第185回 三方よし研究会を開催しましたので、ご報告いたします。
◇日時:令和5年5月18日(木) 18:30~20:30
(当番:医療法人社団昴会 )
ゴール
○ 脊椎疾患について理解を深める
〇 医療依存度が高い若年者の退院支援について理解を深める
東近江圏域介護職員初任者研修
楠神:三方よし研究会主催で、今年で8年目となる在宅生活を支援する介護職員を確保する為の介護初任者研修を開催しますので、ぜひ、関心のある方にお声をかけてください。小串先生、花戸先生はじめ地域医療福祉関係者が講義・演習を行っていただき、有意義な時となります。
介護福祉士実務者研修
楠神:初任者研修の修了生から国家資格にチャレンジしたいとの声を多数いただき、昨年度より、実務者研修を開催します。多数の皆様のご参加をお待ちしています。
【情報提供2】
・あいさつ
上田様:本日は昴会の当番で、第185回 三方よし研究会を開催させていただきますので、よろしくお願いたいします。
・昴会市民公開講座のご案内
上田様:5/28午後1時から、八日市の文芸会館で「心臓病でなくならないために」をテーマに開催しますので、ぜひご参加ください。コロナ禍を経て、このような公開講座も再開することができました。
【30分学習会】
テーマ『腰部脊柱管狭窄症 最新治療のイロハ 〜保存加療から手術加療まで〜』
発表:医療法人社団昴会 日野記念病院 滋賀脊椎センター 田中 真砂史 医師
腰部脊柱管狭窄症の定義からイロハ、 イ:基本的な保存療法 ロ:最新の薬物療法 ハ:最新の手術療法 について分かり易く説明していただきました。
キーワード
・ABI検査
・腰部脊柱管狭窄症の薬物療法、分離、ブロック療法、運動療法、物理療法
・痛みには急性痛と慢性痛がある。
・侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛
・簡易ツール、
・我が国で神経障害性疼痛に使用できる薬:(ミロアガバリン、プレガバリン、アミトリプチリン)
・退薬症状あり要注意。
・薬物療法無効例には手術を!(除圧術、開窓術、固定術)
※質疑応答・感想 …チャットの利用
Q:楠神(CM)患者さんは手術前に不安な気持ちを持っておられる方もおられますが、好事例なども説明していただけるのでしょうか?
A:田中先生 他の患者さんのレントゲン写真なども見ていただき、説明させていただいています。
テーマ『若年者で医療依存度が高い患者の退院支援~本人の希望を叶えるために~』
発表:医療法人社団昴会湖東記念病院 地域医療連携室 小澤
医療法人社団昴会日野記念病院 内科 山田伸一郎 医師 地域連携室 上田
小澤様(MSW):50歳代女性の症例紹介
・プラダー・ウイリ症候群(肥満・糖尿病・低身長、性線機能不全などの内分泌的異常及び特異的な・・・。)
・転倒し胸部打撲→肋骨骨折と診断。
・介護保険だけでは適切な支援を補えない為、難病申請を行い負担の軽減に努めた。
・本人:作業所に行きたい。 父:妻の介護もあり施設に預けたい。
・回復期リハビリは対象疾患でなく、受け入れできない。医療療法病棟、介護支援も受け入れ困難。
→一般病棟へ転院。
※若年層で継続的な医療処置がある患者にどのように支援をしていけば安心して生活ができるだろうか考えさせられる症例。
山田様(医師):歩くこともギリギリ歩ける。日中は酸素がなくてもなんとかやっていける。体重も減り、夜だけASVを装着している。すべての原因は肥満になり、体重もこの半年で40㎏以上減量している。医療病棟ではなく、知的障害の方が入れる施設を検討しています。
上田様(MSW):起き上がりは、手すりを使用しての動作可能。独歩にて統内歩行安定(50mの連続歩行)
A:(小澤様)入院当初からです。
テーマ『若年者で医療依存度が高い患者の退院支援~本人の希望を叶えるために~』
①どのような支援があれば自宅退院ができますか
②施設入所を希望された場合、どのような施設がありますか
③その他意見や感想があれば
【発表】
1G:どのような支援があればですが、1Gではこういうサービスがあるからスタートしたのではなく、このようなケース大変だよなってところから議論が始まりました。在宅に向けては、どのような望みを持っておられるのか、アセスメントしながら、みんなの安心を得られるようにしたい。そのうえで、グループホームなども検討できるのではと思います。その上で、介護保険だけでなく障害分野の活用なども選択肢にあげていきたい。
山田先生:140㎏位あって息ができない時に入院されている。今は69kgまで減っている。自宅で痩せる方法がなかったのか?と思います。できれば、60kg前半になって、もっと元気になって帰っていただきたい。
多職種と意見交換でき、自分の見ている目線の狭さを感じました。私の立場では在宅復帰に向けた支援方法を考えましたが、間島先生からは、5年度、10後の介護者の状況を考えた時に、本当に在宅に戻ることが幸せなのかの検討が必要との意見もありました。また、在宅のサービスも提案していただき、勉強になりました。
支援センター太陽 木本様
中島さんからも視野が狭くなっているとの意見や、多職種連携の醍醐味を言っていただきました。私が思ったのが、支援センター太陽は地域に近い存在であり、障害の分野では難病の方も対象に入り、支援ができるようになっています。多職種連携や資源を開発していくことも大切ですが、脊髄の疾患があり、進行性の難病をお持ちの方が、作業所が使えることになり、家に帰れた際に、「おかえり」と言ってもらうことが励みになられた。その後、今後のことも考えて、グループホームに入られています。資源だけでなく、生活の満足度をあげることも考えていきたい。フォーマル、インフォーマル関係なく、本人がしたいことを応援すると、結果的に資源開発に繋がります。
宇都宮様:
本日、滋賀県の看護協会で診療所の外来の看護師さんを対象に、外来で始める在宅療養支援をテーマにした研修を行ってきました。今回の出していただいた方も、実はかかりつけてずっと通っていて、でもその通院している時に、ほんとはいろんなことが崩れ始めていた大変な場面があったんだけど、どうしても忙しい外来中は、特に障害の相談員さんとやりとりするだとか、自宅でどうなんだろうかとお父さんの気持ちを聞いてみる、そんなことがなかなかできないのだけど、外来の場面で、意識してやれていくことで、なるべく、山田先生も先ほど仰ったように、早い時期の関りや、出会いを前に持っていくことが大事だなっていつも思います。そんなことに繋がったらいいなって、それが本当の意味でのかかりつけ医療機能ではないかと思っています。そのようなことを考えさせられけーすでした。どうも、ありがとうございました。
花戸:今日、皆さんとディスカッションできて、ありがとうございました。結論をだすだけでなく、多職種でこのように意見交換して一緒に考えることが大切ではと思いました。仲間や役割、居場所、そのようなことも考えたい。お父様がいなくなったあとも生活していけるように考えていきたい。このようなことが地域共生社会に繋がっていくと思います。
上田:皆さん、貴重なご意見をありがとうございました。このような機会を大切にしていきたいと思いました。
【連絡事項】
・令和5年度 三方よし研究会 総会 令和5年6月15日(木)18:00~18:30
・第186回 三方よし研究会 令和5年6月15日(木)18:30~20:30
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