三方よしカレンダー

2023年12月17日日曜日

第192回三方よし研究会開催のご報告

この度、第192回の三方よし研究会が開催されましたので、ここにご報告いたします。

◆日時:12月16日(土) 16:00〜18:00

◆会場:近江八幡市立総合医療センター よしぶえホール 及びZOOMによるWEB開催

◆当番:東近江医師会・近江八幡蒲生群医師会

本日は「地域を一つの大きな家族に」と題して、株式会社ぐるんとびー代表の菅原健介氏、及びスタッフの皆さま方をお招きし、講演としてその活動をご紹介していただき、その後は有志によるパネルディスカッションを行いました。



・私たちの街は40年前に町ができて、その後一気に建物ができて、32000人が移住したんですけど、40年経って、建物がだいぶ古くなっていて、そこの5階建ての建物とかマンションの値段がだんだん安くなってきて、5階には上がれない高齢者の方がそこから出ていって、 そこに若くてちょっとお金がない人たちが移住してきたりしてる地域でもあるので、生活支援率などもすごく高いエリアなんですね。なのでちょっと日本の縮図だなと思っていますが、そういうところでやっています。

・なのでうまくいってるところと、すごく怒られまくっているところがありますので、良くも悪くも参考になればというところで、今日はお話しさせていただきます。よろしくお願いします。

・最初にぐるんとびーの概要をお伝えさせていただきながら、 僕らのケアの原点みたいなところは、また別のスライドでお話しさせていただきます。


・僕自身の原点の一つは東日本大震災なんです。


・僕は中学、高校とデンマークに行っていて、日本に帰ってきて理学療法士になったんですけど、その時に東日本大震災が起こりまして、キャンナスの現地のコーディネーターとして入りました。その時に、トータル2万人ぐらい派遣した団体なんですけど、 実態は役割とか専門性ごとに切り分かれていたり、 24時間365日、その安心を提供できるところと謳っているのにそれがないなと思っていました。

・ボランティア内では仕組みというか、ルールをしっかりして、ちゃんとやりましょうっていうところと、お節介に勝手に動くおばちゃんたちがぶつかるという構図がありました。例えば日本赤十字とキャンナスがぶつかるみたいなことです。ちゃんとルールを守って、安全、安心にしっかり支援活動を行っていこう、支援しに行って怪我したらどうするのという話と、いやいや、そんなこと言ってられなくて、今目の前で困ってるんだからお節介に動かなきゃみたいなところがやっぱりどうしても対立していたんですけども、どちらも必要なんじゃないかってのはすごく感じています。

24時間の安心と、ルール化していく部分と、お節介に動く部分というのが地域に必要だというところで、僕らは始めました。

・本当にこれからの日本の地域社会に必要なのは、困った時に助け合う文化だなと。それをすごく震災支援で痛感して、それを作らないといけないとの思いから活動をスタートしました。

・僕らがやっているのは、湘南大庭地区という32000人の町で、高齢化率が今後35パーセントくらいになっていくんですかね、確か。
・この湘南大庭地区の中に、小学校が4つ、中学校が2つ、高校が1つ、自治会が49 あります。その中で、僕らがこの団地を使って、小規模多機能居宅介護をやっていたり、看護小規模多機能をやっていたり、訪問看護ステーションがあったり、居宅介護支援事業所があったりします。

・今度この近くに本社が全部移転するんですけど、目の前に市民センターがあったり、図書館がここにあります。で、その図書館員さんたちとか、皆で連携しながら、この地域で共に生きていくという活動をやってます。

・ここには49自治会があるんですけど、ここもなかなか高齢化が激しくて、僕は自治会連合会の役員なんですが、役員に最初になった時は、 平均年齢が80ぐらいですね。すごかったですね。今うちの団地が1番若くなって、平均年齢が40ぐらいになった。この49の自治会内で、僕らが今住んでる団地の自治会役員の年齢が若くはなっているんですが、その中でも常に、先輩方と若手がぶつかってというのが日常的に起こっております。そんなところでやっています。
2011年の震災支援から、キャンナスで仕事をして、その後自分で起業して、小規模多機能から始めて、訪問看護、ケアプランセンター、看護小規模多機能などをやっているのと、同時並行でNPOを作り、お祭りとか、八百屋さんとか、防災の活動とか、ままトレ・スポトレっていう、子供たちと遊びながら仲良くなっていくみたいなやつは、もう6年間無料でやっていまして、今全国展開して、全国50か所の団地で広がっていたりしてます。
・団地の中でいろんな活動をして、その地域にお節介に動いていたら、なにか新興宗教じゃないかって結構言われまして、公的なアワードをしっかり取ろうっていうので、神奈川福祉サービス大賞とか、アジア健康長寿イノベーション賞とか、他色々賞をとりあえずもらってきたっていうところですね。



・原点は、困ってもなんとかなるっていう、 やっぱり仕組みではどうしても、どうにもならない部分があると思っているので、そんな人がいる町をみんなで作りたいっていうので活動をしています。
・小規模多機能の何がいいかっていうと、介護で困ったら頼ってきたり、ここから人の家に訪問したり、場合によってはここに宿泊できるっていう、それを包括報酬でできるってところがすごくいいなと思って始めました。

・団地の6階に小規模多機能が入り、5階に僕が住み、3階4階、5階、8階などに、いろんなスタッフが住んでいます。その中には、要介護のおじいちゃんと、若手のスタッフがルームシェアをして、その方を看取ったりっていうのを何度かやってたりしています。


・この団地の中の利用者さんって、実は多くなくて、29人中、状況によって変わるんですけど、大体9名とか10ぐらいですね。あとは、この町内、大庭地区というエリアの方であったり、その隣接するぐらいまでの距離の方が多いです。団地の方を全部看ていると勘違いされるんですけど。団地の方も使えるんですけど、全ての団地の人が、ぐるんとびーがいいって言い出すと気持ち悪いなと思っているので、適度に怒られております。この団地の中で、認知症があっても、障害があっても、みんなで一緒に暮らしていくみたいなことをやっています。

・写っている高齢者の方、認知症だったり、癌だったりです。精神疾患の重度の方もいまして、この方はもうお父さんをボコボコにして、血だらけにしちゃって、お父さんがやり返すと、暴力を振るわれたって警察に電話して、警察が行くとお父さんが血だらけになってるっていう、そういうことをずっと繰り返されてきた方で、 若いうちからそういう感じだったらしいんです。もう本当に刃物でお父さん刺そうとしちゃうので、危ないなっていうことで、精神病院にずっと入院していたんですけど、娘さんが、母の願いを叶えたいっていうので、団地に引っ越してきまして、6年ぐらい経ちまして、この間、お看取りをしたところですね。

・だから一緒に過ごしてると、認知症だったり、精神疾患があろうが、お互い様で、共有できるんだなっていうのは、すごく感じながらやっています。
・小規模多機能とか、看護小規模多機能は、自由度がすごく高いので、外に出ていったりします。アクティビティというよりも、本人が元々畑仕事好きだった方は畑やればいいですし、裁縫を好きだった方は裁縫をやったりとか、好きなことをしにまた戻っていくというか。あとは海に行って、夏はサーフィンじゃないないですけど、ボディボードやったりとかです。海が近いので。プールも結構やられてる方がいて、プールはもうぐるんとびー始まってから9年間、毎週行っています。 あと江ノ島に行ったり。これはビール飲みに行っているところです。



・そういう当たり前の生活を介護保険を使いながら継続して、本人が楽しく生きるってことが、本人自身の強みも生かしますし、周りを支える力にもなると思うので、そういうことをやっています。
・この写真は、団地でルームシェアしているところです。うちの24歳のスタッフと、80歳ぐらいの方とで。この方アルツハイマー型認知症になり、すごく怒りやすくなってしまって、病院入院したら、5日間で退院させられるっていう。で、急遽ルームシェアが始まりました。行き先がなかったんですね。施設に入るのも嫌だし、家に帰ると奥さん震えちゃってるし。でスタッフが、一緒に住んじゃって、ルームシェアが始まりました。彼の彼女が部屋に行くと、なぜだか知らないおじいちゃんがいる。で、実のおじいちゃんかと思うと、全然血の繋がってないおじいちゃんって言われて、彼女はびっくりする。血の繋がってないおじいちゃんとなんで同居してるの?みたいなですね。

・なんかもう、日常、どこに行ってもいいと思うので、 当たり前の生活を継続していっています。小規模多機能は本当に柔軟性がすごくあるので、訪問時間も、訪問介護みたいに1時間とか30分とか決まっていないので、 その時その都度、臨機応変に動いていきながら対応しています。

・僕自身が介護事業所にずっと1日いるってできないので、今日はファーストフードに行きたい、今日はあっちの唐揚げ屋さんに行きたいとかですね。うちは毎日外食なんですけど、毎日外に行ったり、たまに中で作りたいっていう時もあるので、中でご飯作ったりしながら生活して、仕事を越えた、ご近所付き合いみたいになっているので、亡くなった時とか、深夜にメールが鳴って、今亡くなりましたって連絡が入った時に、みんなが勝手に集まってきます。これも仕事の時間外なので、義務には全くしてないんですけど、ずっと一緒にご近所さんとしてきた人なんで、みんな、スタッフが集まってきてお見送りしました。

・一般的な在宅での看取り率って今、20パーセントって言われてるんですけど、僕らは今97パーセントですね。本当はコロナがなければ100パーセントでした、利用してる方の9年間 で。

 ・全部が暮らしなので、どんどんやっていることが拡張していくというか、介護保険からやっていて、困っていることがあったら相談乗りますよって言ったら、無料相談になったり、さっきみたいに、廊下で倒れてることがあるからっていうので、防災訓練をやっていったりとか、地域の元々あるゴミ拾いに参加したりとか、あとは、オレオレ詐欺みたいのが来ちゃうので、それに対して対応してたりとか。

・あとは、新興住宅街なので、お祭りが少ないんですよ。こちらの方だと当たり前にあったり、僕、地元の鎌倉だと常にお祭りはあったんですけど、お祭りが全然ないので、人が繋がったり、盆踊りじゃないですけど、1年に1回みんなが顔を合わせて繋がっていくとか、そんな活動をと思いキャンドルナイトっていうイベントを、スタッフが始めています。これは僕が(外から人をどんどん呼んじゃうので)一切参加してはいけないイベントになっているんですがね。

・地元の人たちが、小さく小さくネットワークしていくことで、何かあっても、なんとかなるっていう、町に根ざしている活動の1つですね。今年も3年目になるんですけど、もうすでに、今から準備が始まっています。地域でのその信頼関係っていうのをちょっとずつ積み上げていくような活動で、図書館の方たちもブースを出してくださっていました。


・この写真は主催者の1人の子供たちがみんな、コロナの時期、3年前から始まったので、子供たちが集まっている場所とか、高齢者と子供が一緒になっている場所って、ほとんど見られなくなってしまったので、その時にみんなが楽しそうにしてるところを見て、涙を流しているところなんですけど、 そういう気にかけたり思いやるっていう活動をどうやったら最大化させていけるのかみたいなのが、ぐるんとびーの取り組みの実は本質といえるのではないかと思います。介護保険制度をやって介護事業所やりたいわけではなくて、こういう人たちを増やしていったり、こういう人を支えられるような仕組みを作っていくっていうのが僕らがやっている活動です。

 ・関係性、デンマークのお医者さんが書いて僕らに説明したんですけど、この人の幸せを目指していくときに、この人と自分たちが関係性を持って、自分とは違う価値観を持っていても、それをリスペクトしながらコミュニケーションを取っていく。そこで初めて信頼関係ができるので、それがない、専門性だけあっても何の役にも立たないっていうのを、お医者さんが言っていて、それは全体的にデンマークではみんなが共有していることで、僕らも、ここの土台っていうのをすごく大事にしています。

(下図中、信頼と関係性の言葉が逆になっています)


・もう一つ、ケアのハイパーレスキューっていう、僕らがやっている活動があります。結構こういうケース、生活困窮してる人たちが増えてきていてですね、こういうことが、むちゃくちゃこれから日本で増えていくことがわかっていたことも、ぐるんとびーの活動を始めた理由でもあるんです。

・これ、包丁で玄関がメタメタになっている家です。年間200回、警察に保護されていて、息子さんと2人暮らしで、 息子さんが見れなくなると外に出す。でも、介護事業所どこも受けてくれないっていう状況の中で、3年間ずっと2人で生活をしていて、その状況の中で、お母さんも自分の身を守りたいし、外に出たいしっていうので、こう、ドアを叩き続けてると、ドアが壊れていってこうなっています。

・さっきの信頼関係の話になりますが、普通の介護事業所としては受けられないっていうのは、確かに介護事業としては正しいんですけど、僕らは 一緒に住むところから始める。それは介護保険事業としてはやらないで、地域活動としてみますよと、そこから始めるんです。

・本当にこんなことやりたいんでしょうか?って話をしていくと、いや、そんなことやりたいわけではない。ただ、でも、どうしようもないだろって話になっていくの。で、じゃあ、そのどうしようもないところってどうしたら解けるのかっていうところから入っていきます。

・僕らだけでは解決できないこともたくさんあるので、周りの力も借りながら、一緒に、本人がなんでそう思ってんのかとか、息子さんがなんで追い詰められてんのかっていうのを考えてやっています。

・こういうケースを受ける時は、3か月間、絶対にコールが鳴った瞬間に出る、何時だろうとっていうのをやっていまして、これ受けられるのも数人しかいないんですが、受けています。

・息子さん、介護事業所、今までずっと断られてたんで、介護事業所なんて受けられないだろうっていうのが前提としてあり、 また今までみたいにお願いして裏切られたら自分がショックなので、僕らのこと試すんですよ。夜の23時に電話かかってきて、今からデイサービス行けますかって。23時ですよ。でも「あ、全然大丈夫ですよ」ってお受けしてっていうのを全て断らずにやっていくと、ちょっとずつ信頼関係ができていって任せてくださるようになったりするわけですね。


・玄関の隙間から、ここから20匹ぐらいゴキブリが夜出てくるから寝られないってことだったので、じゃあ床を持ち上げましょうって言って、これも介護ですって言いながら。こういう活動を一緒にやっていくことで、共感していくと、 そういう時間が結構必要だなって。そういう違う価値観とか暮らしっていうのを否定せずに、こう、一緒に伴走していくみたいなことをやりながらきています。で行政の人とか社協の人もこれで手伝ってくれたりして。

・ただ息子さんのケアの報酬は一切どこからも出てないです。だから、僕らに社協をやらせてほしいって本当に心から思うんですけど。ケアラー支援とか言いながら、こういうところにはやっぱり入ってきてくれないですし、行政も僕らも、そこをどうしたらいいのかっていうのが今の課題でもある。やればやるほどスタッフも疲弊していきますし。

・で、大体こういうケースを受けるとスタッフが何人か辞めます。この方受けても23人やめて、そうすると僕らが掲げている「困ったらなんとかするまちづくり」って言いながら、スタッフが困ったのを放置するのか?って話が社内でずっと議論されています。でも僕がその時に伝えてるのは、やめたいと思ってるスタッフは、困っても辞める選択肢があるわけで、この人たちは選択肢がないんです。で、どちらを僕が選ぶかというと、スタッフが辞めることを選ぶって話をして…そうすると、すごく怒って辞めていってしまうという。それが、僕もいいとも思っていないんですけど。

困っていたら助け合うっていう、価値観、人の思いやりみたいな可能性、既存システムを超えた新しい家族性、家族を超えた家族の繋がりっていうのを僕らは作っていきたいなと思って、地域を1つの大きな家族にっていうのを掲げて活動をしています。


・この会社、今70人いるんですけど、70人だけじゃなくて、こういう飲み会をみんなで開催していたり、いろんな地域の他職種とか、みんなで繋がっていたりで、70人のスタッフのうち、20人が地域の役員をそもそもやっていたりする。僕らは、住民でもあり、地域の役員であり、介護時に介護事業所のスタッフであり、訪問看護のスタッフでもある、そういう形で活動をしています。


・でもどうしても、自分たちのボトムからの仕事だけではなかなか難しいので、やはりトップが掲げてくれないと厳しいっていう思いもあります。その中で隣の鎌倉市のマニフェスト作りにも関わらせていただいています。

・あるケース、介護保険の制度で行うことを認めてもらうまで、市とも相当話して、4〜5か月ぐらい。その間僕らが自腹で、朝8時ぐらいから夜10時ぐらいまで入っていた、そうしないと支えられないケースも中にはあるという話です。もう先生たちもどんどん離れちゃってて、僕らがやりたいわけでもないじゃないですか。ああいうケースでもどんどんいっぱいあるわけです。


・ここで僕のケアの原点として、すごくしびれた人生の大先輩がいましたのでご紹介させてください。ある企業の社長やられていて、病院に入院しました。この方ずっと40年間プールに行かれていて、40年プール行っていた人が、できなくなっちゃったんですよね、ガンの末期で。この時におっしゃっていたのが「人が死んでもいいからプールに行きたいって言ってるのを止めるのが医療や介護か!そんな医療や介護ならお前ら全員辞めちまえ」って叫んでいたんです、病院で。で、人が死んでもいいからやりたいって思ってるのを止めるのが医療や介護かって、僕はすごく刺さりました。それを聞いている家族は、今まで散々わがままやってきたじゃない。もう最後ぐらいちゃんと先生の言うこと聞いてよみたいな話をされてたんですけど。えーどうしようっていう時に、 じゃあ本人がやっぱやりたいことをやって死ねるのがいいのかもなと思って、病院に、プールに一緒に行ってた時の写真をどんどん持っていくと。で、そうすると、プールの時の写真が、すごくいい笑顔。病院の人とか先生たちもこんないい笑顔するのかみたいな、病院とは別人じゃないかみたいなところで、少しずつ退院の方に向かっていき、じゃあ退院してプールに行こうっていうので、プールに行きました。

・プールの係の人たちにも、今日死ぬかもしれませんと言ってプールに連れて行き、今日死ぬんですか、と。いや、死ぬかわからないですけど、感染症はないので、万が一吐血した時は、皆さん上がって、体を流していただければ大丈夫ですっていう話をして、入りました。で、入ると、友達たちが集まってきて、「じじい、死んでなかったか」とか言って、 もう死にそうだよって、飲み行くぞって、もう飲めねえんだよとか言って、じゃあ奢れよみたいな、私たちが病気が発症してからの関係性だと言えないようなことをやっぱり周りの方たちは言ってくれるなっていう。で、あのじじいぐらいは俺が支えるからと言って、僕はどかされて、最後は友達さんと2人で歩いていたんですけど、1時間ずっと歩かれていて。で、上がった後に、もういつ死んでもいいよって言って。この1か月後に亡くなられたんですけど、いや、死ぬまでにあと5回ぐらい来れるかも、3回は多分行けると思います、10回は多分死んでると思います、みたいな話をしていました。

本人の中ではやっぱり満足されて、やりたいことをやりきったって。自分の人生の最後のプールを楽しむ、 あの1時間の時間って、すごいなと僕も後ろで覗かせてもらって、なんかすごくかっこいいなと思いました。そういう先輩たちから学ぶというか、楽しく生きるってところが、なんか街づくりとか色々言いますけど、結局は楽しく生きている姿が人に影響を与えていくんだなっていうのはすごく感じました。本当、僕らにとっての原点のところですね。


で、楽しく生きるってところに向かって、みんながやっているんですけど、気がつくと、専門職が心配から、危ないからやめましょうとか、やめてくださいになっちゃってるんじゃないかなって。時には必要ですけど、なんかしたいっていうのを手伝うとか、リスクをなるべく下げたり、周りとの関係性を作って、そこを可能にしていくっていうのが、僕らがやることかなっていうのを、学ばせてもらった人です。

その生きるってことに正解ってあるのかって話で、デンマークで言われているのは、人には失敗する権利があるっていうことです。転倒する権利も本人にはあるっていう。


・この方、twitterとかいろんなsns1000万回再生された人なんですけど、大変だったんですよ。退院する時は、ソース上のものしか食べられなくて、1年半、結核で入院していて、ようやく退院されてきましたが癌の末期、にもかかわらずシュウマイ弁当食べたいって言っていたんですよね。で、ソース状なんで、食べれなかったと思ったら、食形態を上げたら食べられて、このあとラーメンとカツ丼を夜中に食べている動画をあげたら、こんな夜中にラーメン食べさせて危ないっていうのでバズりました。ラーメンは10センチに切った方がいいとか。10センチに切ったラーメンなんて食べられるかと思いながら、本人がそれを望んだら僕らもやりますけど、本人がどう生きたいか、変な話、詰まらせて死ぬのも本人の権利だと思ってるので。

で、2週間半後にラーメンを外に食べに行って、4週間後に、とろみつけなきゃいけないのに、隣に置いてあった人の飲んだ飲み残しのコーラを盗んで飲んで、ゲップをしたところを動画にあげて、またこれが、食品衛生法違反だろうと。隣の飲んでた人のコーラを飲んでいたっていうのは食品衛生法違反で、ぐるんとびーは、そういう違法な事業所であるっていうので、通報が県にも市にも入りまして。結局保健所が来た時に、隣の人が口じゃなくてコップに入れていたコーラを口で飲んだことが分かり、それは違反ではありませんって。本当、コントみたいなんですけど。


・本当にルールにがんじがらめで、この人、あのフィリピンの戦争の生き残りで、96歳で、死んでもいいからコーラ飲みたいっていうのを誰が止める権利があるんだろうと思いながらですね。

最後、ここでお通夜やお葬式をとり行ったら、マンション内でお葬式をやるのは違法だというので、今度は自治会の総会にかかりまして、これも2年半かかって、ようやく認めるっていう風になったんですけど。認めてもらう前に、一部の人しか反対してないんですけど、その人たちの声がすごく引っ張られちゃうんですね。

・なんか生活が楽しいから、こうやって目が輝いて元気になっていくっていうのを、当たり前のことですし、この中で体力が落ちてなくなっていくっていう、当たり前のことを、みんなでこう伝えられたらなと。まあ、支えられてるのかも若干分からなくなってきていて、僕らが介護保険報酬でご飯を食べさせてもらってるので、そういう意味ではもう支えてもらってますし、なにかお互い様で、みんなで生きていけたらいいなということをやっております。



(ここでスタッフメンバーである中野さんがご登壇です)


・ブル中野です。僕と菅原は専門学校時代の同級生なんです。東日本大震災の時、たまたま菅原健介とは繋がっていて、最初の時は被災地の状況もわからなかったので、興味本位で行きますって言って、2年ほど活動をしていました。

・キャンナスで活動をしていたんですけども、なぜキャンナスという団体が被災地支援に入ったかというと、最初に入ったドクターから「看護師がいるけど、看護師がいない」という電話があったんです。電話の意図としては、大きな避難所、1000人規模の避難所に、朝9時から5時にある1部屋に看護師さんは常駐でいてくれるんです。ただ、なにか困ったら来てくださいねのスタンスなんです。東北の方々は結構我慢強いので、 なにかあった時に看護師さんに来てもらった時にはもう大変なんです。
そういうとこから、キャンナスの看護師さん、全国、全世界から募集をかけました。健康相談という形で、訪問型の健康相談を4万回以上、そして私がメインでやっていたのが、物資支援という形で、藤沢が拠点だったので、往復で80回、100回ぐらい行きました。多分、トータルで、2000トン以上の物資を東北に持っていった形です。


・ここで皆さんにちょっと考えていただきたいのが、「皆さんがある避難所の運営委員長です。そして、その避難所には1000人の方が避難しに来ています。年齢層や性別、国籍、いろんな方がいらっしゃいます。その中で、物資支援としておにぎりが届きました。しかしそのおにぎりは 700個しかありませんでした。コントロールする運営委員長として、そのもらった700個のおにぎりをどのように扱いますか」という質問をしてみたいと思います。自分だったらこうするって頭の中で思い描いてください。

・実際にですね、2つ、真反対の事例がありました。1つは1000人規模の避難所に700個なので、300個足りない。そのおにぎりを 保管場所に保管して、賞味期限が切れたので捨てた避難所。もう1つの避難所は1000人規模で700個だったので、1個ずつちょっと分けていって、1000人に配れるように調整をされました。
・その違いというのは、前者の捨てた避難所で多かったのは、運営委員長が公的な人が多かった印象です。子供用のおむつも、1000人規模だったら1000枚ないと配れませんと言われたお母さんもいらっしゃいました。クレームが怖かったのかわかりませんが、平等という名のもとに、1000人規模の避難所だったら、1000個のおにぎりがないと配れずに廃棄しますという避難所が実際にあったんです。逆に700個のおにぎりを1000人分に分けて柔軟に対応していた避難所というのは、 行政、公的の方がトップではなく、一住民の方がトップで運営をしていた印象です。

・そもそも、災害時には、公助はほとんど壊滅すると僕は思っています。市役所だったり、警察署だったりっていうのは、ほぼ動けない。じゃあ自分の力でなんとかしましょうの自助もあるけど、限界がある。となると、共助の力をなるべく高める必要があるのかなと思っています。
・これは石巻の写真なのですが、市街地はもうなんでも物資くださいだったのに対して、そこから1時間離れた半島のー田舎というか、交通の便も悪いところは、それぞれが協力して避難生活を送っていたので、「支援物資何か要りますか」と聞いた時に、「塩でいい」「調味料だけでいい」って言われました。野菜とかパンとかご飯とか大丈夫ですか?って言ったら、裏のあのおばあちゃんの畑から引っこ抜いて食べるから平気よとか。


・それって何が違うのかなというと、平時からそもそも地域力が高いイコール防災力が高いんじゃないかと考えました。その地域力って何かな?と僕の中で解釈したところ、顔の見えている関係が作れていることが地域力、防災、共助が高いのではないかと思っています。


・そして僕自身、ぐるんとびーにいる最大の理由として、ここにいることが最大の防災だと思っています。なぜかというと、この団地、地盤がとても硬いんです。そして人材が豊富です。僕と菅原は被災地支援に行っていますし、 電柱を登れる。手先が器用なスタッフもいますし、僕自身の嫁も看護師ですし、 いろんな人材が豊富なので、何かあった時に、この人にお願いすればいいという人が結構います。
・僕がやってる野菜販売も、物資配給だったり、 実際にぐるんとびーでやっていること自体が、実は、3.11で被災地で活動していた内容ととてもリンクすることが多いと気づくようになりました。
最後に皆さんに考えていただきたいのが、数ヶ月後に支援活動のマンパワーが不足して、全国、全世界からボランティアを募集したい。皆さんだったら誰に助けをお願いしますか。僕だったらですね、写真にある団体にお願いをします。南海トラフだったりと、今後絶対なにかあると思います。その時にマンパワーは絶対足りなくなります。山梨のフィンクリンクの皆さんに助けてと僕はお願いするかなと思います。

・そして、僕の中で、顔の見える関係を作ることだけではなくて、作った上で、自分自身が助けてと言える関係を作れるか。僕は、山梨の皆さん、菅原さんにも助けてと言える関係を作るためにも、地域活動を頑張ってます。ご清聴ありがとうございます。


(菅原さんが再登壇)

・あと顔が見える関係って言ってるんですけど、顔が見えて助けてって言われても、僕、助けたくない人がたくさんいるんです。そこはなにか世話にもなってない人が助けてって言ってきて、いや、今なんか僕ら介護事業者たちはそういう団体なんですけど、 どんどんフリーライドして、助けてって最後だけ、お金持ってるのにお金使いたくないから。それは包括報酬の中でなんとかやってても無理ですよっていう話です。助け合いの文化がそもそもあったり、その地域で、元々のその地域の繋がりがあり、お互い様で、お祭り手伝ったりなんなりっていうのが、都心部はないんですよね。ない中で、最後困った時だけ助けてって若者に言われても無理だと。お金を払える人たちが払わないで、いや、私たち困ってるのよ、介護がどうにかしたらいいのに、最後は家で住みたいのよ、 なんとかしてよって言い出しちゃったらカオスだなと思っちゃいます。


・そんなこんなで、災害支援もぐるんとびーは実はやっていて、まちづくりなどもやっていくと、介護保険事業としての枠組みを飛び越えちゃうんで、それはいいのかって言って怒られ続け、賛否両論が地域でも起こり続けております。はい。どうもありがとうございました。





このあと、小原さん司会にて、菅原さんを囲みながら、花戸先生、北川憲司さん、そしてぐるんとびーの皆さんと共に来ていただいた湘南大庭市民図書館の図書館主任の道上さんとでパネルディスカッションとなりました。





・(北川憲司さん)この研究会ができて16年ほど、私は今日は設立当時の原点を振り返らせてもらったと思っています。他の仕事もあったんだけど、今日参加させてもらって、ばっちりです。ありがとうございます。

・(花戸先生)私は地域の診療所で医者をやってるんですけど、目の前の困ってる人がいた時に、この人に何が必要かとか、どういう制度が必要かとかいうようなことを考えてしまうんですけど、誰が必要かって考えると、あの人であったり、この人であったりと思い浮かぶ。そのような人を集めることができるといいのかなと思いながら普段仕事をしてるんですけど、でもそれはまさに今日のお話で出てきていました。

・(菅原さん)また災害支援のお話があったり、なんかそういう横に繋がっていっている、そのコミュニティ もだいぶ崩壊してますよね。職員がメタバースの経営計画とかを書いてたりするんですけど、 子供たちの方がゲームの世界とかで繋がってたり、ゲームの世界で出会って、そこで付き合って、今度結婚するなどの話があります。なんか、コミュニティは、もう、そのエリアだけじゃない、すごく多層化してるなってのは、感じてたりしますね。で子供の支援とかも、うちの息子なんかも、学校がなくて困った時は、そのゲームの中の友達とか、近くの大学の学生の人たちがゲームの中で助けてくれたり、友達が作れたり、いろんな新しい学びをくれたりして、 この人ってなんなんだろうって最近思いながら。

・収入はですね、もう介護保険報酬しかなくて、介護保険なので、僕が本当は医者をやっていたら、多分もっとできる方法はあるかなと本当に思ってたりするんですけど、僕は理学療法士の資格しかないんで、訪問看護ステーションと、介護事業で収益を上げてやっています。今はNPOを作ったんですけど、まだ募金を集めなど住民活動にしちゃうと、NPOと住民活動と介護保険事業の切り分けがすごく難しくなっちゃって、 なんかその辺での難しさを感じています。

・(小原さん)見ておられる方など、ぐるんとびーだからできるんじゃないかって思っているところもたくさんあるかなと思うんですけど。
・(菅原さん)いや、実際そうだと思います。だって、こんなにしんどいことやる人いないですし、たまたまこの地域にこういう仲間がいてくれたりしているからこそなんだと思います。
経営状況も本当にとんとんなんですね。いつやめてもいけるように、大体とんとんではやってるんですけど、あの、いや、本当は、この地域の仕組みで、行政とか、他団地がそのお金を出したりとか、そもそも住民たちが、協力の仕組みとして、ちょっとずつ教育費みたいな形で出していくとかする必要があると思っていて、そのモデルを作らなきゃいけないっていうのでやってるだけなので。

・あえて楽しさも伝わるような画面を見せないと、苦しさだけだとスタッフに入ってきてくれない。難しいところでアピールしてると、いや、健介儲かってるらしいよみたいに言われたりね。
名前については、ぐるんとびーって、実は僕が中学校に行ったデンマークの教育者の名前から一部取ってて、ニコライグルントビーっていう教育者・哲学者ですね。
でも別に僕、デンマークが全部全て正しいともすごいとも思ってないので、子供たちと楽しく、 みんなで楽しく、強く、みたいなところも含めて名前はつけてます。

・(北川さん)我々ね、その地域の、その1つの建物の中に住んでる人らの関係で、結局は 人間関係の共感力と、その人らと一緒に物語を作っていく、 結局そういうことなんやろなって。
・(菅原さん)実はこの間連絡もらった時に、僕もかなり疲れてたので、この活動、9年やって、来年で10年目になるんで、ちょっと方針転換しようと思って、今、日本の中のいろんなところを見させてもらってて、なんか、たくさんやることがあることを楽しむって、あの 小川村の、愛知の吉田でさんもいつもおっしゃってますけど、それをすごい感じたんですが、その域にまだ達していなくてですね、まだいっぱいやることがあると思っています。
抱え込みすぎちゃう自分がいて。なんか困ってる人がいたら、なんとかしようって、困ってることを僕らが生み出してる側面もあるよなって。これはどうしたらいいんだろうねっていうのを、ちょっと伺いたい。

・(北川さん)みんなを巻き込んでいくやね。あなた意識してこうやってないけども、でも、結果としてみんな巻き込まれてる。もっとね、人を頼ったらいいし。さように。自分1人で美味しい、楽しいことをやったらあかん。
面白いものはおすそわけしないと。この楠神さんなんて、もうそういう人だよ。
・(花戸先生)話は2つあって、目の前の利用者さんとか地域の人にどう向き合うかっていうことと、あと組織としてどう運営していくかっていう側面ですね。そこは 頼った方がいいですよね。
・先ほどの話で、目の前の人とどう向き合うかっていう話、 大切な価値観っていうのが変わってきているかなと。
世代が違う。この北川さんの世代は、ヘルメット被って、こん棒振り回してたような世代ですね。僕らはこうはなりたくないなと、多数決が正しいんだなって、僕らは思ってた。でも多数決っていうのは、マイノリティの声が拾い上げられないんです。僕らを通り越した次の世代っていうのは、もうそれは健介くんであったり、次の、えーっと、若者の声っていうのは、目の前の人と対話を繰り返すことで解決していく。それがこれからの時代なのかなと思いますね。
・(北川さん)僕はね、年取って75歳になってますけども、自分の
思いとしては、 もう30代の世代とか、圧倒的にすごいですよ、僕はだからとても安心してるんですよ。だから、確かにね、人口減ってくるとかいっぱいありますよ、2040年頃って困難なことは。でもね、若い人信頼できる。でもきっとね、自分らよりも圧倒的に彼らの方がもっと前の形で新しいていうか、そのことを気づかせてもらったのは菅原さんの世代。

・(菅原さん)いやいや、僕ら世代でも、もうついていけないので、もういい悪いとか、もう判断すら全然できないなっていう。

・(小原さん)このあたりで、よい時間となりました。皆さま、有意義なお話をありがとうございました。



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介護保険制度の枠を超えた、とても一言では言い表せない、多くの示唆をいただいた2時間となりました。


そしてぐるんとびーのスタッフの皆さまには、子供さん達含め、この東近江の地まで激務の合間をぬってはるばるありがとうございました。






次回は1月18日(木)、東近江総合医療センターにて開催となります。

次回もどうぞよろしくお願いいたします。



ーここまでお読みいただき、ありがとうございましたー


2023年11月17日金曜日

第191回三方義研究会のご報告

 

191回三方よし研究会が開催されましたので、ご報告いたします。

日時:令和51116日(木) 18:3020:30
会場:東近江敬愛病院及びzoomによるwebで開催
当番:東近江介護支援専門員連絡協議会、東近江敬愛病院


ゴール

 ・介護支援専門員の役割や、ケアプランの作成方法を知る。
 ・多職種での連携を深める方法について考える
 ・その人の望む暮らしを実現するために、多職種が連携して取り組むべきことを考え、日頃の活動に役立てる。

 【情報提供】
花戸先生が国保の表彰を受けられる。おめでとうございます。


     医療講演会「減塩・禁煙の大切さを学び、健康寿命を延ばそう!」講師:大西正人先生(国立病院機構東近江総合医療センター循環器内科部長2023 11/18(土)会場 : 能登川図書館 集会ホール



    24回 地域共生ケア全国ネットワーク研究交流フォーラム 地域共生ケア全国ネッワーク 研究交流フォーラム

 令和6119日10:00~16:00


 【当番挨拶】
東近江敬愛病院 院長    間嶋 淳 先生

皆さんこんばんは。間嶋と申します。本日はお忙しい中ですね、 第191回の三方よし研究会にご参加いただきましてありがとうございます。本日のテーマは、地域連携ということで 、まさしく地域連携っていうキーワードなしに医療を進めていくことはできないかなという風に思います。是非、この三方よし研究会には、たくさんの職種の方が参加されてると思いますので、活発なご意見をいただいて、地域の絆を深めていただければというふうに思います。その地域連携に貢献できるように、地域包括ケア病床を新しく開設しました。人員も強化して人数を倍にしました。皆様のご指導といただければと思います。本日は皆様の活発な意見交換をしていただければと思います。よろしくお願いいたします

 20分学習会】

『介護支援専門員の役割、ケアプランの作成方法について』
東近江圏域介護支援専門員連絡協議会(ケアプラセンターカルナハウス)前田岳史さん


・介護保険導入の2000年以前のサービス利用方法は市(在宅介護支援センター)が調整しており市の指定のサービスを利用することになっていましたが、介護保険以降は、ケアマネが調整を行い、自由にサービスを利用できることになりました。
・介護支援専門員とは(法令上)、相談に応じ、サービスを利用できるよう連絡調整等を行う者であって、要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技術を有するものとして介護支援専門員証の交付を受けたものをいう。
・この介護支援専門員、居宅の要介護~5の方は居宅介護支援事業所の介護支援専門員が要支援の方は市または委託を受けている介護支援専門員が行っている。
〇介護支援専門員の行う(に求められている)業務
・介護を必要とする高齢者のニーズはますます多様になっており、地域社会の中で自立した日常生活を継続していくためには、各種サービスの総合的、一体的、効率的な提供が必要になっている。
・サービスを調整・統合し、利用者の状況とニーズに最もふさわしい適切なサービスを常に一体的に継続して提供していく機能を果たす「ケアマネジメント」を行う人・機関として、介護支援専門員が制度的に位置付けられた。
〇ケアマネジメントとは
・要援護者と社会資源を結びつけることによって、要援護者の地域社会での生活を支援していくことである。介護支援専門員は、高齢者の多様なニーズの変化に対して、多職種と連携しながら、高齢者に合ったサービスを統合し、一体的に提供していく、また橋渡しを行うことがその役割だと言える。
〇ケアマネジメントとは? ~実務研修での事例:神谷花子さんを例に
・現在の状況と目標とする状況にズレ=問題がある場合に、目標と現状の差を埋めるためにやると決めた「課題」を解決していくための一連のプロセスのことをケアマネジメントと呼んでいる。
〇ケアマネジメント実践の背景の理論
・ケアマネジメントの実践の背景の理論に「plan→do→check→action」のPDCAサイクルがある。
PDCAサイクルは、ケアマネジメントの核心的機能として「ケアマネジメントプロセス」と呼んでいる。このケアマネジメントプロセスを繰り返していくことがケアマネジャーの基本業務であり、この積み重ねであるケアマネジメントサイクルは、利用者の最期の時まで変わることなく続く。
受付・初期面接相談インテーク→アセスメント→サービス計画原案作成→サービス担当者会議→原案の確定→サービス計画の実施→モニタリング→評価
〇帳票…介護サービス計画書:この様式は法定となる。
第1表居宅サービス計画書(1)~第6表 第7表サービス利用票・別表
それ以外の帳票としては、利用者基本情報フェースシート~評価表までの5種類がある。
・アセスメントに関する項目は14項目あり、こちらも必ずこの項目をアセスメントしなければならないと決められている。いくらこの課題分析標準23項目に従って情報収集したとしても、分析してプランに適切につなげられなければ意味がない。そのような「アセスメントとプランに連動がない」といった介護支援専門員への批判から、「課題整理総括表」が出来上がった。
〇各サービス事業所の個別支援計画書との連携・連動
・サービス計画は単独で成り立つものではなく、各サービス事業所に交付し、それから各サービス事業所がさらに細かく具体的な個別支援計画書をつくることになりますので、キチンと連動しているかを確認しながら、介護支援専門員は各事業所と連携していくことになりる。
〇「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する検討会」             議論の中間的な整理(平成25年1月)より
【主な検討すべき課題】
① 介護保険の理念である「自立支援」の考え方が、十分共有されていない。
② 利用者像や課題に応じた適切なアセスメント(課題把握)が必ずしも十分でない。
③ サービス担当者会議における多職種協働が十分に機能していない。
④ ケアマネジメントにおけるモニタリング、評価が必ずしも十分でない。
⑤ 重度者に対する医療サービスの組み込みをはじめとした医療との連携が必ずしも十分でない。
⑥ インフォーマルサービス(介護保険給付外のサービス)のコーディネー ト、地域のネットワーク化が必ずしも十分できていない。
⑦ 小規模事業者の支援、中立・公平性の確保について、取組が必ずしも十分でない。
⑧ 地域における実践的な場での学び、有効なスーパーバイズ機能等、介護支援専門員の能力向上の支援が必ずしも十分でない。
⑨ 介護支援専門員の資質に差がある現状を踏まえると、介護支援専門員の養成、研修について、実務研修受講試験の資格要件、法定研修の在り方、 研修水準の平準化などに課題がある。
⑩ 施設における介護支援専門員の役割が明確でない。
と手厳しい評価を受けたことにより、研修の中身(平成28年度〜)から変更とあり、時間数が増えている。
ケアマネージャー、時代の変化とともに色々な依頼が増えてきている状況があります。8050問題 、ヤングケアラー問題など様々です。例えば本人さんの事情 また家族さんや親族さんからの過大な要求への対応が求められたり、通院対応で時間が取られるケアマネージャー や、動かざるを得ない時があったり、また介護保険外の行政手続きが増えてきたり、最近で言えばコロナワクチン接種の予約を取れる方がいないのでケアマネージャーが支援を行うなどして、本来の支援が困難になってしまうというような状況も出てきていることもあるかと思います。これからは三方よし研究会 のような場で連携を深めてスムーズに支援をしていけるような形に持っていくことは 必要なんじゃないかなと思っています。最後に、地域共生社会の図を示してまとめとしたいと思います。これからも 介護支援専門員の業務へのご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

【活動報告】  
『多職種・病院とのについて(事例)』:亀井 正代さん(近江八幡市社会福祉協議会居宅介護支援事業所)


・退院時における多職種連携の必要性
・事例紹介:70代 女性 ※個人情報の為、省略
・経過紹介
 体重増加、下肢筋力の低下、皮膚の清潔保持もできない、通所等サービスの追加を提案は拒否、介護の担い手不足、食生活の乱れが目立つ、訪問診療医の診療は継続
・本人の意向
 若いときから働いてきたから家でゆっくり過ごしたい。目が見えないので困っているが息子は仕事もあるのでいろんなことは頼めないのでヘルパーさんは助かるがお金のことも気になる。入院はしたくない。
・長男の意向
 仕事があるので支援してもらって自宅での生活を続けられるようにしたい。一人では動けなくなってきたので困っています。
・入院(令和5年7月)
※個人情報の為、入院中の経過は省略
・長男の意向(入院中)
 在宅での支援を希望

インスリン注射「仕事があるし、毎日はできない。 ヘルパーを看護師に変更できないのか」
・サービス調整(令和5年8月)
 ヘルパーの利用、福祉用具の活用、デイサービスの利用、訪問看護サービスの利用
 限度額超過となるため関係事業所や居宅事業所内で検討を繰り返す。ヘルパー利用は障害福祉サービスでの利用に変更可能か障害福祉課に相談。
・サービス提案
 ヘルパー(障害サービス) 月~金 週5回、通所介護 火、木、土 週3回
訪問看護 月、水、金 週3回、福祉用具、日曜日、夜間は長男が支援することを約束
・退院決定(令和5年8)
リハビリが全くできていない。全介助。長男から自宅に戻るが車椅子からベッドに移ることもできないとSOS。(訪問すると車椅子から落ちた状態だった。)
・退院後
 担当者会議の開催、急遽、環境整備、処置方法の伝達、必要な物品の購入を協力して行った。
・連携の課題
今回の入院でカンファレンスによる情報提供をできていなかったこと、多職種の連携を難しく、ややこしくしてしまったことを反省いたしました。入院時に最初の方に書面で退院前カンファレンスの開催依頼をさしていただいていたんですけれども、開催には至らずもっと要望するべきだったなということを反省しております。あと入院中にコロナ禍でもあり、 本人との面会っていうのが、いっぱいできないという状況での意向確認や、リハビリを もっと積極的にすることの意味とか、コミュニケーションが取れなかったことなどが課題の一つです。あと本人がリハビリを拒否していることの連絡を受けADLが低下することは予測できたのですが、退院時の生活環境について、もっとリハの専門職と交えて相談すべきでした。
ケアマネを始めて3年目、コロナ禍から始めてしまった状態です。電話での情報共有が当たり前となってしまっており、直接またはオンラインなどで面談する事の意味ですね。やっぱりそれで退院後の生活がもっと見通しよくやりやすくできたんではないかと考えます。今回の事例を受けて支援はやっぱり マネージャーが1人で済ますのではなく、連携し チームで達成することが、本人・家族にとって必要であると考えました。2年前に担当を引き継いで、当初は本人と家族間でそれぞれ考えを持っておられたことで支援の困難さを、とても感じた事例でした。まずはそれぞれの家族と話すことが精一杯で押したり引いたりの繰り返しでした。徐々に家族との意思疎通ができるようになり受け入れてもらうことができました。私より長く関わり続けておられたヘルパーさんとも、最近は情報共有も密にできるようになり、色々な場面で助けていただくことができました。私は介護職からケアマネジャーになったんですけれども、医療との連携にはどうしても苦手意識がありまして、積極的に関わることができなかったり、医療用語でありますとか知識が不足していたことをとても自覚しておりますので、今後は自己研鑽に励みたいなと思う事例でありました。今後も長くケアマネを続けることができたらいいなと思っております。ありがとうございました。 

 『多職種・地域との連携について(事例)』:楠神 渉さん(ケアプランセンター加楽)
家庭内の役割を持ち続けたい~疾患を抱えながらも、前向きに生きる~



・事例紹介  77歳 Aさん 女性
※個人情報の為、省略
・経過紹介(R43月)

 imart ヘルス&ワークの広告を見て、送迎付きで体操等の運動をしている場所があることを知り、足のリハビリがしたいと連絡相談あり。長男家族からは車の運転を心配する声があり、近日運転を止められる予定とのこと。車の運転ができないと買い物や、調理など家庭内の役割を持てなくなる可能性があり、喪失感を持たれている。
・本人の思い
 花や野菜作りなど、趣味活動を続けて生活に楽しみを持ちたい。長男家族の食事を作るなど、今後も家庭内で役割を持てればと思います。2020年に左股関節の手術を受けましたが症状は改善することなく痛みが続いています。リハビリをして、少しでも足の痛みが治まり、以前のようにボランティア活動などができるようになりたい。
・ケアプラン原案の作成
 1日、1週間:花や野菜作りなど、趣味活動を続ける。料理、洗濯、買い物など家庭内の役割を持ち続ける。(自宅だけでなく、長男家族の食事も作る。)
・具体策
 車の運転を止めても、買い物ができ、料理など家庭内の役割が持ち続けられるようにする。①imartヘルス&ワーク倶楽部に参加し、送迎付きの運動・買い物の機会に参加する。購入した食材で、自宅と、隣の長男家族の食事を作る。
・経過紹介(導入後)
 本人の思い:自宅ではテレビを見てすごす日々だったが、家からでて、健康体操など、皆さんとできるようになって嬉しい。また、車の運転を控えるように息子から言われており買い物などいけなくなることを心配していたが、活動の終わりに、imartで買い物ができるのが嬉しいです。今後も、息子家族の料理も頑張って作ります。
・家庭内の役割
 ・息子家族の料理(継続)
・花と野菜作り
・経過紹介(導入10カ月後 次の目標)
 本人の思い:imartでは、運動の機会に参加しているが、自宅でももっと頑張りたい。そして、以前のようにボランティア活動や、食のイベントの企画・運営などもしてみたい。今は、前向きにしたいことを思えるが、これが数年たったら、この思いはなくってしまっているよう思う。
・再アセスメント
 ・自宅でのリハビリの機会を導入
  ・imartの「働く」活動へ参加
 ・愛東秋祭りでの模擬店(料理を提供したい!)
・インフォーマルな支援
 (追加)民生児童委員、地区社協、第2層協議体
・経過紹介(あいとう秋祭りに出典 R5.10
 本人を中心としてメンバーでおでんと、炊き込みご飯を作り、150食を完売。収益でショートケーキパーティを開催される予定。
・チームとして大切にしてきたこと
 本人の思いを大切にする。(地域での役割を再開できるようにする。)
  家庭内の役割を奪わない。(息子家族分の調理、掃除など、家庭内での役割を継続する。)
  近所やインフォーマルな団体との繋がりを大切にする。(地区のイベント)

・今後の展開
 愛東中学校の生徒さんより、中学生カフェの運営にあたり、愛東の郷土料理を教えて欲しいとのオファーあり。本人は、中学生から相談されたことを、とても嬉しく感じておられ、ぜひ協力したいとのこと。継続的な役割を持てるように、チーム、地域で支援していきたい!
・課題
 在宅でのリハビリの取り組みを、imartヘルス&ワーク倶楽部、びわこリハビリテーション専門職大学、民生児童委員等と共有できていない。また、在宅のリハビリにも情報が提供できていない。次の目標(中学生カフェ)が実現できるように、より情報を共有し連携を深めていく必要がある。

 

【グループワーク】
テーマ『多職種との連携について』
視点 〇多職種で連携するにあたり、どのような課題があるのか?

  〇利用者・家族の課題を解決するには、どのような取り組みが必要か?
  〇利用者・家族の望む暮らしを実現するために、多職種が連携して取り組むべきことは?

 【発表】
G1グループ看護協会の星です。取り組みの中での課題について、1つは コミュニケーション不足、またはインフォーマルなサービス資源の理解・情報不足などです。また医療職との壁を感じる、連携の取りづらさなどがあるとの意見が出ました。まだ経済的な理由で必要となるサービスを拒否されるという意見もありました。

G:2Gでは楠神さんの報告にフォーカスをあてて協議しました。このケアプランの立て方が非常に素晴らしく、サービス側の視点と生活者の視点、この両方の視点からプランを見ていくということが重要だったという話。これが実現していくにはやはり、普段の地域の交流、挨拶から始まる地域の交流の延長上がここにつながっていくので、それがうまくいっていない地域にどうやってやっていけばいいのか?そこのところにフォーカスがあたりました。 前田先生のご発表も含めて、ケアマネージャーはすごく活動されていて、もっと報酬が上がってもいいんじゃないかと、今は、やっぱり素晴らしいケアマネージャーはインフォーマルサービスの部分を担ってしまっているので、この点をどう考えていくか、そういう非常に充実した話し合いになりました。以上です。 ありがとうございます。

G9名で話をしました。主観での報告になりますが、病院では在宅のイメージがないので、問題が分かり難く、早めに在宅の方に入っていただくことが大切。管理栄養士などに入っていただきたい。それと、病院の訪問看護さんからは在宅と病院では時間の感覚のずれがあり、スムーズにいかない時がある。入院時の連携加算があるが、連続していくための仕組みなので、活用していきたい。今回、多職種連携がテーマになっているが、皆で考えていく際に、専門職だけでなく、楠神さんの報告にあったように、地域コーディネータなどの住民連携も重要であるので、そのような視点も持っていきたい。

G:このグループではケアマネを変更された方がおられ、本当によかったのかなっていうようなお話もありました。このグループには3名のケアマネがおられ、契約の時に変更が可能なことを伝えているので、変わられたこともあるっていうお話も実際にありました。すると変わったことで何か不利益があったりとかするんじゃないかというところが一番心配だったので、本当に変わってもいいのか、変えてもいいのかっていう、相談役をどこかするのに、いろんなところに相談窓口があるといいなっていうようなお話を少しされてました。お仕事をする中で、ケアマネの仕事量が一定ではないということで、できる時もあれば、できない時もあるので、なかなか動きが悪かったりするので、いろんなこと言ってもらった方がいいなっていうことの意見も、ケアマネさんの方から出ました。
多職種でこんなことしてほしいと、こういうこともうちょっとできませんか、っていうことをお互いに言い合えるような関係性ができると、もっとスムーズに動けたりとか、働きをもうちょっと助けたり、スムーズに行くんじゃないかなっていうようなお話も出てきました。先ほど3グループでも出たんですけれど、やっぱり総合病院とかから退院されてくる時に栄養のサマリーがないことが多いので、ぜひもらってきて欲しいなっていうような意見もありました。お顔見ての連携がなかなかできないところだったりとかが多く、今まで普通にやってたのができなくなった事っていうのが出てきてるので、そういうところ改善できたらなっていうようなお話もありました。以上です。

G: 今回、私たちのグループには、病棟の看護師さんだったり、社会福祉さん、それから包括の方、それから小串先生が出席して、みんなでお話をした中で1つ盛り上がったことが、小串先生から「利用者さんがデイに行きたくないんだけど家族さんが出ていて困った時、みんなどうしてるの」と聞かれて、そういう時は是非とも、主治医とケアマネが事前にお話ししておけば、上手にデイサービスとかに行けるようにしてあげるからって言っていただき、すごく力強いお言葉を言っていただきました。それからコロナ禍もありましたので、なかなかの入院している人たちは、在宅での環境を見ることができなかったので、今後、コロナ禍も解消されていっているので、是非とも、家での様子、環境がやっぱり見ることも大事だから、これからどんどん進んでやっていきたいということ。それから、ケアマネはどうしても中心になってやりがちなんですけれども、職種という関係の中で、専門職の方と一緒にやったら、みんなと一緒に1人だけケアマネが頑張るんじゃない、みんなでやっていけたら、利用者さんも在宅で安心して生活ができていくのではないかなと思います。ケアマネージャーさんもあんまり力を入れないで頑張って、私も含めてなんですけれども、頑張っていきたいと思ってます。以上です。

G: 他職種との連携という点からの話をしなきゃいけないと言いながら、他の話の方に結構なってしまったんですが、連携というところではですね、なかなかその地域の連携をとるのが取りづらいので、例えばそのコンビニエンスストアにケアマネージャーを置いてるようなところが試みとして過去にあったような話を聞いたことがあるので、こういった、思い切ったことを、東近江市でちょっとやってみてはどうかということを、話をしていました。
また、何か困った時にどこに行ったらいいのかっていうのがわからないということなので、普段からこういったところにですね、足を運んで気軽に相談できるような場所を作っておけば、認知症が重度化する前に、もっと最初の段階で介入する可能性ができるんじゃないかという話がありました。
それから、民生委員の方ですね、協力は非常にありがたいんですけれども、民生委員の方も、昔と比べると、変わってきてる状況もあるので、民生委員の方もなかなか関わりが十分でない場合もあるということも踏まえながら勉強していかなきゃいけないな、という話も出ました。
それにサービスのバリエーションも含めてですね、増えてきてますので、こういったものを十分に活用しながら、そういう人が、住み慣れた場所で少しでも長く生活できるようなことができればいいなという話になってました。
少し離れたところで話のあったんですが、今どうしても、何かあればケアマネージャーに頼めばいいかなという流れがあるんですけども、負担が増えているので、何でもかんでもケアマネージャーということではなくて、今一度、本当にそれが引き合わないじゃないかどうか、というのを一度、考えていただいてお願いするような形にしていただけると、ケアマネージャーの負担も少し軽くなるのではないかという話が出ました。以上です。

指定発言
・東近江市地域包括支援センター:今井美由紀さん


東近江市地域包括支援センターの今井です。日頃は東近江市駅の様々な取り組みに皆さんご協力いただきまして、大変ありがとうございます。今日は多職種連携ということで、活動報告の中でもお話がありましたが、他職種連携=チームでの支援ということかなと思いました。グループワークの中にでも、チームの中にはお兄さん、ご家族さんも含まれるよね、っていうお話もありました。チームの中には専門職を始め、地域の住民さんや本人さん、家族さんとたくさんの方々が含まれているかと思います。で、それぞれの視点からそれぞれが思う課題に向けた取り組みが提案できるというところが、チーム支援のいいところなのかなと思います。コロナ、コロナでなかなか顔が見える関係作りっていうのも途中で途切れている部分もあったかなと思いますので、顔を合わせて、お話ができる機会であったり、気軽にちょっと助けてとかちょっと教えてと多職種で言い合える、そういう関係づくりができたらなと思っています。また繋がりが必要な時はあの地域包括支援センターにご相談いただけましたら、お顔合わせの場を設定させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。

 ・ワンモア訪問看護リハビリセンター:山本圭介さん

訪問看護リハビリセンター理学療法士の山本です。皆さん、発表していただいていうところについてなんですけども、一番思うのが見える関係性とかっていう話が皆さん、よく言っていただいてるんですけども、このコロナっていうことを言い訳に、連絡をするということが、僕たちも含め、すごく減ってしまってたのかなっていうのが今一番、このコロナが落ち着いて思うところではあります。やっぱりこう、距離が離れてしまってるような感覚になってしまってて疎遠になってしまって結局今までならもっとこう、近づいて相談をしに行ってたのに電話かけるのが億劫だったりとか色々。多分お仕事が、コロナのことで増えてしまってっていうのも、たくさん皆さんあってできなくなってしまってるところがあったと思うんですけれども。これからというところも、先を見てっていうところで言うと、やっぱり相談できる相手をどんどんどんどん作っていくことが、まず大事なのかなと。なので正直、多分結構皆さん、ケアマネージャーさんとかだったら、こいにしてるところであったり、相談しやすい方とかもいらっしゃったりすると思うんです。
もちろん、役所の方でもいいですし、リハビリの関係のことについて、ちょっと教えて欲しいんですけどっていうような電話に対して、多分その地域のサービス事業者さんに関して電話がかかってきてもそこに対して拒否をするような事っていうのはあんまりないと思うんですよね。なので、やっぱりわからないとかケアマネージャー、特に介護職から上がられて、医療のことがわからないとか、ちょっと気づくことができにくいとかっていうところがたくさん出てくるとは思うんですけれども、そういったところを恥ずかしがらずにっていうのは、あれかもしれませんが、どんどんどんどん聞いてもらってもいいと思います。
正直、お医者さんに行くのが難しいと思うのであれば、訪問看護さんであったりとか、もう少し聞きやすい人っていうのを皆さん作っていっていただけたら一番いいのかなと思います。あとはその家族さんとの関係性とかっていうところに対してすごく皆さん悩んでいらっしゃったりすると思うんですけども、どれだけその多サービスが介入してる中からの情報収集ができるのかっていうところで私たちであれば、報告書とかをケアマネージャーさんに送らせていただいてますけども、それに対してのディスカッションとか、そこまで多くはないので、こちらからのもちろん、お伝えしていく自分、自発的に伝えていくということも大事なんですけれども、もっともっといろんな質問をしてきてもらえたら答えさせていただきますので、いつでもご連絡をしてもらえたらいいのではないかなと思います。以上になります。お疲れ様でした。

【連絡事項】 

191回 三方よし研究会 令和51216日(土)1600~180
○当番・会場  東近江医師会、近江八幡市蒲生郡医師会

 

 




2023年10月20日金曜日

第190回三方よし研究会のご報告

 

190回三方よし研究会を開催しましたのでご報告いたします。

◇日時:令和51019日(木) 18:3020:30
◇会場:zoomによるwebで開催(NPOまちづくりネット東近江)
(当番:東近江市、東近江市社会福祉協議会、まちづくりネット東近江 )

 〇ゴール
~認知症になっても住み続けられる地域を目指して~
・東近江圏域の認知症啓発活動を知る。
・それぞれの立場(各専門職)で取り組めることを考える。
・地域の中で取り組めることを考え、実践に繋げる。 


【情報提供】  

東近江圏域介護職員初任者研修:楠神さん
1022日(日)に修了式を開催し、小串先生より10名の受講生の方へ修了証を授与していだだく予定。

20分学習会】
〇東近江市認知症への取り組み
東近江地域包括支援センター 位田ひろみさん



・日本における認知症の将来推計
 増加の一途をたどっており、2025年に730万人となる。認知症になったら、皆が入院や施設に入るのは難しいので、認知症の人もそうでない人も、地域の中で住み続けられるようにしたい。

・認知症施策の推進について

 認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の人や家族の視点を重視しながら「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していく。令和5年6月14日 共生社会の実現を推進するための認知症基本法が成立

 ・認知症への取組(東近江市)

〇ものわすれ相談室
 ◆月に1回開催(コミセン、市役所等)
 ◆最新式タッチパネルを使用 
 平均所要時間は1人あたり30分程度→相談室に来られない人については、個別別訪問時にタッチパネルを持参したり、地域サロン等で実施。

〇図書館との連携事業(脳活)
 脳活(アルツハイマー月間と合わせて実施)
懐かしい歌を歌ったりしている。
 簡単物忘れテストを実施。
永源寺でした際には25名の参加、湖東でも今後開催予定。
 図書館職員もサポーターとして活躍。

〇見守りQRシール
・認知症高齢者の方が外出し、道に迷う等して行方不明者になった場合に、見守りQRシールに記載された登録番号で身元を識別して、早期の発見と保護に繋げるものです。
・本人の持ち物や衣服に貼り付けて使用します。
QRコードを読み取ると、登録番号と警察署、市役所の連絡先が表示されます。

※個人を特定する情報は表示されない。

〇徘徊者の見守り訓練を実施
 五箇荘地区では1029日に実施予定。それ以外でも取り組んでいる地域がある。

 〇認知症キャラバン・メイトによる認知症サポーター養成講座
 認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の人やその家族に対して、できる範囲で手助けする「認知症サポーター」を養成している。

 認知症サポーター養成講座は、地域住民、スーパーマーケットの従業員、小学校の生徒などを対象に実施している。
※認知症キャラバンメイト 今年度40名弱が登録された。昨年度まではコロナ禍でサポーター養成講座の依頼がなかったが、今年度は多数の依頼があり、9月末までに19事業所から依頼をいただている。あれっと感じた時に、連絡をいただきたい。

 〇認知症初期集中支援チーム 認知症疾患センターと協力して支援を行っている。
 診断を受けたが治療に繋がらない、サービスに繋がらない方の支援を初期支援チーム介護を行っている。ケアマネから相談をいただいたケースや、家族から相談があった方に対応している。高齢だからとかなど相談に来られない方もおられるが、認知症疾患医療センターにつないだりしている。

※地域包括支援センター
 三職種(保健師、社会福祉士、主任ケアマネ)で対応している。
 東近江市地域包括支援センター
 能登川地区地域包括支援センター
 令和61月より 五箇荘地区地域包括支援センターの開設を予定している。

暮らしの困りごとを制度や支援につないでいる。地域の住民さん、お店の人などから連絡あり、対象者と面談を行い、本人に必要な支援に繋いでいく。介護保険だけでなく、生活支援サポーターなど、必要な支援につないでいます。

【活動報告】               
『認知症徘徊模擬訓練について』

東近江市社協:上田祐子さん、愛東くらしの会議:楠神渉さん、愛東地区民生児童委員:辰己はる枝さん、家族:西浦澄美子さん  

〇命のバトンの取り組みが認知症啓発活動へ


・愛東地区での認知症理解の取り組みの一つに、命のバトンの取り組みがきっかけで展開してきたものがある。
・命のバトンは地区の専門職の方々と共に、第1次計画より取り組みを進めてきだ。現在は、第3次計画となり、あいとう暮らしの会議が主なりすすめている。
・平成25年に命のバトンを進めていきたいとの相談があり、福祉プロジェクトで相談をしていくことにしたのがきっかけ。

 ・なぜ、“命のバトン”なのか?
 当時の愛東地区のようす
 少子高齢化。高齢者が増えていく中で、いざというときに、不安を感じる。災害時、市や自治会の動きがすぐに対応できるのか不安を感じる。
集落に福祉委員会があるが、機能できていないところもある。
各自治会で隣近所での見守りや暮らしの変化への気づきを高めることが大切!との思い。

 愛東地区での命のバトンの狙いとしては、
命のバトンを単に各家庭に設置していただくことだけを目的にせず、命のバトンを通して、「命・家族の大切さを見直す」
「集落ぐるみで見守りの雰囲気づくり」
「人を大切にする地域づくり」
を醸成すること。

また、命のバトンを推進していく中で大事にしたことは、
 ・どこかの一部の団体だけで進めていくのではなく、地区全体の運動とすることで根付く、見守りが広がっていくという考えであえて、外だしで様々な人、団体が関わる命のバトン推進委員会を立ち上げた。
 ・暮らしの基盤は自治会。そして、一番身近な見守りの場は自治会。個人でしてもらうのではなく、自治会ぐるみで命のバトンの設置や更新、そしてその先にある見守りを考えていってもらうことが大切ということで自治会へ理解を求める説明や周知をわかりやすく、関心もってもらえるようにと、自治会へ出向いて寸劇をした。。
 ・命のバトンを単なる設置や更新作業にしないために啓発活動に力を入れた。
命のバトンを単なる設置して終わり、更新を単なる作業にしないために、更新の意識づけや、見守りへつなげるため、啓発活動に力を入れている。
地区の夏祭りでのイベント時に、ステージで命の大声コンテストを開催したりして、子どもから大人まで、「命のバトン」のことを知っていただくようにしている。
810日(バトンの日)」と定め、毎年の更新を図っている。
更新の啓発のために、命のバトンの住民さんから応募していただいた絵を使用したポスターの掲示や、ゆるきゃら作りを行っている。
※命のバトン設置数は、1604世帯で、95.6%の設置率となっている。
成果は設置率だけでなく、毎年、1回の更新時には福祉委員会、民生委員が一緒になって気になる世帯への声かけなど地域ぐるみの見守りへつながり、民生委員と計画推進メンバー、バトン推進委員会で命のバトンを通して感じていることを懇談する場をもった。
そこで、高齢者の移動の困りごと、認知症の方が増え、地域でどう見守ればいいか、認知症になっても安心して暮らし続けたいという思いなどが聞かれ、移動支援や、認知症理解の取り組みへとつながっていくことになりました。
今後も、命のバトン啓発活動を継続して地域での助け合いを広げていきたい。

 

〇認知症勉強会が一人あるき高齢者の捜索訓練に


命のバトンの取り組みの中で、認知症になったら不安だ、地域に住むことが出来ないとの声があり、認知症勉強を開催することにした。
認知症に関心のない方にも参加していただきたく、企業とコラボして、卵一パック&ジュースをプレゼント。一度参加された方は、プレゼントがなくても、認知症の勉強会等に参加していただくことができるようになった。
2016年より4年間にわたる研修会を経て、ひとり歩き高齢者の保護訓練を実施したく、兵庫県より内海氏にお越しいただき、勉強会を実施。翌年度に保護訓練を行う予定であったが、コロナで暫く延期し、昨年度より再開している。
仕切り直して、研修会をした後、民生児童委員を対象とした声掛け訓練を実施することができた。

 〇認知症勉強会や、一人あるき高齢者の捜索訓練に参加しての思い。
 愛東地区民生委員児童委員:辰己はる枝さん(事前録画登壇)

・一人歩きの方の保護訓練を実施してみての感想?

 毎月定例会の時に研修会をしてるんですけれども、ちょうど8月にその一人歩きの方のご訓練することになました。認知症の方には、こういう声かけたらいいなとか、自分で頭の中では考えていたんですけれども。実際やりまして、ひとりでは本当に対応の時に困るなあっていうことをあの感じたのが第1の印象でした。


・今後どのような展開をして行くとよいのか?
 本当に一人での対応っていうのが、そのときにどうすればいいのか、その方と声を掛けて声かけしてるんですけど、じゃあちょっと目を離したすきにどこか行かれるとか、大変不安になりました。で、やはりその時に思ったのは。例えば私の住んでいる地区でみんなが共有していればいいのではないか、誰か通りすがりの人とか、ちょっと声かけなどできると、安心してその認知症の方を見守れるんじゃないかな。声かけもできて、効果があるんじゃないかなっていうことを実感いたしました。今後、集落あげて声かけ訓練っていうものが広がっていければ、本当にあの私どももこれからもあの高齢者の後期高齢者にも踏み入れているんですけれども、安心して。年をかさねられるんじゃないかなっていうように思います。

 〇認知症勉強会、に参加しての思い、困りごと、こんな地域になって欲しい
  家族:西浦澄美子様

 ・認知症の方を家族にもつ当事者としての困りごと

 母が95歳で足腰がすごく丈夫でして、年の割にどこでも徘徊っていうか歩き回れる体なんで、時々家に居ない時に出てしまったり、家で留守番してるのが一人なので。できるだけついてやりたいと思うんですが。どうしてもできないときは、なんかもう一人で出てしまって大騒ぎになって困ったこともありました。

・どういう愛東地域になったらこう住みやすくなるのか?
 難しいですけどねえ。この町内では、うちの母は認知症だっていうことをご存知の方がたくさんいらっしゃるので、皆さんに助けてもらいながら、さっきも言った徘徊になってもおばあさん見たでとか行かはったよとかそういう風に。まあ、昼間はそうして皆さんの目があるので、助けていただくってことがあったんですが。夜間はほんまに困りまして、もう主人と2人がどこ探してやろうわからんっていうことがあったので。これからそうですね。ええご存じない方がいらっしゃっても、この方、ひょっとしたら認知症かなって思われるフシがあったら、ちょっとお声がけしていただいて、おばあさんどこから来たの?とかゆっていただけると嬉しいかなと思います。
 
 この前、相手の住民さんといっしょにしたあの一人歩きの方のお声かけ訓練がね。そんな事に通じるんじゃないかと思います。

 

まとめ
 命の大切さ、家族の大切さを考え、集落ぐるみの見守りの雰囲気づくり、人を大切にする地域づくりを広めていくことを目的として始めた命のバトンの啓発活動が、認知症の勉強会、ひとり歩き高齢者の支援に繋がり、地域の住民さんや医療福祉関係者と共に、認知症になっても住み続けられる田園を目指して活動を行っています。
 次年度には、小地域(自治会)での、ひとり歩き高齢者の支援を実施する予定であり、地域での助け合いを広げけていきたいと思います 

〇「認知症マフ」の紹介としがケアマフの会の活動について

 Opull 作業療法士:しがケアマフの会 髙田優さん



・認知症マフってな~に?

 イギリス発祥の、認知症ケアのために使われる筒状のニット製品で、色がカラフルで、たくさんの小物が内外についている
   筒に手を入れ、小物を触ることで、認知症の方の心がほっと落ち着くもので、イギリスでは、手でいじるマフっていう意味の「トゥィドル マフ」と、日本では「認知症マフ」と呼ばれている。
 対象は認知症の方に限らず、精神・発達障害のある方も、私たちも、みんなが使える。「認知症マフ」は他にも、ケアマフ、スマイルマフなど、いろんな愛称で呼ばれている。
現在、朝日新聞厚生文化事業団が中心となり、全国的に普及啓発活動が進んでいる。

・認知症マフにはどんな効果があるのか?
 「快」の感覚が得られる
 周囲との関わりをもたらす
 身体拘束を減らせる可能性がある。

・効果について知ってもらいたいこと
 「渡せば認知症の症状が落ち着く!」というイメージを持たれる方が多いが、そういうものではなくて、認知症マフに手を入れ、柔らかくあたたかな心地よさを感じる中で、昔の記憶をたどったり、周囲の人から声をかけられたりすることで心が満たされ、その結果として、症状がやわらぐこともある。認知症マフは、一種のコミュニケーションツールであり、渡して終わりではなく、「マフとともに対象者に関わる」ことが大切。

・認知症マフ製作のポイントは?
 筒状で、両側から手を中に入れられるものであり、温かく、柔らかな素材を使う。

 ニットが主流だが、布やタオルなどを縫ってもOK。便などで汚れることもあるので、・洗濯のしやすさ重要。大きさは15×3040㎝くらいが推奨されており、大きく作り過ぎて、頭から被って窒息しないような配慮も必要。!飾りは外側にも内側にもつけると効果があり、マスコット,リボン,ボタン,おもちゃなどを付けるが、飾りは異食予防のためにしっかり固定することが大切。異食行動がある方には、小さな飾りや食べ物モチーフは付けずに、飾りなしとしてもOK
 出来る限り、その人にあったオーダーメイドで、好みや人生歴に合わせた色や飾りをつけることで、よりよい反応を引き出せる可能性がある。例えば、黒い猫を飼っていた方には、黒い猫のマスコットをつけるとか、和裁をしていた方には、着物の生地で作った飾りをつけるなど。

・しがケアマフの会について
 地域団体「地球ハートヴィレッジ」ノルウェーニッティングの会と髙田で立ち上げた、認知症マフの普及啓発活動をするボランティア団体であり、認知症マフの愛称を「ケアマフ」としている。活動拠点は東近江市池田町「はなやの母屋」でケアマフを使ってみたい人、作ってみたい人、、寄付などで協力したい人の交流の場として、奇数月の第3水曜日の1012時に「ケアマフの会」として開催している。ケアマフは販売もされているが、地域でつくって、地域の中でまわしていきたい。
 次回は1115()に開催予定で、チラシを作っていますので、参加したい方はご連絡ください。FBとインスタグラムも作っていますので、よろしくお願いたします。

 【グループワーク】

テーマ『認知症の啓発活動について』
視点 〇それぞれの立場(各専門職)で取り組めること。     
       〇多職種で、どのような連携ができるのか?  
     〇地域で、どのような取り組みができるのか?

【発表】
1G:最初は私の方から、認知症の理解を深めるためにどうしたらよいのだろうか?との視点でお話をしました。花戸先生からは、民間企業、コミュニティを巻き込みながら、持ち味を発揮して、取り組みをすすめるといいのではないかとお話しがありました。
地域の方の理解が、一番力になるのではと思う。愛東のように、地位づくりをするところから考えるのがよいのではとディスカッションしていました。 

2G:一番初めに、実際に認知症にかかられている方を、どこに繋くのかが難しい。家族さんがあんまり動いてくれない。また、脱水が認知症の原因になることもある。高齢の家族さんは脱水のことなど知らないから、放置されてしまうことがあり、症状が進む。家族さんをどのように巻き込んでいくのかがが大切。県でも介護者の研修だとか、インターネットで検索されることが多いのでで、HPの環境作りなども行っていきたい。
その上で、圏域で取り組みたい。命のバトンは他の地域でも広めていただきたい。

3G:取り組みが興味深ったです。いろんな地域で活動を広げるにはどうしたらよいのか?地域格差もあるので、地域によっては、今すぐの活動が難しいところもある。今現在、当事者としてかかわっている方がおられる。でてくる対応が異なってくるので、家族の負担が大きくなりがち、本人へというよりは、家族への支援も大切。ケアする側としてかかわっている感じ方も異なるので葛藤あり。エーザイさんからは医療従事者からは身体拘束に悩まれているので、本日のマフが有用ではとの意見もありました。早期発見、早期治療の取り組みをどのように広げるのか? 重度化する前に支援に入れるようになりたい。

 4G:多職種できること、認知症の理解や、分かり易く伝えることが大切。地域とつながる愛東の話を聞くなかで、この後、小串先生から徘徊保護訓練のお話しがあるかと思いますが、座学ではなく、一人一人に伝えることが大切。
伊藤先生がご自身の経験を踏まえてオレンジリングを取得されたことなどが、まさしく啓発につながると思います。

 5G:サポーター養成研修の講師をしたり、病院でのレスパイトで支えたり、フレンドマートの前で啓発活動をおこなっている人がグループメンバーにおられた。ダイハツでは工場で出前講座をしている。啓発の課題として、地域の中での繋がりの濃い薄いがあるので、薄いところに重点的にかかわるのがよい。
予防では耳が聴こえにくくなると認知症が進みやすいので、補聴器の使用なども有効では? 地域で認知症とか関係なく、困った時に、SOSをだせる馴染み、つながりが大切だと思われる。

 

指定発言
〇東近江市地域包括支援センター長:河島克彦さん
皆さん、お疲れ様でした。今日の内容で、印書に残ったことが2点ありました。マフを手に持っていますが、手放すと寂しさがあり、体感的にもマフはよい取り組みだと思いました。また愛東の取り組みは地域の繋がりを活かしたよいとりくみだと思います。
見守りの意味だとか、早期の受診の意味を広く知っていただくような、わが事として分かること大切だと思いました。コロナ前は、認知症の人形をつくったりなど、楽しみが大切だと思いました。これからの取り組みは、愛東のように、専門職や地域住民さんが共通の目標をもって取り組むのが大切。全国でも展開されている、チームオレンジのことにも関心を持って、活動につながるような啓発活動を進めていきたい。

 

〇五個荘地区認知症行方不明者早期発見・保護訓練 小串医院:小串輝男先生
令和5年度 第1回五箇荘サポート委員会を626日に開催しました。規約も作成しており、コロナ禍においても年に2回だけは委員会を開催してきました。今年度は来週の日曜日、1029日に認知症行方不明者早期発見・保護訓練を実施します。そして、11月には反省会を行う予定です。また、認知症研修会なども開催しています。
五箇荘は3地区でAブロック、Bブロックに分けて実施しています。各字の配置人数や連絡フロー図も作成しています。1025日にABブロック参加者に各担当が注意点を親しくご指導して行く予定です。単に発見のみを目指すのではなく、この訓練を通して認知症への理解を深め地域ぐるみで、声掛け、見守りができるまち作りのきっかとしたいと思います。
最後に、九州玉名市、永杉くんの名言。よいものは徹底的にパクる。TTP

【連絡事項】 
191回 三方よし研究会 令和51116日(木)18:30~20:30
○当番・会場  ケアマネ、東近江敬愛病院