化や高齢化が進む中での社会構造の変化に焦点を当て、具体的な課題とその解決策が以下のように示されました。

日本の現状と課題
1.少子化と人口減少
 o 日本の出生率は過去最低の1.20(2023年)。
    人口減少のスピードの問題→果てしない縮小と撤退
    人口減少の構造の問題→「超高齢化」と「地方消滅」
 o 高齢者数の増加に伴い、介護・医療サービスの需要が急増。

2.社会構造の変化
 o 単身世帯や高齢単身世帯の増加。
    2050年には、単身世帯は44.3%、単身高齢者世帯は20.6%に達する見込み
 o 雇用の不安定化や地域コミュニティの希薄化。
    社会とのつながりが弱い人(社会的孤立や複数リスクを抱える人・世帯(リスクの複合化)が増加。年間自殺者数は3万人強となる。
    非正規雇用の割合 1995年:20.9% 2020年:37.2%

3.社会保障の課題 
(社会保障とは→「個人の生活上のリスク」に対して「社会の連帯」によって備え生活を保障する仕組み)
 o 「縦割り」の社会保障制度が複雑化し、効率的な支援が困難。
 o 高齢者や障害者を含めた包括的なケア体制の必要性。
解決に向けた提案


1.地域共生社会の実現
 o 「住まい」と「地域組織」を基盤とした支え合いの強化。
 o 子どもから高齢者までが安心して暮らせる仕組みづくり。

2.少子化対策の強化
 o 育児・教育費の支援拡充。
 o 育児休暇の普及と働き方改革。
プレコンセプションケア:妊娠前の段階で健康状態を整え、将来の妊娠や出産に備えるケアを充実させる。
2030年までをラストチャンスとして、異次元の少子化対策に取り組む。予算規模3.6兆円→2030年代初頭までに予算倍増を目指す。

3.持続可能な地域サービスの確保
 o 地域特性に合わせた事業基盤の強化。
 o 人材育成とデジタル技術の活用。
※将来を先取りした「先行的」な成功事例を作り展開する。(パクる)

東近江市圏域の未来
東近江圏域も含め、人口減少や高齢化の加速が懸念されており、地域全体で取り組むべき課題が多いことが示されました。稻川氏は、「住まい」が「社会保障」及び「まちづくり」あり方に大きな影響を与え、地域独自の成功事例を創出し、それを全国に広げる重要性を強調されました。



〇質疑応答タイム
小串先生:
先進国や東南アジアでも人口減少が進んでおり、医療・介護人材の育成が必要であるとされています。当会でも介護職員の初任者研修を実施しておりますが、今日のお話を伺い、改めて医療・介護の人材がいかに大切かを実感しました。ありがとうございます。

稲川様:
世界的に人口減少が進んでいます。昔は農業の時代において、子どもを増やすことが労働力の確保につながりましたが、現在では、言葉は悪いですが、子どもがコストと捉えられる側面もあります。
介護の分野では、介護報酬を含めた予算が抑えられています。介護保険制度が始まった当初は介護人材が増加しましたが、これからの時代はお金だけでなく、持続可能な生活を可能にするための資源配分を考えていかなければなりません。こうした課題について、皆で議論を深める必要があると感じます。

桜様:
非正規雇用が増えることで結婚が難しくなっている現状は理解できます。しかし、私の周囲には高収入で仕事もあるにもかかわらず、結婚していない方が多数います。そもそも結婚して子どもを産むことが幸せだと感じていないのではないでしょうか。むしろ、リスクと捉えられているように思えます。加えて、子どもが自立して楽しい人生を送るというより、親の言うことを聞かなければならないといった風潮もあります。社会の歪みを感じますが、先生はどのようにお考えでしょうか。

稲川様:
現代社会では、結婚しないことが合理的と考えられる風潮が生じています。ただ、補助金を出せば解決するという問題ではありません。若い世代が何を考えているのか、しっかりと耳を傾けることが重要です。若い人たちがネガティブにならないようにすることが、最大の課題だと思います。おっしゃる通り、問題意識を共有し、若い人たちが希望を持てる未来を示していきたいと考えています。

花戸先生:
私は小児科医です。先日の学会では「なぜ少子化が止められないのか」というテーマが議論されました。子どもを3人以上産む方もいれば、まったく産まない方もいます。また、結婚しない人は非正規雇用の割合が高い傾向があります。まずは経済対策が重要だと感じます。

稲川様:
花戸先生がおっしゃった通り、結婚している方の出生率はこれまで1.8程度で安定していましたが、現在は低下しつつあり、危機感を抱いています。結婚しない、あるいはできない方への対応を真剣に考える必要があると考えています。

溝江様:
小串先生からもご質問がありましたが、他国でも出生率が低下している原因は、日本と同様の問題なのでしょうか。先生のご意見をお聞かせください。

稲川様:
アジア諸国では、大学進学のハードルが高いことや、女性は子育てをすべきだという固定観念が影響している可能性があります。たとえば韓国では、大企業が多く、国際的な仕事をする人々が増えたため、少子化に対する危機感が薄い面があります。一方、日本は国内消費が経済の主軸であり、子どもが減ると消費者も減少するという危機感を抱いています。この点で、韓国と日本では事情が異なります。
以前、人口問題の専門家に聞いたところ、各国の少子化の理由については明確な答えは得られませんでした。非常に複雑な課題です。

〇終わりのご挨拶
花戸先生:
あっという間の2時間でした。これからの10年、20年を見据えて考える貴重な機会をいただき、ありがとうございました。


研修会後には、懇親会にて大阪のヒョウ柄のお姉さまの漫才タイム(^_-)-☆もあり、お腹が捻じれる位に大笑い。充実した時を過ごすことができます。

次回は、東近江総合医療センターさんの当番で、1月16日(木)18:30からの開催です。
今後とも、三方よし研究会をよろしくお願いいたします。


2024年11月21日木曜日

第203回 三方よし研究会開催のご報告

203回の三方よし研究会が開催されましたので、ここにご報告いたします。



日時:令和61121(木)18:3020:30

会場:東近江敬愛病院

当番:東近江敬愛病院・東近江圏域介護支援専門員連絡協議会


【ゴール】

全国での現在の看護職の動向を知る

人材確保に対する取り組みを聞き、自己の施設に反映できる


【情報提供】

    東近江市生活支援体制整備事業 医療・福祉専門職研修会

「暮らしの豊かさを考える専門職研修会〜住民のくらしぶりと活動を知る〜」

+オプション企画(裏面)『地域活動フィールドワーク』

2024.12.20(金)13:3015:30 東近江市保健子育て複合施設ハピネスにて

 



    NPO法人三方よし研究会主催 三方よし研究会地域公開講座

8回日本地域医療連携システム学会

2025.3.16(日)13:0016:00 あかね文化ホールにて


(司会進行:松原さん(地域医療連携部))



【院挨拶】

東近江敬愛病院 間嶋 淳院長


本日は、お忙しい中研究会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。 せっかくご挨拶の時間をいただきましたのでそ今回のテーマの背景と、我々の取り組みについて簡単にお話させていただきます。

ご承知の通り、日本の人口は減少してくるわけですけども、65歳以上の人口は大きな変化がなく、1564歳の労働人口が減少して、今大体4人に1人なのが、3人に1人、支える人が1人減ってしまうわけです。 

そうすると、医療事業としてはほとんど今と変わらない中、働き手はどんどん減ってしまい、1人にかかる負担が非常に大きくなってくるのが、この先2030年後の話です。これは衝撃のデータだったんですが、このデータからは医療福祉業はサービス業に次いで働き手不足が深刻になることが予想されるということで、本当に私たちの業界でどのように働き手を確保するかは、待ったなしの改革が必要なのかなと思います。ただ働き手が減る中で、その働き手の確保だけではなかなか難しく、それと両輪でどのようにしてこの労働生産性、効率の良い働き方を上げていくかというのが非常に大切になってくると感じております。

そんなことはもちろん国も分かっていて、効率的に高齢者をサポートするために地域包括ケアシステムを推進しているわけですけども、 大きく医療と介護、それから生活支援、介護予防に分けて、それぞれの事業所があまり幅を広げすぎずにそれぞれの特性を生かして自分たちの仕事をする、その代わり、その事業所間、職種間でしっかりと連携を取りましょうというのがこのシステムの目指すところです。

医療でいいますと、患者さんの急性期から安定期、重症度に応じて、それぞれの特性を生かして役割分担をしているというのが医療の分野でも進んでおります。当病院もその間をしっかりとカバーできるような形で進めていきたいと思ってますし、そのために地域包括ケア病棟であったり在宅療養支援病院であったり、訪問診療に力を入れてこの数年は運営をしてきています。

本日の研究会で、 働き手が少なくなる中で、地域でどのようにサステナブルな医療、福祉体制を構築できるか、良質なケアというのは働き手が余裕がないとできないと思いますので、労働生産性を上げるために、地域包括ケアのシステムの枠組みの中で各事業所がどのようなことに取り込むことができるのかをディスカッションしていただければと思います。本日は皆さん、よろしくお願いします。

 



30分学習会】

『滋賀県での看護職の動向について』

公益社団法人 滋賀県看護協会 会 草野 とし子様




・滋賀県での看護職の動向について

・看護協会とは…保健師・助産師・看護師・准看護師の資質向上や働きやすい環境づくり等をめざし、個人では解決できない課題に取り組む職能団体。会員の会費により運営。

・滋賀県看護協会の使命…公社団法人日本看護協会との連携のもと、保健師・助産師・看護師及び準看護師が、看護の質の向上を図るとともに、安心して働き続けられる環境づくりを推進し、併せて人々のニーズに応える看護活動を展開することにより、県民の健康な生活の実現に寄与する。

・基本方針…1.社会のニーズに対応した看護を提供できる体制づくり 2.労働環境の改善と充実 3.看護の専門性の強化と推進

・看護職数は増えているが、増加の割合が鈍化している。

・看護師、保健師、助産師になるには(図での説明)

・滋賀県内の看護師養成所は12校。現在の定員は640名。

・滋賀県の出生数及び出生率を見ると、全国に比して出生率は高いが、全国と同様に年々下がってきている(ちなみに滋賀は全国2位の出生率)。

・看護職員の滋賀県への流出・流入状況をみると、令和4年で流出55人に対し流入143人と上回っている(ただし近隣府県のみ)。

・滋賀県の看護師の年齢構成でいうと、50歳以上の割合が増え、逆に30歳代の占める割合が減少している。

・圏域別の人口10万人に対する看護職員数を見ると、保健所や訪問看護ステーションは東近江が一番少なく、病院は湖東地域が一番少ない。

・看護師一人が担当する病床数でみると、東近江が一番多く2.3。逆に湖北が一番少なく1.47

・採用状況をみると、甲賀圏域・東近江圏域では「非常勤・県外」が約15%

・県内病院の看護師の退職理由(労働環境)をみると、看護職以外の職業や雇用形態の変更が多い他、人間関係も高い。

・県内病院の看護師の退職理由(個人的な退職理由)をみると、転居通勤困難が最も多く、次いで結婚、出産があるほか、うつなどメンタル的な問題も高い。

・どのような支援があれば退職しなかったかの問いに対しては、「どのような支援があっても退職した」が一番多いが、尊敬できる上司、業務量に見合った報酬、良好な人間関係、看護部の理解、希望での休みがきちんと取れる体制などが続いている。

平成26年(2014年)滋賀県内訪問石護ステーションの総合的な支援に関する調査より、滋賀県訪問看護ステーションの課題として、①働きやすい職場環境の整備(厳しい職場環境)、②人材を育成・訪問看護の質の向上(研修体制が不十分)、③訪問看護師の確保(看護師確保が困難)、④安定したステーション運営と経営の促進(不安定な経営)が挙げられた。

・「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」が、202310月に約30年ぶりに改訂されており、人材不足は、保健医療福祉に携わるすべての職種一丸となってそれぞれの現場で働き続けられる職場づくりに取り組むことが必要だということが謳われている。

・厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークの啓発資料より、従業員の祝点に立った「魅力ある職場づくり」が有効とし、取り組みのポイントとして、①「顧客満足度」だけでなく「従業員満足度」も重視すること、②働く人の目線で、継続した取り組みを行うことが重要とある。

・慶應義塾大学大学院教授・前野隆司先生より、「幸せの4つの因子」を知れば「幸福度」を上げられるとして、①「やってみよう」因子、②「なんとかなる」因子、③「ありのままに」因子、④「ありがとう」因子が挙げられている。

 



【活動報告】

『仲間を増やそう人材確保』~東近江敬愛病院での取り組み~

敬愛病院 看護部 西塚 知恵美様


看護理念:地域の人々に、安心と信頼の看護(介護)を提供する

3つの基本方針…1. 働き甲斐のある職場づくりを通して、医療の質の改善に努めます 2. 地域での役割を自覚し、選ばれる病院を目指します 3. 全職員が協力して安定した病院連営・経営が行える体制を築きます

202341に改革を看護部職員総数122名でスタートさせた。

・看護職員の定着および人材確保に向けての取り組みとしては、●看護師確保のための渉外活動 ●働きやすさ確保のための職場環境の整備による人材の定着化 の2つ。

・看護師確保のための渉外活動として、県内の高校・看護学校13施設を訪問、看護協会主催:就職フェアへの参加、マイナビ(転職サイト)への登録院内見学・インターンシップ、近隣の中学生・高校生の職場体験、参加者(職種)に合わせたパンフレット作成などを行なった。

・働きやすさ確保のための職場環境の整備による人材の定着化としては、1.タスクシフト・シェアの推進看護師業務の介護員・クラークへのシフト 2.年間休日数の増加 3.条件付きでの副業許可 4.アルバイト勤務の導入 5.「処遇改善事業補助金」「ベースアップ評価料」による賃金改善 5.つぶやきポスト開設 を行なった。

・人材確保のための制度を導入…支度金制度、職員紹介制度

・身だしなみマニュアルを変更し、髪色自由とした。また夜勤者のマスク色を変更し、残業時間増を防ぐ取り組みを取り入れた。

・業務改善としては、1.配茶業務にはとろみサーバー導入作業時間の短縮化 2.おむつリースの運用変更使用枚数カウント不要 3.療養型病棟バイタルサインの回数変更 4.電子カルテ記録項目の見直し記録の短縮 を図った。

・スキルアップとしては、院内研修を充実させた。これは教育委員会による計画的な研修を企画し、外部講師による研修で意欲的に研修に参加する職員の姿

も見られた。

・また交流会として、忘年会・新年会・歓送迎会をコロナ禍を経て復活させた。

・またインスタグラムで発信を行なっている。

・これらによって看護職員数は徐々に増加傾向にある。

・まとめ…職員の定着と離職防止のためには、現場の声が職場環境を変える第一歩として、働き続けられる環境づくりに取り組むことが大事。

 


【グループワーク】

『地域包括ケアシステム推進に向けた人材確保について』 

~タスク・シフト/シェアについて考えてみよう~

・自分達の職場での人材不足に対する工夫・対策について

・学習会・活動報告についての感想等

 

【各グループからの発表とコメント】

●1グループ

・感想の中でまとめると、やっぱりどこも同じように悩んでいるテーマだったので、すごく興味深く、いろんな話が今回出たなと思う。

・キーワードとしては、人員不足、定着、人材確保、タスクシェア

・自分の魅力、病院の魅力を伝えることがすごく大事

・工夫、対策として、病院全体でアイデアを出し合うことが大事。新しく部署を作ってアイデアを出す、実習生さんに、どんな病院だったら働きやすいか、どんな給料なら働けるかなど、若者の意見をどんどん取り入れたらよいのでは。

・自分の病院を紹介できるような病院になることが大事、またスタッフ11人が大切な存在であるということを大切にしていかないといけない。

 


●2グループ

・看護師の不足もあるが、ケアマネジャーの人材不足も深刻

・その中で、在宅ワークを認めるなど働きやすい環境を整える、コロナ禍を経て、タブレットなどを使用して在宅でも業務を完成できるような環境を整えて定着支援につなげているという意見が出ていた。

・ 診療所の中にレストランを作ったら看護師が増えたという面白い意見も。

・ 今の若い方たちは、給料が高い低いということよりも、休みが多い、ワークライフバランス、自分の生活自分の時間を大事にするといった基準でのインセンティブがある。そこを踏まえると定着支援に繋がるのでは。

・普段の病棟業務だけでなく、地域のことが見えると、それが自分のやりがいに繋がっていくという、給与面以外でのインセンティブもある。

・新たな人材の確保でいうと、担当ご家族をリクルートして自分の事業所のスタッフになってくれたという事例も。隠れた人材にも目を向けていくことも重要なのでは。

 

●3グループ

・タスク・シフトシェアというのは、職場だけではなくて、地域においてはヘルパー、看護師、薬剤師、管理栄養士と、職種、地域の
中での事業所、他職種で助け合っているということが当てはまる。

・人材確保については、派遣会社の方からは、たくさん電話がかかってくるけれども、1人雇用することに対しての手数料がかかることで、なかなか雇用には至っていない状況がある。また民間転職サイトを使うにしても、安全性が担保されていないので、なかなか不安があるという意見があった。

・最近の若い方は、転職サイトでたくさんの施設を横並びで簡単に比較できるので、給与面や休日待遇などを比較しできる限り対応のよいところを選ばれてるんじゃないか、その中でも、ハローワークであったりナースセンターなど、安全で公的なところがやってる無料職業紹介を使っていただければいいなと思う。

 

●会場1グループ

・業務が多忙である中で、感謝の気持ちや挨拶などコミュニケーションを図りながら、 お互い思いやりの気持ちを持ち、気持ちよく仕事ができるように善処することで、コミュニケーションが増え、相談しやすい環境を作り、不満があったりでも話がすぐ聞けるようにしていけたら。

・業務改善を図り、自分たちが働きやすい職場環境を整えることで、自分たちも充実した仕事を続けられ、他人にも仕事をおすすめできるし、研修や自己研算を積みながらお互いに協力しあう良い職場環境作りを続けたい。

・子育て中のママさんワーカーでも、子供が熱が出て仕事を急に休みたい時に、周りが気持ちよく休んでいただけるようするなどの、雰囲気の良い職場環境も作りたい。

・学習会活動報告についての感想としては、SNSで発信することでイメージ的に開かれた病院作り、魅力的な職場
、環境が見えるということで、すごくいいことなんじゃないか。

 

●会場2グループ

・改革当時、病棟では本来なら8人で日勤帯を回っているところが4人になってしまって、半減してしまった時が1番きつかった、そ
れがタスクシェアで随分楽になった。

・副業OKとするということは、病院の労働に対する労働対価に不満を抱かれている?また全く違う仕事をすることで、気分転換やリフレッシュが図れるということからは、大きな離職防止の1つのいい効果が現れてるんじゃないか。

・若い方、新卒の方が辞めていく傾向については、市役所や病院でも同じような傾向があるなと共感していたが、その原因が、思っていたイメージと現場のギャップがあることにつき、そこをフォローしてくれる先輩ナース、プリセプター機能が十分役割として果たせてなかったんじゃないか。ただプリセプター自体もすごく悩んでいて疲弊してしまっている現状がある。

・そうしたことの人材育成体制をどのようにしていったらいいかというのを看護協会が委託を受けて多分やっていただいてると思うが、これからそういったフォローの体制が十分
しっかりできていくんじゃないか。

 

●会場3グループ

・ケアは色々な取り組みをしているので、色々変わりつつあると思う。休日が年間100日だったのが122日になったり、 ポストで投稿者が名前を書かずに記載していうところが改善しているのではないか。

・とはいえ看護師不足は深刻で、辞める前の本人の気持ちを掴むことも重要じゃないか。

・就業形態として、ゆったりコース、働く自分のペースに合わせてですね、標準コース、 がっちりコースと自分のスタイルで働ける、給料も別々で、6ヶ月に1回コースを選択することができるという取り組みをされているところもある。

・敬愛病院は福利厚生が充実していて素晴らしい、あとはアピールすることが大事。

 

●指定発言①:しみんふくし滋賀近江八幡居宅介護支援事業所 管理者 藤野純子様

本日は県内の看護師さんの動向であったり経営、病院さんの取り組み、また今発表がありました皆さんの意見交換の中から、様々な職種の方でも現状や取り組みを聞かせていただき、大変勉強になりました。

人材不足の状況においては、ケアマネジャーも今切実な状況となっております。この10月に介護支援専門員の実務研修受講試験が行われたが、全国で見て昨年度より受験者数としては減少の現状になっております。またケアマネジャーの仕事イコール事務量が多い、更新研修が大変、介護保険以外の支援の調整、時に世帯全体への支援をせざるを得ない、あと特定事業所は夜間や土日祝日でも、電話や急遽訪問などの必要に迫られる場面があります。利用者さんや家族さんからのハラスメント被害も、ここ最近の大きな問題になっているかと思います。

そのような中で、 負けへんぞという感じで続けていても、処遇面での改善が、介護職員さんにはついているが、正直ケアマネジャーは追いついていないというのもあります。そんな中、実際にケアマネジャー不足、事業所閉鎖等が出てきています。またホームヘルプに関しても人材不足は大きな課題になってきていますが、在宅生活、特に看取りなどの場合には本当に訪問系の支援というのはなくてはならない存在だと思っております。

このようにケアマネジャーの業務というのは、確かに多岐にわたり、大変な部分があるのは事実なんですけれども、見方を変えれば、特殊で専門性の高い仕事だと思いますし、とてもやりがいがある仕事だと思います。利用者さんや家族さんと一緒に考えながら支援を組み立てる、生活が良くなったり元気になる姿を間近で見ていける、苦しい時に一緒に悩み、考えられる、長い人だと10年以上のお付き合いとなる方もいる、また様々な分野の専門職さんと関わることで、幅広い視点や知識を身につけることができます。

すぐに人材確保が解消されるということは難しいと思うんですけれども、先ほど皆さんが意見されていたように、今いてくださる職員さんの話をしっかり聞く、新しい数も入れていく、特化した部署を設置する、在宅ワークを取り入れワークライフバランスを図る、などなどで、引き続き地域で頑張っていけたらと思います。ありがとうございます。


 

●指定発言②:東近江市役所 寿福祉課 課 今村知美様

日頃は、本市の医療福祉行政におきまして、ご理解、ご協力いただきましてありがとうございます。 本日は、医療、介護の現場の状況や意見などを直接お聞きすることができまして、貴重な機会となりました。ありがとうございました。

現在全国的に介護人材不足が深刻化しており、本市においても同じ状況であると認識しております。第9期介護保険事業計画策定に向けた市内介護事業所を対象に実施したアンケート調査では、回答事業所の約60パーセントが人材が不足していると回答しております。また、事業所の運営上の課題として、人材の確保が難しいが最も多く、次いで代替職員の確保が難しい、人材育成が難しいとの現状があるため、新たな人材確保と育成に加え、現役介護職員の定着化に取り組む必要があると考えております。第9期計画では、施策の方向として、1.事業所と連携し、介護職員等の人材確保、定着に向けた取り組みを支援する、2.事業所やハローワークとの連携により、全世代へ 介護職場の魅力を発信する、3.国、県と連携し、公的な補助による入門的研修やキャリアアップへの養成講座などの受講を促し、事業者と共同した人材確保及び定着支援に取り組むことを掲げており、まさまな取り組みを行っております。

具体的な取り組みとしては、介護福祉人材確保連携会議を年4回程度開催しています。 8月には、介護職人材確保、定着力向上研修会を開催いたしました。市内の介護事業所に勤務する介護職の方を対象に、働きやすい職場作り、カスタマーハラスメントについての内容を外部の講師の方から 講義を受けました。あと、介護事業所や介護職について多くの人に知ってもらおうということで、113日に開催されました二五八祭りでブースを設け、高齢者仕様の補装具をつけての高齢者体験、車椅子使用など福祉体験の実施、パンフレット配布などで事業者の紹介等啓発を行いました。先日1112日には、介護事業所を直接見て知ってもらうため、市内の2つの施設の方、施設にご協力いただきまして、介護の職場見学会を実施しました。現在就職活動を行っている方、介護、福祉の仕事に興味のある方14名の方にご参加いただきました。第2施設の様子を見ることができ、参加してよかった、他の施設についても知りたいなどの感想をいただいています。介護施設への理解が深まり、福祉介護職の施設資格を持っていない方でも働くきっかけ作りになればと期待しております。あと、助成事業としましては、介護職員の初任者研修の受講費用の一部を助成する事業を実施しております。

今後も高齢者は増加する見込みです。介護を必要とする高齢者が介護サービスを満足に受けることができるよう、介護人材不足を早急に解消する必要があります。引き続き、介護事業所、県の福祉人材センター、ハローワークなど関係機関との連携を進め、介護人材の定着、離職防止と将来の介護人材確保につながる介護職のイメージアップに向けた取り組みについて、検討、実施していきたいと考えております。以上です。

 

【連絡事項】

204回三方よし研究会

令和6年1221(土)16:0018:00

当番・会場: 東近江医師会・近江八幡医師会 共催

厚生労働省より稲川さんを及びしてご講演をいただきます。

 

2024年10月20日日曜日

第202回 三方よし研究会のご報告

 第202回三方よし研究会を開催しましたので、ご報告いたします。

◇日時:令和6年10月17日(木) 18:30~20:30
◇会場:東近江市文化交流センター(ZOOMを活用したハイブリット開催)
(当番:東近江市役所、まちづくりネット東近江、東近江市社会福祉協議会 )

ゴール
〇滋賀県における⼦育て・子育ての現状を考える
〇地域における⼦どもを中⼼とした「みんなの居場所づくり」の必要性や効果を考える。
〇医療・福祉の専⾨職それぞれの強みを活かして、地域の居場所づくりに対して、できること、⽇々の連携について考える。

【情報提供】
・三方よし研究会主催 介護実務者研修の開催について:楠神
 当会主催の介護実務者研修が7名の受講者を迎えて開催しており、11月に修了予定です。介護人材が不足するなか、人材の確保・定着に向けて、このような取り組みを今後も継続していきたいと思います。

・第204回 三方よし研究会の開催について 日時:令和6年12月21日(土)16:00~ 場所:八日市ロイヤルホテル:小原
 令和6年12月21日(土)16:00~から八日市ロイヤルホテルにて第204回 三方よし研究会を開催します。研究会後には懇親会も企画しておりますので、ぜひ予定していただけると幸いです。


【20分学習会】
『滋賀県における子ども食堂の状況と拡がり』
社会福祉法人滋賀県社会福祉協議会 地域福祉課
地域養護・はぐくみ係 三宮 千香子 さん


子ども食堂の規模はさまざまで、10人ほどの小規模な団体もあれば、100人を超える大規模な団体もあります。様々な形がありますが、共通しているのは、あたたかく美味しいご飯があり、子供たちとの笑顔があることだと思います。

子供食堂全体を見渡すと、このあたたかいご飯を通じて人と人が出会い、繋がり合える場所だと感じています。子供だけでなく、訪れる大人の方々とも出会いの場になってほしいと思っています。
ある子供食堂の話を聞くと、子供の通学を見守ってくださる方やPTAの当番をしている保護者が、どちらも子供のことを見守っているのに、大人同士で話したことがなかったといいます。しかし、子供食堂で初めて出会い、会話ができるようになったというお話もありました。
先ほど挨拶運動の話もありましたが、子供たちが知らない人に声をかけられると、「声をかけてはいけない」と教えられたりすることもあります。大人でも、子供たちに返事ができないことが多いと聞いています。挨拶も、挨拶を禁止しているマンションもあるそうです。少し寂しいなと思いますが、知らない人同士が声をかけあうことで、地域でのつながりが生まれ、子供食堂の日だけでなく、近所のスーパーで会ったときにも声をかけあえたり、家族のようなつながりができるのではないかと思っています。
子供食堂は、先ほど申し上げた通り、子供と子供、子供と大人、大人同士がつながり合える場所としてお話ししています。県内には220か所の子供食堂があり、それぞれ運営の方法が異なります。しかし、それぞれの立ち上げた思いや運営方法には様々な工夫がありますが、以下の4つの共通点があると思っています。

1つ目は、1人1人が大切にされる場所であることです。この場所に来たら、みんなと遊んでもいいし、宿題をしてもいいし、今日は疲れているから何もしなくても大丈夫です。子供たち1人1人の気持ちを大切にする場であってほしいと思っています。家庭でも学校でもない場所で、学校の先生や家の人とは違う大人と話せることもあるのではないかと思います。自分のことを見てくれていると感じることが、子供たちがこれから生きていく力になるのではないでしょうか。

2つ目は、食べて帰るだけではなく、遊びや学びを通して子供たちが成長できる場所であることです。学びは学校の勉強だけでなく、一緒に料理をしたり、地域の文化や食事を知ったりすることも大きな学びです。昔遊びやゲーム、カードゲームなど、いろんな活動を通じて会話を楽しむことも学びの一環です。例えば、夏休みの自由研究や冬休みの書き初めなどは大変ですが、地域には得意な人がいて、一緒に調べ物をしたりすることができる素敵な場だと思います。

3つ目は、地域の中で応援団を作っていくことです。最初は子供たちとグリメンバーだけで始まったものが、活動を進める中で食材を提供してくださる方や、調理や遊びのボランティアが増えていきます。子供の声掛けに協力してくださる方や金銭的にサポートしてくださる方が増えることで、活動が豊かに長続きすると思います。子供食堂は地域の子供たちを見守る場として広がっていくことが大切ですので、運営メンバーだけでなく、地域の仲間を広げていくことが重要だと思います。

最後は、誰でも来られる居場所であり、孤独や辛さを抱えた子供たちが救われる場所であることです。子供たちがこの場所を求める理由はさまざまで、両親の帰りが遅くて夜ご飯を一緒に食べられない子や、外で遊べる場所が減っている中で友達と遊ぶ場所を求めている子、学校や家庭で生きづらさを感じている子もいます。また、親御さんにとっても、忙しい日々の中で少しでも自分の時間を持つことができる場所となり、また子供と再会することで新たな関係が築けることもあります。子供たちがこの場所で話を聞いてもらい、共感してもらえることが、心の支えになると思います。

子供たち一人ひとりの居場所の形は違いますが、まずはこの場所に行きたいと思っている子供たちが強く避難できる場所であってほしいと考えています。

次に、千葉県内の子供食堂の推移について少しご紹介します。2015年から始まった「それで学び5分の食事」の取り組みは、10月現在で220か所まで広がっています。この実施主体は、ボランティアグループなどの団体やまちづくり協議会が全体の70%を占めています。その中には、子供食堂のために立ち上げたボランティアグループも多く見られます。また、非営利法人や社会福祉法人も増えてきています。
イベントだけでなく、居場所として感じてもらえるよう、月に1回以上定期的に開催するところが多いです。また、子供たちの見守りが必要な長期休暇中に定期的に催されるところもあり、それぞれの自治体で地域のニーズや状況に合わせて開催されています。開催日程は、子供たちが安全に参加できるように、土日の昼間に行われることが多いです。最近では、学校に行きづらい子供たちのために、平日の昼間に開催される団体も増えてきています。
参加対象としては、小学校区での開催が最も多く、近すぎず遠すぎない距離感が子供たちが参加しやすい環境を作っています。参加人数は、数人程度の小規模なものから100人を超える大規模なものまでさまざまです。イベント開催時には、長期休暇に参加者が増える傾向があります。
最近では、地域の皆さんが知っている場所で安心して参加できることから、公民館や自治会館などの公共機関での開催が多く、社会福祉施設やお寺、教会内での開催も増えています。
地域団体の皆様にお願いしたいことをお尋ねしたところ、多くの団体が調理やボランティアの募集をしているという意見がありました。最近では、学習支援を取り入れる団体も増えてきており、学習ボランティアのニーズも高まっています。特に、食材の提供を求める声が多く、感染症対策としても食材のニーズが高まっています。また、皆で遊ぶためのカードゲームやボードゲームを希望する団体もあります。

全国子ども食堂支援センター「むすび屋」が発表した調査によると、千葉県の充足率は44.15%であり、昨年の調査では半数以上の小学校区に子供食堂が存在することがわかりました。
最後に、子供たちが様々な環境を知り、地域の大人として何ができるかを考えながら、みんなでご飯を食べ、話ができる場所を作っていければと思っています。家庭だけでなく地域の大人たちが一緒に子育てに関わることができるといいですね。
子供食堂の取り組みが地域のつながりの輪を広げ、何かあったときに助け合える関係が生まれていくことを願っています。私たちが今一番大事にしたいのは、地域の子供たちの笑顔です。ありがとうございました。


【活動報告】
東近江市愛東地区 『 子どもたちが創る 学生カフェ Fika 』
学生カフェFikaスタッフ・愛東くらしの会議(第2層協議体)楠神渉氏



学生カフェFIKAの皆さんは、夜遅い時間で参加できませんので、ビデオ録画での登壇ということでお願いをしております。



左から村山さんと横田さんとマツヨさん、この3人が今リーダーとなって活動をしてくださっております。 学生カフェFIKA、そもそもの始まりは、中学生議会でですね、提言されたことが始まりです。
中学生議会っていうのは、今、東近江市の取り組みで、東近江市全域の中学生の方で、手上げ方式で、東近江市がこうなってほしい、こんな未来にしたらいいんじゃないかとか、こんな活動すれば市民がもっと元気になるんじゃないか、 例えば学校のことでもこういう取り組みをしたらいいんじゃないかとかいうことを、それぞれですね、学生さんが自分の言葉で提言される仕組みがあります。 

ぶっつけ本番ではなくて、手を挙げてもらった方に、4回から5回のですね、自主勉強会の機会、グループワークの機会があって、そこで仲間とともに自分たちが提案したいことを煮詰めてですね。この写真は本議会になるんですが、実際に中央には市長に入ってもらったり、 教育委員長をはじめ、本番さながら、本当の議会と同じような内容で運行されます。
今年で3年目になるんですが、今回、学生カフェっていうのは、令和4年にあった1年目の取り組みで提案された内容になります。

中学生議会で提言内容

・愛東中学校の生徒が、田舎の少ないクラスの中学校か ら高校に進学すると、多くのクラスがあり、人見知りなどで不登校になることが幾つもある。
・自分たちで中学生カフェを運営し、多くの人と交流する機会を通じて、人間関係づくりに慣れることを目指したい。
・愛東に暮らす全ての世代の皆が交流できる場、世代を超えた新しいコミュニティベースを作りたい!地域に根ざした繋がりを持つことでより良い愛東をつくりたい!※この提案は令和4年度の中学議会でなされましたが、ゼロ回答だったため、愛東くらしの会議、愛東地区のまちづくり協議会等の団体が協力して、この思いを実現する取り組みを進めています。

中学生議会で、先ほどの3名の方が中心になって提言されたんですけど、その皆さんの方にアポイントを取って、もし本当にやりたいんだったら、 大人、おじさん、おばさんはね、応援する準備があるけど、どうする。って言ったら、中学生の方から回答が返ってきて、すごくやらしてもらえるのが嬉しいんですが、1つだけ条件があります。たった1つだけですって言われて、どんな条件ですか。って言ったら、 中学生を主体にやらしてほしいんですと。大人がこの日にイベントを開くからおいでみたいな、そういうレールの上であるんだったら今回辞退しますという風に言われました。で、私たちは、もちろん願ってもないことなので、ぜひ中学生の方々が主体的になって活動くださいと始まっております。 

〇開始した思い(村山さん)
1つ目は、私が中学生だった時、 学生は地域に興味を持っている人は地域の活動に参加している人は少ないなと感じたので、もっと地域の魅力を発信して、 地域に興味を持ってくれる学生を増やしていきたいと思ったことです。
2つ目は地域の人たちが財産関係なく交流する場を作ることで、地域のつながりを深め、 幅広い世代の人たちが色々に集まれる場所を作っていきたいと思い始めました。

学生たちは、本番のカフェに自信がないため、プレオープンを行いたいと考え、中学校の仲間を招待し準備を進められまいた。看板やメニューボードを手作りし、近所の木材屋から材料を格安で提供してもらい、11人の中学生と高校生が協力して取り組んでいます。高校生は裏方として支え、中学生が主体的に活動しています。
カフェの名前は「フィーカ」と名付けられました。


〇FIKAの由来(横田さん)
FIKAはスエーデンでコーヒータイムや休憩っていう意味があります。
北欧で家族や同僚と一緒にコーヒーや焼き菓子を楽しみながらして作ったという習慣があります。 地域の人たちがどうやって誰かととてをつける場所や、場もない、会話できる場所を提供したいなって思ってFIKAと名付けました、学生たちはプレオープンの準備として、協力団体に手紙を書いて依頼し、地元の果物や野菜を調達するために道の駅などに挨拶に行かれています。また、地元の高齢者から郷土料理の話を聞くなど、地域の協力を得て準備を進められています。学生たちは愛東産の食材にこだわり、どうしても揃わない場合は地元スーパーでの購入もギリセーフとして許容するルールを決められました。準備当日は、学生が自主的に材料の準備や料理を行い、高齢者にも招待券を配布し、地域全体でイベントを盛り上げています。

〇開始までに苦労したこと(村山さん)
活動 始めた頃は中学3年生で、受験勉強と重なっていたので、 テストや受験勉強との両立が難しく、なかなか計画が進められなかったことです。そして、先生、学校の先生方に直接交渉をしに行ったりした中で、 学校の先生や 活動に協力してくださる大人の方々の理解を得ることや連携を取ることが難しかったです。

〇どのように解決したのか(村山さん)
学校の先生方や協力してくださる方々の理解を得ることが難しかったことは、 先生方に活動計画を直接プレゼンし、問題点や改善案を聞いて 少しずつ理解を得ていきました。また、中学生にも活動について知ってもらうための機会を設けてもらい、前校の前でプレゼンしたことで、 少しずつ活動について知ってもらったり、協力してもらえるようになっていきました。

最初は学校側が忙しさや事故の懸念から協力を拒否されてましたが、地域活動に感動した先生方が最終的に応援することになりました。プレオープンは5月11日に開催され、地域の食材を使ったカレーライスが提供され、80人もの参加者が集まりました。学生たちは自作のTシャツを作るために、夏祭りでフルーツポンチとマフィンを販売し、必要な資金を自分たちで稼がれています。また、夏には流しそうめんやビンゴ大会なども企画し、多くの世代が集まり、参加された方々にとってもよい夏の思い出になったのはと思います。



〇感想(松吉さん)

来てくれない時とかあったけど、いっぱい来てくれた時は、みんな笑顔で楽しんでくれて、自分が中学生になったらやってみたとか言ってくれる子もいて、とても嬉しかったです。

先月、学生カフェで「お月見編」を開催し、子どもたちはうどんとみたらし団子を準備しました。うどんはさすがに自分たちで作れないのでアイマートで購入しギリセーフ、デザートにはイチジクやシャインマスカットが並び、豪華なお月見となりました。レクリエーションでは、中学生がイントロクイズや新聞じゃんけんを企画し、大変盛り上がりました。
案内が遅くなり心配していましたが、80名もの参加があり、具材が足りなくなるほどの盛況でした。高校生は黒子役に徹し、中学生が司会進行や企画を担当。人前で話すことに挑戦し、素晴らしい成果を見せました。今後の展開も楽しみにしています。

〇今後の展開について(松吉)
今は愛東を中心に活動していますが、東近江にも広げていけるように頑張りたいです。

まとめです。現在、学生たちが中心となり、世代を超えた新しいコミュニケーションの場を作ろうとしています。哀悼の魅力を発信し、地域に根ざしたつながりを築くことで、より良い哀悼の未来を目指しています。スタッフや協力者も全員哀悼の住民で、地産地消にこだわっています。
私たちまちづくり協議会や暮らしの会議なども、高齢者支援や居場所づくり、引きこもり支援などでバラバラに活動していましたが、若い世代を最初から巻き込むことが大切だと感じています。若者たちと一緒に進めることで、これまでとは異なる視点やアイデアが生まれ、地域づくりに大きな意味があると実感しています。今後も月に1回のペースで活動を続けていきますので、ぜひInstagramで「学生カフェFIKA」をフォローしてください。フォロワーには特典として50円引きがあり、例えば先日のうどんは200円のところ150円で提供されました。ぜひご参加ください。

東近江市蒲生地区『 地域で創る みんなの食堂』
わいがや支え合い蒲生(第2層協議体)


お世話になっております。本日は、「誰もが来られるみんなの食堂」という形で今年度進めている事業についてご説明いたします。まず、事業を始めたきっかけについてお話させていただきます。コロナ禍において、人との関わりが重要でありながらも、一緒に食事をしたり何かを共にする機会が失われてしまいました。コロナが落ち着いた今、地域内で自然に交流できる場を作ろうと話し合いを重ね、この事業を立ち上げました。

現在、日本では高齢化が進んでおり、介護を必要とする高齢者が増えています。また、介護を支える人材も不足しており、多くの男性が75歳以上の後期高齢者となっています。これからの社会をどうしていくかを考えたとき、元気な高齢者を増やし、介護予防や健康長寿の促進を目指し、社会参加の場を作ることが大切だと感じました。
そのため、全ての高齢者を対象にした社会参加を促進し、介護保険制度改正の動きにも対応しながら、支援者から自立へとつなげていくことが重要だと考えています。
平成31年2月に「支え合いの地域づくりプロジェクト会議」がスタートし、現在まで50回の話し合いを実施しています。参加者は、0歳から100歳まで、幅広い年齢層を対象とし、心豊かに住み続けられる地域づくりを目指して活動をしています。

また、地域の様々な団体が協力し、地域資源の把握や新たな資源の開発、問題提起を通じて、支え合いの活動を推進しています。具体的には、毎月第3木曜日に「せせらぎ」という福祉の拠点で、地域資源の発見や情報共有を行っています。例えば、地域のカラオケクラブや介護予防講座、ラジオ体操などを紹介し、地域の方々が積極的に参加できるよう働きかけています。

令和5年度からは、「ライフエアーとせせらぎ」という形で月に1回イベントや講演会を実施し、外国籍の方々とも交流を進めています。また、年4回の「みんなの食堂」の開催を計画し、子どもから高齢者までが集まれる場を提供しています。
活動を進める中で、「みんなの食堂ができて嬉しい」「月1回は開催してほしい」といった声や、外国籍の方々から「母国料理を作りたい」との意見もいただいています。こうした声を反映し、折り紙や防災ワークショップなど、多様なイベントを企画しています。

今後は、ボランティアの増加や、参加者との交流を深め、外国籍の方々と共に料理を作る機会を増やしていきたいと考えています。地域の企業とも協力し、地域全体で支え合いを広げていけるよう、努力を続けていきます。
活動を通じて、参加者がボランティアとして支える側になり、一緒に活動する仲間が増えていくことを目指しています。「みんなの食堂」が定着し、開催回数を増やしていけるよう、地域の皆さんと協力して取り組んでまいります。


【グループ懇談】
テーマ『みんなの居場所づくりを考える』
〇学習会・活動報告を通して感じた、子どもを中心にしたみんなの居場所づくりの効果と課題
〇医療・福祉専門職それぞれの強みを活かし、何ができるのか?どんな連携ができるのか?

【発表】

1G:


1班の意見を発表させていただきます。意見は大きく3つあります。まず1つ目は、コロナの影響で地域のつながりが薄くなってしまったということです。特に、以前は当たり前だった子ども同士が遊びに行くことが少なくなり、学童保育が子ども食堂の代わりのようになってしまっています。2つ目は、仕事上の居場所はあるものの、大人にとっての居場所が少なくなってきているという点です。子どもから高齢者までが集まる子ども食堂は、自分の居場所を確保できる貴重な存在だと思います。3つ目は、親が生活面で機能していないと、子どもへの影響が強くなるということです。しかし、子ども食堂のような場所があることで、子どもたちにとって多くの居場所となります。子ども食堂という名前ではありますが、食べることが一番の目的ではなく、ここに来れば誰かがいるという安心感が最も重要な目的になるのではないかという意見が出ました。


2G:



2グループの意見を発表いたします。テーマに沿ったお話になるかどうかわかりませんが、子ども食堂についての考えがいくつか出ました。まず、子ども食堂は単に食事を提供する場所ではなく、つながりの場であることが今回の話を通じて理解できたという意見がありました。また、知っていても実際に行けない子どもたちがいることも話題に上がりました。さらに、子どもだけでなく、親同士の関係も希薄になっていることが指摘されました。その中で、子ども食堂のような場を通じて親同士の交流が生まれていることは、非常に貴重で大切なことだという意見が出ました。現在の社会において、こうした場所が重要な役割を果たしているのではないかと感じました。また、子ども食堂では、様々な活動を行う中で、普段関わることがない世代の方々との交流も生まれています。特に、おばあちゃんなどとのふれあいを通じて、世代間の交流が増えることには大きな意義があるとの意見もありました。以上、少しまとまりのない話になりましたが、これが2グループの意見です。ありがとうございました。

3G:


病院の外科で働いています、伊藤です。活動報告について、感想を述べさせていただきます。地域でこうした素晴らしい活動が行われていることを知らなかったという声が多く聞かれました。
素晴らしいという言葉は、皆さんからも出ていました。課題を解決することよりも、まず居場所を作ることや、集まること、そしてコミュニケーションの場を提供することが大切だと感じました。役割が固定されているのではなく、ケアを受ける人と提供する人の役割が変わっていくことが素晴らしいと話されていました。
目的を明確にすることも大事ですが、人のつながりから新しい広がりが生まれることが重要だという意見もありました。例えば、最初に設定した目的から徐々に変化しながら、広がっていくこともあるのだと感じました。
2つ目のポイントとして、医療専門職が持つ強みを生かすことについては、まだ模索中であるという声も多くありました。しかし、地域に出ている方々からは、啓発活動を行っているという報告もありました。目的としていた対象ではなくても、医療職が声を上げることで、思わぬ形で新たな課題が浮き彫りになったという経験が共有されました。
以上が、私の感想です。ありがとうございました。

4G:


4グループです。東近江社協の水谷です。よろしくお願いします。
4グループでは主に以下の感想がありました。まず、スピーカーの活動について、やはりこうした成果があったからこそ実現できたのだろうという意見がありました。また、他の地区で中学生たちの思いが実現できたのではないかという感想もありました。この2、3年で子供食堂がたくさん増えていることに改めて気づき、行ってみたいと思ったという意見もありました。
集まれる場は多いですが、その中で活躍できる場は少なかったという点についても発表がありました。外国籍の方々が活躍できる場があることは、食を通じてとても重要だという意見も出ました。
また、子供たちの思いを受け止めることが、フィーカの活動に繋がっているという意見もありました。
専門職として何ができるかについてですが、会場にも多くの高齢者分野の方がいたため、高齢者だけでなく、さまざまな人とつながっていくことが大事だと再確認しました。ケアプランの作成に関しては、子供のことを取り上げる場面が少なかったのですが、高齢者が赤ちゃんや子供と触れ合ったときの笑顔や嬉しさを考えると、そのような場を作ることが重要だという意見がありました。
「つながる」ということが大切であり、地域の薬局もハブとなる施設としての役割を果たすべきだという思いが日本グループから出ました。以上です。


【指定発言】
東近江市こども未来部 こども政策課 主査 谷 佑一郎 氏



東近江子ども政策課の谷と申します。よろしくお願いします。この場で発言するのは少し緊張しますが、参考史研究会は約10年ぶりですね。本当に久しぶりです。まず初めに、今日は発表された会の取り組みが、地域における子供の居場所、そして皆の居場所を確保することに大変感謝しています。地域の中でこうした居場所が提供されていることは、安心感をもたらしてくれます。
行政として子供食堂にどのように関わっていくかについては、さまざまなご苦労があると思います。行政が金銭的支援をするだけでは、地域の子供たちを支え合うという子供食堂の本来の良さが失われてしまいます。そのため、どのように行政として応援できるかをしっかり考え、私自身も取り組んでいきたいと思っています。
いくつかの発言の中で、アヤさんが言われた「アクセス」の重要性に共感しました。小学校区に1つの居場所があれば良いという点について、私も同感です。子供は自分の家庭や学校を選べないため、放課後の過ごし方は選べるといいと思います。したがって、小学校区に1つだけでなく、もっと多くの選択肢があり、自分が過ごしやすい場所を選べるような放課後の環境が整うと良いと思っています。
また、居場所の重要性についても考えました。居場所があれば安心し、自分を出せる場になると思います。家庭や学校では表現できない自分を受け入れてくれるような関係性を作ることが、行政の役割でもあると感じました。
居場所がどのような意味を持ち、どのように地域に役立てるかを考えるため、市内の居場所関係者と定期的に意見交換の場を持っています。その中で印象に残ったのは、子供たちが居場所に行くことで多様な大人と出会い、さまざまな価値観に触れる機会を得られるということです。家庭では親、学校では教師しか見ない子供たちが、地域の居場所に行くと多様な大人たちと出会い、その中で「変な大人」や「変わった方々」もいていいのだと気づけると良いと思います。
最後に、医療職の方々にもお願いがあります。まだ構想段階ですが、地域社会のさまざまな場所に子供や若者が集まれる居場所を作りたいと思っています。福祉施設もその一環として考えており、例えば高齢者施設の地域交流スペースを「午後3時から5時は中学生も来ていいよ」と設定することで、中学生の居場所にすることが可能だと思います。
「子ども110番の家」のように、地域のさまざまな場所に子供が行けるような取り組みを進めたいと考えています。構想が実現できそうな際には、改めてご協力をいただければと思います。よろしくお願いします。私からは以上です。ありがとうございました。

東近江市環境部森と水政策課 課長 丸橋 裕一 氏


今日は三方よし研究会に初めて参加させていただきます。どうもありがとうございます。ここに来るにあたり、私は自然に関する仕事をしているので、ぜひ自然についてお話しさせていただきたいと思います。

私は55歳ですが、子供の頃、私の居場所は近所の自然でした。放課後や夏休みには、普通にこの辺の自然で遊んでいました。しかし、最近はそうした環境がなくなってきています。その理由として、いくつか思いつく点があります。
1つ目は、田んぼや水、草などの自然が近所に少なくなってきていることです。
2つ目は、夏の暑さが厳しくなり、外で遊ぶことが難しくなったことです。
3つ目は、室内でできるゲームがたくさんあり、子供たちが外で遊ぶ機会が減っていることです。
4つ目は、子供だけで遊ぶことに対する考え方や環境が非常に厳しく、先ほども会長がお話しされていたように、子供だけで外出することが許されない雰囲気があることです。
5つ目は、自然との接し方や楽しみ方が知られていないことで、本来であれば上級生から伝えられるべきことが継承されていないことです。
しかし、身近なところにはまだたくさんの自然がありますし、私の経験から言っても、ゲームが大好きな子供たちは自然に興味がないわけではありません。そうした背景から、私たちの部署では2015年から「自然体験事業」を実施しています。指導者が保育園や幼稚園を訪れ、園の近くの田んぼや神社などに子供たちを連れて行き、「こんなことも面白いよ」と教える活動を行っています。2015年に始めた当初は支援が限られていましたが、現在では17園にまで増やし、市内の5歳児の約7割にプログラムを提供できるようになりました。
この事業を通じて、子供たちは普段識していなかった自然を発見し、良く見るようになります。例えば、園から歩いて10分の公園に普段はお散歩に行っていた子供たちが、翌日に同じ公園に行ったところ、10分で着く距離が30分かかったという話があります。なぜなら、道端にあるものに目を留め、今まで見なかったものをどんどん見つけていったからです。
そのような体験は、視点を変えることで子供たちの居場所を広げることになります。友達と一緒に自然の中で過ごすことは、心の成長にも大きな影響を与えます。例えば、友達がカマキリを触ろうとする時に、「自分も触ってみたいけれど怖い」という気持ちを共有し、一緒に触れることでその恐怖を克服することができます。こうした小さな成功体験が、自己肯定感につながります。
最後に、自然と触れ合うことは1人でもできるという特徴があります。これは今日お話しいただいた「居場所作り」とは少し異なる点です。例えば、自宅に帰った後、庭や道端の石を観察したり、草を見たりすることで、子供たちは自分なりの発見や驚きを経験し、感動したり実験してみたりすることができます。これらの活動は立派な居場所になっていると考えています。
私たちは、自然を通じてこうした活動を伝えていきたいと考えています。東野にはそうした活動を行う場所や機会がありますので、ぜひ皆さんにも知っていただき、何らかの形で関わっていただければと思います。


【連絡事項】 第203回 三方よし研究会 令和6年11月21日(土)18:30~20:30


【まとめ】:花戸先生


小串先生がいらっしゃらないので、私が締めの挨拶をさせていただきます。
本日は、子供食堂のご発表や地域の発表、本当にありがとうございました。心から感謝申し上げます。「売り手よし、買い手よし、地域良し」という言葉がありますが、子供にとっても、大人にとっても、そして私たちにとっても、皆が良い形になることが大切だと思いました。
これから、皆さんが感じている課題、たとえば高齢化や少子化、さらには今後の財政状況についての懸念など、いろいろな思いがあるかと思います。私たちが生き残るためには、変化できる力が必要です。そうした時代に合わせて、私たちも変化していかなければならないと感じた今日の研究会でした。
以上をもちまして、本日の研究会を終了したいと思います。来月も引き続き開催されますので、ぜひ皆さんのご参加をよろしくお願いいたします。
本日は皆様、本当にありがとうございました。以上で終わります。