三方よしカレンダー

2026年1月15日木曜日

第218回 三方よし研究会開催のご報告

本日、第218回の三方よし研究会が開催されましたので、ここにご報告いたします。




◇日時;令和8年1月15日(木) 18:3020:30

◇会場:ZOOM活用によるWEBでの開催

◇当番:NHO東近江総合医療センター

 

テーマ「多職種連携による退院支援について」

【ゴ-ル】

○退院支援における多職種連携あり方について考える

○顔の見える関係を構築するために必要なことを考える



【情報提供】

●健口いきいき広場2026「介護の力で食べる喜びを~美味しい料理で元気に長生き~」のご案内

日時:R8.2.11(水・祝)13:3015:30 場所:アピアホール

内容:ケアプランセンター加楽の川上さんや、魚繁大王殿の岩崎さんを迎え、介護の力や嚥下食をテーマに開催されます。



●第9回 日本medical village学会・三方よし研究会市民公開講座のご案内

日時:R8.3.15(日)13:0016:00 場所:能登川コミュニティセンター

内容:順天堂大学名誉教授、一般社団法人がん哲学外来名誉理事長でMedical Village学会理事長であり新渡戸稲造記念センター長の樋野興夫先生先生、滋賀県がん患者団体連絡協議会の菊井津多子さん、写真家國松康弘さんによる講演が予定されています



●八幡蒲生×東近江在宅緩和ケアネットワークのお知らせ

日時:R8.2.14(土)14:3016:30 場所:湖東信用金庫近江八幡支店

内容:地域の多職種が普段の活動や悩みを共有し、互いの役割を理解し合い、実際に頼り合える関係作りの第一歩として企画しています。ご参加お待ちしております。



進行:大岡 俊亮さん(東近江総合医療センター)

 

【挨拶】

東近江総合医療センター 院長 野﨑 和彦さんより

滋賀県の保健医療計画において口腔ケアが強く意識されている。噛む力が強いほど死亡率が低いというデータや、子供の歯並びトレーニングの重要性が指摘されている。今後の在宅医療において、疾患中心の病院から「生活を見る在宅」へのシフトが必要であり、そのためには多職種の連携が極めて重要です



20分学習会】

「口腔ケアの現状と課題」

東近江総合医療センター 歯科口腔外科医長 堤 泰彦さん


• 口腔ケアの背景と重要性…日本は世界に類を見ないスピードで高齢化が進んでおり、医療や介護を必要とする高齢者の増加に伴い、口腔ケアの需要も高まっています。口腔ケアは単に口の中を綺麗にするだけでなく、全身の健康維持やADL(日常生活動作)の維持、免疫力の向上において極めて重要な役割を担っています。

• オーラルフレイルと生存率への影響…「オーラルフレイル(口腔機能の低下)」は、要介護リスクや総死亡率を約2倍に高めることが研究で示されています。しかし、フレイルの状態は4段階に分けられ、初期の段階(レベル3まで)であれば、適切な介入によって元の健康な状態に戻すことが可能です。また、歯の数が20本以上残っている人は生存率が高いというデータもあり、「8020運動」の重要性が裏付けられています。

• 誤嚥性肺炎の予防効果…高齢者や免疫力が低下した患者にとって、口腔内の細菌は誤嚥性肺炎の大きな原因となります。適切な口腔ケアを行い、唾液の分泌を促進して自浄作用を高めることで、誤嚥性肺炎の発症率を約半分にまで下げることが期待できます。特に、震災などの非常時には生活環境の悪化から口腔ケアが疎かになり、肺炎が増加する傾向があるため注意が必要です。

• 術後管理や栄養摂取におけるメリット…手術前後に口腔ケアを行うことで、術後の感染症予防や入院期間の短縮につながるというデータがあります。また、口腔ケアによって唾液が増えると、食べ物をまとめやすくなり(食塊形成)、嚥下反射が誘発されやすくなるため、経口摂取の維持や食事時間の短縮にも寄与します。

• 医療現場における具体的なリスク…経管栄養(濃厚流動食)を使用している患者は、糖分を含む食渣が口腔内に残りやすく、「ボトルカリエス」のような急激な虫歯の進行を招くリスクがあります。これが進行すると、免疫力が弱い患者の場合、敗血症などの重篤な全身疾患を引き起こす可能性もあります。また、入れ歯の咀嚼効率は天然歯の約3割程度にとどまるため、適切な維持管理が不可欠です。

• 病院における現状の課題とマンパワー不足…病院内では入院時のスクリーニングを行っていますが、マンパワーの制約から、歯科専門職が全患者に介入することは現実的に困難です。また、退院支援のカンファレンスに歯科が十分に介入できておらず、地域との連携が不十分である点も大きな課題です。口腔ケアの優先順位が他職種の間で低く見積もられがちな現状もあります。

• 解決策としての「OHAT」の活用と優先順位付け…限られた資源を有効活用するため、直感的に口腔状態を点数化できる評価指標「OHATOral Health Assessment Tool)」の導入を提案しています。これにより、12分という短時間で客観的な評価が可能となり、重症度の高い患者を優先的にピックアップして歯科が重点介入する体制が構築できます。

• 多職種連携と地域への継続的な支援…今後の展望として、歯科専門職だけでなく、看護師や介護職が共通の評価マニュアルを用いて基本的なケアを行い、専門的な介入が必要な場合に歯科に繋ぐという役割分担が重要です。また、退院時サマリーに口腔情報を記載することで、地域全体で「切れ目のない口腔ケア」を提供し、生活を支える体制づくりを目指しています。





【活動報告】

『多職種連携による退院支援について』

①「薬剤師が行う退院支援の取り組みと課題」病棟業務管理主任(薬剤師) 大住 悠介さん


薬剤管理の最適化: 医師と連携した処方設計に加え、看護師等と協力して患者の嚥下機能やライフスタイルに合わせた剤形への変更・調整を行っています。

地域薬局との連携: 入院前からかかりつけ薬局と情報を共有し、退院時には副作用や管理状況をまとめた「退院時薬剤管理サマリー」を地域薬局へ送付して、継続的な支援を推進しています。

運用の課題: 薬局からの返信率が約35%と低く、患者の来局に合わせたより早期の情報提供(サマリー発行)が求められています。

多職種間の情報共有: 薬剤師と薬局間で共有された情報が、ケアマネジャーやソーシャルワーカーなどの他職種に届いていない点が課題です。



②「リハビリテーション科が担う退院支援の実践と課題~急性期から在宅までの切れ目ない支援~」理学療法士長 中川 正之さん


・リハビリテーション科では、急性期から在宅まで切れ目のない支援を目指し、入院早期から身体・認知機能の評価に基づいた退院計画を策定しています。

・具体的には、多職種と連携してADL等の情報を共有し、住宅改修や福祉用具の導入を検討することで、患者が安全に生活できる環境を整えます。これにより、退院後の窒息や転倒事故を未然に防ぎ、再入院リスクの低減やQOL向上に繋げます。

・課題は、人員不足や実施単位数が重視される診療報酬制度の影響により、カンファレンス参加などの連携業務に時間を割きにくい点です。また、地域におけるリハビリ資源の格差や、情報共有の仕組みが統一されていない点も解決すべき課題として挙げられます。



③「多職種連携を進める取り組み」地域医療連携室看護師長 吉田 麻未さんより


・背景と必要性: 高齢化や経済的困窮など背景が複雑化したケースが増加しており、限られた
労働力でこれに対応するには、専門性を活かした効率的な職種間連携が不可欠です。

• 現状の課題: チーム医療は浸透しているものの、職種間連携はまだ限定的です。連携のメリットが不明、または自業務で手一杯という課題に対し、小人数から意識を共有する「スモールスタート」でのルール化を検討しています。

• 具体的な改善策:

○看護要約の充実: 在宅側が求める情報を再学習し、退院後の異常早期発見や適切なケアに繋がる情報提供を目指します。

○外来連携の強化: 外来治療患者の問い合わせに対するルールを明確化し、対応のばらつきによる混乱を防ぎます。

• 目指す関係性: 単に顔がわかる段階を超え、互いの専門性を尊重し「信頼して任せられる関係」を構築することで、地域全体で切れ目のない支援を提供します。



【グループワーク】

○病院と在宅とのギャップをどういったところに感じますか。また、ギャップを埋めるために必要なことはありますか。

○多職種間で顔の見える関係性を構築していくにはどのようなことが必要ですか。


 

【発表】

<1グループ>

病院内の情報が在宅側に降りてこず、在宅側が病院内の状況を把握できないことが課題として挙げられた。

•またカンファレンスに栄養士などが参加できない場合もあり、限られた時間でケア、栄養、生活、食事といった多岐にわたる情報を全て共有し繋げることの難しさが指摘された。

急性期病院の多忙さもあり連絡が取りづらい現状があるが、普段から顔を知り、「あの人に相談してみよう」と思える関係を築くことが最も重要。このような研究会を継続し、顔を出して知り合い、困った時に助けを求められる関係を作っていくべきとの結論に至った。


<2グループ>

入院診療と訪問診療では求められる役割が異なるため、ギャップがあるのは当然であり、それを埋めるために密な情報共有が必要。

今後はオンラインメッセージ、チャット、個人カルテなどを活用したネットワークによる多職種間での「見える化」が必要になるとの意見が出た。

ケアマネジャーが往診に同行し医師と直接話す機会を増やすなど、他職種と積極的にコンタクトを取り、相談しやすい関係性を築くことが重要。


<3グループ>

病院でのADL能力と、実際の在宅での生活動作には情報に違いやギャップが生じやすい現状がある。

病気の予後や経過について、本人や家族がどこまで理解できているかという点に病院と在宅の差を感じるとの意見があった。

退院後に嚥下(飲み込み)のリハビリが必要な場合でも、外来で嚥下に対応しているクリニックが非常に少ないという地域性の課題も挙げられた。

サマリー等による情報共有だけでなく、退院後の情報を病院側へフィードバックすることで、入院期間中のギャップを埋めていく必要がある。


<会場グループ>

相互理解の深化: 在宅と入院それぞれの「力(強み)」を互いに深く理解しなければギャップは埋まらないため、「スモール・トゥ・ビッグ・ピクチャー」の視点で進めるべきとの意見が出た。

がん患者を中心としたACP(人生会議)や看取りに関しても、多職種連携を深める必要がある。

退院後の患者の健康を守るためには、医師やリハビリ職だけでなく、歯科医師を含む多様な職種の連携が不可欠。



【指定発言】
●近江温泉病院 総合リハビリテーションセンター部長 石黒 望さん


【作業療法士の視点と連携の重要性】
 作業療法士は、病気や障害によってできなくなった「やりたい作業」や「期待されている役割」を取り戻す手助けをしています。この使命を果たすためには連携が不可欠であり、その重要性を強く感じています。

【病院と在宅のギャップの正体】

• 時間軸と視点の違い: 病院は「退院」という限られた期間内のサービスが主体ですが、在宅はその後も続く「生活の安定」や「QOL(生活の質)」を重視します。この視点の違いがギャップを生みます。

• 情報の質の偏り: 病院は医学的情報が豊富ですが生活や家族の情報が不足しがちです。逆に在宅は生活情報が豊富ですが医学的情報は断片的になりやすいという特徴があります。

• 役割理解の不足: お互いの役割や専門性を十分に理解できていないことも、支援のスタート地点を遅らせる要因となります。

【ギャップを埋めるための対策】

• ハブ機能の強化: 早期から入院プロセスに介入し、必要な情報を各所に繋ぐ「ハブ(拠点)」的な機能を持つ部門(退院支援を担う専門職)が病院側に不可欠です。

• 「思い」の受け渡し: 単なる事務的な調整ではなく、病院側が大事に思っていること、お願いしたいこと、あるいは入院中に課題として残ったことなどを「思い」と共に共有し、生活へ繋げていくマネジメントが重要です。

【信頼関係の構築】

• 個人の関係性: 組織名でのやり取りだけでなく、「〇〇さん」という個人としての関係を築くことで連携の幅が広がります。

• 思考過程の共有: 成功事例だけでなく失敗事例も共有し、他職種がどのような思考過程を経て判断したのかを学び合うことが、連携を深める近道です。


 

●東近江健康福祉事務所 奥井 菜穂さん


【入退院調整の手引きの改訂】
 保健所では平成27年から「入退院調整の手引き」を作成しており、現在は令和67年度にかけて第4版への改訂がなされました。これまでの取り組みで連携はスムーズになりつつありますが、各職種の視点や取り組みが退院後の生活にうまく引き継がれていないという課題が見えてきていました。

【第4版改訂の重点ポイント】

 以下2点に特に力を入れています。

• リハビリテーション: 入院中のリハビリ職とケアマネジャーが早い段階から情報連携を行い、退院後の生活イメージを共有することで、在宅のケアプランに反映させる視点を強化しました。

• 口腔機能管理: 入院中に新しく導入された口腔ケアの方法やグッズの情報は、在宅へ伝わる際に抜け落ちやすいため、これらを確実に引き継ぎ、在宅での管理を継続できるようにしました。

【連携の枠組みの拡大】

 今回の改訂では、これまでの「病院とケアマネジャー」という点での連携から、ケアマネジャーを含む「在宅療養支援者全体」と病院との連携へと枠組みを広げたことが大きなポイントです。今後も病院、訪問看護、ケアマネジャーなどが連携の流れを共有できる機会を継続していきたいと考えています。

 

 

 

【連絡事項】

・第219回 三方よし研究会 令和8219日(木)18:3020:30

○当番 湖東歯科医師会

2025年12月20日土曜日

市民公開講座 心の糸~写真記者の僕が認知症を見つめ続けて気づいた光~のご報告

 このたび、三方よし研究会 市民公開講座を開催しましたので、概要をご報告いたします。

日時 :令和7年12月13日(土)14時~16時30分
場所:東近江市五個荘コミュニティセンター

〇挨拶:三方よし研究会 理事長 小串輝男医師
本日はお忙しい中、三方よし研究会 市民公開講座にご参加いただき、ありがとうございます。
本日の講座は「認知症」をテーマに開催しました。五箇荘地区では先日、この会場で認知症の早期発見訓練が行われましたが、私たちの取り組みは、単に認知症を見つけることを目的としたものではありません。認知症のある方お一人おひとりに寄り添い、その人の状況や思いを理解しようとすることを切にしています。
認知症は、誰にとっても身近で、決して他人事ではありません。地域の中でどう受け止め、ともに生きていくかを考えることが重要だと考えています。
本日は、写真記者として長年認知症の現場を見つめてこられた 松村和彦先生 をお迎えし、「心の糸」をテーマにご講演いただきます。認知症を新たな視点で捉え直す機会になることを期待しています。
本日はどうぞ最後まで、ゆっくりとお話をお聴きください。

司会:小原日出美 氏

本日の市民公開講座は、新聞記者として長年、認知症をテーマに取材・発信を続けてこられた講師をお招きし、認知症について「知る」だけでなく、「感じ、考える」機会として開催いたしました。
認知症は、誰にとっても決して他人事ではありません。本日のお話が、皆さま一人ひとりの心に残る時間となりましたら幸いです。
それではまず、オープニングとして、永源寺診療所 所長であり、三方よし研究会 実行委員長でもいらっしゃいます 花戸貴司先生 に、「認知症とともに生きる」をテーマにお話しいただきます。
花戸先生、どうぞよろしくお願いいたします。

〇オープニングアクト:花戸貴司先生(永源寺診療所所長、三方よし研究会実行委員長)



オープニングアウトでは、花戸貴司先生より、「認知症とともに生きる」をテーマにお話しいただきました。

 花戸先生はまず、日本社会が大きく変化してきた背景に触れられました。かつて日本人の平均寿命が50歳前後だった時代には、医療の役割は「病院で治すこと」が中心でした。しかし現在は平均寿命が80歳を超え、多くの人が高血圧や糖尿病、がん、認知症など複数の病気を抱えながら地域で暮らす時代になっています。
その中で、「医学や医療だけでは健康や暮らしを支えきれない時代に入っている」と指摘されました。
 訪問診療の現場での具体的なエピソードとして、認知症のある一人暮らしの方の生活を紹介され、環境を変えないことの重要性を強調されました。入院や施設入所による急激な環境変化が、混乱や症状の進行につながることがあり、できる限り住み慣れた地域・住み慣れた家で暮らし続けられるよう支えることが大切だと語られました。
 また、認知症のある方を支えるうえで、「一人で抱え込まないこと」が何より重要であると述べられました。医療や介護サービスだけでなく、自治会、民生委員、近所の人など、地域のつながりそのものが支援の力になること、そして孤立や孤独が認知症の進行や生活の困難さにつながる現実にも触れられました。
 認知症予防の観点からも、難聴への対応、運動、社会参加、役割を持つことの重要性が示され、「人と人とのつながりが、結果として認知症の予防にも、進行を緩やかにすることにもつながる」というメッセージが、参加者に届けられています。


〇講演
「心の糸 ~写真記者の僕が認知症を見つめ続けて気づいた光~」
松村 和彦 氏(京都新聞社 写真記者)


続いて登壇されたのは、京都新聞社の写真記者として、長年にわたり認知症や社会保障、ケアの現場を取材してこられた松村和彦氏です。
 松村氏は、新聞記事や写真展で出会ってきた多くの認知症のある方や家族の姿を振り返りながら、記者として感じ続けてきた葛藤や気づきを語られました。
取材当初は「認知症」という言葉に、社会全体が抱く不安や恐れをそのまま写し取ろうとしていた自分がいたと振り返りつつ、取材を重ねる中で、それだけでは伝えきれないものがあると感じるようになったと言います。
 写真に写るのは、できなくなったことだけではなく、その人が誰かと笑い合う瞬間、何かを大切に思う気持ち、日常の中で紡がれる関係性です。
松村氏は、それらを「心の糸」と表現し、認知症になっても人と人との間には確かにつながりが残り、むしろそれが浮かび上がってくる瞬間があると語られました。
 また、記者として「伝える側」でありながら、認知症のある方や家族の姿に、自身の生き方や価値観を何度も問い直されてきたこと、取材を通して教えられてきたのは「弱さの中にある強さ」や「支え合うことの自然さ」だったと語られました。
 認知症は決して特別な人の問題ではなく、誰もが当事者になりうる時代です。
だからこそ、恐れや距離を置くのではなく、一人ひとりの人生として見つめ、関わり続けることの大切さを、写真と言葉を通して参加者に伝えられました。

〇質疑応答
講演後には、参加者との質疑応答の時間が設けられました。

会場からは、
「認知症のある家族と、どのような距離感で関わればよいのか」
「地域として、何ができるのか分からず戸惑うことがある」
といった率直な質問が寄せられました。

これに対し花戸先生は、「完璧に支えようとしないこと」「一人で背負わず、周囲とつながり続けること」の大切さを強調されました。医療や介護の専門職に任せる部分と、家族や地域が担う役割を分けて考えることで、支える側も無理なく関わり続けられると話されました。

松村氏からは、「何か特別なことをしなくても、挨拶や声かけ、関心を持ち続けること自体が大きな支えになる」との言葉があり、参加者一人ひとりが地域の中で果たせる役割について、改めて考える機会となったのではと思います。

〇閉会の挨拶:三方よし研究会 副理事長 大石和美薬剤師
 皆さま、本日は三方よし研究会 市民公開講座にお越しいただき、ありがとうございました。閉会にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。 
 本日は、講師として 松村和彦先生 をお迎えし、「知ることが薬になる ― 写真記者の僕が認知症を見つめ続けて気づいた光 ―」と題した、示唆に富むお話をお聞かせいただきました。また、オープニングでは 花戸貴司医師 から、在宅医療の現場での貴重なご経験をもとにしたお話をいただき、会場の皆さまも深くうなずきながら耳を傾けておられました。
 「知ること」の大切さは、私ども三方よし研究会が目指す「地域よし」に通じるものだと、改めて感じています。
 これからも地域の皆さまとともに学び、対話し、気づきを共有する場づくりを続けてまいります。今後とも三方よし研究会の活動を温かく見守っていただけましたら幸いです。
本日は誠にありがとうございました。

〇受付では図書や赤飯の販売
〇三方よし実行委員のメンバー







2025年11月20日木曜日

第216回 三方よし研究会開催のご報告

本日、第216回の三方よし研究会が開催されましたので、ここにご報告いたします。


日時:令和7年11月20日(木)18302030

会場:東近江市文化交流センター(ZOOMによるWEB開催)

当番:東近江市役所、まちづくりネット東近江、東近江市社会福祉協議会


ーゴールー

〇地域における福祉サービスの利⽤に対する理解を拡げるために必要なことを考える。

〇住⺠による⽀え合いと医療福祉専⾨職によるケアとの協働・つながりを考える。

〇サービス利⽤における駐⾞場問題は、利⽤者・地域住⺠・専⾨職の共通の課題であることへの理解を深める 


【情報提供】

①2025年12月13日(土)に市民公開講座を開催します。今回は認知症がテーマです。講師は、京都新聞の松村和彦さんです。「心の糸 〜写真記者の僕が認知症を見つめ続けて気づいた光〜」よろしくお願いします。

②12月14日に成年後見セミナーが開催されます。寸劇もあります。この三方よし研究会でも成年後見制度が変わるんだという話がありましたけども、その改定案の最新情報なども提供いただけるということです。こちらもご参加いただければと思います。


③先ほどの市民公開講座の1213日の夜、市民公開講座の後、懇親会を開催いたします。市民公開講座の後、参加されるのもよし、懇親会だけ参加されるのもよし、メーリングリストに案内を流しておりますので、お時間ある方はぜひご参加ください。よろしくお願いいたします。


進行:東近江市地域包括支援センター:河島さん


【30分学習会】

『東近江市の生活支援体制整備事業~心豊かに暮らせる地域づくり~』

社会福祉法人東近江市社会福祉協議会 地域福祉課 生活支援コーディネーター 水谷 友彦さん


東近江市の生活支援体制整備事業の目的は「誰もが、支援が必要かどうかに関わらず、可能な限り自立して心豊かに暮らし続けることができる地域づくりを進める。」こと

・協議体とは、住民が、自分たちはどんな地域で暮らしたいかを、住民や専門職、事業者など、地域に関わる様々な人や団体が集まり、話し合う場。(ワイワイガヤガヤの雰囲気が大切)

・生活支援コーディネーターの役割は、1.地域にあるさまざまな活動や人のつながりを発掘し、その大切さを発信し、地域支え合いを推進する役割。2.住民と専門職、事業所、関係機関などをつなぎ、地域をベースにおこなわれている支え合い活動と制度のサービスが有効につながるように働きかける役割。3.くらしの困りごとをひろいあげ、その解決に向けて必要なところへとつなげる役割がある。

・第|層協議体『いっそう元気!東近江』東近江市に今必要なことを見出し、豊かに暮らせる地域づくりについて話し合い実残していく。

・いっそう元気!東近江のこれまでの取り組み…課題をテーマ化し、プロジェクト会議を立ち上げ、取り組みを進める。



・H30年〜R5年は、①暮らしを豊かにするための外出支援プロジェクト、②住民と医療・福祉の専門職がつながるプロジェクト、③農で活躍プロジェクトの3つをテーマに活動してきた。

・①暮らしを豊かにするための外出支援プロジェクトの目的…外出支援に関するニーズと資源、担い手の課題を明らかにし、暮らしを豊かにする外出支援について協議、実践すること。

・「いきがいを支える」外出支援を考えていく。公共交通機関があっても、どのように利用したら良いか分からない人もいる。使い方がわかれば利用する人もいるのではないか。地域には外出を支える取り組みや資源はあるが、担い手が足りていない。資源の整理・担い手づくり・資源を増やしていくことが必要。

・取組例1…いっそう元気!東近江×玉緖地区住民福祉活動計画推進会議にて、ちょこっとバスを活用したお出かけツアーを企画。

・取組例2…自分で運転しない いきかたを考える冊子『ほなイコ』の発行

・②住民と医療・福祉の専門職がつながるプロジェクトの目的…住民や専門職のサービス利用に対する意識を変え、その人が“心豊が”に“自立して” 暮らしていくことを“支える”ために住民と専門職がつながる方策や連携のしどころを明らかにすること。

・見えてきた課題は、介護保険サービスが目指すのは『自立支援』⇔世話になるというイメージ、サービスを使いながら地域で暮らす⇔地域のサービスを利用されたら安心という意識、地域とのつながりを切らない支援→住民と専門職互いのできる役割は?ということ。そこから事例をもとにわかりやすく伝えられないか...住民の思いを聞き、つながるきっかけができないか..身近なこと、自分のこととして考えてほしいと考え、ではまずは寸劇で伝えよう!「退院後のくらし〜あなたならどうする?」

というテーマで「いっそう元気!東近江」メンバーが寸劇で地域へ出かけることに。

・③農で活躍プロジェクトの目的…畑や野菜作りを通じて、「誰もが活躍できる機会づくり」、「いきがい」や「介護予防」につながる機会づくりについて協議し実践すること。

・ねらいは…『いきがい農業』の推進!東近江市において農業は暮らしから切り離せない。いきがいづくりや社会参加の機会となり、介護予防につながるということから、野菜などをお裾分けできる機会づくり・野菜づくりをしたい人の居場所づくり・いきがい農業を推進する人財バンクづくりとして、『おすそわけ野菜市』を開催することに。

・御園地区では40〜50歳代の女性の居場所『マハロ』の畑〜ヤーコン栽培~を実施→『いきがい農業』が拡がっている。

・もう一つの活動として、『生きがい農業のすすめ』の発行。

・各プロジェクトの取り組みから、①第1層(市域)で課題化したことを、第2層(地区)へ働きかけることで、地区域だけでは難しい課題解決を進めるきっかけになった。②市社協だけでなく、プロジェクトメンバーが主体的に、地区へ働きかけ、協議と実践を進められた。推進役と協議の場が必要であることが見えた。③課題解決を進めていくためのツールはできたが、実際に地域の課題解決につながるか検証が必要。ということで、3つのPJを終了した。


・R 6年からは新たな3つのプロジェクトで動き出している。①高齢男性の“はたらく”を通じた居場所づくりPJ、②福祉サービスの利用に対する理解を拡げるPJ、③多様な専門職の地域デビューPJ。

・①高齢男性の”はたらく”を通じた居場所づくりプロジェクトのこれから目指す方向性は、1.仕事を終え介護が必要になるまで間の“高齢男性”をターゲットに、出かけたいと思える場づくりをすすめること。2.仕事や対価だけを目的にせず、その場に役割や出番がある、頼りにされる (=“はたらく”) 機会があることで、やりがいが生まれ、自分も元気になれることを検証すること。

・取り組んでいくこととして、1.市域を対象に、元気な高齢男性が集まれる『シニアハローワーク(仮)』を目指す。「おいしい・たのしい・おしゃれ」をキーワードに。2.何に取り組んでいくかは、集まった参加者と決めていく。まずは、集まってもらうきっかけ(入口)として、実験的に料理作りから参加者を募る。

・実践として「おしゃれなスパイスカレーに挑戦しよう」企画を実施。結果、10/14(火) 参加者:5名。11/13(木)参加者:4名。12/8(月)参加者:8名予定。

・参加者の声…「声がかかれば参加するんやけど、自分からは・・・」「役があるから地域に出られる部分は大きい。多分、何もなかったら地域と繋がれていなかったと思う」「何か取り組んだことで“ありがとう”と感謝してももらえる機会(はたらく)がいいな」

・③多様な専門職の地域デビュープロジェクトについては、取り組んでいくこととして、1.南部地区を対象に『なんぶ未来会議(第2層協体)』との協働で進める。2.まずは、民生委員や福祉委員を中心に、南部地区の事業所(2〜3か所)と顔を合わせる機会を目指す。3.地域住民への参加を促すべく、高齢者分野の事業所(ケアマネ・デイサービス・サ高住など)をターゲットに絞る。

・実践として、地域住民と医療福祉の専門職が“知り合える”懇談会を10/17(金)に実施。参加者:35名。

・参加者の声…「(住民)自分や家族の誰かが福祉サービスを受けない限り接点がない。こういう機会は嬉しい」「(専門職)運営会議等でしか地域住民との接点がなかったがこういう機会があると地域とつながっていけそう」「(専門職)困った時に相談出来る場があると知れて良かった。もっと地域のことを知りたいと思えた」

・プロジェクトでの取り組み目標…期間 2026年2月まで。ゴール 課題解決or解決に向けた仕組みづくり。交流会 第2層協議体メンバーに向けて取組報告。

・第2層協議体の役割…自分たちがどんな地域で暮らしたいかを考える。★地区における住民の暮らしの課題の把握と共有 ★地区にある地域資源(宝物)と新たな資源の見える化・発信 ★地域の支え合いをベースにした必要な取り組みの推進 ★暮らしに関わる医療福祉の専門職や多様な関係機関との情報共有・連携強化 ワイワイガヤガヤの雰囲気を大事に。

・いっそう元気!東近江x第2層協議体交流会を令和7年1月29日に行った。

・「あなたのまちの集いいね」プロジェクト…★今代河川敷グラウンドゴルフ ★御園歩こうちいきんぐ ★下麻生町ラジオ体操 ★桜川西 おぶさ おしゃべり広場

・第2層協議体が地区にあるお宝探し・意味付けして発信、発行も。

・生活支援コーディネーターとして…①“サービスづくり”ではなく“地域づくり” 今、地域にあるもの、暮らしをしっかり見る。不足するものの見極め、地域住民だけに任せない。②「人の心を動かす」働きかけ、楽しい・やりがい・感動を大切に。

自分のこととして考えてもらえるように。③地域づくりを進める"仲間づくり” 一人では何もできないことが大前提。住民・専門職・民間事業所・行政・社協職員(地区担当)と共に。④「こんなこと必要やんな」をカタチに話し合うことを大切にして、一歩動いてみる。見えてきたことから、次の展開を考える。







【活動報告】

『福祉サービスの利用に対する理解を拡げる ~サービス利用における駐車場問題の解決にむけて~』

⚫︎社会福祉法人東近江市社会福祉協議会 地域福祉課 中西 知史さん


・今人と人とのつながり縁が希薄化している。血縁、地縁、社園とかいろんな家族形態の変化であったり、地域の雰囲気の変化、あとは職場でのかなり縁がかなり切れていっているというところが大きな希薄の種別になっている。なぜこうなったか、もともと日本の地域社会というのは共同体社会であって,出会いというものが人のつながりを維持していたという時代があった。そこでは個人の思いとか欲求よりも集団のしきたりが優先されて、少し息苦しい部分もあった中で、現代、お金でモノやサービスが得られるようになり、暮らしが維持できるようになって、選択の自由が得られた反面、つながれない、選ばれないことからのつながりの格差というものがかなり発生してきている。自ら孤立することを選べるようになったということも、ここの大きな変化。現在、誰もが孤立しやすい社会であって、自分自身もまた明日もしかしたら孤立化するかもしれない、他人事ではないという社会になっているということが大きな背景としてある。血縁、地縁、社員を超える、志を共にする、私たちと言える支援というものを結んでいくことが、今後の地域づくり、大事なことかなと考えている。社協の職員が地域の集い場に行った時に、住民からよく言われる言葉として、あれ中西さん最近見ないよね、デイサービス利用することになったみたいよ。そうしたら次に返ってくる言葉が、介護のプロと繋がったから一安心ね、という言葉が返ってきます。その中で、でも最近家に行っても留守が多いし、出会えへんのよっていうことで、デイサービスに行ったことで、おばちゃん飲みに行ってたお友達のところに行ってもなかなか家にいないとか、ヘルパーさんが来てることで遠慮しておこうというふうに地域の方がサービスを優先してつながりが切れていっている。プロにつながったという安心が生まれると、だんだんと地域の中での関心、その人に対する関心が薄れていくということが地域の中では発生している。サービスを使えば使うほど、地域のつながりを薄れてしまうという問題は、実は住民の方も同じようなことを感じているということがわかってきた。これは専門職と住民の共通の課題だなということも思っているところ。支え合いと専門職によるケアがしっかりタッグを組んでいかないと、今後の地域づくりが進んでいかないということが印象として残っている。

・こういうことの背景をもとに、福祉サービス利用に対する理解というものを地域の中で広げていく必要があるのではないかということでプロジェクトが立ち上がり、まずはその必要性を知ってもらう機会を作るということと、ここで大きなキーワードになったのが駐車場問題です。ここが大きな実態とか課題を地域住民と共有し、多様な人や団体との共同により解決を図っていくと。こういうことを進めながら、サービスを使えば使うほど地域とのつながりが薄れてしまうということの課題解決の糸口を探っていけたらと思い、この取り組みを進めている。八日市地区をモデルにさせていただいたんですけれども、なぜ八日市地区だったのかというと、まず高齢人口に対して介護認定者の割合が市内に最も高い地域だったということ。あともう一つは駐車場に困っている専門職の声が、かなり周辺のところから上がってきていた。でも、そういう解決に図るような資源も同時にあるよねという話もしていた中で、八日市地区の駐車場問題からちょっと取り組んでみようということで、八日市地区の第二層協議体と共同して取り組みを進めている。この駐車場問題というのは、実は訪看さんの調査資料を見ていると、実は全国的な課題になっており、専門職が停めているのに邪魔だということで苦情が入り、処置に行った訪看さんが警察の対応をしている間に処置をしていた利用者が亡くなったというようなケースも全国ではあったというふうに聞いている。人によっては苦情から出て行ってほしいと地域の人に言われたり、駐車料金がかかってしまうので、サービスやめとくわと言われる人もおられるということも聞いている。駐車に関して警察に許可を得るということもあるかと思うが、警察の許可はあくまでも警察が許可を出しているだけであって、止めている地域の住民が理解をしているわけではないので、どっちにしても苦情につながってしまうということが出てきている。背景にあるのは先ほどのつながりの希薄化とか社会的な孤立というのが地域の中でも発生していて、この駐車場問題を大きく促進しているような形になっているのではないかというふうに見ている。

・こう思っていくと、地域住民もサービスの利用者も家族も、医療福祉の専門職もみんな困っていると。何とか協力し合えないのかというのがこのスタートになる。というところで八日市地区の方でサービス利用に対する理解を広げる懇談会というものを開催して、駐車場問題を大きく取り上げている。その中でまず最初に駐車場で困っている人の声と専門職の困り感ということで、訪問看護聖書の狩野さん、今日お越しいただいているウェル青葉の小林さんに報告をしていただいた。狩野さんからは、私たちの仕事には車が必要ですということで、訪看業務は特に荷物が大変多い中で、歩いての訪問というのはなかなか考えられないというところもあるし、処置するということが大前提に言ってくれているので、特に緊急訪問になったらすごく困るというふうお話だった。その後、ウェル青葉の小林さんから、事業所のケアマネさんが、どれだけ駐車場問題に困ったかというところを数字でとったところ、2日に1回は駐車場に困っていたというところから、住民の皆さんに実はこんな課題があるんだよということをお話しいただいた。その後、グループで話をしてもらった。この駐車場問題については、保健センターとか障がい事業所さんも参加いただき、乳幼児訪問や障害者の訪問など、高齢者支援に特化した課題ではないよねということも共通認識できたと思っている。住民さんの声としては、親もサービスの利用をしていてお世話になっていたと。できることは協力したいという住民さんの声と、あと専門職がこんなことに困っているっていうこと自体を知らなかった、でも今日来てみてよくわかった、住民に広く知ってもらうことが大事だねということが話としては出てきている。また駐車場には孤立という問題が大きいのだな、自治会未加入の人やアパート住民というのは地域の中でも分からないし、こういった方のところにどのようなサービスが来ているのかなということは、地域住民としても分からないなという声もあった。同時に嬉しかったのは、自治会の空きスペースなら使ってもいいよという声。早速すでに自治会の駐車場を使っていただいているということも出てきている。あとは、商店など理解を求めて停められるところをマップ化できてもいいよねという声を住民さんからもいただいているところで、この駐車場問題の解決に必要なことを整理させてもらった。

・1つは、一人でも多くの方に福祉サービスの現状や課題、駐車場問題について知ってもらう。これだけ専門職が一生懸命、本当に忙しい中でも利用者の支援をしていただいているということ自体を、やはりもっと広く地域の人に知ってもらう、そこで起こっている課題も知ってもらうということも大事だねっていうこと。2つ目に駐在に関する仕組みとルール作り。借りれるからと無法地帯のように停めたら、それはそれでまた苦情になったり、信頼関係を失うことにもなる。協力いただける側にもメリットがあるように、このルール作りができたらなということ。もう一つは駐車に協力いただける場を増やすということで、このルールができたら、このルールを持って各商店や自治会に回って場所を広げていくということをしないといけないと思っている。やはりみなが自分ごとで考えるということをしていかないと、なかなか進んでいかないことだなと思っている。で、こういった駐車許可証みたいなものを今ちょっと作成中で、これを事業者さんの車のボンネットに置いていただき、訪問中ですということとか、事業所の名前を入れていただくような、今こういうパネルみたいなものを作らせていただいているところ。あとはお店側にもこのような社会貢献をしているということも分かるように、福祉サービス車両の駐車に協力していますみたいなシールもできてもいいかなというふうに思っている。

・この駐車場問題を広げていくということも大切だけれども、やはり理解と思いやりをもう一度地域に広げていくということが何より大事なことなのかなというふうに思っている。で、その理解が広がることで、駐車場の問題以外にも、いろいろ解決してくれることもあるんじゃないかというふうに思っている。やはり福祉サービスが必要になっても、これまで培ってきたつながりと暮らしを継続できる地域づくりを目指して、住民性と専門職ができることを持ち寄って協働していくということが大事なことかなというふうに思っている。







⚫︎いっそう元気!東近江(第1層協議体) ウェルあおば介護相談室 小林 秀子 さん


・この駐車場問題、一体いつから困っていたのかというと、介護保険が始まって25年経ちますが、最初の頃から困っていました。もともとその前の在宅介護支援センターというところでも仕事してたんですけれども、その時から訪問すると、車停めるところがない、しょうがないので、家の前に停めさせてもらうっていうようなことがずっと続いていました。今は車に事業所の名前がついていると、ああ、ケアマネさんなんやなとか理解していただけるような風に広がってきたんですけど、当時はそれもなかったので、介護保険とか福祉の理解もなかったので、この問題ってずっと何十年も続いている問題でした。でもまたその困っているということを今まで人に言ってきませんでした。自分たちでなんとかして、路駐でしょうがないかなとか、近所の自治会さんにお願いしたり、自分たちでは2日に1回困ってなんとかしていたんですが、誰かに助けてもらうという方法が,なかなか見つかりませんでした。途中は包括支援センターさんに相談したり、あと市営住宅などでも困ったので、住宅課とかに出向いて相談したこともあったんですけれども、後で分かったことなんですけど、そちらも同じように困っている側で、なかなかその解決には至りませんでした。

・で、私、今はその一層元気のメンバーなんですけど、生活体制整備事業っていうのも知りませんでしたし、一層、二層っていうのも、それは何なんだっていうぐらいで、なかなかそういう困りごとが解決できるような場があるということも知らなかったので、今までこういうことになりませんでした。で、10月23日に懇談会に参加させてもらいました。

・いつもは相談を受ける側なので、困っているということを自分から発信すると、こんなに助けてくれるという声がたくさん集まるんだなとすごく実感しました。で、その話し合いをしている中で、だんだん地域の皆さんが自分ごととしてこの駐車場の問題を感じてくださっているということを、時間を追うごとに肌で感じることができました。自分の家の前の道は狭いから、皆さんに来てもらう時になったらきっと困るわみたいな話をしてくださる住民さんもいらっしゃいましたし、自治会の役をしてるんやけど、あの自治会の駐車場は空いてるから、今すぐにでも使ってくれていいよとか、具体的なご意見や案もいただきました。今までその地域の人たちと直接このように沢山の人数で話し合うという機会がまずありませんでしたし、それはすごく新鮮でした。専門職だけの困りごとと思っていたんですけれども、その懇談会を通して、住民さんとの共通の問題というところにシフトできたなって感じました。

・で、こうやって一緒に考えることってすごく大事だなと本当に思いました。ケアマネジャーは問題が起こったら、解決する方法を作らなくちゃいけないみたいに習っているんですけれども、その方法が今までやっぱりわからなかったんですね。でも社協さんと一緒にいろいろ動くことで、これって他の専門職が感じている問題とか、なんとかしたいなとか、これはなんとかならないのかなっていうような問題を、ここの場でならいろいろ解決していけるんじゃないかなっていうように今は感じています。で、それがやっぱり地域の皆さんと一緒に考えるということで、地域の皆さんと専門職の壁みたいなものがどんどんなくなっていったらいいなと思っています。


【グループワーク】

テーマ『サービス利用における駐車場問題を考える』

〇専門職として駐車場が無くて困ったことはないか? 苦情につながったことはないか?

〇駐車場が無い問題にどのように対応をしているか?

〇福祉サービス利用に対する理解を拡げ、駐車場問題を解決していくために必要なことは?



【発表】

<1グループ>

・大阪から参加しております、高齢社会をよくする女性の会、大阪の梅本と申します。4年ほど前に母を見送りまして、今は妹が要介護2で、週に1回、妹のケアに通っていたりしておる、ケアをする側の立場として参加をさせていただきました。

・今日のテーマ、すごく大きいテーマだなと。介護保険始まる前からずっと、やっぱりそのそれぞれの専門職の方の課題になってたということが、なぜこの25年間、そのままなんとなく解決がしているような、いないような状態になってたのかということで、どのようなことに困っているのかということを第1グループのところでは最初に出し合い、内容をそれぞれ出していただいたわけですが、例えば地域によっては、どのおうちに駐車をさせてくださいとお願いすることが、次のその地域とのいろんな話につながるので、非常に気を使うというようなことから、ネットワークがあって困っていないという方とか、実際に駐車禁止のところに知らずに停めてしまって、罰金を自費で払わされたという話から、非常に幅広い困りごとがありまして、私の方からは、都会のヘルパーさんたちの移動は自転車なんですが、その自転車ですら、しばらくの間止めるということも困るというような経験をされているヘルパーさんたちが結構いらっしゃるっていうようなことも紹介をさせていただきました。

・どういうようにこのことを解決をしていったらいいのか、具体的にじゃあどうしていくのかということに関しては、地域と、その地域といっても地域住民の方のご理解、地域の企業やお商売されているところの理解、事業者同士の連携による理解というような、それぞれのレベルがあるだろう。で、具体的に協力をしていただいた方に、協力してますシールを出す、それでその企業や商店の地域での認知度が上がるみたいな工夫と同時に、実際にコインパーキング満杯で停められないとか、いろんな形での実害が起こることについては、やはり行政、自治体の方からの支援金など制度の設備が必要なのではないかなと。

・だから、一方だけでの解決だけじゃなくて、それぞれがその困りごとをきちっと寄せ合って話し合う。で、今までは表に出し切れていなかったことをきちっと表に出して、話し合って、問題提起をしていくということから始めていくのが大事かなという受け止めをさせていただきました。



<2グループ>

・私たちのグループでは、工夫として、訪問する前に、事前に訪問先に駐車スペースの確認をするという工夫をそれぞれされていましたが、やはり利用者さんがここ止めていいよと許可してくださっているスペースに停めた場合であっても、他の方、地域の方からクレームがあることもあったという意見がありました。お隣さんなどからクレームが来ると利用者さんにも迷惑がかかるということで、やはり地域のつながりが大事だなというような意見がありました。

・先ほど中西さんからも紹介があったように車の方に掲示できるマークがあると安心かなというように思いますし、地域でやることも大事なんですが、社名の入った車で来ないでほしいという希望の利用者さんもいるということで、地域だけでなくて、全国的にというか広い範囲での理解、協力が必要なのかなというふうに思います。



<会場グループ>

・福祉サービスのあの公用車車については、火事場の消防車と同じような認識で住民が理解をしないといけないんじゃないか、市民に正しいことを理解してもらわないといけないんじゃないかという話もありました。警察の方も、そういう困り感があるということを理解しておいてもらいたいということもあるのかなというふうに思ってます。

・この問題に関して私も取り組む中で感じるんですが、本当に地域性によるなというところがあります。田舎の集落、農村集落であればそこまで困ることはないけれども、駅前とか大きなアパート、マンションが建っているところには、なかなか停めるところがなかったりというところがあるよねという話もしていたところです。家族が配慮してもらえるところはいいけれども、家族がなかなか協力的ではないというところももちろんあるし、難しいところもあるよねと。

・この懇談会をしたことで、皆さんからお話がありましたが、専門職は住民のことをあんまり知らないし、住民は専門職のことをあんまりわかってないよね、事業所のこと知らないよねという中で、やはり互いの相互理解みたいなものが今後も必要じゃないかと。この駐車場問題に限らず、そういう関係性が作られていくことが必要なのかなということを話していたところです。


【指定発言】

⚫︎東近江警察署 交通課 阪口 優樹氏(メッセージ代読)


 いつもお世話になっております。東近江警察署には、定期的に地域住民等から数件の医療福祉関係者の駐車に対する苦情や問い合わせがあります。苦情や問い合わせのほとんどは、既に警察で駐車許可をしている事業所の車両です。警察に届け出をしても、そんな許可を出していることを地域住民は知らないことが多いため、通報が入ってしまいます。通報が入れば、ある程度の配慮はできますが、訪問中であっても事情を聴かざるを得ません。そう考えるとどこまで行っても、この問題の解決には地域の理解が必要であることは明らかです。通報があるということは、その地域に暮らす住民にとって危険な場所に駐車されているという認識だからだと考えます。

 いっそう元気!東近江の駐車場問題を考える取組は、地域の理解を拡げるとともに、地域の空きスペースや商店などに壁車協力を得ていくことで、甚大な交通事故を未然に防止し、交通安全の面からも、住民の命と暮らしを守る取組につながると考えています。

 本日は出席が叶わす、申し訳ございません。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。



⚫︎東近江市福祉政策課 主事:林 友望 さん

 生活支援体制整備事業なんですけれども、簡単に言うと、高齢者の方が地域で安心して長く暮らせる地域づくりをしましょうということで、今生活支援コーディネーターの方であったり、各地区の協議体でいろいろ活動をいただいているんですけれども、やはり重要なこととしましては、その地域にお住まいの方が、介護予防であったり生活支援に対する理解というものを深めていただくということが必ず重要になってくるかなと思っております。で今回活動報告いただきました駐車場問題に関しても、やはり福祉サービスに関する理解というものがどうしても重要なテーマになってくるかなと思います。活動報告いただきました懇親会では、この駐車場問題というものを、そもそも困っているということを知らなかったという地域住民の方の意見もありましたので、やはりこういう活動をどんどん続けていくことで、福祉サービスの利用に対する理解を深めていただくとともに、介護予防であったり生活支援への地域住民の理解の広がりの一つとして、駐車場問題が切り口になることを望んでおります。


⚫︎東近江市福祉政策課 係長 竹岡 俊輔 さん

 この生活支援体制整備ももちろんですが、福祉政策課と致しまして地域福祉というものの推進というものも事業としてさせていただいているところです。この地域福祉の推進をいつも考える際に、地域住民、地域との相互理解を進めていくことで地域福祉が叶うと、ざっくばらん
に理解をしていますが、
一つの問題を捉えて、一つずつ考えていくということもすごく大事だというふうにも考えておりまして、今回のこの駐車場問題につきましても、皆様がこうやって真剣にご協議なさって、今後どうしていったらいいんだろうかというようなところを考えていただけることにつきまして、本当に心強く思っているところでございます。東近江市ももれなく今後高齢化ですとか、あと障害分野につきましても、そのサービスを受けられる方の数が増えるというのは避けられないことかなと思っております。そういった中で、今のような駐車場問題というのは、今後これからもまだまだ続く問題というようにも考えられると思います。ですので、やはり福祉の分野というのを、地域住民の方は、やはり自分が関わらないと、どうしても他人事よそ事に考えてしまわれる方がいらっしゃるのも仕方がないことだと思いますけれども、そこを皆様のご協力を得ながら、行政といたしましても、働きかけをさせていただいて、そのご理解が少しでも進み、この問題に端を発するような、地域福祉の推進に伴って解決できるような問題が少しでも前向きに進めばなというところを考えております。




【連絡事項】 第217回 三方よし研究会 市民公開講座 

日時 令和7年12月13日(土)14:00~16:00

当番・会場 東近江医師会 / 五個荘コミュニティセンター