三方よしカレンダー

2019年12月22日日曜日

第145回三方よし研究会のご報告


第145回三方よし研究会が開催されましたので、ご報告いたします。



日時:1221日(土)16001800

会場:近江八幡市立総合医療センター  よしぶえホール





○情報提供

 ・市民公開講座 令和2229日(土)八日市文化芸術会館

 ・市民公開講座のプログラムスポンサー募集

 ・三方よし研究会排泄ケア研修会 令和2320日 東近江総合医療センター




○認知症と共によりよく生きる~未来に向けて~

 慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科 堀田聰子先生


DAYS BLG!(デイサービス)の紹介。

一般企業と協働しながら、ホンダ販売店での洗車、ジャガイモの芽とりなどの仕事をしている。

・利用者と呼ばずにメンバーと呼んでいる。

 ・認知症になっても働きたい、地域で役立ちたいを実現する取り組みを行っている。

 ・DM便の配達をヤマトと介護保険事業所で契約を結び、若年性認知症の人が配達を行っている。1通当たりの料金が決まっているので、無理なく、時には仲間と協力して取り組むことができる。

 ・企業と協働するにあたり拘っていることは、企業のユニフォームを着用すること。ホンダもヤマトもユニフォームを着用している。

・認知症の人と介護者が出会うときは病気が進行して、関係性を気付くのが難しい時がある。共に働く関係が、関係作りのヒント。

・おたがいさんのデイサービスでは掃除もメンバーが行っている。通常のデイサービスでは送迎後に職員が行っており、メンバーのできることを奪っていないだろうか?

  ・認知症未来共創ハブについて

   ・「認知症とともによりよく生きる未来をつくる」ことを目指して「認知症未来共創ハブ」を201810月に設立した。

   ・自身がALS等のケアを行う中で、本当にその人のことを考えてケアができていたかと振り返ったことも、設立した理由の一つ。

   ・認知症の人へのインタビュー(100人)を中心に始め、本人の生活課題やそれを乗り越えてきた工夫、思いなどを聞き取り、背景にある認知機能の障害なども整理、それに基づいて商品、サービス開発、まちづくり、政策提言などに繋げることを目指している。

   ・100人へのインタビューを経て、困りごとを11の生活領域での189の生活課題に分類し、課題を解決し、喜びに向かうためには、何ができるのだろうか?を多職種で検討している。

  ・認知症ともに生きる希望宣言

    (日本認知症本人ワーキンググループ(JDWG)は、2018111日、厚生労働省内で記者会見を行い「認知症とともに生きる希望宣言」を表明されている。)

    1. 自分自身がとらわれている常識の殻を破り、前を向いて生きていきます。

2. 自分の力を活かして、大切にしたい暮らしを続け、社会の一員として、楽しみながらチャレンジしていきます。

3. 私たち本人同士が、出会い、つながり、生きる力をわき立たせ、元気に暮らしていきます。

4. 自分の思いや希望を伝えながら、味方になってくれる人たちを、身近なまちで見つけ、一緒に歩んでいきます。

5. 認知症とともに生きている体験や工夫を活かし、暮らしやすいわがまちを、一緒につくっていきます。

上記の内、特に5.の実現にむけて、認知症未来共創ハブでは、取り組みを行っている。

  ・認知症解放宣言!


  ・Compassionate Community思いやりに満ちた 困難をともにする 苦しみを分かち合うまち(仮)について

    生老病死に関わる問題を地域住民の手に取り戻したい。

     ・中心的な概念の中に、「喪失」がある。喪失の体験だけは、どのような環境であっても一人称であり、「思いやりに満ちた 困難をともにする 苦しみを分かち合うまち」の手がかりになるのではと考えている。



  ・質疑応答


Q:認知症という病気があるのか考えてしまった?

A:認知症は社会が作りだしている可能性がある。




Q:金銭欲はどうですか?

A:高齢者の方にはお金はいいからと言われる方もいますが、お金を頂くと元気なお顔に変わるんだと感じている。ある町で道の駅を作ったら、地域住民さんが野菜を持ち寄られた結果、地域の診療所がガラガラになったというエピソードもある。



Q: Compassionate Communityの概念では、喪失の評価軸のようなものがあるのか?

A:評価軸まではないが、この考えを頭に置いて、ウェルビーイングを進めていければと考えている。



○大阪のヒョウ柄三人娘からのエール!






○活動報告

・五個荘地区の認知症捜索模擬訓練について:小串先生



  ・五個荘を3地区に分けて実施している。(3年に1回なので、疲れず丁度良い。)

  ・今年で11回目となる。

  ・捜索訓練には、発信機とスマートフォンも活用している。(アプリ:みつけてnetを使用して位置情報の提供を捜索者に行っている。)

  ・平成27年度はドローンを使用しての捜索も行っている。

  ・地域の中での顔と顔を見える関係を大切にして活動を広げていきたい。



・高次脳機能障害患者の就労支援について
       :滋賀県高次脳機能障害支援センター田邊陽子様


  ・正しい診断を受けるために

  ・滋賀県においては、平成186月にむれやま荘が設立されている。

  ・推計では年間に330人が発症している。

  ・症例紹介:50代男性の短期記憶障害のある方の復職支援ついて
                       (復職できた症例)

    ・福祉就労:作業所で作業を行った対価の報酬を頂かれる。

  ・症例紹介:40代男性の短期記憶障害のある方の復職支援について
                       (復職できた症例)

    ・帰りのバスが分からないなど不安もあったが、TEKITOの支援も得て、現在も就労を継続できている。

  ・東近江圏域高次脳機能障害者従事者研修会を開始しており、多団体、多職種との連携を築いていきたい。



・永源寺地区の地域での場づくりについて:おいでぇな高野 九里重義様


  ・永源寺地区には、地域まるごとケアを目指している、チーム永源寺がある。

  ・だが、チーム永源寺だけに任せず、高野の中でも助けたい活動を行っていきたい。

  ・仲間は、前向きに活動して、特技を持っている、夫婦で取り組めそうな人に声をかけている。

  ・運営資金は、東近江市の補助金も活用している。

  ・具体的には次の活動を行っている。

    ・ふれあい体育事業(グランドゴルフ)

    ・安心福祉事業(カラオケ、ポールウォーキング、足踏みラダー)

    ・伝統継承事業(高野の歴史学習会、ムラサキ栽培プロジェクト)

    

    ・歌声喫茶では休憩時間に、笑いヨガ、ボケない上歌・・なども行っている。

    ・高野四国八十八か所めぐり。→荒れていたので、再整備して60分のウォーキングできるようにしている。

    ・永源寺直伝精進料理の2日間の料理教室もしている。

    ・ムラサキの栽培プロジェクト:ムラサキは東近江市の花でもあり、このプロジェクトを地域の活動を資金にあてたい。

    ・更に多くの町民が共に楽しめる活動にしたい。(ムラサキ栽培の課題は、連作が5年間できないこと。)



Q:ムラサキは幾らくらい?

A:輸入院は100グラム500円だが、国産品は品が無く高値で買い取って頂ける。



q:連作ができる場所は見つかるか?

a:永源寺には使われていない、畑や荒れ地が沢山ある。





○初参加の方の紹介



○次回のご案内

146回三方よし研究会 令和2116日(木)18:30

当番・会場:東近江総合医療センター




○メーリングリストについて



○実行委員会から

・感想等は、一言メッセージに記入してください。


・是非ML会員にもなってください。

2019年12月2日月曜日

第144回三方よし研究会 私から届けたい一言メッセージのご報告


私から届けたい一言メッセージ
~第144回三方よし研究会 令和元年1121

・訪問看護に興味がありましたが、病院と在宅とでは考える視点がこれだけ違うことがあるのかと思い、すごく心に残りました。病院で当然のようにNsがしているケアが、場所が違うとNsがするものではなくなるので...私たち看護師は何をしたらいいのだろうと考えました。ありがとうございました。
 自己紹介で喋ってしまってすみません(笑)

・栄養について改めて重要性を感じました。生命のエネルギーについて考えさせられました。

・食事をスムーズに召し上がって頂くという事はリハビリ職として最善の結果を提供するうえで避けて通れないことであるため今回の参加に至りました。他施設の方の意見が聞くことができ参考になりました。 
 高齢で食べられない方にどのようにアプローチするかについて今後もテーマにし続けていきたいと思いました。

・NSTの方は使命感持って患者さん一人ひとりを支えておられることに敬意を表します。

・栄養管理と臨床倫理が結びついていることを改めて再考させられました。
今回栄養について焦点を当てて頂いたことありがたいです!!



たくさんのメッセージ、ありがとうございました。
次回もよろしくお願いいたします。

2019年11月22日金曜日

第144回NPO三方よし研究会のご報告

第144回NPO三方よし研究会が開催されましたので、ここに報告いたします。

令和元年1121()18:3020:30
東近江敬愛病院 2Fデイケアセンター
当番 東近江敬愛病院
ゴール
・NSTについて学ぶ
・病院と地域での栄養についての捉え方の違いを理解し、病院としてできることを考えることができる。

【情報提供】
1. しが住民支え合い連絡会 1213PM1時半〜(街かどケア滋賀ネット)ひまわり館(楠神さん)

2. 12月三方よし研究会 講師堀田聡子さん、4時開会 交流会の案内(加藤さん)

3. 本年度「市民公開講座」開催に伴う協賛広告のお願い(加藤さん)

4. 来年度の三方よし研究会の開催について(開催希望等聞き取りのお知らせ)(加藤さん)


(進行)
原田弥生さん

【挨拶】
間嶋孝病院長 

最近雨が降る。寒くなったのは私のせいではない。もみじを眺める会を催してもよい季節になりました。三方よし研究会も144回=12年を迎え、当初の脳卒中連携パスから始まった会も、今や厚生労働省からもこの会を視察し、モデルとなって法律ができるという流れにまでなっているとも言えます。奇しくもこの病院も増改築したのが12年前です。一度NSTの話題で私が話したことがありましたが、今回エキスパートである加納先生からいい話が聴けると思います。どうぞよろしくお願いします。


30分学習会】
『病院での栄養管理について』
地域連携室・外科部長 加納正人先生

・大津市民病院の時に立ち上げから関わってきました。その熱い想いを少しでも伝えられたらなと思います。
・医療と栄養管理〜オペレーティングシステムの部分が栄養管理といえる。
・東近江敬愛病院のNST委員会の構成〜多職種での関わりを柱にしている。
・活動としては火木プラス第2水曜の委員会。
2018年度では102名に介入。平均年齢82歳。
・介入理由〜第一位はアルブミン3.0g/dl以下
NSTによる介入〜必要栄養量の算出から食事量の検討、経管栄養管理など
・栄養ルートの選択〜「消化管が安全に使用できるか」により経腸栄養か経静脈栄養へ
・「栄養」はなぜ摂取しなければならないか?〜必要エネルギー=消費エネルギー失った機能を回復させるためのエネルギー。
・窒素平衡〜どこかから蛋白質を摂取してタンパクを合成しない限りは生きていく限り蛋白質は失われていく。
・サルコペニアとフレイル(虚弱)サイクルについて。
・機能改善のリハビリにはどのくらいのエネルギーが必要か?〜運動時のエネルギー消費量(kcal)1.05×体重(kg)×METs×運動時間(h)最低3METsは必要
・サルコペニアからフレイルをどう予防するか=どうやって筋肉量を維持・回復するか?〜適切な栄養摂取と筋力負荷をかけた運動習慣。
・栄養管理と臨床倫理〜生命の神聖と生命の尊厳の間で考えなければならない。
・大切にしていること=目標をもつこと。そして繰り返し話を持っていくこと。
・ジョンセンの四分割法が整理しやすい
・高齢者の栄養管理においては、回復・延命を目指すのか、緩和を目指すのかの方向性を患者・家族と共有して進めていくことを大切にしている。延命を目指す場合、エンドポイントを予め意識しておくことが必要。
・今後の展望〜病院と地域の間での情報共有の推進、また患者・市民啓発。


【症例報告】
NSTが関与・介入し、在宅療養へつないだ一例』
●地域連携室・外科部長 加納正人先生

[症例]
90代女性、身長152cm 体重60.8kg BMI 26.1kg/m2
・主訴:リハビリテーションによりADLを回復して自宅に退院したい。
・現病歴:H30.3月に糞便性イレウスの診断。下部内視鏡検査で改善。入院中にADLおよび経口摂取が低下したため、自宅退院に向けてリハビリテーション目的に4月中旬に当院に転院となる。
・昨日回復に必要なカロリー量=1430kal
・入院後の取り組み〜栄養管理面と薬物管理面、リハビリテーション面。
・入院中に食事摂取量やADLを改善することはできなかったが、経管栄養により栄養状態の維持はできた。医療スタッフ、家族と共に状況と方向性を共有し、状況を悪化させることなく自宅退院に繋がった。

NST委員会 委員長 居宅介護支援事業所けいあい 藤井恵美さん

(その後の在宅での取り組み)
・退院カンファレンスを経て介護サービスは通所介護、訪問看護、通所リハビリ、訪問介護。
・その後食事摂取量は食べる時食べない時の波が激しくなり、嘔吐が続くように。
・その後入院を経て最期は自宅で家族に看取られ永眠される。

【グループワーク】
『食事摂取が不安定な患者が退院します。どうしますか?』
病院から退院後、低栄養状態になっていく恐れのある患者(利用者)やその家族に対してそれぞれの職種からできるアプローチ方法を考え、共有する



【発表】
A. 食事介助の状況から、おそらく要介護5に近い状態だろう。退院後を考えると胃ろうの話もあるが、胃ろうになると介護4になる可能性もあることを考えておく必要がある。自宅や介護環境からは、通所系+短期入所、無理なら訪問系サービスか。NSTとの密な連携を病院時から図っていく事が大事。


B. やはりご本人さんの意見を聞くことの大事さでしょう。


C. 在宅となるとケアマネジャーの役割が大きい。栄養士の栄養状態の管理。病院とケアマネジャーの連携がうまくいくようにすることがキー。食べられるものは一品でも食べてもらったらいいのではないか。好きなものはなんでも、なるべく食べてもらうことを重視する。胃ろうも視野に入れていく。


D. 情報交換を看護職とリハ職で密にして患者にどのような情報を伝えるかが大事。入院前と入院後では介助の必要性も変わってくるので、家族が認知症であったりでも文書で後から見られるように工夫する。食事の姿勢を目で見てわかるように写真で撮っておくなど。日中の生活リズムを作ってもらいながらデイ等に行ってもらう。ゼリー食を食べられているが食事形態も変わってくるので、その辺も医師・看護師等と相談していく。食事の姿勢については、なぜ右側からの介助が必要なのかを具体的に家族へ指導していく必要がある。


E. 入院から在宅への面から考えた。退院時に栄養状態をきちんと確認すること。そして退院前に主治医から家族へ食事について伝えること。栄養状態につき目標を持ったカンファレンスを。退院すると管理栄養士につなげることができないので、退院前に主治医の先生から繋げてもらえるようにする。


F. 評価と介入の点から。評価という点では、この方がどういう食歴を辿ってきたのかを知ること。支援者が誰なのか。口腔・義歯の評価。また認知症はどの程度軽度なのかを把握する。また家の中での環境の把握も大事。介入の点からは、家から出るデイ、家に入る配食サービスや訪問看護やヘルパー、薬剤師などのチェック機能を密にしていくことで重大な事故も防げるのではないか。


G. 退院時にどのように連携していくかで、カンファレンスへの栄養士の参加がない。栄養士がいなくても書類等での情報提供ができないか。NSTの介入状況を伝える。在宅に帰っても栄養士の介入を。ケアマネを通してどれだけ情報を取れるか。


H. 現病歴に脳梗塞があるので、その評価を正しく行う。また認知症のレベルをしっかり評価して在宅につなげる。在宅の先生としっかり繋がる。また訪問リハを入れ、まずは食べられるために口腔ケアをしっかりしていく。あとは自宅でしっかり運動しADLを拡大していく。食べる姿勢も評価していく。食事をどのようにしていくかで訪問看護、通所リハなどをどのようにつなげるか。病院にいるときに栄養士との相談も大事。本人に負担かかり過ぎず家族の願いを叶えていく。環境を変えずに自宅で療養を続けていく。



(コメント)
●川上かね子さん(ぴーまん食楽部)

2ヶ月に渡り食事について取り上げて頂いて嬉しく思っている。ほとんどの人にとって食べることは楽しみ。NSTチームのおかげで退院も以前よりもずっと早くなったと思う。在宅へ行き栄養が行き届かず再入院といったことも往往にしてあると思う。ぜひ在宅の栄養士にも頼って頂き、病院での環境を各家庭でも簡単にできる食事として提供でき、本人の体調を維持し再入院を防ぐ事が重要。患者さんのQOLを高めて家族の負担を減らしていければと思う。病院の栄養士と在宅の栄養士が協力して、 在宅支援がもっと手厚くなれればと思うこと。できたら在宅の管理栄養士が地域と繋がるために、診療所やクリニックと管理栄養士が組めたら、そして病院の栄養士と在宅の栄養士が一緒に退院前カンファレンスに同席できる時代が来ればいいなと思っています。できなくても紙ベースでもいいので。

●横田哲朗先生(東近江あいとう診療所)

私も敬愛病院の222222に困ったらすぐにお世話になっている。やはり地域にも在宅医や栄養士、看護師等揃っているので、病院の管理を地域のチームで支えていければと思っている。病院から病院、病院から施設へ移るときには栄養士さんの情報は行きやすいが、在宅に戻られる時こそ病院の栄養士さんも退院前カンファレンスに参加して頂いて伝えて頂きたい。在宅に帰ってからだと誰がキーパーソンになるかが重要になってくると思う。そこはケアマネジャー一人では難しいので、地域の開業医や管理栄養士さんにも退院前カンファレンスで病院側からボールを投げて頂ければキチンとキャッチしていきたいと思います。

【自己紹介】
今回初参加の4名の方のご紹介


【連絡事項】
145回三方よし研究会 令和元年1221()16:0018:00
当番会場 東近江医師会・近江八幡医師会
共催 近江八幡市立総合医療センターよしぶえホール(花戸先生)

懇親会のお知らせ(瀧川さん)

三方よしポスト・メンバー加入のお知らせ(山本さん)

三方よしメーリングリスト加入のお知らせ(花戸先生)


今回も多くのご参加、ありがとうございました。
来月もどうぞ宜しくお願い致します。

2019年11月21日木曜日

第143回 三方よし研究会 私から届けたい一言メッセージのご報告


143回 三方よし研究会 私から届けたい一言メッセージを頂きましたので、
ご報告いたします。



担当:湖東歯科医師会・ピーマン食楽部・東近江圏域介護支援専門員連絡協議会

テーマ: 初期の口腔がんについて・低栄養の対応



・ 活気のある会で多職種の意見を知ることができて楽しかったです

東近江総合医療センター 堤 奏彦 ・ 認知症になって義歯をはずしたり、全て歯肉で噛み、飲み込んでいたのを思い出します。 味覚の方はどうなのか不明です



・ 低栄養。口腔衛生については最初から気づくということは、ケアマネの業務をする中 出も多いとは言えない現状があります。 また訪問歯科や栄養士の訪問指導は実施している事業所が少ないこともあり、繋がりにくい 点も感じております 100歳超えた方が、義歯を替えてこんなに元気になられる事例やグループワークで、様々な ご意見や情報を頂くことができ、とても参考になった。 有意義な研修会でした、ありがとうございました。



・ 低栄養の事、栄養で三方よしの事を取り上げて頂けて良かったです。歯を改善して元気になったという小島先生の話が良かったです グループワークで色々な意見が聴けて良かったです



・ 多職種連携の勉強会はいろいろな意見が聴けて今日参加してとても良かったです ありがとうございました



・ やっぱり来てよかったと思う。顔を見える距離での対話を通して多くの気づきがある。


2019年10月18日金曜日

第143回 NPO三方よし研究会のご報告


第143回NPO三方よし研究会が開催されましたので、ご報告いたします。



◇日時:令和元年10月17日(木)18:30~20:30 

◇会場:五箇荘コミュニティセンター

(当番:湖東歯科医師会、ぴーまん食楽部、東近江圏域介護支援専門員連絡協議会) 



 

○初期の口腔がんについて学ぶ

○退院時及び在宅の栄養評価について学ぶ、多職種での連携を深められるようにする。




【情報提供】

・「お口いきいきチェックシート」について 東近江保健所:稲岡さん


12月の三方よし研究会の案内 1221日 午後4時~ ゲスト:堀田聡子さん:加藤さん

・市民公開講座のお知らせ 令和2229日 午後1時半~ 映画「ピア」上映会:加藤さん




                 



【30分学習会】司会:湖東歯科医師会 和田先生

歯科医師会)

初期の口腔がんについて東近江総合医療センター 歯科・口腔外科医長 堤 泰彦先生


・悪性腫瘍と、良性腫瘍の違い

60歳代の男性に多い ・再発率1330% 

・がんの種類と特徴(唾液線がん、悪性黒色腫)

・口腔がんの原因は?(酒、たばこ、虫歯・・・ ※紙煙草の影響が特に大きい)

・口内炎ができて2週間経過して治癒しない場合は検査が望ましい。

・鑑別診断

・検査方法について(細胞診、病理組織検査、ヨード染色、蛍光検査、)

・治療方法 ・緩和ケア

※口腔がんは、がん全体の1~2程度であるが増加傾向

2週間以上、同じ場所に続く口内炎や治療不全は要注意





【情報提供・症例報告】 司会:ケアプランセンター加楽 川上さん  
                                   

情報提供①:地域高齢者の低栄養(やせ)傾向の現状 東近江保健所:清水さん


・低栄養状態の高齢者は19%(東近江圏域では17%)

・65歳以上にアンケートを実施(BMI18.5以下(やせ) 近江八幡市7.6% 東近江市6.8%、竜王町8.4%)

情報提供②:栄養で三方よし ぴーまん食楽部:浅岡さん

・中部ぱあはーと 在宅医療支援センター内に設置

・在宅介護の栄養相談に関する内訳(低栄養、・・)

・相談者の再フォローの強化 ・各世代対象へのアプローチ ・多職種の方々への相談窓口について

・問い合わせ先:090-1713-3044 ※どなたでもお越しください!




情報提供③:栄養評価方法、栄養評価により低栄養と判断された方へのアドバイス方法、栄養士さんへの依頼方法について:ぴーまん食楽部:浅岡さん

・栄養ケアのおさえどころ(在宅栄養評価法、在宅での低栄養対応、栄養士へのつなぎ方)

 ・簡易栄養状態評価表MNA(体重変化率でみる、BMI) ※体重が測れない方はふくらはぎの周囲長

※スクリーニング値 1214ポイント:栄養状態良好、8-11ポイント:低栄養のおそれあり、0-7ポイント:低栄養

・在宅での気づき(ささいな兆候を見落とさない)

 ・食事をとる時間が以前よりかかる ・滑舌が悪くなる ・義歯が合わなくなる ・薬が多剤である。

・嚥下のある方には、とろみ剤、固形剤の利用も検討

・三方よしの訪問栄養が訪問チームスタッフに参加できるには→在宅訪問診療されている診療所とフリーの立場の私達は業務委託を受けてスタートできる。

※食に対するさまざまな悩みごとや困りごとを気軽に相談したりしゃべれる居場所が住み慣れた地域の中にあること。そこに「管理栄養士・栄養士がいる」こと。

地域に根差した「栄養ケア」を目指している。





症例紹介:①100歳の人が入れ歯を入れたら元気になった。入れ歯を入れたら胃ろうが外れた:竜王町国民健康保険所(歯科)所長 小島さん


・義歯を入れて体重が回復

・歯の根を抜歯し義歯の調整を行い食欲回復

・新しい義歯を装着して、何でも噛めるようになる。(102歳)

・町の歯科栄養士はお口のケアマネジャー



・むし歯が多発する(80歳で20本を保っている方は50%以上)

 多死多死社会(歯があると、口腔ケアも複雑になる。)



【グループワーク】

・低栄養と思われる方について、各専門職としてどのような支援ができるか?

・どのように歯科衛生士さん、栄養士さんと連携できるのか?

・自分自身は食べることをどのように考えているのか?(自分を振り返る。)









【発表】 

Aグループ:まずはBMIを測定する。食べることが困る人がいれば、歯科衛生士、栄養士に相談する。訪問診療に繋げにくい問題あり。居宅療養管理指導で医師、薬剤があるが、栄養士につなげていない。



Bグループ:①食べることの環境作りは歯科の役割。社交性を持つこと、一人でいることを少なくすることも必要。体重の変化が継続してできるようにサービス事業所で情報共有したい。③食べることを意識していきたい。



Cグループ:薬剤師さんは栄養剤を渡している。食事のとり方に偏りがでがちなので、食べる方法についても、良い方法を、その人に合わせて見つけたい。歯科としては、新しい入れ歯を入れるよりは、慣れた入れ歯を調整する方が馴染みやすい。合わない時は歯科にかかってほしい。歯科医師会、かかりつけの歯科を通して関りを持つのが良い。

食べることが生きること、食べやすい環境を多職種で作っていきたい。



Dグループ:竜王町では要介護2以上全員をチェックしている。歯科衛生士さんからは、病院ではできていても、在宅ではできなくなることがあり、退院カンファレンス時の取り組みも相談して頂きたい。



E:テーマにあまり沿わず、楽しくお話ができた。最後の晩餐に何を食べたいから、お話しをした。何歳で死ぬのか分からないので、何か月に1回受診しているのかと等と、半年に1回から10年まで様々。やはり半年間に1回は受診をして頂きたい。又異変に気付いたさいには、歯科医師会などに相談して頂きたい。



F:竜王町では要介護2以上の方に無料で訪問している。病院内でしているケアを在宅に繋いで欲しい。食について、エネルギー補給として食を取られている方が多いように思う。食を楽しむことも大切。



G:低栄養に関して、家族が本人に助言するのは難しい。自分の嗜好をいるまでも持たれているので・・・。食べていたら良いと、栄養が後回しになることがある。栄養士として、相談に入らせて頂きたい。栄養チームとして、病院では栄養管理ができていても、在宅では難しいケースが多い。(再入院されるケースも多い。)補助職員は高価なので敬遠されることあり。えいようで三方よしを一般の方にもPRして、相談に来て欲しい。歯科は元気なうちに定期的にメンテナンスする習慣がつくようにしたい。



・指定コメント

・滋賀県栄養士会 栄養ケア・ステーション コーディネーター 東森さん

平成30年度に栄養スクリーニング加算が介護施設で算定できるようになった。先程からテーマになっている、低栄養を把握できる機会となり、ケアマネに情報が伝わり、多職種で検討できる。施設だけでなく通所介護でも利用できるので導入を検討して欲しい。

サルコペニア肥満と言われように、要介護2程度の方には肥満も多い。体重が減って転倒・骨折と繋がることがあり、介護予防の段階から栄養士も関わりたい。本日参加の皆さんは低栄養についてご存知だが、一般の方には馴染みがなく、地域の栄養士を活用して頂きたい。



・湖東歯科医師会 会長 輪田さん

この4月から石黒歯科衛生士から溝江歯科衛生士さんに交代している。HPに連絡先もあるので、気軽に相談して欲しい。

カミング30をスローガンに30回噛むことを運動している。

年を取って歯科医院に通えなくなり、口腔状態が悪化する人がいるが、交通手段の問題だけでは訪問診療が行えないので、制度の見直しも必要ではと考えている。

何かあれば、歯科医院に行って欲しい。歯科医院から歯科衛生士を紹介できるので活用してほしい。



<自己紹介>  初めての参加者を中心に自己紹介してもらう



【その他】

・東近江保健所:久保さん

1120日 午後アピアで、高次脳機能障害の研修会を開催する。



【連絡事項】 

次回第144回三方よし研究会:

日時:令和元年11月21日(木)18:30~20:30

会場:東近江敬愛病院


2019年9月29日日曜日

第142回三方よし研究会 私から届けたい一言メッセージ

第142回三方よし研究会、ご参加の皆様ありがとうございました。
今回も沢山の一言メッセージを頂きましたのでご紹介いたします
(特にびわこ学院の学生の皆さま、ありがとうございました)。




・死に直結する病の告知についてはデリケートではあるが家族などのKPの希望を優先させるだけでなく、様々な事例の中から客観的に見て良かれと思えるアドバイスを強くしてあげることも時には必要かも知れない。
 受け入れられない家族の気持ちはよくわかるが…

・「告知」について深く考えさせられた。
 今回の事例では家族がかたくなに告知を拒否されていた情報から家族がまず病気を、今後の患者の状態を理解できない、受け入れられていなかったのではないかと思った。私達、医療従事者の発言11つが患者、その家族には大きな影響をあたえる為、コミュニケーションの難しさを考えさせられた。

・緩和ケア、ターミナル期の対応は医療・介護と分野を問わずますます増えてくるので、サービスを提供し支援する側として実際にターミナル期の患者を自宅で見送った経験も思い出しながら、どのように接しどう対応するべきかを改めて考える機会となりました。

・今回の三方よし研究会を受講させて頂いて、終末期の方に対し、非言語から読み取り、緩和ケアに繋いでいく必要があるなどケアの在り方について深く学ぶことが出来ました。今後支援を提供していくに当たり、介護にも通ずることなので、患者が有意義な時間を送れるように考察していきたいと思います。

・がんのことは全く知識がなかったためとても参考になりました。同じグループに患者を経験した方がいてとても勉強になりました。ほかの人の話を聞いていると、自分がいかに無知かがわかりました。

・終末期の身内がいて色々病院のナースの方などに詳しく薬や状態を聞くことが出来、病院の内側はこういう話し合いをたくさんしておられるのだと分かった。病院と協力できるように毎回話をできるような家族さんが増えるといいと思った。

・多職種での情報交換・共有の難しさを知ることが出来ました。告知をすれば患者さんに精神的苦痛を与えてしまうし、告知しなければ罪悪感のようなものがあるし、告知するべきかしないべきか考えさせられました。

・三方よしなどを利用し情報交換していきたい。

・今回参加して思ったことは、事例を聞いて自分の意見を言っていたが事例を聞いたのは初めてで自分の知らない言葉がでてきて戸惑う場面もあったけれど話を聞いているうちになんとなく理解することが出来自分の成長を感じた。

・利用者がどういうふうにしたいか色々な職業の話を聞けて良かった。

・実際に緩和ケアの看護師の意見を聞くことが出来てよかった。

・医療・介護の連携にとどまらず一般の方・学生の方々とディスカッションでき非常に有意義でした。

・本人と家族の思いのギャップを埋める難しさを理解するに当たり各グループの様々な着視点による意見が聞けて参考になりました。特にBグループの意見で、本人の希望を叶える方法の一つとしてITを活用するという意見は、この時代に十分活用しうることであり取り入れていくべきだと感じました。

・今回の三方よし研究会で緩和ケアのことを学び告知の大切さや重要性を学んだ。

・告知という大きな選択によって対応が大きく異なる。医療従事者はより密接に関係してケアに当たらないといけないと感じた。

・本人に告知せずに緩和ケアをすることはとても難しいと思いました。介護でも緩和ケアできるのかどうか疑問に思いました。まだ未熟なところもありますが今回の三方よしで学ぶことがたくさんありました。緩和ケアについては痛みを受け入れること、告知するか未告知でいくか賛否はありましたが、家族の意思もあることも挙げられていました。

・本人の意志を大切に一番に考えるということ。主観的な考えで対応することに対して本人ではなく家族の意志を通していた事は間違っているのではないかというところが考えさせられた。

・「ホスピス=死」を連想してしまうと聞いた時、確かにそうだと感じたと同時に色々な話が聞けて良かったです。緩和ケアや苦痛に関してあまり深く考えたりしたことはなかったのですが、事例を基にグループワークができて良かったです。ありがとうございました。

・病院内の連携の大切さ。病院へ紹介する時はDrの診療情報提供所だけではなく、看護サマリーも添付して対診する必要がある。家族背景や細かい情報などを伝える事ができたと思う。

・グループでの話し合いで意見が聞きやすかった。医療職や介護士の意見でIAの活用や提案の部分でも多く聞けて役立てていきたいし、自分も事例のような体験があるのでまた考えさせられる機会になりました。

・グループワークでいろいろな職の人たちからの意見を聞いて難しかったけど意見交換は大切だと思いました。今回Mさんの事例についてのグループワークだったんですが事例を聞いて話し合いをして他のグループの意見も聞くことができて勉強になりました。多職種だと報告・連絡・相談をすることが大切だと思いました。

・緩和ケアの難しさ、本人に病気のこと、家族の思い、特に本人の思いを聞き入れが出来る連携が取れる体制があるとよいと思った。医療のことは勉強中のため、何も言えませんがどのように死にたいのか?聞いておくと家族の方から聞けるのではないか?と思った。

・緩和ケアにおける実際および困難な点・改善点の提案など具体的な話し合いが勉強になりました。また多職種の中で検討するという視点は素晴らしいものでした。

・病気をどうとらえるのか、病気をとらえるための情報提供を密にする。それぞれの立場での連携共通認識、情報提供をしていくことの大切さ。専門職からの提案が必要。

・病棟間、他病院との連携が大切であることが分かった。


以上たくさんのメッセージを頂きました。ありがとうございました。