三方よしカレンダー

2025年9月18日木曜日

第214回 三方よし研究会開催のご報告

 本日、第214回の三方よし研究会が開催されましたので、ここにご報告いたします。



日時:令和7 918 日(木)18302030

会場:ZOOMによるWEB開催

当番:近江八幡市立総合医療センター

 

ーテーマー

独居で認知症のある方の退院支援・地域との連携について~急性期病院の現状~

ーゴールー

認知症患者の理解を深める

地域での多職種による連携を考えることができる

 


【情報提供】

 ①11月15日(土)「東近江市社会福祉大会」五個荘コミュニティセンターにて



②11月9日(日)「第11回多職種キャリアアップ研究会」米原市役所本庁舎1階にて 

③10月11日〜12日「第32回日本ホスピス・在宅ケア研究大会全国大会inなにわ」大阪コロナホールにて




進行:患者総合支援課 山田明美さん


【ご挨拶】近江八幡市立総合医療センター 白山武司 院長


今日は認知症のケアということで、皆さん頑張ってご意見いただけると思いますので、期待しております。よろしくお願いします。 


【学習会】

「認知症患者のケアについて」

近江八幡市立総合医療センター 認知症看護認定看護師 中村亮太看護師


・急性期病院での認知症ケアとは、入院目的である疾患の治療効果を最大にして回復を図るとともに、認知症の悪化を予防し、1日も早い退院を実現する事

・認知症者が入院するリスク 入院すると認知症が進行する!?入院を契機に機能低下や活動性低下(転倒約2.5倍)、またはせん妄(4〜8倍)・BPSD(60%)が起こり、その結果として認知機能の低下が不可逆的に残ると言われる

・入院する認知症者への介入 病院スタッフは“生活者”としての能力が非常に低下した状態で出会うため、現状だけを見
て評価すると「出来ない人、わからない人」を作り上げてしまう

・その際のPOINTは、入院前の生活背景を知り、①現状とのギャップを埋める手助けをしていく、② “隠れ認知症”の発見、ケア介入

・入院前の生活を知るには、本人家族からの聞き取り、診療情報提供書、看護サマリー、入院時情報提供書、等がある

・認知症者を観察する視点には、OLD(初期認知症徴候観察リスト)がある

・認知症者の退院時支援として、入院前と後の生活機能のギャップを医療の継続や介護福祉サポートにより埋めていくこととなる。そのため移行期支援を手厚く、機能低下の理由を捉え介入していく必要がある




 

「近江八幡市の認知症に関する取組について」

近江八幡市東部地域包括支援センター 保健師 山本あい子センター長

・地域包括支援センターの役割 ①高齢者に関する総合相談窓口、②高齢者の生活を支える総合的な支援(介護予防・権利擁護・包括的支援)、③認知症の方への支援や取り組みは重要な柱のひとつ

認知症に関する相談内容(現状) 本人・家族からの最も多い相談例として、もの忘れの対応や受診、介護サービス申請や利用の仕方、家族の負担、介護疲れ、行動・心理症状(BPSD)への対応 などがある

・事例紹介<事例1>70歳代/男性 独居生活保護受給要介護2脳血管性認知症の方。金銭管理ができない、近隣友人への借金や薬の飲み忘れなど。デイ・訪問介護・訪問看護・短期入所・福祉用具利用し、社協地域福祉権利擁護、法テラス相談。成年後見制度申し立ての支援、地域ケア個別会議など。

・事例紹介<事例2>70歳代/女性 高齢世帯→独居要介護1 糖尿病にて受診中。近隣住民より、もの忘れが気になると包括に相談。本人物忘れの自覚なし。年金を夫婦でパチンコで使ってしまい日常生活上の支払いができない。社協地域福祉権利擁護事業につながるが本人は金銭管理支援を断固拒否される。社協や包括支援センターが訪問継続して対応。夫入院するが奥様ヒッチハイクで病院へ行く、面会したことを忘れて繰り返すなどを経て体調悪化で入院、その後養護老人ホームへ措置入所。

・支援内容として、①医療機関・ケアマネジャー・介護サービス等と連携した支援、②金銭管理に関する社協との連携・成年後見制度申し立ての支援、③近隣住民の理解・見守り体制、④本人への意思決定支援、生活支援、⑤認知症初期集中支援チームとの連携など。早期の受診や診断につながることが非常に大切。医療の対応、連携により支援がスムーズに。

・課題や困難に感じること 身寄りがない、親族の支援が得られない、家族の介護力が弱い/関わり拒否/経済面(金銭管理ができず、水道光熱費の滞納、サービス費や食費が確保できない等)/家族の孤立、介護者の負担感の大きさ・・・虐待に至るケースも/医療へつながるのが遅い。早期に診断をうけるがサービスにつながらない/地域の理解不足や偏見(行動の誤解など)/支援が長期にわたる。地域福祉権利擁護事業利用調整、成年後見制度の申し立て支援 など

・関係機関との連携 医療機関・薬局/ケアマネジャー・訪問介護・看護等のサービス事業所/民生委員、自治会、地域住民/銀行、郵便局、配食業者、スーパー/警察・行政部門など、相談経路は多様。支援も多職種チームで「切れ目のない支援」を目指したい

・近江八幡市の取組みとしては、認知症カフェの開催(勉強会、交流の場、家族の相談)/認知症サポーター養成講座/初期集中支援チームの活動/ネットワークづくり/啓発イベントへの参加や地域活動との連携などに取り組んでいる

・まとめ 認知症のある方への支援は、本人・家族・地域・専門職が一緒に考えて取り組んでいく(「新しい認知症観」)。本人や家族の暮らしを支えるためには、多様な関係機関との連携や取り組みが不可欠。










【事例報告】

「急性期病院から措置入所となった事例」

近江八幡市立総合医療センター 患者総合支援課 川本佐江子看護師


『事例1』70代 女性S 氏

【入院までの経過】

朝方、亡くなった夫の親戚が訪問時、便失禁し動けなくなっている状態の本人を発見。一旦ベッドに戻し用事を済ませて戻ったところ、再度、畳に便失禁し倒れている姿を発見。意思疎通とれず、発熱もあり救急要請。精査の結果、重症急性胆管炎で入院となる。

【社会的背景】

夫と2人暮らしで、夫とパチンコを打つのが日課だったが、数日前に夫が死去。※家族は救急要請された親戚は亡くなった夫の妹と甥。再婚のため、本人との血のつながりは無い。本人に子供がいたが、再婚し籍を抜いてから関わりが無く、入院されたことを連絡するが、急変時や死亡時の連絡も拒否。入院中のKPとなる方はいない状態。

※介護保険上は要介護1(夫が生前中に申請、地域包括の介入あり、ケアマネジャーなどの準備の段階であった)


【入院からその後の経過】

重症急性胆管炎の治療と共に、ADL低下を防ぐため、リハ ビリテーション介入。入院当初は「主人どこ?」「3日前に亡くなったのよ」など混乱された発言あり。帰宅願望も強く、「もう帰るわ」とソワソワされる様子が続いた。認知症症状あり、ナースステーションで塗り絵や動画を見て過ごすことで、少しずつ落ち着いて過ごされることが増えていった。自宅退院での独居生活は困難と判断し、施設や転院先の相談をする方向で老健施設や近隣病院に相談。→施設や転院は、保証人の関係上で困難、特例での入所も施設の空きがなく入所困難。ケアマネジャーとも自宅退院を想定し相談するが、自宅生活は認知症があり、夜間などの安全や金銭的な問題も考慮すると困難と話し合いで決定。地域包括担当者より市に相談され、判定会で措置入所の方向となる。本人に入所の流れを説明し同意を得る。入所先施設、市、地域包括担当者とカンファレンスをおこない、養護老人ホームへ措置入所となった。入院中に地域包括担当者にて権利擁護の利用調整、成年後見人制度の申請をされる。


『事例2』80代 男性I氏

【入院までの経過】

数ヶ月前から両足首の疼痛があり体動困難となった。内服も服用出来ず、寝たさりに近い状態となっていた。ヘルパーが訪問された際、Spo2が測定できず、かかりつけ医に相談し救急搬送される。体動時に息切れあり、間質性肺炎の増悪で入院となる。

【社会的背景】

元々生活保護受給者だったが、制度の見直しにより生活保護から外れた低所得者。年金10万円/月家賃4万円/月 介護保険代。年金支給前になると生活が苦しくなり、近所の方から食事の援助もしてもらっていた。お酒が好きで、入院前は買い物に行き、よくお酒を買われていた。

【介護保険と家族】

要支援2ヘルパーを週3回利用入院中に区分変更。本人独居で妻とは離縁されており、妻との間に娘が2人おられるが、よっぽどのことがない限り連絡はしないでほしいと、地域包括担当者の前任者から申し送られていた。地域包括担当者や市からも連絡をされていたが、全く連絡が取れない状態だった。妻と次女の連絡先もわからず。

【入院からその後の経過】

間質性肺炎に対してステロイドパルス療法と共に、ADL低下を防ぐためにリハビリテーションの介入。治療方針の説明のため長女に連絡するが繋がらず、留守電に伝言を残しても折り返しの連絡が無い状態が続いた。本人の認知機能の低下も見られ、治療の決定権は医療者の判断に委ねられた。長谷川式 16点。認知機能の低下あり、自宅退院で独居生活は困難と判断。転院や施設入所へと方向性を決め近隣病院や施設に相談するが、保証人や金銭面のこともあり転院困難。地域包括担当者から市へ相談。措置入所の条件(お金無し、家無し、支援者無し、介護認定要介護3以上)により困難。地域包括と市で何度か相談。判定会で措置入所の方向で進めてもらえることとなった。本人に施設入所の説明をし同意を得る。本人は、「家に帰れないと思う。歩けないからね」と自宅退院に対して消極的。金銭面では、「年金があると思うんだけどなぁ」と入院中に手持ちのお金で買い物をし、残金が無くなっても買い物の要求あり。退院日は、地域包括担当者と相談し、年金が支給される前に退院とした。一旦、ショートステイでの入所となり、退院された。入院中の医療費は、自己負担限度額制度で制限。オムツや寝衣などはレンタルされていたため、入院費以上の自己負担額となった。施設入所費もあり、入院費は分割払いとされた。退院後に、権利擁護の利用調整をされた。


『事例3』80代 男性N氏

【入院までの経過】

点滴希望で受診されるが、保険の話しになり帰宅希望。受診するまでの1ヶ月間、お酒とビスケットのみ摂取。その後、近隣のスーパーで体動困難になっているところを発見され、救急搬送。脱水の診断で入院。

【社会的背景】

7年前に前立腺癌診断。近医での通院を続けていたが、本人の都合により通院されなくなった。自宅はビールや酎ハイ、ワインなどの空き金、瓶が散乱。自宅は埃や落ち葉が積もっている。エアコンは無く、送風機のみ。調理はされず、鍋の中には腐敗したものあり。車を運転し、買い物や銭湯など行かれていた。

【介護保険と家族】

介護保険なし。入院中に認定調査。独居。0県に兄が在住。20〜30年ほど連絡を取り合っていない。連絡先はわからない。

【入院からその後の経過】

脱水、体動困難に対して補液で改善。状態も安定したため、退院の方針となった。全身筋力の低下を認め、また失禁状態であり、自宅の2階で生活されていたことから、退院困難と判断。独居であったことから地域包括に連絡すると、介入されていたことが判明し情報共有おこなった。兄の連絡先はわからず、住所を元に地域包括に連絡。兄も介入されていることが判明し、連絡を取ってもらう。本人の事をお伝えすると心配される。入院手続きのため保証人の了承を得る。地域包括担当者から介護保険の認定調査を依頼。調査後にケアマネジャーを選定。退院場所について本人は「自宅は人が住めるような状態では無い。」「掃除もしていない」「先生が嫌いになったので薬も飲まなくなった」と言われる。今後の生活や退院の話しについて何度も説明していたが、「聞いていない」「知らない」と言われていた。入院中に無断外出をしかけたことも覚えていなかった。ケアマネジャーと退院前カンファレンスをおこない、自宅退院に向けての問題点を共有。自宅は、掃除をされていない状態のため、清掃業者に依頼。歩行はできるが階段昇降が危険なため、安全面から生活の場を2階から1階に変更。ベッドのレンタル。宅食などのサービスを提供。退院日に自宅のハウスクリーニングを実施。退院時は、看護師がタクシー乗り場まで付き添い、行き先を告げ、自宅でケアマネジャーに待機してもらい退院。



『まとめ』

独居・身寄り無しの方が入院されることが多くなった。介護保険が未申請で、ADLが急激に低下している。医療区分が無く、保証人がおられないと転院、施設入所は難しい。自宅退院となり、地域包括やケアマネジャーに頼らざるを得ない。低所得者と、生活保護受給者でも格差がある。入院はあくまでも通過点にすぎない。本人の意思が尊重され、住み慣れた地域で暮らし続けていける支援をしていきたい。



【グループワーク】各グループでの意見交換

―テーマー

・独居で認知症のある方が在宅退院に向けてどのような連携が取れるか

・その人らしく安全に過ごせるように各々の立場でどのような取り組みができるか


【発表】

<1グループ>

・一つは独居高齢者には在宅で生活が続けられる方と難しい方とおられるんじゃないか、困難になってしまわれる方には、本人さん家族さん自身に地域の方の受け入れの意識がなく、薄くなってしまわれている方。そして親族家族間の生活歴の中で関係性が非常に悪くなってしまっていて地域とも孤立してしまわれる方。私たちサービス事業者が入ることで地域との関係性が途絶える傾向も指摘されています。それに対して、いわゆる近所におせっかいさんがおられると、在宅生活もなかなか続けていかれるんじゃないかなという意見がありました。

・馴染みの場の継続という視点で、本人さんも変わっていく、馴染んでいくことがあるので、そのような場を作れる支援者になってほしいとの意見もありました。

・都会でしたらなかなか近所というものはないので、独居は独居でいいんじゃないか、独居で悪いのというご意見は私もハッとさせられました。認知症独居の母親を引き取ろうと家族がすると、そういうことをしてはいけませんよとケアマネジャーから指摘された、それが結果的に良かったというご意見を聞いてなるほどなと思いました。

・環境として精神病棟などはやはり全く違う環境なので、環境が違う場に行ってしまわれると本当に症状的にも変わってしまう、人格が変わってしまうという意味で、環境はとても大事だというご意見がありました。

・言葉もやはり大事、認知症患者というのと、認知症のある人、認知症のある方というのとでは、言葉一つですが大きな違いがあるというのは、本当に私もドキッとさせられました。

・いずれは自分も通る道なんだということを自覚しないとねというご意見もあり、本当に勉強になりました。

<2グループ>

・病院からは、入院前の情報をしっかりと在宅事業者等から得た上で、その情報をもとにもう一度在宅に同じようにつないでいくという視点がすごく大事で、なおかつそこを在宅の方が継続して支援できるように、病院側も一緒になって考えていくというところが大事だとの意見が出ました。

・在宅に帰ってからですが、おせっかいさんとの1グループの方の発言にもありましたが、在宅の家に帰ってから地域の方がお帰りなさいと迎えてあげられるような形で、場を整えてあげるということもすごく大事なのではないか、近所の方が見に行ってあげるとか、民生委員の方が少し関わってあげるというところも大事かなという意見がありました。

・あとは問題点になるのかもしれませんが、病院側としてもケアマネジャーさんにつないだら安心してしまっているような現状も少しあるのではないかというところで、ケアマネジャーさんの負担が少し多くなってきているのではないかなというところが挙げられています。話の中でも訪問回数が決まっている中でも、毎日気になるから、どうしても見に行かないといけない場面があるとの話もあり、そういった面では制度であったり行政的な関わりというところをもう少し整えていかないと、独居で高齢者の状況が増えている中では、限界が少し増えてきているのではないかなというふうにグループの中では話し合いました。


<3グループ>

・話し合ったことの一つに、認知症でパニックを起こしやすい方の対応ということで、最初はそのパニックに関して傾聴していき落ち着いてもらうというご報告だったんですけども、途中からパニックを起こしてもいい環境づくりの視点で、地域の方や関わっている方に説明していくというのも重要だとの意見がありました。

・ある事例では、家族がもう諦めましたということに対して、かかりつけの先生が諦めるということも当事者にとってはいいことなんだよという一言をおっしゃったというお話が出てきました。

・もう一つの事例は、認知症の方ががんになった時のオペの方針。急性期病院ではオペをしていく方針になっていくんですけども、その人の退院後の生活を考えると、特に食道系とか消化器がん、あるいは人工肛門を作るようなケースでは、そちらの方が大変なことになるんじゃないかということでお困りの事例が出てきました。その中でもっと入院前の生活のことをしっかり丁寧に情報を収集していくことによって、考え方が変わるのではないかと。ただ情報提供書だけでは薄いので、そこのところを関わっているかかりつけ医だけではなくて、薬局あるいは介護関係者などからしっかり情報を取ることによって変わるんじゃないかと。この事例を提供された方も確かにそういうことが起こって
くる可能性があるので、しっかりとそこのところを進めていくということでした。

・最後に医療者は患者の生活を邪魔するという一言がありまして、私も半分がん患者なので仰っている意味がすごくよくわかりまして、いつもがんサポ喫茶ではぶっちゃけた話をさせていただいてます。

 

【コメント】

◯グループホームほおのき 管理者 山田敦子さん

 はじめまして。社会福祉法人で、ただいまグループホームほおの木となっていますけれども、今現在はおかえりという方で管理者をさせていただいています。以前はこの医療センターで看護師でずっと勤めておりまして、今も看護師業務を兼務しながら管理者をしています。デイサービスとグループホームを併設していて、学童も併設しておりますので、看護師の前理事長が退任しまして、今看護師業務を全部引き受けたりしています。今日は久しぶりに参加させていただきました。私自身が知識不足で、なかなか皆さんのお話の中についていけないところもあったんですけれども、やはり病院で経験していた時とは今はずいぶん変わってきたなという気持ちがあるんですが、やはりその人を知るということがいかに大切か、特にやはり認知症の人は独居イコール無理になるという意見が出ていたんですけれども、確かにそれはあるかなと思ったりします。実際、認知症のグループホームの中でだと、やはりできることできないことがある。どこを助けたらできるのか、そのへんをいつも考えながらケアに入っています。入院されても在宅に向けて、今この方のどのへんを補助してあげたら生活できるのかという視点で考えていき、こういうことが支援ができたら在宅で行けるんじゃないか、こういうことをするためにどのような職種の方と連携を取ったらいいのかというところを皆で検討していきながらいけると一番いいのかなと思っています。

 私はグループホームなので、はっきり言ってお金がやはりある方、資金面で困らないというところで入っておられて、長年入っておられると、だんだん持っておられる資金なども減ってきたりして、そろそろ特養の方に行かないといけないかなと言われる方もおられます。その意味で生活困窮者の方などは本当に大変だなということを今回思わせていただいたということと、やはりケアマネさんに関しては、何でもケアマネさんという感じで、もう本当に頼ってしまっていますし、困ったことがあったらケアマネさんに報告して、ケアマネさんがなんとかするかなと思ったりしてるところも、すごく反省をしています。

 フィードバックカンファレンスがあるということも初めて知りましたし、そういうところへはぜひ参加させていただきたいと思いますし、入院されたら情報提供は惜しみなくさせていただきたいと思いますし、退院に向けてのカンファレンスなども積極的に参加をさせていただきたいと思っています。

 あと一人の地域住民として、地域のサポートというところで、自分自身がやっぱりその地域の中に、こういう職業でありながら、あまり介入をしていないな、おせっかいおばさんになってないなと思いましたので、地域づくりの何か参加できるきっかけがあればいいかなと思いました。皆さん頑張ってください。



◯小規模多機能型居宅介護事業所 木もれびの家 東森侑介さん

 小規模多機能このれびの家でケアマネジャーをしています東森と申します。ちょっと僭越はございますけれども、ご指名をもらいましたので、少しだけコメントさせていただきたいと思います。今日発表してくださった方、グループワークしてくださった方、ありがとうございます。本当に今回のテーマである退院する独居の認知症の方をどう支えていくかというのは、現実的で難しいテーマだなというふうに思い、色々と皆様のご意見を参考にさせてもらいました。各グループの発表を聞いている中でやはり共通していたのが、僕たち専門職一人の力では支えきれないけれども、チームであったり地域がつながれば可能性がかなり広がるという視点だったかなと思います。認知症の方で独居となると、安全面の確保や生活の支援、あとはご本人さんの望みというものをどのように大切にしていくかという課題はかなりあるとは思うんですが、最終的に残るのが地域の中での関係性づくりみたいな、気に掛け合う関係をどう築くかみたいなところかなと思いますんで、医療とか介護だけじゃなくて、民生委員さんであったりご近所の方とか商店の方、そういう認知症方を取り巻く小さいつながりというのが、本人さんの大きな安心につながっていく、認知症の方の安心につながっていくのかなと思いますし、今日発表の中で近江八幡医療センターさんがいろいろ取り組みしてくださっていることや、地域包括支援センターの方の取り組みなどを聞かせてもらい、僕も近江八幡に住んでいますので、八幡に住んでてよかったなというふうにつくづく思いました。退院は医療から介護への移行期みたいな部分かなというふうに思いまして、同時に地域での暮らしへの期間みたいなものかなというふうに思いましたので、その時に地域全体でおかえりというふうに言えるような環境をどのようにに整えていけるかというのが、僕もケアマネジャーをしていますけれども、専門職としての託された役割かなというように思いました。どうしても一人ではできなくとも、皆さんと一緒にいろいろと考えていくことで、ちょっとずつでも在宅生活を支えるということができるかなと思いますし、あとは認知症の方の生活というものを、できないことを補うということだけじゃなく、できることを活かしていくという視点も結構大事かなというように思いましたので、これからも連携をしっかりしながら仕事に活かしていけたらなと思います。今回僕も三方よし研究会に参加するのは3年ぶりぐらいでしたので、これからもう少し参加させていただいて、しっかり連携をとっていければなと思いますので、今後ともよろしくお願いします。


【次回】

第215回 三方よし研究会

10月16日(木)18:30~20:30

当番 東近江圏域介護支援専門員連絡協議会、東近江敬愛病院



今回は認知症の方の入退院の場面をテーマに議論が盛り上がりました。皆様ご参加ありがとうございました。

次回もまたどうぞよろしくお願いいたします。


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