本日も第178回の三方よし研究会がZOOMオンラインで開催されましたので、ここにご報告いたします。
◇日時:令和4年10月20日(木) 18:30~20:30
◇会場:zoomによるwebで開催
(中心会場 NPOまちづくりネット東近江)
(当番:東近江市、東近江市社会福祉協議会、まちづくりネット東近江 )
全体進行:小串輝男先生
【ゴール】
◯東近江圏域の就労支援を知る。
◯福祉サービスの「受け手」から、「担い手」になる支援策を考える。
◯地域の中での役割&働く場の創設について多職種で考える。
司会:金子尚美さん
【30分学習会】
『あなたのくらしを一緒に考えます!』東近江市健康福祉政策課:上田仁志さん
・自立相談支援事業というものがある。その概要。
・困っていることに対し、受けられるサポートと利用できるメニューをつなぎ、支援プランを作成する。
・就労支援の内容① 就労支援員を配置し、就労決定や定着を応援する。ハローワーク相談員や商工労政課(しごとづくり応援センター)と連携もする。
・準備段階では、就労準備支援事業にて、障がいが疑わしい方等への専門的なサポートが可能であったり相談者本人に合った働き方の提案を行っている。
・就労支援に活用できる資源も様々ある。
・今後の課題は、就労アセスメントの難しさ、関係機関のつながり情報共有、高齢者の活躍できる場の不足、障害者支援担当者との連携、がある。
・就労支援会議の定期開催を令和4年度から行っている。
『社会福祉協議会 _相談支援課の取り組み』相談支援課:光井哲也さん・宮垣千晶さん
・S & S(スマイル アンド スタンド)とは
・社会から孤立している方と地域や社会とのつながりを作り、社会参加や就労へのきっかけ作りを目的とした居場所のこと。
・これまでに行った活動としては、市内の企業からのダイレクトメールの封入作業や、商工会議所からのイベント準備、ハートピア近郊での畑での野菜づくり、二五八祭りスタッフ、フードデイ25(年末食糧支援)などがある。
『作業療法士兼編み物作家のものづくり支援事業』Opull:高田優さん
・2020年、作業療法士として働いてきた病院を退職し、2022年社会福祉プロジェクトOpull(おプル)を起業した。
・Opullとは、「ものづくりを通して、なりたい自分へ」を目指す社会福祉プロジェクト
・きっかけは、医療福祉サービスを受ける方の多くはやりたい作業ができていない、ただ現状のマンパワーや仕組みでは対応が難しい、特に報酬を伴う仕事と役割。なら起業して自分がものづくりを仕事として依頼すればよい、との思いからスタートした。
・仕事としてのものづくりの提供では、役割ややりがいを持っていただく、サービスの受け手から担い手になっていただく、商品を適正価格で販売し報酬としてお渡しする、ことを目的としている。
・医療福祉と地域をものづくりでつなぐイベントも開催している。
・資金確保や広報活動の現状、知ってもらって活動の場を広げる必要がある。
・今後の課題は、実践の積み重ね、ターゲットを明確にしたブランディングやマーケティング、資金確保の仕組みづくりなど。
『若年性認知症の方の働く場&役割作りについて』集楽:楠神渉さん
・2019年に地区唯一のスーパーの閉店が決まり、地元民の困惑が広がった。翌月には住民が中心に再建のための寄付を募り、一定額以上の協賛金が募ったため、新店舗開催に向けて動きした。・そのため課題解決に向け、スーパーを視察したり、移動販売に同行したり、イメージ図を作ったりした。
・その結果、移動販売車を低価格で譲って頂いたり、店舗を住民皆で改装したりして、2年の歳月を経て新店舗のオープンまで漕ぎ着けた。当日は市長ほか多くの方から応援を頂いた。翌月には移動販売もスタートした。次に健康と働く場をキーワードに、ヘルス&ワーク倶楽部を開始、若年性認知症の方がクッキーを作り提供したり、英語クッキー作り、小物作りなど様々なことを行っている。
・最近では、地域サロンや移動販売とケアマネジャーがつながることで、閉じこもりやフレイル予防支援につながっている。また保健師や作業療法士リハビリとつながったり、子供たちの活動の場に繋がったりしている。
・介護保険ができて20年。地域家族の関係が希薄になった中、新たな居場所作り、相談場所があることが大切だと感じる。住民を中心とした、地域家族各種団体のつながり作りが大事。
【活動報告】
『難病患者の働く場について』 喜里:井上克己さん
・現理事長の体験として、約25年前に多発性硬化症を患い、職を求めてハローワークへ行き、病気をオープンにすると「病気を治してから来てください」と言われた。
・現在もまず「障害者手帳を持っていますか?」と聞かれる。確かにいろんな制度は受けられるが、昔とそれほど状況は変わっていない。
・再生不良性貧血の30代が当作業所に来たが続かなかった事例や、潰瘍性大腸炎の女性のためいつでもトイレに行ける環境の整備、脊髄小脳変性症の方ができるだけ長く働き続ける工夫など、色んな工夫や配慮がいる。
・大事にしているのは、「強み」と「弱み」がわかっていること。
・2013年に難病応援センターが五個荘小幡町に開設予定。ぜひ皆さんに知ってほしい。
【グループワーク】
テーマ『地域の中での働く場&役割作りについて』
視点
〇それぞれの立場(各専門職)で取り組めること。
〇多職種で、どのような連携ができるのか?
〇地域の中での役割&働く場の創設
【発表】
[1G]
・いろんな取り組みを見ることができたし、ここからつながりを作っていくことができればなと思う。でないと続いていかない。
・就労支援は継続していくことが難しい、フォローアップができにくい。
・医療機関は閉鎖的?無料での取り組みもできればよいとの意見があった。
・ヴォーリズ記念病院でも4月より就労移行の支援事業を始めるのでとても参考になった。
[2G]
・アルコール中毒患者さんが、身体は良くなったが社会となかなか繋がれない、リハビリを一生懸命行い回復したが、その先がない、自分のせっかくの強みを社会が生かしてくれない、等々のいろんなジレンマを抱えている人たちがいる。
・どういった人たちと繋がったらよいのか。例えば地域のサッカーチームが訪問してくれたことで身体が動くようになった例もあり、そのようなマッチングの場があるとよい。
[3G]
・働くと言う事は生きがいにつながる大事なことだとあらためて思った。
・支えようとすると、なかなか悩む。相談窓口はたくさんあるが、知らない人もたくさんいるので、周知がやはり大事。
・働ける場をいかにつくるか。
難病センターやOPullの活動を知り、マーケティング、プランニングもやはり必要、医療福祉からもっと広げて考えていかなければならない。
・医療の強みといえば、その人のできる技術、できない技術の評価こそではないか。
[4G]
・就労支援の方からは、簡単な軽作業、草むしりなどでも貢献できるとの意見を聞いた。
・商品を買いたいから買うという、一般の方が興味を持つ形に持っていけるのはよいなと思った。
・居場所が感じられるカフェなどの取り組みの形はいいなぁと思う。
・近くにラスクを作っている作業所がある。一般流通の場にでも障害者の物を置けるコーナーができるなどの形になればいいなと思う。
[5G]
・仕事をする側の壁と、仕事を作る側の壁がある。需要と供給があり、うまくつなげられるとよいのだが。
・どの人とつながっていくかが課題。
・単なる単純作業では物足りなく長続きしない。地域の中でどのような方がどういった活躍をしたいのかを把握することも重要。
【指定発言】
●東近江市地域包括支援センター センター長:河島克彦さん
●喜里 井上克己さん
パーキンソン60代ご夫妻の相談をついこの前受けた、それは元僕の上司であり教頭だった。やはり仕事の前に生きがいの視点、どういう生き方をしたいのか、どういう思いで生きてきたのかを知ることもとても大事です。その方の全体を知ることであり、働く事はその1部なんだと思います。
【自己紹介】
初めてご参加の方を中心にご紹介
【連絡事項】
第179回 三方よし研究会 令和3年11月17日(木)18:30~20:30
○当番・会場 東近江敬愛病院、東近江圏域介護支援専門員連絡協議会
今回もご参加の皆さま、お疲れ様でした。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
また来月もお楽しみに!
0 件のコメント:
コメントを投稿