三方よしカレンダー

2020年12月20日日曜日

第156回 NPO三方よし研究会(ZOOM-Web研究会)のご報告

第156回三方よし研究会、今回もこのコロナ禍が続く中、ZOOMによるオンラインでWeb開催致しました。


今回は年末ということもあり、その後の懇親会も兼ねて恒例の土曜日の午後4時からの開催となりました。


今回は年末スペシャル企画としまして、特別講師をお呼びいたしました。

講師は秋山正子さん。『双方向の医療を目指して』との題でご講演いただきました。


秋山さんは認定NPO法人マギーズ東京の共同代表,また株式会社ケアーズの代表取締役にて白十字訪問看護ステーションや暮らしの保健室などでご活躍されていますが、もうこのブログに目を通される方ならよくご存知でしょうから詳細は割愛するとして...


一応ホームページのご紹介を。

マギーズ東京

株式会社ケアーズ 白十字訪問看護ステーション

NHKプロフェッショナル〜仕事の流儀 2010年3月16日


本日は暮らしの保健室勉強会からの事例をもとに2事例ほどご紹介いただきました。


病院と在宅医療との連携の中で、それぞれの専門職が悩みながらも患者さんやご家族の思いを実現したいと模索していく過程を通して、生と死について考えさせられた時間となりました。


「膵臓がんは出会った時がさよならの始まり」...担当主治医の思い。


「思いをつなぐ支援」について考えされられました。

また頑固な患者さんに寄り添った主治医と専門職。


依頼された訪問看護ステーションの訪問看護師は「聞き書き」でご本人の重い心の扉を開いていく。次第にまとめられていく冊子。


聞き書きから見えてきた、ご本人、ご家族のストーリー。

聞き書きを行なった訪問看護師が成長する瞬間。

主治医の葛藤。

そして

「治療と何もしないところの分岐点に良識的な医療があり、ケアの力が重要なのだ」

という結論に辿り着いた主治医の納得。


思わず話にのめり込んでしまいました。


その後の質疑応答での印象に残った言葉では...

・家族を癌で亡くされた利用者側の立場から、退院前カンファレンスに参加できずもがいた経緯と思いの開陳。

・「聞き書き」...ウチの訪問看護ステーションはプラスアルファが売りだから!との所長のプッシュアップ。

・聞き書きを教育の場でも活用していきたい。富山では授業で取り入れていたり、南砺市では病院の中に聞き書きができる看護師もいる。

・聞き書きは傾聴ではない。書くために聴くのでアクティブリスニング、積極的に引き出す。

・山口では病院でも地域医療セミナーにて、実習の中で直接対話を重視している。

・非常にスピーディに連携しなければならないケースでは、ケアマネジャーもコロナ禍でなかなか訪問できない中、ICTによる情報共有が便利だった。

・90歳ヒアリングは関係構築に有効だった。自治医大の佐藤元美先生は聞き書きにハマっていて、岩手ではあちこちで盛ん。斉藤さんも盛岡の人なので、岩手の流れを汲んで学んでいる。

・今医学生5年で病院実習期間だが、夕張でも在宅と大学の授業ではやはり全く違うと感じたので、今日はよい刺激になった。自分も双方向の医療を目指したい。

・振り返りの会を継続していくのが大事。

・もう一歩踏み込めないバリアはどこにあるのか...

・「看護から看護へ思いをつなぐことが必要なんです!」司会をしていて画面越しに思わず泣きそうになった。病院から聞くとは。

・聴く場が必要。また望みは捨ててはいけない。

・コロナだから何のコミュニケーションもないというところもあれば、逆に丁寧にしなければならないというところと分かれている。

・ミモザの家がどの地域でも欲しい。

・共に歩む→伴に歩む。横並びでのコミュニケーション。


等々、さまざまな意見が出て非常に考えさせられました。



その後は恒例初めての方のご紹介を経て閉会となりました。

その後はこれまた恒例の懇親会へ。

皆さんそれぞれに楽しんでいただけたことかと思います。


次回第157回三方よし研究会は、東近江総合医療センターさんの主催で来年1月21日(木)、時間は18時よりオンライン開催を予定しております。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

また次回、お待ちしております。










2020年11月21日土曜日

第155回三方よし研究会のご報告

 155回の三方よし研究会、今回もZOOMを使ったWEB利用にて開催しましたので、ここに報告させていただきます。

 

日時 令和2年11月19日() 18:3020:30

会場 ZOOM活用によるWEB開催

当番 司学館高校、東近江圏域介護支援専門員連絡協議会

 

【ゴール】

〇司学館高校の活動を知ってもらい連携を図れるようにする。

〇地域から医療福祉を考える東近江懇話会の活動を知り、地域活動に活かせるようにする。

〇多世代での連携を考える。

 

【情報提供】

〇三方よし研究会主催:東近江圏域介護職員初任者研修について(楠神渉さん)

・コロナ禍で開催が危ぶまれたが、無事10月より開催している。今年は受講者7名。

〇12月の三方よし研究会について(花戸先生)

12/19()16時から東京の秋山正子さんの講演をオンラインで予定している。またその後はオンラインの懇親会も予定しているのでご参加ください。

 

【情報提供2】

〇司学館高校の活動について

司学館高校 校長:小梶猛さん


・教育とは全く関係ないところから入っている。

・各過程で違和感をもった。卒園式では歌を歌うのに元気はいる?小学校では必ず出産のため休む先生が出てくる。中学校でも生徒数1000人規模で5本の指に入るほど荒れていた中で学級数を減らす効果に疑問。高校では学習レベルがかなり違っている。学校は減点法。学校を去る先生がほとんどだが独立する先生がいない現実。

・「この子はええ子」お父さんたちはええ子やったの?男同士、集まるとワル自慢。

・本校は通信制の単位制なので、個別指導をすることが多い。

・5分遅刻で怒らないといけない生徒がいる反面、20分しか出てこれなくても褒めないといけない子供がいる。テストで20点しかとれずに叱る子どもがいる反面、10点取って褒めないといけない子どもがいる。レポート3枚しか書けなくて怒らないといけない子どもがいる反面、1枚でも書けたら褒めないといけない子どもがいる。そういった子どもたちに個別に関わってやれるところが強み。

・なぜか学校を訪ねている卒業生が多い。

・まんが甲子園に出場できた!が高知に34日行けるかの方が難しそう一度は決勝まで行った。

・このコロナ禍で相談件数も増えている。一人でも高校を卒業できるようにと励んでいる。



【30分学習会】

〇テーマ『地域から医療福祉を考える東近江懇話会について』

委員:楠神渉さん


・設置目的:住民の誰もが生き生きと地域で生活できることを目指し、安心・安全に医療、保健、福祉、介護等を享受できる地域づくりをするためには、関係する医療機関や施設、これに関わる人たちが有機的な連携を強め、地域住民と共に東近江地域のあるべき総合的な医療福祉を検討、議論し、実現に向けて共同していくことが重要である。このため「地域から医療福祉を考える東近江懇話会」において検討する。

・構成員も様々、市民から医療福祉関係者、消防署まで。

・医療福祉ビジョンを作成してる。

20252040年を見据えての重点課題として、介護看護職の人材不足への取り組みと、看取りについての環境づくりが挙げられている。

・それをふまえて、住民啓発、命のバトンを切り口にした啓発、看護介護職の人材確保に向けての発信、在宅看取りツールの作成啓発に力を入れている。


・看護介護職の人材確保に向けての発信では、介護職員初任者研修をH28から開催している。豪華な講師陣で地域最安値で提供している。

・看取りツールの作成については、実際のケアマネジャーの事例を中心に、司学館高校にも協力してもらって作成した。


・命のバトンDVDの紹介。


・看取りツールの作成については、まんが化するにあたり生徒にはイメージがつきにくく専門の先生にも入ってもらって作成した。


【質疑応答】

・生徒さん達がビデオを作るのに難しかったとは? イメージがわかない。2ヶ月くらいかけたんだが最初しか進まなかった。現実の死はやはり遠いんだなと実感した。

・セリフがリアル。

・ACPなんて大嫌い。



【事例紹介】

テーマ『DVDを使用した啓発活動について』

~ケアマネ、医療福祉関係者からの実践報告~ 発表者 楠神渉さん


・愛東地区「6000人でつくる愛の田園プラン」=みんなで福祉のまちづくりをつくる場

・愛東地区での命のバトン推進活動。810日をバトンの日としている。

・救急情報用紙は毎年色を変えている。

・配布率は95%を超えている。人を大切にする地域づくりとして広がりができている。

 

【情報交換】

テーマ『命のバトン、看取りDVDを用いた啓発活動について』

~多世代・多職種が連携して取り組めること~

・4グループに分かれてグループワーク。

 

【発表】

〇1グループ

・入院したが個人情報保護の関係で追跡できずにいつの間にか転院し他で亡くなっていたなどの例がある。

・命のバトンが普及しているところとそうでない地域も多くある。

・住民にアウトリーチしているところはやはり意識ある。


(宇都宮さんより)

・命のバトンの成功体験があるといいが、そうでないとバトンの中に味の素が入っていたりということもあった。やはり更新していくことが大事。

・市民の方から「いずれ私も通る道」と気づいて動いていくことが大事。


〇2グループ

・命のバトンを使っている実情を知らないメンバーでの話となった。

・在宅医がしっかりしているならば、ここまでは必要ないとの指摘も。

・情報があっても救急車に乗ったら、対応せざるを得ない病院側の事情もあるだろうから、やはり命のバトンに権威を持たせて、書かれてあったら救急搬送しないという選択肢もありなのかも。

・これはあくまでツールなのであって、普及していくまでのプロセスが大事。


〇3グループ

・看取りのバトンDVDでの「点滴よくないよ」との指摘など、特養の経験から点滴が在宅と病院の分水嶺になるところもあるので具体的でよかった。

・せっかく家族が在宅でと覚悟を決めたのに親戚が横やりを入れてといったケースもやはりあるので、啓発に使える。

・どこに配るか?さりげなくバックグラウンドミーティングのように流す、出前講座、三方よし映画鑑賞の時、いきいきサロンなど。

・皆さんいくらなら買いますか?その入手ルート、URLを発行するなどの工夫も大事。


〇4グループ

・救急車の中で同じことを何度も聞かれるなどがある。

・使用している地域では、在宅スタッフは必ず冷蔵庫のステッカーを確認する。中にはそのついでに中に入っているものの味まで確認し栄養管理しているなど副次効果の意見も。

・一方で「見たことない」「入手方法が分からない」との意見も。

・ある地区では救急車に乗るのは患者よりも先におくすり手帳。

・市町単位では意義がぼやけ更新が面倒になり続かない結果になるリスクが高くなることを感じる。これは何のためかの共通認識を皆が持つと続く、その意味で小学生を巻き込むなど、小学校地区単位での地域がいいのでは。


<指定コメント>

〇ワンモアシップ訪問看護リハビリセンター 山本圭介さん

・5年前からこちらに来ているが正直命のバトンを見たことがない。その理由として自分で救急車を呼んだり対応できてしまうことから、勧めていく意識の低さがあったと思う。バトンはかなり大きい筒なので、毎年入れ替えるのではなく入れ続けていっても経過もわかるのでいいのではない。

看取りについては、どれだけ多職種で関われるかが大事。また往診医より薬剤師より訪問回数が多いことから微細な変化に気づく必要性を感じている。動けなくなってリハビリを断られることもあるが、自分の考える終末期像は、棺桶に入るまでリハビリだと思っている。呼吸器・循環器・関節伸ばしなど。最後まで人間の尊厳を保てるよう心掛けたい。


〇小串医院 小串照男先生

・命のバトンについては楠神さんが一生懸命やっている。色々ご批判もあるとは思うが今後も見守っていきたいし、彼もさらにアイデアを出してくるだろう。

・看取りについては、だいぶ前にできていたが出すのが遅すぎたくらい。そしてこれは完成品ではない。棺桶編なども増やしていかないといけない。ハードはできている。アイデア・シナリオを描いていただきたい。そして各施設に一つは置いて頂き、様々な利用方法を考えていっていただきたい。


 

【自己紹介】

初参加 3名(ズームは初めて含め)。

 

【ほか紹介】

前田信道さん

・様々な活動をやっている。


森本有里先生

・いくらやったら使わせて頂ける? またナレーターも一人、とっても上手!


 

【次回】

156回三方よし研究会 令和21219() 16:0018:00

当番 医師会(その後忘年会もあり)



 

今回も多数のご参加、ありがとうございました。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

また次回もお待ちしております!

2020年10月15日木曜日

第154回 三方よし研究会(Web開催)

 

154回 三方よし研究会を開催しましたので、ご報告いたします。


◇日時:令和2年1015日(木) 18:3020:30
◇会場:日野町役場防災センター 1階 研修室(ZOOM活用によるWebで開催)
(当番:湖東歯科医師会、わたむきねっと研究会)





〇ゴール

 ・口腔ケアを続けることの大切さを知る。
 ・本人を主役とし、多職種と地域の支援者と一体となり、地域全体で利用者を応援するネットワークをつくる!



【情報提供】
・ここがヘンだよ!日本 in 東近江~オンライン開催~ :まちづくりネット東近江 楠神より


【30分学習会】

テーマ『口腔機能管理センターの取り組みについて』
講師:湖東歯科医師会口腔機能管理支援センター:溝井 敬子歯科衛生士



 ・R2.4月から口腔機能管理センターとなる。
   センターとして訪問できる歯科医師と歯科衛生士がタッグを組んで取り組んでいます。
   医療機関としてどこで登録?→住井歯科医院で登録している。(日産滋賀の横)
   今年度は延べ155名の患者さんの対応をさせて頂いた。
  ・人生100年時代
   多くの100歳以上の方がおられる。最高齢は109歳の女性。
   大人の歯が生えるのが6歳から。100歳になるまでに様々な菌にされているので、安全に食べるお手伝いをさせて頂きたい。
     ・毎日歯磨きしているのは、歯垢(菌)を落とす必要があるから。うがいでは落とせない菌があるので、歯磨きが必要。(補助的な道具も有効。)
   ・口から食べている人の方が胃瘻などの方に比べて口腔内の菌が少ない。→経口摂取できない方は、口腔ケアがより必要。
   ・年齢によって、口腔内の状況が変わる。(歯茎が下がる・・・。)
       ・入れ歯に穴があくと、入れ歯が取れやすくなり、咀嚼しての食事が難しくなる。→入れ歯を徐々に補強するなど、対応が必要。→補修後に確認すると、卵かけご飯をすすっていた状態から、いろんな物を食べられるようになったなど好事例ある。
   ・居宅療養管理指導として歯科訪問できる。
       ・歯科訪問診療料 1100点
       ・介護保険から入る、歯科医師、歯科衛生士の訪問診療は保険の限度額外として算定できる。
   ・どんなことでも、ご相談して頂きたい。
   ・10/18にオンラインで「超高齢者における認知症対策」の研修会を開催します。



【取り組み紹介・情報交換】

テーマ『地域での暮らしを支えるチームアプローチについて 』
  ・わたむきねっと事務局(日野町地域包括支援センター):坂田 敦子



    H28年にわたむきネット、検討委員会を開催。→研修会や意見交換会を開催
 ・自立支援型の地域ケア個別会議を取り組んでいる。(多職種に参加して頂き、笑顔で助言して頂いている。
    ・事例紹介(脳梗塞後遺症で、片麻痺がある方。
    ・地域ケア個別会議では動画で移動動作なども見て頂き、助言を頂いている。




 

【グループワーク:地域での暮らしを支えるチームアプローチについて】
   ・地域での暮らしを支えるために、どんな働きかけが必要だと思いますか?
     ・自分の職場・立場でどんなことができますか?
   ・どんな連携があればいいと思いますか?
   ※6Gに分かれて多職種での意見交換を行った。

【グループ発表】

  1G:坂田。病棟の看護師、在宅の歯科医師、歯科衛生士のグループ。     
     病院で口腔ケアをして頂いていることを在宅へ繋げる仕組みが必要との意見があり。

  2G:溝井。学生さん、東近江保健所、薬剤師、歯科衛生士、医師のグループ。

     中野先生の言葉。医師は体を治すだけでなく、生きるのをお手伝いしている。私たちは生きるお手伝いをしているんだとの自覚をもって行動したい。
     中野先生:前回のグループワークは皆さん慣れていなかったが、今回はとても楽しく、喫茶店でお話するように参加することができました。

  3G:石黒。PT、歯科衛生士、医師、歯科医師、薬剤師のメンバー。

     口腔のことを誰が見るかが大切。ケアマネは病院での身体機能のリハに着目しがちなので、口腔のことも在宅に引きつきだい。薬剤師さんから、副作用なども助言して頂きたい。ケアマネに集まる情報も多いので、薬剤師さんや、歯科衛生士さんが橋渡し役も担えるようにしたい。歯科医師は在宅医師との連携などより意識したい。小島先生からは、恥ずかしがり屋の歯科医師をひっぱり出して欲しいとのこと。

  4G:澤谷。歯科医、ST、臨床宗教、栄養士のグループ。

     生活支援で、医療から繋ぐ役をしっかりと決めて、介入できるようにしたい。メダカを飼ったり、釣りに行きたいなどの希望をどのように叶えるのか? その目標を目指していけるように支援していきたい。医療者、介護者の限定ではなくて、地域の方を巻き込むような人がいると良い。話し相手になるような人を見つけるようにアプローチもしたい。
     日野ではメダカブームになっているので、メダカを持って行ってあげるなど、何かのお節介から、この人を中心人物にできればと思いました。
     前田。医療・介護の枠を外したら良いとの学生さんの意見には、未来が明るいと感じました。又メダカを買うのではなく、捕まえにいくなども面白いと思います。

  5G:前田。今回、初参加の前田です。(小原さんの紹介)
     薬剤師、施設、栄養士、歯科衛生士のグループ。

     病院の歯科衛生士さんからは、在宅での口腔に関する情報が入ってこないとの意見あり。栄養士さんからは、12カ所の施設を訪問しているが、施設の方はいろんな情報を取り難い。サマリーが届かないこともある。薬剤師さんからは、独居の方が多いので、出張してのお薬の講座なども行っている。六心会さんからは、行政とか関係なく地域の方を主体に専門職を派遣しての支援ができないか取り組んでいる。コロナ禍でもサロン形式で開始している。  

G:木田。急性期病院、回復期病院、学校、医師のメンバー

   病院から退院する際に、在宅に引き継ぐ情報、支援などが大切。メダカを飼うというお話にはならなかったが、趣味の釣りを再開するには何が必要なのか?なども検討して活動の幅が広がるようにしたい。医療・福祉だけでなく、インフォーマルな住民さんへのアプローチ方法などの検討していきたい。(民生委員、ボランティアグループなど)

 坂田:日野町での取り組み紹介をします。

・ぴーまん食楽部 管理栄養士:横山 京子

  3人で訪問すると、テレビを見られていた。何かできればいいなと考えました。釣りに行けないか? 又糖尿病のお話などもさせて頂きました。まずは、ずっとずっと食べているお菓子を、時間を決めて食べましょうか?などと提案した。好きなコーヒー牛乳もどうしても止められないとのことで、人工甘味料に変更するなど工夫を行った。地域ケア会議などで助言を頂いた関わることができました。

・日野町地域包括支援センター社会福祉士:荒川 真之
  Aさんですが。元々糖尿病があり、脳梗塞の再発のリスクがあることを言われていた。本人さんは意欲低下があり、好きなだけ好きなものを食べる生活。地域ケア会議で意欲を引き出すような助言を頂き、支援をさえて頂いて。本人が何ができるのか、検討した。
  支援者が同じ方向を向いて関われたことで、散歩を開始するなど、気持ちも前向きになられた。性格的にシャイなところもあったが、頑張ったことに対して、支援者の皆で応援させて頂いた。

 【指定発言】
『チームで暮らしを支える大切さについて』
  コメント:河村医院  河村 英生医師

 ・本日は日野町の取り組みを見て頂きました。本日の症例のように若くして支援が必要な方がおられます。地域ケア個別会議で課題を出して、フォーマルなサービスだけでなく、インフォーマルな資源とも繋いて、カバーしていきたい。皆さんと一緒に地域と共に取り組んでいきたい。

<自己紹介> 初めての参加者を中心に自己紹介してもらう  

小串先生より、初参加の方の紹介。

 
日野町:
堀江(町長):本日は三方よし研究会の会を開いて頂き、ありがとうございます。小串先生はじめ、先生方、学生さん、多くの方にご参加して頂き、具体的な対策など検討され前向きな会であることを知ることができました。行政ができることは限られていますが、住民さんとも連携して取り組んでいきたいと思います。



津田(副町長):医療・福祉の連携の現場を見させて頂きました。10月から微力ながら副町長として取り組みをさせて頂きますので、よろしくお願いいたします。

 

【情報提供】
瀧川:糖尿病三方よし研究会を1029日にリアル研修会を開催します。私も花戸先生を見習って、ホストしてZOOM配信もしますので、よろしくお願いいたします。
「糖尿病をめぐるカタカタのお話。」



花戸:本日参加されている方は、メーリングリストに入られていると思います。もしよろしければ、町長さんもMLに登録して頂ければと思います。坂田さん、町長のアドレスを教えてくださいね。
花戸:今回、歯科の先生に話して頂き、前回の研究会では口腔内の最近を減らす取り組みを紹介されていた。本日の事例では意欲を高めて活動に参加することなどのお話もありました。その人を主人公として支援するのが良いのはと思いました。町長にはまちづくりに繋げて頂ければと思いました。
小串:本日はディスカッションが盛り上がりました。時間厳守でいけたらと思います。

 【連絡事項】 
・第155回  三方よし研究会  令和2年11 月19日(木)18:3020:30
 ○当番・会場 司学館高校、東近江圏域介護支援専門員連絡協議会

2020年9月18日金曜日

第153回 三方よし研究会開催報告(WEB開催)

153回の三方よし研究会をZOOMを使ったWEB利用にて今回も開催しましたので、ここに報告させていただきます。


すっかりZOOM開催も定着し慣れてきた感が...


日時 令和2917() 18:3020:30

会場 ZOOM活用によるWEB開催

当番 近江八幡市立総合医療センター

 

【ゴール】

〇摂食嚥下支援加算を正しく理解する

〇食べることを支えるためにできることを、それぞれの立場で考える

 

【情報提供】

104()13:0015:00多職種キャリアアップ研究会のお知らせ(楠神渉さん)


今回の司会は近江八幡市立総合医療センターの山田明美さん


【挨拶】

近江八幡市立総合医療センター 宮下浩明院長

巷はコロナばかりだが、当院でも4月から7月までで収益率はやはり落ちている。ただ実はコロナはあまり心配していない。心配しているのは人の心。誹謗中傷など困った状況が出ている。この三方よし研究会にて今一度多職種が一体となっていくきっかけになればいい。


 

【学習会】

2020年度診療報酬改定「摂食機能療法見直し」

「みんなで取り組む誤嚥性肺炎予防」

近江八幡市立総合医療センター リハビリテーション技術科 森田曜言語聴覚士


・なぜ誤嚥性肺炎予防が大事?H29厚生労働省資料より、死因数の原因として肺炎が増加傾向にあること。

・これからの超高齢化社会においては予防が大事。

・それには二つの連携が大事。

・まず①多職種連携が大事。狭義のリハビリ(嚥下リハビリ、ポジショニング)だけでは追い付かない。また栄養の嚥下障害患者を良くするのに必要な理想体重は連携しあわないと得られない。不完全な状態でのリハビリでは状態を悪くしてしまうこともありうる。

・改善のためには 栄養管理・リハビリ・口腔ケア3つの質を高めること。

・いきなりリハビリではなく、みんなでリハビリ

・次に②地域連携。入院してからの改善は困難。キーワードは治療よりも予防。早期発見が大事。

・当院では2014年から摂食嚥下チームとして開始。

・歯科医師との連携強化として~口腔ケア回診を実施し湖東歯科医師会から来てもらっている。

2015年度からの取り組みの中で、院内発症の誤嚥性肺炎患者を調べた結果、38名、窒息3名いることが分かった→新しいアプローチが必要。

・原因として、口腔ケア時の水分を誤嚥しているのではないか。また吸引に対する意識が不十分なのではないかと仮説を立て検証していった。

・水を使用しない口腔ケアジェルを20167月より使用し始めた。

・口腔ケア前後の口腔内細菌数を測定し比較した結果、口腔ケア回診直後に測定しても細菌数にバラツキあり

2017年アクションとして、どうすれば細菌数を確実に減らすことができるかを考えた。

・口腔ケア後に、口腔ケアウェットティッシュでのふき取りを追加=吸引+ふきとり。

2018年検証により、今回は細菌数が減っているという結果がでた。

・一般的なやり方では 吸引+ガーゼふき取りなどが大切。

・今後は誤嚥性肺炎そのものをいかに予防していくかが課題。

・仮説として、ケアの質の向上と標準化が大事なのではないか?

・現在の取り組みとしては多職種との取り組みに力を入れている。

・今年度より診療報酬としても、連携により摂食嚥下リハビリテーションの評価加算がつくことになった。

・これまでも看護師等との連携はできていたが、今後は薬剤師・管理栄養士との連携強化が大切と思っている。

・リハビリを考慮した栄養管理と栄養量を考慮したリハビリ。機能を改善させる栄養管理が大事。「栄養ケアなくしてリハなし」若林秀隆先生

・今後の展望として、当院だけでは困難、他病院・他施設とどのように協力していくかが重要。



(質問)

・多職種連携の上で、薬剤師の果たす役割とは?

→嚥下を良くする薬などの面から考えることなど、たくさんある。

・ケアマネさんが入院時情報連携書の中で口の中の状態を書いていることも多いので、その入院前の情報の意義については?

→入院前の情報があると見立てが立てやすいのでとても大事に思っている。

・今の摂食嚥下チームには薬剤師さんは入っている?

→今は入っていない。今後のためにも今回の情報提供となった。


【事例提供】

近江八幡市立総合医療センターにおける、言語療法士の関わり

「誤嚥性肺炎を併発した脳血管疾患の既往のある患者」

近江八幡市立総合医療センター リハビリテーション技術科 加納・森田言語聴覚士


<事例>

78歳。要介護4。妻と二人暮らし。次男は自宅向いに在住。2018年まではグランドゴルフをしているなど生活を楽しまれていたが、脳卒中後ADL低下、回復期病院を経て自宅退院。デイ利用していたがADL低下で3月より老健施設入所。嚥下困難感等あり入院されている方の今後について。

<課題>

・誤嚥性肺炎の棋院に対して対応は困難であったのか

・在宅で支援できることはあったのか

・入院中にもっとできたことはあったか

・本人の意思尊重、家人の思いについて

「食べたいけど食べられないなら迷惑かけたくない...転院でよい」

「何も食べずに胃瘻で延命はかわいそう。でも自宅に帰してあげたい」

 


【情報交換】

テーマをもとにグループワークで多職種が意見交換を行う。

 

【テーマ】

「食べる」機能が落ちてきた方を在宅でどう支えるか

入院する前にどのような取り組みをするべきだったか

それぞれの立場で、在宅での「食べる」をどのように支えることができるか

 

【各グループ発表】

(1グループ)

・誤嚥性肺炎はこじらせるとなかなか治りづらいため、最初のちょっとしたキッカケ、噛みづらさであったりのサインを見逃さないようにすることが大事。

・在宅に戻る前に、「いざという時どこに相談したらよいのか、どこにつないだらよいのか」を確認しておいて戻れたらよい。

・今回であれば老健→病院など、バトンをつなぐように情報の連携が大事。

・好きな食べ物等、本人の嗜好や思いをしっかり把握理解しておくことが大事。


(2グループ)

8月にケアマネ定期会議にて嚥下口腔機能の研修を行い「やはり私たちもこのような勉強をしなければならないな」といった刺激と自覚を持ってもらえる機会はよかった。

・在宅のケアプランに口腔内の把握をキチンと入れてほしい。

・仙台でも在宅での支援では栄養の専門職の存在は大きい。訪問看護さんも活躍している。栄養連携が大事。

・自宅でなら胃瘻しかないのか?との不安もある中で、管理栄養士の指導で訪問看護師が「肉じゃがだめなら豚肉シチューね」と工夫し、薬剤師がPEG管理をしながら在宅生活を送っている人もいる。まさに連携の威力を聞かせてもらっていた。


(3グループ)

・老健、急性期、在宅と食支援を考えた今回の事例で思ったのは、病院から在宅へ「こうしてください」との指示がある一方で在宅側での希望もあり、そのすり合わせが大事だということ。


(4グループ)

・医療機関として本人の食べたい意思を尊重し可能な範囲で訓練を行い、在宅では地域の受け入れ状況もあるが歯科衛生士や訪問看護師などの連携も取りながら本人の食べたい意思を最大限尊重できる環境を整えることが大事。

・多職種での顔の見える関係が大事。専門職に加え家族も含めて。


 (5グループ)

・入退院連携では、いかに多職種と交われるかだと思った。このケースでは老健とももっと連携できなかったかと思う。特養などで連携がうまくできているところもあると聞いている。

・退院できたケースでもいざというときにはスペシャリストが駆けつけられるといい。

・今回手術して大変に思ったこととしてACPがある。コロナで面会がままならない中で自分が間に入って話を聞いてすすめた。もっと在宅の方々と交われる(電話でも)連携ができればと思う。


(6グループ)

IT企業の方からは、今回の話は専門用語があって難しかったとの意見があった。

・自分が看取られる側になったら、食べたいものを腹いっぱい食べて死にたいよねとの話から、やはり食べることは生きる楽しみであり、それを奪われることのジレンマがある。そのために信頼関係を作りながら連携し、たべさせる食べさせないを専門職がしっかり判断していくことが大事ではないか。


( 7グループ)

・専門職が多かったため栄養管理についての話が多かった。

・この事例ではもともと厳しい状態で入院したのだろうし、病院では回復のためかなりの頑張りがあっただろうが大変だったろうと思う。なので入院前から管理が必要。

・糖尿病もありリスクが高い方で、体重が減った段階ではもう遅い、もっと早くからの介入が必要だったかもしれない。在宅では油やバターなどでカロリーを増やす介入が必要。

・脳卒中を2年前されているので、その段階で見通しの話はあったのだろうか?実際に食べれなかった際の希望を聞いておく必要があった?

・ギアチェンジの段階がある。その判断を誰がするか、やはり医者がすべき判断をキチンとしていき、関係者が集い本人の食べたい意思を中心に連携していくのがいいのではないか。

・身内に誤嚥性肺炎の方がいて、食事形態の指導がなかった、医療者に伝えてもわからないしとの勝手なあきらめもある?

・在宅に帰ってからどのようにサービスに入っていくかは、やはりケアマネジャーにつないでもらうのがいいのではないか。


【コメント】

●居宅介護支援事業所赤煉瓦の郷 横木薫介護支援専門員

・病院として様々な取り組みをしてもらっているなとの印象を受けた。

・在宅の方が退院するときに、食形態や細かく丁寧に説明しサマリーもらえるので、退院直後は連携するが、その後ADLの向上度はよく分かるが、嚥下評価は難しいなと思っている。PTOTは多いがSTさんがあまりいらっしゃらないため、嚥下の評価やリハビリはわざわざ入院してというのも家族にとっても敷居が高い。悪いなる時は食事を減らしてしまうが、実際の評価をしてもらえるルートがあるとよいなと思う。



●ぴーまん食楽部 川上かね子管理栄養士

・口から食べる支援はぜひしていきたい。今でもちょっとずつだがクリニックや診療所、薬局、市町の保健センターから訪問したりしている。毎週月曜日に開催している無料の「栄養で三方よし」相談会でも携わっている。ちょっとずつ利用が増えている。

・低栄養と過栄養が混在しているのが在宅だと思っている。住民さんにも日頃から体重管理だったり家族に協力してもらえる栄養指導を啓発している。

・1か月に2キロ痩せたり続けて2食食べられない場合はすぐに受診をすすめ、できるだけ入院しなくていいようにしている。今回の例は在宅は難しいが、在宅の栄養士にはなかなか病院のサマリーが届かないので、今後病院の栄養士とも連携して在宅生活を支えられるようにしたいので、今後とも連携をよろしくお願いいたします。


【自己紹介】

初参加 2名(言語聴覚士)

 

 【次回】

154回三方よし研究会 令和21015()18:3020:30

当番 わたむきネット


今回も多数のご参加、ありがとうございました!

ここまで読んでいただきありがとうございます。

また次回もお待ちしております!