三方よしカレンダー

2024年6月21日金曜日

第198回三方よし研究会のご報告。

 第198回三方よし研究会開催しましたので、ご報告いたします。

◇日時;2024年6月20日(木) 18:30~20:30
◇会場;きいと/WEB開催(ZOOM開催)
◇当番:東近江介護サービス事業者協議会在宅部門・施設部門(社会福祉法人六心会)


★ゴール
○しがDWATの仕組みについて学ぶ。
○能登半島地震の被災地・被災者の支援活動から今後の支援と備えを考える。
○顔の見える関係・ネットワークを作り、連携を深める。

【情報提供】 
東近江圏域介護職員初任者研修の受講生の募集について:楠神
現在、応募者が5名と少ないので、ぜひ皆様からもお声をおかていただきますようにお願いいたします。


【学習会】<能登半島地震の被災地支援①>
①しがDWATとは(概要)【10分】
社会福祉法人六心会理事長・(公社)滋賀県社会福祉士会災害支援対策委員会 堤 洋三さん
 ・能登半島地震で始動した「しがDWAT(災害派遣福祉チーム)」の概要について



〇DWATとは?
・滋賀DWATは「Disaster Welfare Assistance Team」の略で災害時における、長期避難者の生活機能の低下や要介護度の重度化など二次被害防止のため、一般避難所等で災害時要配慮者(高齢者や障がい者、子ども等)に対する福祉的支援を行うことを目的として、福祉的支援職等で構成するチームであり、2020年に発足している。

〇滋賀県災害派遣福祉チーム(しがDWAT)の設置。運営の目的は?
・大規模災害発生直後から生じる福祉的課題にいち早く介入することにより、状態の重度化・災害関連死など二次的徽害の発生を防ぎ、避難生活終了後、被災者が安定的な日常生活に円滑に移行できるよう必要な支援を行うため、福祉専門職等で編成される滋賀県災害派遣福祉チームを設置・運営した。
・滋賀県のDWATは9団体で活動している。
・登録には研修を受講していただく必要があり、2023年8月現在、218名の方が登録済。
〇災害が起こった時どんな活動をするのか
福祉避難所等への誘導、災害時要配慮者へのアセスメントの実施日常生活上の支援、相談支援、避難所内の環境整備など関係機関,他職種チーム,被災地社会福祉協議会当と連携活動をします。
★1チーム当たり5~6名程度.て、しがDWATチームを構成し、各チームにチームを統括するリーダーを置きます。
チームの活動期間は、災害発生後、概ね4日~1力月程度を活動期間とし、チーム1回当たりの派遣期間は、移動日を含めて5日程度を基本とする。ただし、必要に応じて期間を調整することができるものとしている。
(1)福祉避難所等への誘導
(2)アセスメントの実施
(3)日常生活上の支援
(4)相談支援
(5)避難所内の環境整備
(6)関係機関・他職種チーム。被災地社会福祉施設等との連携
(7)その他、ネットワーク本部またはリーダーが必要と認める活動

〇経過
・1/5に石川県理事より各府県知事へ派遣依頼があり、滋賀県も活動を開始した。
・詳細は次の方の報告でさせていただきます。

②能登半島地震における「しがDWAT」の活動の実際【20分】
ケアプランセンターカルナハウス 前田 岳史さん


・しがDWTA総論
 令和6年4月時点で47都道府県全てにDWATチームが設置されています
・『災害時の福祉支援体制の整備に向けたガイ霧ライン』の概要
 近年の災害においては、高齢者や障害者、子ども等の地域の災害時要配慮者が、避難所等において、長期間の避難生活を余儀なくされ、必要な支援が行われない結果、生活機能の低下や要介護度の重度化などの二次被害が生じている場合もあり、これら災害時要配慮者の避難生活中における福祉ニーズへの対応が喫緊の課題となっている。
 このような状況を踏まえ、災害時において、災害時要配慮者の福祉ニーズに的確に対応し、避難生活中における生活機能の低下等の防止を図るため、各都道府県において、避難所で災塞時要配慮者に対する福祉支援を行う『災害派還福祉チーム」を組成するとともに、避難所へこれを派遣すること等により、必要な支援体制を確保することを目的として、官民協働による「災害福祉支援ネットワーク」の構築に向けた取組を推進するだめのガイドラインを策定する。

・DWAT活動内容
 チーム員の領域

  ①福祉避難所への誘導
  ②災害時要配盧者へのアセスメント(健康調査、ラウンド)
  ③日常生活上の支援
  ④相談支援・福祉(要配慮者)相談窓口、なんでも相談
  ⑤一般避難所内の環境整備

 リーダーの領域
  ⑥本部、都道府県との連絡調整、状況等の報告
  ⑦後続のチームヘの引継ぎ
  ⑧被災市区町村や避難所管理者との連携
  ⑨他職種との連携
  ⑩被災地域の社会福祉施設との連携

〇今回の令和S年1月1日能登半島地震にかかる派遣について

経緯
・1/5石川県知事より各府県知事へ派遣依頼
・1/8しがDWAT関係者、県庁、県社協でミーティング
・1/8全社協より滋賀県へDWAT派遣依頼
・1/9滋賀県知事よりしがDWAT協定団体へ登録メンバーの派還依頼
・1/10協定団体との会議 以鋒、派遣者を確定していく
・1/12第1クール開始
・1/23 2月末(第'2クールまで)の派遣者の確定
・2/1 第6クール開始 ※活動拠点が滋賀県庁内DWAT本部事務所に変更
・2/9  第8クール開始 活動拠点が富来舌性化センターに変更センター
・2/20 3月末まで(第20クールまで)の派遣者の確定
・3/1第13クール開始 活動極点が志賀町地域交流センターに変更

私は8~9クールでDWATとして出務してきた。
携帯、ZOOM,キントーン等を活用して、連絡をとりあった。

・しがDWATでの連絡体制:本部~現場~多職種連携
・日報
 業務終了後、各クールリーダーより県庁担当課、県社協担当課へ日報をメールで送付。その日の状況を伝える。県社協事務局はその日報を全DWAT員及び協定団体へ共有する。
・LINE共有
 しがDWATクールメンバー専用共有LINE。現在81名在籍。その日の日報含め状況を逐一報告・共有してきた。応援もありモチベーションアップへつながる。
 多職種専門機関同士ではオープンチャットも活用。コンタクトリストや活動予定を共有し、特に巡回把握に重宝した。

〇私自身の動機・きっかけ
 阪神大震災(大学3年:京都の自宅で試験勉強していた5:46、揺れと共にテレビや本棚が飛んだ。京都は震度5)、東日本大震災(たまたま休みで寄った店のテレビ中継で知る。支援に行きたくとも、どのように動いたらよいのかが分からなかった)を経て、次何かあった場合は貢献できないかと思っていた矢先、ケアマネ協会が滋賀県DWAT本部と協定を締結。養成研修の募集があったため応募し研修受講。そして1年経った段階での今回の能登災害。育った地域(野々市~旧松任市、現在の白山市)に近かったこともあり、ぜひ行けないかとDWAT応援要請に応募して参加へ。

〇派遣・クールが決まって
 前泊含む4泊4日。ケアマネとして月の4日間を空けるのは至難…請求の時期や訪問の時期を避け、2/9~12で応募、決定。
さて、いざ決まって次は何を準備したらいい?(全然予想がつかない)DWAT事務局さんから送られてくるメールや共用LINEを何度も見るが今一イメージがつかない。
ひとまず給付管理を終え、電車に乗り込む。
金沢駅につき、今回のクールメンバーと合流、その後前クールから申し送りを受ける。ビブスがまぶしい。緊張が身体を走る。

・しがDWAT第8クール(2024.2.9~2.12)

  クールメンバー
   ・介護支援専門員(居宅介護支援事業所勤務)
   ・相談支援専門員(相談支援事業所勤務)
   ・訪問介護員(訪問介護事業所勤務)
石川県庁でのブリーフィング
  ※富来活性化センターでは、集約化により避難者増!
  「しがDWAT『愛知DCATのサポートのため、志賀町の富来活性化センターへ向かってほしい」
    ↓
  「「しがDWATさん、出発です!」「お気をつけて!」『いってらっしや~い」

富来活性化センターがある志賀町とは。。
 人口18,267人
世帯数7,864世帯
志賀町の高齢化率44.8%
富来活性化センター(旧冨来町役場)は、能登半島の志賀町の北部。施設内には町民のためのホールや会議室があります。避難所の居室などは、この会議室やホールを利用しています。行政手続きができる富来支所も併設しています。

・避難所ではこんなことをやってます!
 福祉相談窓口しがDWAT
(常駐)愛知DCAT
 避難所の運営愛知県
 環境支援地元病院から派遣の介護士チーム
 巡回支援熊本JMAT(医師らの派遣チーム)
 静岡DWAT(地域リーダー)
 佐賀保健師(コロナ対策)
テントシャワー、福祉の相談窓口、ヘアカット、愛知県の生活支援、ラジオ体操

周辺地域と避難所は断水水を求めて地域の人たち避難所の給水車に水を汲に来る日々。土日は地元漁協などの炊出しやキツチンカーが来ていた。

・室内の状況
段ボールバット1人1台。
室内では飲み物を飲むことはOK。
食事は廊下やラウンジでとる。
土足厳禁。
着替えは男女別のテントを使う。
仮設トイレを利用。
 (2/12日時点で入居者163名車中泊の方もいる) 
※日中は自宅の片づけなどで不在者が多い。高齢者が残っている。

1日の流れ(一次避難所:富来活性化センター)
7時45分金沢市を出発 → 9時30分志賀町・富来活性化センター着活動開始 →15時志賀町。富来活性化センター →16時~16時30分志賀町役場で、多職種ミーティング → 18時 金沢市着活動終了

・避難者の声(ラウンドでの聞き取りなどから)

  便秘になった(便秘になった。運動できない。眠れない。1月に車いす専用の入浴車が来た。夫の介助が大変。・自衛隊のお風呂で転倒して骨折した。同じ地域の人と部屋が一緒。みんな知っている。
・猫を飼っている。猫が心配なので家族が交代で車中泊している。
余震が怖い(・長男家族は自宅の片づけ。断水しているが地下水を沸かして自宅のお風呂に
入っている。余震が怖い。ここにいればみんないる。薬がなくなった。かかりつけ医が被災した。どこの病院へ行けばよいのか。しばらくは何もする気が起きなかった。ようやく手続きに来れるようになった。)

・2月11日(日)には余震も。センター内が一瞬凍りついた時間。

・こんなことで戸惑いました
 ①情報共有
・入退居者情報は、運営の愛知県しかわからない。
・福祉チームヘデータでの受け取りができない。
・個人情報の取り扱いの見解。
・入退去者の確認作業に時間がかかった。

②アセスメント
・要配慮者は約30名。問診票のみでアセスメント表が作成されていなかった。2月12日から台帳作成開始。
・各DWATでアセスメントの様式が統一していない。

③役割の混乱
・コロナリ患者が増加。常駐の医療従事者がいない。
・入院も避難所の退所もできない。喚起や環境の見直しが必要だが誰がやるか決まっていない。
・服薬管理などを福祉チームに求められた。

④活動時間の短さ・移動に時間がかかる
・日中は不在者が多い。夕方から夜間の状況が把握できない。
※第9クール以降、これらの課題は少しずつ解消されていった模様(しがDWA『の日報より)

4日間、何もできないまま過ぎてしまったが、役割を明確化して、振り返りを行った。
・リーダーとしての工夫

【情報共有への働きかけ】
 愛知DCA「のクールメンバー総入れ替えの時期を見計らって、新たなクールメンバーとのミーティングの際に、建物内の避難者名簿、建物内配置図等を共有すること、および共同で更新していくことを提案(そのかわり原本データは愛知管理とし、しがDWATはあくまで把握管理のフォローとして協力するというスタンス)

【役割の明確化】
 愛知DCATも3名、しがDWATも3名。であれば例えばリーダー、事務班、実行班と役割を分け、それぞれ2人1組で行動していくスタイルを提案
(この方針はその後ずっと踏襄していってもらえた様子。そのため13クールでも採用)

・支援を終えて
 支援終了前の2/12(月)15時前。前日から判明したコロナ陽性者への対応でバタバタしていた矢先、次クールから『電車の通過駅沿線での出火事故により、現地に向かえない」との連絡。結局京都一敦賀一金沢ルートを避け、東京駅ルートで向かっていただくことになり、待ち合わせ場所で合流できたのは21時過ぎ。そのため8クールメンバーとは金沢駅で別れ、リーダーだけ後泊することに。夜遅くの引継ぎ、そして次の日第9クールメンバーの出発を見送ったのち、一人帰路へ。地元駅についた時の変わり映えない光景に、何気ない平和な日常のありがたみをしみじみ感じる。

・しがDWAT12クール(2024.2.29~3.4)
ほっとしたのも束の間、まさかの3月の最初に支援員が不足しているとのことで、再度出務した。
2回目は地域リーダーとして出務していただきたいとのこと。
地域リーダーとは?~本部と現地隊員とのつなぎ役
本部とのリーダー会議により、今回のミッションは撤退支援で入ることになる。

・撤退支援のロードマップ
【今後のチーム数について】
3/8までは4チーム、3/9から3/12までは3~1チーム、3/13から1チーム、3/16で活動終了予定

2/29は1日かけて前地域リーダー静岡DWAT(&サブ北海道DWAT)から引継ぎを受ける
バトンをつなぎながら支援していくことの難しさ(静岡新聞より)
静岡県のチームに求められた最大のミッションは遷麓所の活動を段階的に地元支援者に移していくこと.『今いる避難者の支擾に道筋を付けなければ静岡DWATの1期生で、DWATの渡辺麻由さん(39)は焦りを感じていた。静岡の活動は3月1日まで.滋賀チームにリーダーを引きつぐが、撤退時期の判断や、避難所所閉鎖を見据えた出口戦略を描く必要があった。2月下旬になっても.パトンのつなぎ先"のめどはたっていなかった。
渡辺さんが向かったのは、志賀町の社会福祉協猿会.地域福祉のキーマンを探すためだ。偶然にも、生活支援コーディネーターの村山康子さん(69)がいた。認知症サポーターチームやリハビリ体撮団体の長も務め、福祉活動の中心人物でもあった。
村山さんは「自分たちの手で地域を縄とかしなければならない」と、仲間たちと非難所の巡回を既に始めていた.渡辺さんは『道が駒けた」と安堵した.村山さんを通じて町内の福祉サービスの再開状況なども把握できた。避難所で行ってきた相談支援などの活動を『地域に受け渡していくことは十分に可能」と判断した。
DWATの活動は直接的なケアにとどまらない.新たに福祉サービスの利用が必要か、民生委員による見守りを依頼するのか.避難者が自宅に戻ったり、仮設住宅に移ったりした後も支擾が途切れないネットワークづくりが重要となる.「これが3 ・ 12でも決定的な課題だった」と、岩手県社会彊祉協臆会の加藤良太さん(5 0)は強調する。「だから、じんと再生の橋渡しが必要なんです。」

・1日の流れ(地域リーダーとして)
7時金沢市を出発 → 8時30分志賀町役塙着 活動開始 → 15時半
志賀町(西山台)地域交流センター活動終了 → 16時~志賀町役場支援者ミーティング本部・地域リーダー会議 → 18時 金沢市着

〇終わりに
・今回課題として感じたこと
①展開の速さと時間の大切さ:4日間はあっという間に過ぎる
・刻々と変わっていく状況にいかに対応していくか。
・想定外のことが当然のように常に起こる。その中でミッションを進めていく必要がある。すばやい判断、的確な指示も必要。
・そのためには、3人のクールメンバー間の役割分担と密な連携がとても重要。
・ロジ班はうらやましかった。そのような機能・体制は理想だが…
②連携の媒体:ガラケー?スマホ?PC?
・グループ内のやりとりはやはりLINEが便利。他DWAT隊ともそのやりとりが一番多かった。そうなると通話含めてスマートフオンが必要か。
・Wi-Fi環境があるかも、日報等送付には便利。
③ミッション・目的・業務内容をどうメンバーに伝え、共有していくか
 ・やはりマニュアル、行動計画は大事。そして常の情報共有とミーティング。声を出しあってズレを修正していく。互いの考えの違いはあって当然、尊重しつつ解決点を見つけていくお互いの努力も必要。
・様式の統一も必要。各DWATそれぞれが別様式で記録したりしている。今後良いものは積極的に取り入れ、統一を図っていければ。

④DWA「全体の中での位置づけ、前後クールとのバトンの引継ぎ、引き渡しをどうしていくか
 ・本部の方針、現場の状況を冷静に理解し見極める。その上でどれだけ前から引き継げて、後に引き渡せるか。整理と伝達方法が必要。
・その意味で引継ぎはできれば最低1日は業務を被せる形でほしい。(13クールからはリーダーのみ1日被せる形での編成に)

〇個人としての感想
①普段行っている業務・取り組みそのものだった
・避難者の方々のアセスメント、自立支援に向けた目標の設定と取組み。各専門機関との調整連絡。地域で生活していくための地域の特色と地域資源の把握。普段行っている(心がけているといった方が適切か)ことそのものでした。

②こればかりは経験していくしかない
・現場といっても、第8クールと第13クールそれぞれミッションも動きも違う。それはどのクールも同じだったと思う。それぞれに学びは違う。そしてどんな状況が今後来るか分からない。常に準備し、そして縄強していくしかない。

③連携こそ命
・今回も後方支援としての県社協さんはじめ様々な方々の努力の結晶が支援につながっている。このシステムは素晴らしい。しかしどう連携していくかで事態は大きく変わっていく。一人ではなしえないことを自覚し、連携の方法をこれからも学んでいきたい。

・今後に向けて(備え等)
②ケアプランヘの反映
同様に、自分の担当者の住んでいる場所がどのような地形上にあるのか、どこに避難所があるのかを確認、個別ファイルにファイリングしておくと共に、ケアプラン第一表にも反映させて、本人ご家族・関係事業所とも共有しておく。

・これからに向けて(DWATとして)
①縦と横のつながりを継続して保つ努力
・定期的な研修や交流会などの他、地域での防災訓練へのDWATとしての参加、その共有(グループLINE等)など

・他府県のDWA丁との合同研修、交流の機会もあれば。
・そのためのDWAT員所属の事業所・施設の理解を求めていく努力も合わせて必要。

③様式の統一、各局面ごとのマニュアルの更新
・現場では様式を揃えたり準備することはまずできない。あらかじめどこまで準備できるか。今回の局面ごとのマニュアルを活かしてブラッシュアップしたい。またこれだけDWATが全国で整備された状況では、必要な様式から(アセスメント用紙、各避難所把握用紙など)統一フォーマットがほしい。

④メンバーの増員
・いつ何時、どのくらいの規模の災害がくるか分からない。いざという時に動けるメンバーを平時から養成し募っていく必要性がある。
・そのためのDWAT養成研修、フオローアツプ研修を。
・これからに向けて(法人・個人として)

①さらに経験を積んでいきたい
・備えの程度が、そのまま災害時の対応に直結する。予測は経験から精度を上げていける。
・出来上がったBCPは果たして使えるのか?そのためにもDWAT派遣等、災害対応経験は貴重な経験となる。
・同じ状況もまた-つとしてない。なるべく多くの場面につきシミュレーションできれば。

②備えなし=自分の家の管理が他にゆだねられる現実
・今回志賀町ミーティングでは地元保健師が仕切って対応されていた。地域と人をよく知っていたからこそだと思った。
・一方避難所や施設は他県が常駐官理していた(志賀町は愛知県がほとんど)。地元の職員がいない。備えていなければ、能力・ノウ八ウある他団体が自分の家を仕切ることになる。

③いつ震度8が来ても自らと家族と施設を守るために
・帰宅して一番思ったことは、家族とありふれた日常のありがたみ。これがいつ崩れてもおかしくない。ただ一人では何もなしえない。家庭で、施設で、地域で、皆で、対策を(何度も)話し合っておきたい。


【事例報告】<能登半島地震の被災地支援②>
被災高齢者福祉施設への支援活動の実際【15分】
地域密着型特別養護老人ホームきいと 高口 誠さん



・被災した社会福祉施設の現状と利用者の支援の体制や仕組みにかかる課題について
・応援派遣概要について

【派遣依頼元】
能登福祉救援ボランティアネットワーク
(調整:滋賀県老人福祉施設協議会)
【応援派遣先施設】
社会福祉法人礎会グループホームなかよし

【六心会派遣期間】
3月11日~3月16日、2名(介護福祉士2名)
5月16日~5月20B、2名(介護福祉士1名、理学療法士1名)
5月26日~5月30B、1名(介護福祉士1名)

被災施設で自律的に支援に入れることができるスタッフが必要。つまり、現地で自己完結可能なスタッフが求められていると想定。
車中泊、上下水道が見復旧な状況の中、10名にスタッフが手を挙げそのうち、条件を満たした。3名が派遣された。

・応援派遣先施設について
1/1の震災でグループホームなかよしの施設が被災。
同日中に同法人の自立支援センターみずほに避難。
自立支援センターみずほのホールを間借りして利用者18名が避難生活を行っている。

【職員数】 16名
【シフト】日勤9:00~17:30現地職員3名、応援派遣職員2名
夜勤16:30~9:00 現地職員2名、応援派遣職員1名
申し送り8:45,16:30の2回
【周辺のインフラ】
3月時点では電気は使用可。上下水道は使用不可。
トイレはポータブルトイレ、入浴は簡易シャワーで対応。

被災者グループホーム内部の壁がはがれて倒れている。
窓もゆがんで外れているか、ゆがんでいる。
発災時は利用者はホールにいたので怪我はなかったが、他の場所に入れば危険が高かった。

現地での活動
・移動見守り・介助
・排泄見守り.介助
・食事配膳・下膳・見守り
・服薬介助
・口腔ケア
・集団レク・個別レク
・周辺業務(入浴後のドライヤー、手指消毒お茶準備、就寝時の布団準備等)

みずほ内の様子:支援センターで働いている人と、利用者が混在している。
机が三つあり、障がい施設が、食事をとる場所をとなっている。
机の脚があたる、立ち上がりだったりとか、
手作業されている人の後ろで休んでおられる人がいた、日中は交代でベッド休んでいただいた。(6つしかベッドがないため。)
Pトイレを使用。上下水道が復旧しておらず、介助用トイレがなく、Pトイレを使用。プライバシーなど気にしておられない状態。
簡易シャワーなどがあり、利用者も入浴が行えていた。
マットを敷いて、川の字で眠られた、雑魚寝状態で一人が起きると、皆さん起きてしまう状態。7月に新しい施設が完成予定であり、それまでなんとか持ちこたえようと頑張られていた。

・応援派遣での学び
~応援を受ける立場として~
平時における体制の整備

【震災を想定した訓練】
福祉施設として日々のOJTの中で、震災を想定した訓練を行う。
【事業所内の窓口担当者の配置】
支援物資担当者、職員派遣担当者を複数人配置しておく。
支援物資の選定、申請、管理。物資の管理場所の確保。
派遣職員の必要人数、役割の明確化。宿泊場所の確保。
コントローラーの重要生

震災が発生すると、想定していた事よりも想定していない事の方が多い。
その時点で「何が大事か」「何が優先か」を考え、対応する事が求められる。

施設、行政、地域、他施設との繋ぎ役として
「柔軟性」を持ち、状況を見ながらの「決断力」が必要とされる。

・支援を継続していくため
~応援を受ける立場として~
・応援派遣の目的についての理解
ご利用者への接遇、介助方法、環境設定等、気になる点はある。応援派遣の目的は現地職員の方々の「負担軽減」であり「指摘・助言」ではない事のご理解を。
・現地職員の方々から多数の差し入れあり。
応援派遣職員に対する感謝の気持ちだと捉えて、受け取って欲しいとのお言葉あり。
・現地職員の方々も「話しを聴いて欲しい」
職員の方々も被災者。自分達自身の事を聴いてもらいたいという気持ちを持っておられる。現地職員の方々とのコミュニケーションも積極的に。

〇今後の課題
~応援を受ける立場として~
 被災後、応援を受け入れるため、受援体制の構築をどのように進めるか?
発災直後からフェーズ5までの想定をしておくことが重要。

<3月派遣>
①災害ボランティアセンター運営支援活動の実際【15分】
東近江市社会福祉協議会 地域福祉課 中西 知史さん・谷 和之さん・北川 美香さん
 ・被災者にとって必要な災害支援ボランティア活動の仕組みやあり方

谷さん:
災害ボランティアセンターの運営支援で現地に行かせていただきました。
災害ボランティアセンターは、災害発生後2~3日後に設置される。ただ今回は、ボランティアセンターが立ち上がっても、被害が大きく、実際に受けいれが始まったのは1月下旬からとなりました。
社協がしている理由は、社協の強みにボラセンを持っているので、災害時においても活かすことができる。終えたら終わりではなく、それ以降に地域に戻し、地域づくりにつなげていくことが必要。

北川さん:
私たちは石川県七尾市に行きました。
1日の流れ
 9:30~10:30:ボランティ受付、オリエンテーション、マッチング
    ・注意事項を伝える(ボランティアさんが安心して活動できるように)
    ・1日80人程度のマッチングを行っている。その人の得意なことを活かせるよう
配慮している。
10:30~14:30:資材を受け取り移動、活動
   ・ゴーグルなど活動先に応じた必要な機材をお渡している。
14:30~15:00:活動修了後センターへ帰着し、活動報告
   ・その日の活動の進捗、伝達事項の報告をしていただく。
15:00    :活動終了

現地へ移動・活動~仮置き場への搬出
 家財やがれきなどを集積所へ運搬。ごみの分別ルールが厳しく、仮集積所に3時間の待ち行列ができることも珍しくない。

中西さん
少しずつでも支援の手が届き、復興は進んでいる。でも・・・。
・遠慮や諦め・・・どこに相談してよいか・・・「助けて」と言えない。でも困っている。
・地域社協や民生委員など地域の活動者や福祉の専門職の顔が見えなかった。
・住民主体の復興により、地域づくりを意識していく必要性を感じた。
災害からみえる日頃のくらし~私たち住民や専門職が大事にしたいこと~
・災害時、支援の手は何とかなっても、人の意識や気持ちは変わらない
・互いの暮らしぶりを知る住民だからこし、ちょっとした変化に気づける。災害時も同じ。
・平常時からお互いを見守り、支え合えるつながりが大切。
・医療や福祉の専門職が日ごろから、住民と顔の見える関係があると、住民もいじというときに頼りやすい。

【グループ別意見交換】
 ①学習会、事例報告を通して、能登半島地震の被災地・被災者支援においてどのような課題を感じたか
 ②感じた課題に対して、今後の復興に向けてそれぞれの立場でどのような取組みが必要と思うか
 ③滋賀県、東近江圏域での発災に備えて、最も重要な取組は何か


【発表】

会場1:過酷な支援現場での活動されているが、まずは自身の身を守りつつ、支援にはいることが大切であるとの意見があった。発災直後には、司令塔が不在との課題が見えてきたように思います。そのためにも、普段からの顔の見える関係の大切さを改めて感じました。

会場2:派遣をされた職員のコーティネート機能が不足していると、行ってもすることがなくってしまう。DWATなどの体制をえることが大切。地域、地域にそれぞれのやり方があるので、尊重したい。

1G:課題のところは避難所の方の声、「水が足りない」などだけでなく精神的な不安などの声もあがっている。連携の効率化が大切。今後、災害の支援にあたっては、災害拠点の訓練はあるが、実際発生した際に、どのようにするのかのイメージが難しい。また、7月4日に訓練があるので、お時間のある方はご参加ください。
前田さんはじめ皆さんは、なんとか4日間のスケジュールをあけていかれたが、その穴埋めをどのようにされたか?お時間がある時に教えていただけばと思います。

2G:普段訪問している時のスキルが役に現地で立つ。支援に入る人の当たり前と、被災者の方の当たり前は違うので注意したい。支援に入った人と、現地の人とですり合わせを行い、マニュアル化したい。食事面では栄養面も配慮する必要がある。

3G:震災の課題としては、災害がないので、イメージができていない。高齢化が進んでいるので、支援が必要な方が増えている。
能登地域では結束力が強くて、自助・互助が進んだのではとの声があがっていた。
あと、専門職として何ができるのか?日ごろから、利用者さんがどこに避難されるのかを把握して、地域とのつながりを日ごろから作っていきたい。発災に備えて、何かあった際に、どこに集まったらよいのかなど、把握できていない。また東近江市は外国人が多いので、その配慮が必要。


【指定発言滋賀県社会福祉協議会 事務局次長兼地域福祉課長  高橋  宏和さん

・グループ別意見交換の発表を踏まえ、被災地支援において大切にしたいことや発災に備えた平素からの取組み等について
高橋さん:県社協の高橋です。本日は、非常に勉強させていただき、感謝申し上げます。今日は最初に前田さんよりDWATの紹介がありました。DWATは避難所を支援する目的でつくっていました。正直、突然ふって沸いた形で、初の活動となりましたが、前田さんはじめ、迅速にいていただき、大変助かりました。
そんな中で、いろんなことがあるんだと思いました。いろんなこと、幅ひろく想定しながら、人を増やしていきたいので、DWATの活動に注目していただきたいです。
じつは、連携とか協働には課題がありました。志賀町のDWATに行く用事がありまた。拠点の隣には、災害支援センターがありましたが、連携が見られませんでした。批判ではありませんが、日頃からの連携ができないと、災害時も役にたたないと思いました。受援が大切だと改めて感じています。計画にも受援を入れておかなければなりません。
本日は参加させていただき、ありがとうございました。


北野さん


まず、このような場に参加させていただき、ありがとうございました。
しがDWATの派遣が決定した際、突然のことでしたので、どの程度の方に手をあげていただくことができるか分かりませんでしたが、発表いただいた前田さんには2回も参加していただくなど、皆さんには福祉職の専門性を活かしてご協力をいただきまして、ありがとうとうございました。
派遣に行く中で、思っていたことと異なる派遣先での要望が入るなか、日々、皆さんには様々なことをお願いするなかで、事務局としても、苦しいこともありましたが、皆さんの協力のおかげで、支援ができたことに感謝しています。この場をお借りして、お礼を申し上げます。
今後、滋賀県で発災した際には、能登支援での良いところは取り入れて、だめなことは、そうならないように、日頃から県下で繋がりなど作れたらよいのかと思います。
ありがとうございました。


【連絡事項】 


 ○当番:八幡蒲生郡薬剤師会・東近江薬剤師会上野先生:来月は、金沢先生と、上野先生で担当しています。昨年度はポリファーマシーをテーマにしていました。また次月についても、同じポリファーマシーをテーマで行っていきたいと思います。来月もよろしくお願いいたします。会場は三師会の会場をお借りする予定です。次月開催日時:令和6年7月18日(木)18:30~