三方よしカレンダー

2016年10月29日土曜日

第107回三方よし研究会報告

日時:平成281020日(木)18:3020:30
場所:東近江市愛東支所(じゅぴあ)第1会議室
当番)神崎中央病院、東近江介護支援専門員連絡協議会、東近江介護サービス事業者協議会介護支援部門

ゴール
・在宅復帰に向けた、リハビリテーションの役割を学ぶ
・高次脳機能障害患者の在宅退院支援について、多職種連携の必要性について考える。
・顔の見える関係・ネットワークを作り、連携を深める

情報提供
・がん患者力・家族力向上事業 1126日(土)

・くすのき祭について 1022日(土)
・在宅歯科医療研修会 1123日(水・祝)
・近江八幡総合医療センター 1022日(土)脳卒中市民公開講座、
・ヴォーリズ記念病院緩和ケア10周年記念講演会 1022日(土)
・三方よし研究会2月、3月開催の内容変更について

司会進行:神崎中央病院 浦野さん
話題提供
 神崎中央病院での在宅支援の取り組み:地域連携室 山本さん

 医療法人 医誠会 の紹介
  神崎中央病院400床、維持期と回復期を担う病院
   回復期リハビリテーション病棟 土日祝日含め1日7単位以上のリハビリを実施
    平均在院日数 80.3日、在宅復帰率が高い(9割以上)
   人工透析 透析機38台(入院45人、外来40人)
   レスパイト入院、療養病棟・障害者病棟がある
  エスペラル近江八幡
   入所150人(うち認知症50人)
   パワーリハビリテーション
   スタッフ:看護師19人、PT6人、OT1人、ST1
  

  訪問看護(訪問看護ステーション神崎)
   24時間365日の対応体制、在宅看取りを含めて対応している
  居宅介護支援事業所(ケアプランセンター神崎、ケアプランセンター近江八幡)
   
活動報告等
 入退院支援についての取り組み報告:東近江圏域介護支援専門員連絡協議会 楠神さん
  アンケート調査を実施、結果をふまえ、入院情報提供書、退院前の聞き取りシートを見直した。
  疾患の観察ポイントと医療連携テキストを作成(脳卒中・虚血性心疾患、誤嚥性肺炎)
 ・入院時情報提供書
  ケアマネジャーは、2日以内に77%の情報提供を行っている。
  急性期病床に連携を図るため
  この人となりがわかるように「生活歴」を追加
  リハビリの内容を追加

 ・退院前のききとりシート
  退院後のスムーズな移行のため、聞き取りを行っている
  プラン作成の注意点
  リハビリの継続の有無など

 ・疾患テキスト(誤嚥性肺炎、虚血性心疾患)
  
 あくまで、これらは顔が見える連携を成し遂げるためのツールである。これからも顔の見える関係づくりをしていきたい。


症例報告
 高次脳機能障害患者の在宅退院支援症例  リハビリテーション科 佐藤先生

  60歳代 男性、外傷性くも膜下出血、外傷性硬膜下血腫など
  生活背景:平日は大阪で長男と生活、小学校の非常勤講師。週末は滋賀県で妻・次男と生活
  *長男・次男との折り合いは悪い。
   長男:精神疾患あり、生活江南の支援が必要、次男:生下時より障がいあり
  原付バイクにて事故、障害が残る。感覚性失語、

 在宅復帰に向けたリハビリについて    PT三橋さん、OT中川さん、ST高田さん、NS戸嶋さん
  入院初期は、麻痺は少ないものの、おむつはずし、急に動き出したりして危険。汁物を箸でつまもうとするなど、辻褄の合わない言動が目立つ。注意力も低下し、一度他のことに移ると元に戻ることは困難。
  1〜2ヶ月、イレギュラーな事が起こるとパニックになりやすい。時間設定が困難。
  言語機能、感覚性失語
  3〜4ヶ月、時間を見ながらの生活は困難だが、かなりできるようになった。自宅退院に対し、妻の不安が大きい。子どもと同居できるか不安が強い。
  言語機能について、間違いを自覚できるようになってきた。

  5〜6ヶ月、時間を気にしながらの生活が可能。現状に対する焦燥感の増大。
  言語機能について、ジェスチャーで伝えることができるようになった。文字での表現も可能となってきた。自分の間違いを訂正することができるようになってきた。

  現在、外来での言語機能訓練を実施している。何から話しをすればいいかわからない、同じ内容を繰り返すことがある。話題の移り変わりが多い。多弁傾向。
  文字もだいぶ書けるようになった。辞書を使用しながら日記等をつけている。

退院後の生活:清掃など、地域の活動に加わるようになってきた。
本人は、働かなくてもいいかと思うが、社会参加をしたいとの思いはある。
奥さんは、今後を考えると働いて欲しい。
本人の長所・問題点
真面目で勤勉、
  
 滋賀県脳高次機能障害支援センター 田邊さん
20164
退院後、本人と面談
5月、障害福祉サービス利用に向けて市に相談。まずは介護保険事業所利用について進めて欲しい。
6月、高齢者デイサービス(リハビリセンターあゆみ)見学同行
7月、高齢者デイサービスにて週1回の通所リハビリを利用
「どうすれば上手くできるか」について常に考えておられることが、回復への大きな鍵になっている。




 在宅支援について            東近江市地域包括支援センター 古谷さん
ケアマネジメントの依頼
本人:まだまだ自分はできないことがあるが、人の役に立ちたい。いずれかは何かの仕事に就きたい
奥さん:無理はしないで欲しい、話が止まらないので人に迷惑をかけないで欲しい、こんなに良くなるとは思っていなかったので、嬉しいです。

在宅生活を過ごして
 人の役に立ちたいが、なかなか活動できる場所がない。自宅でできることをやっている
 図書館にいくのが日課、病院からの宿題(リハビリ)を続けたい(歩いて1時間)
 行動範囲を広げたいので、自転車に乗れるようになりたい
 奥さんは、脳障害で障害者認定とはならないのか?
 ケアマネは本人の居場所づくりを目指している

施設内での活動について リハビリセンターあゆみ平尾さん
 「人のために何かしたい」を支援する
  →あゆみ内で担える役割づくりを行い卒業(就労?)を目指す
 強みと課題
 何に対しても意欲的、注意の持続は1時間以上可能、学習能力がある
 注意の分配ができない、人を見下す傾向、会話が止まらない、時計を見て動けない
 
 身体機能訓練に加えて、タイムスケジュールの作成、園芸サークル、ホワイトボード献立記載、
 自主学習では、本の内容を発表、体操では一番前に出て参加


グループワーク   進行 佐藤先生
 地域・家庭内での役割の早出や、就労に向けた取り組みについて、どのようなことができるのか?
 ・退院支援について
 ・本人の役割の創出について
 ・在宅でのリハビリの継続について
 ・作業所等も含めた就労支援について
 ・高次脳機能障害の方が働ける場所について

発表
Fグループ:復職支援の体制、リハビリのゴール設定、本人の考えを尊重することが重要。
Eグループ:本人に対してのアプローチがよくできている。家族へのアプローチも考えるべき
Dグループ:身体機能の評価、その後、高次機能障害へのアプローチ、周囲の方の理解を進める
Cグループ:役割の創出、ケアマネとの連携だけでいいのか、包括ケアが必要、シルバー人材センター、草むしりなどの軽作業はどうか?
Bグループ:症状、年齢を考えると仕事は難しいのではないのか?学校の先生はプライドが高いのではないか?家でできることをやりながら考えていけばいいのではないか?内職などは?
Aグループ:この患者さんは、リハビリを頑張っておられて回復力がすごい。環境がとてもいいのではないかと思われる。このケースをモデルにこの地域で広めていけばいいのではないか
Kグループ:就労は難しいのではないかという意見が多かった。この人をどのように活躍させてあげられるのか?夜間の「こども食堂」などの指導者などは。地域が受け入れられる共通認識を作るのが大切なのではないか。
Jグループ:高次脳機能障害の正確な評価が必要ではないか。障害者の申請をされているとのことですので、障害者支援団体、ハローワークの障害者雇用枠を利用すればいいのではないか。奥さんと一緒に決めていくがいいのではないか。

コメント 神崎中央病院 リハビリテーション科 佐藤先生、その他


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